家電製品ミニレビュー

パワフルな連続噴射のスチームで、サッとシワのばし! アイロンにもなる!

 衣類をハンガーにかけたままシワが伸ばせる家庭用衣類スチーマーに、強力なタイプが登場した。10月に発売されたティファールの、アイロンとしても活用できる1台2役の衣類スチーマー「トゥイニー NI5010J0」を紹介しよう。

ティファール「衣類スチーマー Tweeny(トゥイニー) NI5010J0」
メーカー名ティファール
製品名衣類スチーマー Tweeny NI5010J0
価格(編集部調べ)16,100円

大きさは一般的なスチームアイロンとかわらない

スチームが噴出するアイロンと、水タンクの本体が別れているタイプの衣類スチーマーだ

 トゥイニーは、プロ向けのスチーマーに見られるように、アイロン部と水タンクが分離したセパレートタイプ。だが、全体の大きさは150×180×330mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1.9kg。大きさも重さも一般的なスチームアイロンと大差はない。

 スチームが噴出するアイロン部には持ちやすいハンドルが付いており、重さは約500g。長時間ラクに持ち続けられる。

大きさは一般的なアイロンと大差ない
底にはゴム足が4つあるので、床の上に置いても滑りにくい

 アイロン部とタンク部は、水と電力が供給されるホースで繋がっており、その長さは約1.7m。水タンク本体を床に置いたまま、2mの高さに吊るした衣類にも届き、アイロンがけにも十分な長さが確保されている。それでいて、ホースも電源コードもコンパクトにまとめる工夫が施されているので、収納・移動にも困らない。

本体とアイロン部は水と電源が供給されるホースにつながれている。ホースの長さは1.7m
ホースは硬めなので、アイロンがけの際に絡みにくい
アイロン部の長さ(全長約30cm)を含めると、2mから吊り下げた衣類にも余裕で届く
ホースは水タンク本体の側面にスッキリとしまえる
1.85mの長めの電源コードも、本体後方に簡単にまとめられる
アイロン押さえはワンタッチで操作できる
アイロン押さえにはバネが仕込まれているので、確実にアイロンが留められる。片手で持ち運びができる

 アイロンのかけ面の広さは150×80mm。一般的なアイロンと手芸用アイロンの中間ぐらいのかけ面の広さだ。表面には滑りの良いセラミック加工が施されており、先端が丸い先細りチップで、細かい部分にも入りやすい形状になっている。

アイロンのかけ面に滑りの良いセラミック加工が施されている
先端は細かな部分にも入りやすい

スチームが出るまでの待ち時間が短い

 使い方はとてもシンプルだ。水タンクを取り外して水を入れ、タンクを本体にセット。次に「電源ボタン/電源ランプ」を押すだけ。45秒ほど待つだけで、点滅していた電源ランプが点灯に変わり、もう使えるようになる。

 1分もしないでアイロンのかけ面は十分熱くなり、スチームはハンドルの「スチームトリガー」をカチッと押すだけでたっぷりのスチームが噴出される。

水タンクは引き出すだけで簡単に外れる
「電源ボタン/電源ランプ」を押して電源をON。45秒ほどですぐに使える。温度調節は無し
アイロンのハンドルの「スチームトリガー」を押すとスチームが噴出される。トリガーはとても軽いタッチで押せる
400mlの大容量水タンクから水を送り続け、パワフルなスチームが途切れずに連続噴射を実現している

 スチームが作られる仕組みは、スチームトリガーを押すと水はタンクからアイロンへと送られ、熱せられたアイロン内部でスチームに変わる。トリガーを押すと本体から水を送る音がトクントクンと僅かに聞こえてくる。トリガーを押している間は、水タンクが空になるまでスチームが出続けるのだ。

 実際に満水にして試してみた所、なんと19分51秒もスチームは滞りなく出続けた。20分近くトリガーを押し続けたが、トリガーはハンドルを握っている指先を添える程度の力で押し続けられるのでまるで疲れなかった。

 なお、アイロンの温度は固定タイプとなっている。取扱説明書に固定温度は明記されていないが、温度ヒューズ190℃となっている点から、一般的なアイロンの高温に近いと考えて良いだろう。かけ面を直接当てられる素材は、麻(混紡・100%)、綿、合成繊維を目安として記載されている。スチームはベルベット、ウール・カシミヤ、シルクもOKとしているが、スチームにせよアイロンにせよ、かける前に衣類についている洗濯表示タッグを確認しよう。

 また、一定の時間(38分間)使わずに放置すると自動的に電源が切れ、安全面にも配慮されている。実測した立ち上がりの消費電力は1,400W弱だった。

給水気にせず一気に捗り、仕上がりも大満足!

 さっそく複数の衣類を用意して、衣類に応じてスチーム、アイロンをかけてみた。

夏用ジャケット(綿60%・麻40%の混紡)

 シワが取れにくい綿・麻の混紡のジャケットの「着ジワ」、しまいこんでできた「折りジワ」も、スチームだけでシューッと簡単にキレイになった。ジャケットはハンガーに吊るしたままかけられて簡単。生地の質感、ハリも蘇り、スチームだけでパリッっとした印象に仕上がった。スチームを全体的にかけることで、しまいこんでついたニオイも消えてしまった。

スチームだけで、綿・麻の混紡のジャケットもパリッっと仕上がった(右)。しまいこんでついたニオイも消えた
アイロンミトンがあるといっそう便利に使えるだろう
ネクタイも吊るして引っ張りながらスチームをかけるだけで、シワ、ニオイが消える
セーター(ウール100%)

 タンスに折りたたんでしまっていたセーターは取り出すとぺったんこ。だが、全体にスチームをゆっくりと浴びせるようにかけるだけでシワは消え、柔らかな風合いも復活。アイロンならあて布が必要だが、スチームをかけるだけなので手軽にサッとできる。

畳んでしまっていたので、袖はぺったんこ。折りジワもできている(左)。スチームを全体的にかけるだけで、シワも消え、柔らかな風合いも復活した
スチームだけなら、セーターも吊るした状態で簡単に手入れができる
シワ加工されたシャツ(綿100%)

もともと生地にシワが施されているシャツは、アイロンでプレスすると風合いが消えてしまいがちだ。だがスチームならば生地が持つ風合いを残したまま、洗濯でできたシワはキレイに消え、生地自体のハリも復活。襟のみアイロンでプレスすれば、あらたまった印象にも仕上げられる。

スチームなら、ちりめんのようなシワ加工されたシャツの風合いを生かしたまま仕上げれられる(右)
スチームを当てるだけで洗濯でできたシワは消えてしまった
好みに応じて襟にアイロンをかければ、オシャレ度もアップ
生地が厚手のシャツ(綿100%)

生地が厚め綿のシャツはスチームを噴出しながら、アイロンで仕上げた。たっぷりのスチームと相まって、気持ち良く深いシワもサッと消えていく。生地がさらに厚い襟、袖もピシッと仕上がった。一般的なアイロンよりもかけ面は小さいが、スムーズに動き小回りが効く。

スチームアイロンとしてもバッチリ。一般的なアイロンと変わらない仕上がりが得られた
生地が重なる襟、袖口も強力なスチームと合わせてピシッと仕上げられる

 以上、ジャケット、セーター、シャツ2枚を立て続けに、かつ丁寧にスチーム、またはアイロンをかけたが、いずれも満足の行く仕上がりが得られた。

 また、高温のスチームは衣類以外にも、日常的に触れる布製品のケアに活用できる。カーテンやクッション、枕、ぬいぐるみなどに使えば、殺ダニ効果、除菌、脱臭、アレル物質対策、花粉対策が期待できる。カーテン全体にスチームをかけてみたところ、染み付いていたニオイも消えてスッキリ。

長時間続くパワフルなスチームで、衣類以外の布製品のケアにも大活躍。殺ダニ効果、除菌、脱臭、アレル物質対策、花粉対策が期待できる

思いたった時にサッと衣類のケアができる

 使って実感するのは、アイロンがけに比べてスチームでのシワ取りはとにかくラクだ。アイロンがけのテクニックが無くても、強力なスチームを吹きかけるだけで、深いシワがたちどころに消えてしまう手軽さ、面白ささえある。スチームの出るアイロン自体が軽くて疲れず、簡単に扱える。

 コードレスタイプではないが、その分パワフルなスチームが再給水の必要もなく長時間続くのは使いやすい。ホースも思いのほか邪魔にならなかった。立ち上がりの時間が短く、スチームだけならアイロン台の出し入れも、台を拡げる場所の確保も要らないので、思い立った時にサッと衣類のケアができる。

 アイロンを持っていない人はもちろん、アイロンがけが面倒と思っている方にも大いにオススメしたい衣類スチーマーだ。

藤原 大蔵