家電製品ミニレビュー

とにかくスチームの量がスゴい! ティファールの衣類スチーマーの実力は!?

 衣類をハンガーに掛けたまま、シワが伸ばせる衣類スチーマーが人気だ。アイロン掛けが苦手で、これまでさまざまなスチーマーを試してみたが、期待したほどの効果を得られたものは少なかった。そこで試してみたのが、パワフルスチームが特徴という、ティファールの衣類スチーマー「アクセススチーム」だ。

ティファール「アクセススチーム」
メーカー名ティファール
製品名衣類スチーマー アクセススチーム
型番DR8085J0
実売価格9,125円

 不思議な形状をしたスチーマーだが、最大23g/分の強力なスチームを最長18分出し続けられるという。最初はその形状に驚いたが、結論から言ってしまうと大満足。シワが気になってクローゼットに眠らせていた衣類たちがキレイに蘇り、スチームによるシワ伸ばしがかなり楽しくなった。

 操作はシンプルで、本体背面の電源ボタンを押したあと、ヘッドの付け根にあるスチームトリガーを引いてスチームを噴出する。モードやタイマーなどの機能はなく、トリガーを引いてスチームを出すだけなのでわかりやすい。

 スチームを当てていい素材としては、麻(混紡)・綿と合成繊維をメインとしている。羊毛と絹、ベルベットは使用できるが、ヘッドを衣類に当てず、スチームのみを当てるようにと注意書きがされていた。革や合皮、麻(100%)には使用できない。

中央を握って使う。カラーも形状もペンギンっぽくてちょっと可愛い
本体のほか、ヘッドカバー、ブラシ、ドアフックが付属する
電源ボタンは背面に備える
ヘッドの付け根にあるスチームトリガーを引くとスチームが噴出する。ハンドルを握ったときにちょうど指が当たる

 水タンクは取り外し可能で、本体ごと水道まで持っていかずに済む。タンク容量は185mlと大きく、最長18分スチームを出し続けられるのも納得だ。

 ただし、タンクに目盛りなどはないため、最初はどこまで水を入れていいのかわからなかった。説明書には、入れすぎてこぼさないように注意とだけ書かれていたので、こぼれない程度なら水をたっぷり入れても問題なさそうだ。

水タンクは取り外し可能
注水口は狭いので水がこぼれやすいが、本体にセットする前に拭いておけば問題ない

スチームがモクモクと! パワフルさに期待大

 電源をオンにすると、次第にヘッドが温まってきた。電源ボタンの青いランプが点滅から点灯に変わったら使用OKのサイン。立ち上がりにかかった時間は約45秒でスピーディーだ。

 注意が必要なのは、一番最初に使うとき。青いランプが点灯に変わったのでトリガーを引いたが、なかなかスチームが出てこない。壊れてる……? と心配になるほどスチームが出てくる気配がない。説明書に、使いはじめはスチームが出にくいと書いてあったので、諦めずにトリガーを引いたままにしたらやっと出てきた。

 後はもう問題なく、ひたすらモクモクと煙が上がるようにスチームが出てくる。これは期待できそうだ。

トリガーを引いた状態。スチームの量がスゴい!

 まずはポリエステル素材のブラウスのシワを伸ばしてみた。裾を引っ張りながら、たっぷりのスチームを衣類に当ててみると1ストロークでまっすぐに。相性が良かったようで、きちんとシワが伸びて大満足だ。

 ドレープの入ったブラウスのため、これまでアイロンでプレスをすると風合いも損なわれてしまって扱いにくかった。スチーマーならシワを伸ばしながらもドレープはきちんと残っていて、キレイに仕上がっていた。

裾を引っ張りながら衣類にスチームを当てる。ポリエステル素材の衣類はシワが伸びやすかった
Before。シワが目立つ
After。キレイにシワを伸ばせた

 なお、使用の際は必ずヘッドにカバーを装着する。カバーは、スタンダードな「ヘッドカバー」と、厚手の衣類向けの「ブラシ」の2つがある。先述のブラウスにはヘッドカバーを付けたが、今度は厚手のウールコートのシワ伸ばしをしたかったのでブラシに付け替えた。

 一度スチームを温めるとヘッドは高温になっているので、カバーを付け替える際は電源を切ってヘッドが冷めているか確認しよう。

ヘッドに何も付けていない状態では使用しない
2つのタブが下部にくるように装着する
ヘッドカバー。細かいメッシュのようになっている
ブラシ装着。スチームを直接届けやすく、厚手の衣類や毛足の長いものに向いている

 ウールコートにスチームを当てるときは、ブラシが当たらないようにヘッドを少し離して使用した。ブラウスよりも時間は掛かったが、2~3回同じ箇所にスチームを当てるとシワが伸びていき、満足のいく仕上がりに。

 これまで使っていたスチーマーは、コートにスチームを当てても全然シワが伸びる気配がせずイライラすることが多かった。しかしアクセススチームは、目に見えてシワシワだった衣類がすっきりしてくるのでやりがいがある。

 完全にシワがなくなった訳ではないが、外に着ていく分には恥ずかしくないほどになったので十分だ。コートの背面のシワを伸ばすのに掛かった時間は1分半ほどでスピーディーに使えた。ただし、本体重量900gにくわえて水が入っている状態なので、使っているうちに腕が疲れてくる。女性にはちょっと重く感じるだろう。

Before。ウールのコートがシワシワに……
After。完全にシワが伸びた訳ではないが、人前に出ても恥ずかしくないくらいにはスッキリした

 また、使用中は、トリガーを引いたままにしているとさらに疲れる。スチームを出しっぱなしにしているほうがやりやすいので、トリガーロックを使うのがオススメ。トリガーを鍵アイコンの方に下げればロックを掛かり、スチームが出続ける仕組みだ。

 使っているとたまに水滴が垂れることがあるので、火傷には注意したい。水滴はあまり熱くなかったが、改良の余地がありそうだ。

スチームトリガーを鍵アイコンの方に下げればロックが掛かり、スチームが出続ける

シャツは苦手? アイロン掛けできない衣類向けのスチーマー

 衣類スチーマーでYシャツのシワ取りを考える人も多いと思うが、個人的にはあまりオススメできない。男性向けのYシャツなどは、アイロンでしっかりプレスした方がパリッと仕上がるからだ。

 試しに旦那のシャツで試してみたところシワは伸びたが、やはりこちらはアイロン向きの様子。時間がないときに、とりあえず恥ずかしくない程度にシワを伸ばしたいときには使えるだろう。

 なお、ブラウス、コート、シャツと続けて使っても、タンクに水はまだ残っていた。たっぷりのスチームを噴射してもすぐに水はなくならず、頻繁に給水しなくて良いので扱いやすかった。

旦那のシャツで試してみた。右側だけスチームを当てたところシワは伸びたが、こちらはやっぱりアイロンの方が向いていそうだ

 付属のドアフックや、椅子にちょい掛けできるフックなども付いていて細かな配慮も嬉しいポイント。コンパクトなので収納場所も取らず、忙しい朝でもサッと使いやすい。

 ハンガーに掛けたままの手軽さながら、厚手のコートもシワを取ってくれて重宝している。素材によって向き不向きはあるが、コートやブラウスなど、アイロン掛けをしにくい衣類が多い人にオススメできる製品だ。

付属のドアフックが便利だった
ドアに掛ければ、衣類を掛けたハンガーを吊るせる
下部に白いフックが付いている
椅子の背もたれにちょい掛けできる

西村 夢音