家電製品レビュー
煙が出にくいコンパクトロースターで家飲み! 自宅で気軽に炉端焼き
2021年5月7日 08:00
ラドンナからこの春に発売された「Toffy スモークレス焼肉ロースター」。その名が示すとおり、煙が発生しにくいという卓上タイプの電気ロースターだ。
“サイドヒーティング方式”という機構によって、煙が発生しにくいことが特徴。熱源として、本体長辺の両側にそれぞれ1本ずつカーボンヒーターを備え、上面に焼き網、またはプレートをセットして食材を加熱する仕組みとなっている。
本体下部にトレーを備え、水を入れて使用する。焼き網を使用した場合には網の間から油分が水を入れたトレーに落ちることから、油がヒーターに触れることなく、煙が発生しないというわけだ。食材から余分な油分をカットできるため、ヘルシーに調理ができるのがメリット。価格は18,000円(税別)。
遠赤外線でジワジワ加熱。お肉も野菜も美味しく焼ける!
本体を箱から出した際の第一印象は「コンパクト」。スペック上の本体サイズは43.7×23.5×15.5cm(幅×奥行き×高さ)と横長で、テーブルを占有せずに利用できるのがうれしい。焼き網やプレートといった付属品もキレイに重ねて収納できるため、使わないときに場所を取らない点もメリットだ。本体重量は3kg程度でラクに動かせる。
前述のとおり、焼き網で調理する際には下のトレーに水を注いで、スイッチを入れるだけ。ダイヤル式の操作部で、温度を「WARM~HI」まで無段階調節でき、ガスコンロの感覚で直感的に使用できる。本体が高温になりすぎた際には、自動で電源をオフにするサーモスタット機能も働くので安心だ。水を入れるトレーは、引き出し式で注水時もお手入れの際も扱いやすい。
熱源にカーボンヒーターを採用しているため、立ち上がりが早いのも利点。電源をオンにするとすぐに温まる。反面、遠赤外線の輻射熱による加熱のため、食材への火のとおりはゆっくり。ジワジワと加熱していくので、焦げにくいが、分厚いお肉などは焼き上がるまでに結構時間がかかる。晩酌など酒の肴をじっくり時間をかけて調理するのには相性がよい。
反対に、大人数での食事や、スピーディーさが求められる食事シーンにはあまり向かない。コンパクトゆえに、食材を一度に載せられる量に限界があり、かつ時間もかかるため、ファミリー向けというよりも大人が1~3人程度で囲むシーンに向いている。
焼き具合に関しては、焼き網を使用した場合は、遠赤外線なので炭火焼きに近い感覚。本物の炭火焼きの美味しさにはさすがに敵わないが、お肉類は表面はカリっと、中はふっくらという食感に仕上がる。また、焼き野菜系も得意で、炭火のようにすぐに真っ黒になることはなく、野菜の旨味を引き出しながらとても美味しく焼ける。
本当に煙はほとんど出ない!
セールスポイントとして謳う、「煙が発生しにくい」点に関しては、そのとおり確かに“スモークレス”。一般的な焼肉シーンのようにモクモクと煙が出ることはない。ただし、ときどきジュっと音を立てて、小さく煙が上がることがある。
というのも、水の上に落ちた油が跳ねてヒーターに接触した際に煙が発生してしまうことがあるためだ。煙というよりも湯気に近いかもしれない。また、もちろん煙はほとんど出ないが、「煙がでない=ニオイがしない」というわけではなく、それなりにニオイはする。
また、予想外に利点と感じたのは、油跳ねが少ないこと。油は網の下に落ちるため、外側に跳ねる量は圧倒的に少ない。一般的なホットプレートで焼肉をするよりもテーブル周りが汚れず、後片付けがとても楽だ。
平面プレートは、下に油が落ちることがないため、この構造のメリットを感じることはあまりないが、食事中にも焼き網と交換して、サイドメニューを楽しんだり、バリエーションに変化を持たせられるため、あればうれしい付属品だ。
焼けていく様子をじっくり楽しむ“おうち炉端焼き”に
焼き網や平面プレートは簡単に外れて、お手入れができる。フッ素加工も施されているが、焼き網に関しては“皮”がある食材はどうしてもくっつきやすい。また、ヒーターを覆う保護ネットは取り外せないため、手入れがしづらいことが難点だ。ヒーター周りは1回使用しただけでもそれなりに汚れてしまったが、保護ネットのためにお手入れができないことから、この部分は改善を求めたい。
もう1つの注意点として、使用中にいつの間にかトレーの水がなくなってしまうことがあり、それに気付きにくいことが挙げられる。水がなくても調理は続行できるが、本体が高温になってしまう恐れがある。もちろん、サーモスタット機能で電源が自動で切れるが、使用時に気を付けたい点だ。
焼肉、焼き魚など、いくつか調理を試してみたが、おすすめの利用シーンは、“おうち炉端焼き”。煙が出にくく、じっくりと食材が焼けていき、その様子や具合を目でも堪能できる楽しさがある。コロナ禍で外食自粛が続く中、自宅でゆったりとした食事時間を過ごす、“家飲み”のお供にイチ押ししたい。