家電製品レビュー

煙が出にくいコンパクトロースターで家飲み! 自宅で気軽に炉端焼き

ラドンナ「Toffy スモークレス焼肉ロースター K-SY1」

ラドンナからこの春に発売された「Toffy スモークレス焼肉ロースター」。その名が示すとおり、煙が発生しにくいという卓上タイプの電気ロースターだ。

“サイドヒーティング方式”という機構によって、煙が発生しにくいことが特徴。熱源として、本体長辺の両側にそれぞれ1本ずつカーボンヒーターを備え、上面に焼き網、またはプレートをセットして食材を加熱する仕組みとなっている。

本体下部にトレーを備え、水を入れて使用する。焼き網を使用した場合には網の間から油分が水を入れたトレーに落ちることから、油がヒーターに触れることなく、煙が発生しないというわけだ。食材から余分な油分をカットできるため、ヘルシーに調理ができるのがメリット。価格は18,000円(税別)。

本体上面。焼き網のサイズは約31.5×15cm(幅×奥行き)
焼き網の下にトレーを備える。ここに水を張り、焼き網の間から滴る油分を受け止める仕組み。焼き網だけでなく、付属の平面プレート(写真上)も取り付けられる
本体の長辺の両側に1本ずつカーボンヒーターを装備

遠赤外線でジワジワ加熱。お肉も野菜も美味しく焼ける!

本体を箱から出した際の第一印象は「コンパクト」。スペック上の本体サイズは43.7×23.5×15.5cm(幅×奥行き×高さ)と横長で、テーブルを占有せずに利用できるのがうれしい。焼き網やプレートといった付属品もキレイに重ねて収納できるため、使わないときに場所を取らない点もメリットだ。本体重量は3kg程度でラクに動かせる。

平面プレートと焼き網は重ねて収納可能。電源コードは着脱可能で、取り外して引き出し式のトレーの中に収めておける

前述のとおり、焼き網で調理する際には下のトレーに水を注いで、スイッチを入れるだけ。ダイヤル式の操作部で、温度を「WARM~HI」まで無段階調節でき、ガスコンロの感覚で直感的に使用できる。本体が高温になりすぎた際には、自動で電源をオフにするサーモスタット機能も働くので安心だ。水を入れるトレーは、引き出し式で注水時もお手入れの際も扱いやすい。

トレーは完全に引き出して外せるので、お手入れも簡単
操作部は本体側面に。ダイヤル式でガスコンロのように直感的に操作できる

熱源にカーボンヒーターを採用しているため、立ち上がりが早いのも利点。電源をオンにするとすぐに温まる。反面、遠赤外線の輻射熱による加熱のため、食材への火のとおりはゆっくり。ジワジワと加熱していくので、焦げにくいが、分厚いお肉などは焼き上がるまでに結構時間がかかる。晩酌など酒の肴をじっくり時間をかけて調理するのには相性がよい。

反対に、大人数での食事や、スピーディーさが求められる食事シーンにはあまり向かない。コンパクトゆえに、食材を一度に載せられる量に限界があり、かつ時間もかかるため、ファミリー向けというよりも大人が1~3人程度で囲むシーンに向いている。

焼き具合に関しては、焼き網を使用した場合は、遠赤外線なので炭火焼きに近い感覚。本物の炭火焼きの美味しさにはさすがに敵わないが、お肉類は表面はカリっと、中はふっくらという食感に仕上がる。また、焼き野菜系も得意で、炭火のようにすぐに真っ黒になることはなく、野菜の旨味を引き出しながらとても美味しく焼ける。

ヒーターの立ち上がりは早いが、火力は穏やか。焼けるには少々時間がかかるため、薄いお肉が◎。遠赤効果で野菜は焦げにくく、旨味を引き出しながらとても美味しく焼ける
串刺しの焼き鳥は、裏返しもしやすく相性ピッタリだが、厚みのある具材は時間がかかるので、じっくりと

本当に煙はほとんど出ない!

セールスポイントとして謳う、「煙が発生しにくい」点に関しては、そのとおり確かに“スモークレス”。一般的な焼肉シーンのようにモクモクと煙が出ることはない。ただし、ときどきジュっと音を立てて、小さく煙が上がることがある。

というのも、水の上に落ちた油が跳ねてヒーターに接触した際に煙が発生してしまうことがあるためだ。煙というよりも湯気に近いかもしれない。また、もちろん煙はほとんど出ないが、「煙がでない=ニオイがしない」というわけではなく、それなりにニオイはする。

焼き網の間から油が下のトレーに落ちるため、煙がほとんど出ない。たまに落ちた油の勢いで水が跳ね返ってヒーターに当たり、油煙が上がることも。いつの間にか水がなくなってしまうこともあるので気を付けたい

また、予想外に利点と感じたのは、油跳ねが少ないこと。油は網の下に落ちるため、外側に跳ねる量は圧倒的に少ない。一般的なホットプレートで焼肉をするよりもテーブル周りが汚れず、後片付けがとても楽だ。

平面プレートは、下に油が落ちることがないため、この構造のメリットを感じることはあまりないが、食事中にも焼き網と交換して、サイドメニューを楽しんだり、バリエーションに変化を持たせられるため、あればうれしい付属品だ。

平面プレートは下に油が落ちることはないため、オプションパーツ的存在。焼肉の後に焼きそばを調理したり、プラスαの一品や、一度に複数のメニューを楽しむのにも便利だ
両サイドにフックがあり、焼き網や平面プレートの交換はとても容易だ

焼けていく様子をじっくり楽しむ“おうち炉端焼き”に

焼き網や平面プレートは簡単に外れて、お手入れができる。フッ素加工も施されているが、焼き網に関しては“皮”がある食材はどうしてもくっつきやすい。また、ヒーターを覆う保護ネットは取り外せないため、手入れがしづらいことが難点だ。ヒーター周りは1回使用しただけでもそれなりに汚れてしまったが、保護ネットのためにお手入れができないことから、この部分は改善を求めたい。

焼き魚は遠赤の効果で美味しく仕上がるし、調理中の見た目も楽しい。ただし、皮が引っ付きやすく、ひっくり返す際に身がバラバラになりやすいので、干物のような乾き物のほうが向いているだろう
使用後、下のトレーは取り外して簡単にお手入れできるが、ヒーター周りがどうしても汚れてしまう
ヒーターの前にはガードがあり、取り外すことができないのが難点。すき間から汚れを拭き取る程度になってしまう

もう1つの注意点として、使用中にいつの間にかトレーの水がなくなってしまうことがあり、それに気付きにくいことが挙げられる。水がなくても調理は続行できるが、本体が高温になってしまう恐れがある。もちろん、サーモスタット機能で電源が自動で切れるが、使用時に気を付けたい点だ。

焼肉、焼き魚など、いくつか調理を試してみたが、おすすめの利用シーンは、“おうち炉端焼き”。煙が出にくく、じっくりと食材が焼けていき、その様子や具合を目でも堪能できる楽しさがある。コロナ禍で外食自粛が続く中、自宅でゆったりとした食事時間を過ごす、“家飲み”のお供にイチ押ししたい。

じっくりと時間をかけて楽しむ“一人飲み”に最適。2~3人で楽しむ場合には、サイドメニューを複数用意したいところだが、本体がコンパクトなので卓上に並べやすい
神野 恵美