家電製品レビュー

コンパクトで小回りが効いて蒸気が強力! ティファールのスチームアイロンは使い続けられそう

ティファールのスチームアイロン「フリームーブ ミニ FV6460J0」

5年前から自分でワイシャツにアイロンをかけるようになった。自宅で仕事しているときなどは、ちょっとした合間に、何枚かのワイシャツのアイロンがけをすると気分転換になって良い。

これまでパナソニックや東芝のアイロンを愛用していた。どちらも使いやすくて不満もない。一方で、以前使ったことのあるティファール製品は、筆者には少し大きく感じられた。

そのティファールから、コンパクトなコードレススチームアイロン「フリームーブ ミニ FV6460J0」が発売されたので、使ってみることにした。

メーカー名T-fal
製品名フリームーブ ミニ「FV6460J0」
価格15,000円

軽量でコンパクトなコードレススチームアイロン。コードレスながら最大90g/分のパワフルジェットスチームが特徴だという。
給電台を除いた本体サイズは、106×210×134mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約920g。

大きさに関しては、以前使ったスマートプロテクト「FV4970 JO」よりも、コードレス化したこともあってか、だいぶ小さい。

衣類スチーマーではなく、あくまでアイロンなので、ちょうどよい重さ。持っても重いと感じるほどでもなく、アイロンがけ時には本体の自重で服をしっかりとプレスしてくれる。

コンパクトで軽量。軽々と持ち上げられる
東芝のアイロンTA-FLW900(左)との大きさ比較

縦置きに対応している点も、地味にうれしい。「ここのシワをちょっと両手で整えたい」といったときに、アイロン台の上に立てておける。縦置きしたのを忘れて、ほかの用事などをしてしまったら危険だ。だが、そんな場合にも、8分間使わずに放置すると自動的に電源が切れる仕様になっている。

縦置きにも対応

アイロンがけのしやすさをチェック

実際にアイロンがけしてみると、コードレス化とコンパクト化による使いやすさを実感できる。このくらい小さい方が、アイロンのライトユーザーの筆者には使いやすい。

セラミックコーティングが施されているアイロン面は、低/中/高の3段階で温度を調節できる。設定すべき温度は生地にもよるが、「高」に設定した方が、アイロン面の滑りがよくなる。

ただし、東芝やパナソニック製の上位機と比べると、アイロンの滑りはいまひとつ。感覚比でしかないが、指一本で軽く押してもツルツルと滑る前述の国産2機種と比較すると、同機はアイロンを進める方向に、少し力を加えてあげる必要があった。

とはいえ筆者の場合は、1度にアイロンがけするのは、シャツ1~2枚ほどなので、それほど気にする必要はない。

ハンドル部にあるボタンで温度を3段階で設定できる
セラミックコーティングされたアイロン面
動かすには少し意識して力を加える必要がある

ツルツルと滑ってくれた方が助かるが、それと同様にコンパクトで機動性の高さがうれしい。特に気を使う必要もなく、家庭用の狭いアイロン台の上でもストレスなく動かせる。

またアイロン面の先端が、少しすぼませてある点も良い。シャツのボタンとボタンの間の狭い場所や、プリーツなどをプレスしやすいのだ。

アイロン面の先端が、少しすぼませている
シャツのボタンとボタンの間など、狭い場所でもプレスしやすい
コンパクトだが強力なスチーム性能

何度もプレスしても、なかなか取れない頑固なシワ取りに有効なのが、「ジェットスチーム」ボタンだ。

まず、ジェットスチームを使う時には、温度設定を「高」にして、アイロン面をよく温めたあと、ドライ切替レバーを「スチームオン」にする。

あとはプレスしながら「ジェットスチーム」ボタンを押せば、ブファッ! とスチームが放出される。生地を通過してアイロン台の下からも、シュッ! とスチームが出てくる。「ジェットスチーム」という強そうなネーミングがピッタリの強力さだ。

その様子を見ると「あぁ、しっかりとスチームがシャツの繊維をほぐしてくれただろうなぁ」と思う。実際に、ジェットスチームを掛けたあとに、しっかりとプレスすれば、格段にシワが取りやすくなる。

本体前方にある注水口
温度設定を「高」、ドライ切替レバーを「スチームオン」にしてから、「ジェットスチーム」ボタンを押すとスチームが勢いよく放出される

ただし、ジェットスチームは、連続して何度も使えない。これは他のスチームアイロンと同様だ。説明書には「連続使用する時は、少なくとも4秒間あけてください。湯滴漏れの原因になります」と書かれている。

まぁそれでも筆者をはじめ多くの気ぜわしいユーザーは、プシュップシュッと何度も連続して押してしまうかもしれない。そうすると、だいたい3回目以降はジェットのような力強いスチームは出てこないので注意しておきたい。

ジェットスチーム!

脱臭や除菌目的でバーチカルスチーマーとして使うのはあり

ハンガーなどにかけた状態でバーチカルスチーマーとしても使える点が、同機のポイントでもある。ただし、やはり専用の衣類スチーマーと比べると、連続してスチームできる回数は少ない。

実際にハンガーがけした冬物コートでジェットスチームボタンを押し、1-2回プシュ~プシュ~とスチームをかけてみた。たしかにスチーム量は多いのだが、プッシュ2回分では片袖だけでも全体にスチームをかけるのは難しい。

そもそも説明書の注意事項として「ジェットスチームボタンを連続して早く押さない」ように注意書きがあるのだから、スチーマーとして使って、1枚のシャツのシワを取り除くのは現実的ではない。

ただし、プレスアイロンの代わりとして使うのではなく、脱臭や除菌を目的にスチームをかけるのは有用だ。例えば気軽に洗濯できないコートなどを、定期的にスチームがけするのには良いと感じた。

消臭や除菌目的で全体にまんべんなくスチームを掛けるのには有用
スチーマーとして使った様子
ケースのフタは開けやすくしてほしい! トータルでは高い満足度

本体をコンパクト化したということは、アイロン面も小さくなったということ。広い後ろ身頃などをアイロンがけする時には、若干時間がかかるが、気になるほどではなかった。むしろ、コンパクトで小回りが効き、使いやすさを実感する。

おおむね満足感の高いアイロンだったが、唯一と言っていいだろう不満点が、1つあった。

本当に、大した問題ではない人には大した問題ではないのだけれど……。

ケース(フタ)がすこぶる取り外しにくいのだ。

初めてケースを取り外そうとした時には、なかなか外せず「もしかして外し方が間違っているのか? 」と、説明書を何度も確認してしまった。

単にケースの両端を外側に開きながら持ち上げるだけなのだけど、これがなかなか外れない。男性の筆者がかなり力を入れないと外せなかったので、あまり力に自信がない人だと、本当に取り外せないんじゃないかと心配になるほどだった。この点だけは、なんとかしてほしい。

そのほかに不満な点は特にない。週に5枚のワイシャツをアイロンがけするくらいのライトユーザーにとっては、とても使いやすく満足感の高いアイロンで、これからも使い続けられそうだ。

ケースに収納すると、よりコンパクトに感じられる
ケースのフタを外す時は、サクッと外せる油断せず、しっかりとフタの両端を広げてあげよう

河原塚 英信