家電レビュー

焼き肉の煙カットはホントだった! ピーコックのプレートで肉もサンマもおいしく

ホットプレート 電気焼肉器「WY-D120」

家電 Watchで最近人気だった記事の一つに、ピーコック魔法瓶工業の「ホットプレート 電気焼肉器 WY-D120」がある。よく読まれた理由は「煙87%・油ハネ98%カット」という点だと推測できる。これが本当だとすれば、自宅でもあまりニオイなどを気にせずに、焼き肉が楽しめるんじゃないか? ということで、さっそく使ってみることにした。

肉の油をプレート上に溜めず、煙が出にくい構造

さっそく「電気焼肉器 WY-D120」を箱から出しながら、その構造を探ってみた。すぐに本機が、煙や油ハネをカットできる理由が、よく分かった。

本機は、ヒーター内蔵の網目状のプレート、本体ガード、それに受け皿で構成されている。

右から、プレート、受け皿、本体ガード
本体ガードの中央に受け皿を設置。水を入れてから使う
プレート部の裏面には、ヒーターが内蔵されている
プレートの表面は、油が滴り落ちやすい形状

通常、焼き肉をしていて煙が出たり油ハネが起きるのは、肉から出てくる油の逃げ場がない、鉄板を使っているからだ。例えば肉を焼くと油が出てくる。または焼く前に油を鉄板に塗ったりするだろう。そうした油が鉄板の上に溜まっていき、煙が発生したり油がハネたりする。そのほか、肉を焼きすぎると焦げてしまい、煙が発生する。

つまり、焼く前に油を塗らず、肉から出てくる油の逃げ道を作ってあげれば、多くの煙や油ハネがカットできる。

本機の場合は、鉄板ではなく、網目状のプレートを採用している。肉から出てくる油はもちろん、野菜の水分などもプレートの下へ滴り落ちる。だから煙が出にくく、油ハネが起きにくいのだ。

この、肉の油を溜まらないよう、下に落としていくという構造は、「Toffyスモークレス焼肉ロースター K-SY1」と同じ。ただ、油を下に落とすということは、プレートの下に、ヒーターなどの熱源を配置できなくなる(例えばヒーターに油が滴り落ちる構造にしてしまっては、それこそ煙がたちこめるだろう)。そこで、「Toffyスモークレス焼肉ロースター K-SY1」の場合はヒーターを側面に配置している。

それに対して今回の「電気焼肉器 WY-D120」の場合は、ヒーターをプレートの裏面に“内蔵”している。そのため、電源を入れればプレートはすぐに熱くなるし、油が熱源の近くに溜まることもない。

いろいろと焼いてみた

実際に家族で焼き肉を楽しんでみた。

使った食材は、牛肉のロースや、脂分の多い豚肉、それに野菜。煙が出やすそうなサンマも用意しておいた。

電源をオンにすると、すぐにプレートが熱くなっているのが確認できた。プレートにはフッ素コーティングが施されているため、油を塗らずに食材を置いていく。煙を完全にカットできはしないが、かすかにジュウジュウと音がし始める程度で、煙は目立たない。

ロースではもちろんだが、脂分の多い豚肉だと、さらに効果がわかりやすい。プレートに置いて、まもなくすると肉の全面から油が浮き出てくる。だが、肉の側面や底面から出てくる油は、面白いくらいにプレートの底へと滴り落ちてくれていた。

肉の油が滴り落ちていき、煙が発生しづらい
焼き目がついておいしそう

あとは肉自体から煙が出てこないよう、焦がさないよう気をつけること。おおかた焼けた肉は、プレートの両端にある多目的ゾーンに移動する。このエリアは、ヒーターが内蔵されていないため、プレートの温度が高くない。一時的に置いておくのに便利なエリアだ。

このプレート両端の多目的ゾーンは、一方が平面で、一方が傾斜面になっている。平面のゾーンでは、説明書にもある通り、モヤシやえのきなどの調理に適している。傾斜面になっているゾーンでは、焼き終わった肉や、じっくりと焼きたい肉などを置いておくのに良いだろう。

平面になっている多目的ゾーン
傾斜面になっているゾーン

焼き肉の合間に、プレートを拭いていくと良い

あまり煙が出ないとはいえ、焼いていくうちにプレートには、汚れが目立ってくる。網目状のプレートのすき間には、こびりついた肉が焼け焦げてきて、煙の原因になっていく。

そこで焼いている間は、キッチンペーパーなどで定期的に拭いていくと良いだろう。プレートにはフッ素コーティングが施されているので、ペーパーなどで拭けば、なんなく汚れが落ちていく。

肉や野菜がひと段落したところで、サンマを焼いてみた。筆者のイメージでは、サンマを焼くと、モクモクと煙が立ち上るような気がする。焼きかけの肉や野菜などを整理して、プレートの上に置いてみた。

いま書きながら気づいたのだが、もっと弱火でじっくりと焼けば良かった……。

同機の設定は80〜230℃で行なえる。だがサンマを焼くときにも、肉を焼いているときと同様に230℃の設定で焼いていた。それでも、煙がモクモクと立ち上ることはなかった。片面を焼いたあとに、頃合いをみてひっくり返すと、肉と同様に網目状の焼き目がついて、おいしそうだ。

サンマを焼いてみた
電源ケーブルに付いている温度設定用のダイヤル
サンマも焼き目がついておいしそう

その後も、しばらく焼いていると、サンマの各所がぷくぷくと震えて、水分が滴り落ちてきた。これが鉄板であれば、容赦なく蒸発して煙になるのだろう。だが実際には、多少の煙は出てきたものの、近くの窓を開ければ瞬時に一掃できる程度だった。

その後、サンマは上手に焼けて、おいしくいただけた。ちなみに、調理後にしばらく窓を開けたが、翌日の朝にも焼き肉くささやサンマくさくもなかった。これなら、換気をしながらであれば、あまり煙を気にせず家の中でも焼き肉ができると実感した。

からだの中からぷくぷくと水分が出てくるが、そのままプレートの下へと滴り落ちていった
よい塩梅で焼けて、おいしかった

食後に洗うのは面倒でもある

焼き肉や焼き魚については、ほとんど問題なかった。一緒に焼き肉を楽しんだ親戚の叔父も、「これいいねぇ〜、うちも買おうかなぁ」と上機嫌だった。

ただ一点、面倒だったのが、本機が意外と洗いづらかった点。

まずプレート部分にはヒーターが内蔵されている……つまり通電させるための電源コードの差込口がある。そのため、完全なる水洗いができない。差込口が濡れないように洗う必要がある。そして、網目状のプレートは、差込口を気にしながらということもあって、やや洗いにくいのだ。

本体ガードと受け皿については、水洗いが可能。ただ、本体ガードは頑固な油が多い上に、複雑な凸凹形状なので、洗いやすいとは言えない。焼き肉で出てくる脂汚れは、本当に頑固だ。

とはいえ、プレートが丸洗いできるのは、清潔性が保てるので、嬉しい点でもある。できれば洗浄時用に取り付ける、差込口のキャップを付属してもらえると、洗いやすくなって良いような気がする。

総じて言うと、自宅で焼き肉を楽しむのには、とても良いホットプレートだと感じた。煙も出にくく、電源オンからすぐに焼き始められる本機は、焼き肉の頻度が高いファミリーに適した一台だといえる。

使用後の本体ガードにも、油が残っている
本体ガードの隅を見ると、油がこびりついている
電気焼肉器「WY-D120」で、色々と焼いている様子。一部、煙が目立つことがあるが、動画で見るほどには、モクモクと煙が立つという感じではなかった
河原塚 英信