e-bike試乗レビュー
トレックのフルサスe-MTB「Rail 9.7」でダウンヒルレースに参戦してきた【野沢温泉自転車祭】
2022年10月24日 08:05
最近、いろいろなレースやイベントでe-bike部門が設けられるようになっています。e-bike Watchとしては、できるだけ積極的に参加して、e-bikeユーザーの人たちと一緒に走り、e-bikeを盛り上げていきたいと考えています。今回、参戦したのは10月1~2日に開催された「野沢温泉自転車祭2022」。1日目はスキー場のゲレンデを下るMTBのダウンヒルレース、2日目にはオンロードのヒルクライムレースが行なわれ、どちらもe-bikeクラスが設けられています。e-bike部・清水氏はヒルクライムレースに、筆者・増谷は「e-MTBならどちらも走れるかも」と考えて両レースに参戦することにしました。
トレックのフルサスe-MTB「Rail 9.7」で参戦
参戦モデルはトレックのフルサスe-MTBの「Rail 9.7」。これまで何度も乗らせてもらっているe-bikeですが、今回は2022年モデルで最大トルクが85Nmに向上しているなど、だいぶ進化しています。カーボンフレームにカーボンホイールを装備していて、重量は22.96kg(Mサイズ)ありますが、ダウンヒルもヒルクライムも走るなら最適なモデルでしょう。
e-bike的には最高のものが用意できましたが、実はMTBのダウンヒルレースに参加するのは初めて。しかも、レースは一斉スタートとのことで、他車と絡んでの転倒など不安がつのりますが、まずはコースの試走に向かいます。
コース長は約8kmで、標高差は800m。ゲレンデを下るダイナミックなコースと、木々の間を抜ける林間区間、それに林道を組み合わせたコースでそこそこ難易度も高く、走りがいがあります。絶景の中をハイスピードで下って行くエリアもあって、気持ちがいい! ただ、レースで、しかも一斉スタートでこのコースを競いながら走るというのは少し怖い気持ちも残ります。
予選では転倒もあったけど楽しめた
試走に続いて、スタート順を決めるための予選タイムアタックが行なわれます。これは1分間隔で1人ずつ走るので、不安は少ない。レッドブルのゲートからスタートし、きちんとタイム計測もされるので気分も高まります。
林間コースや林道区間は上手くこなすことができましたが、滑りやすい上り返しの区間で2回も転倒……。e-MTBのメリットを活かしてタイムを縮められる区間だったのにもったいないことをしました。そして、気持ちが焦ったためか、一番スピードの乗るゲレンデの激下りでも転んでしまいました。
試走の段階から参加者たちが速いのはわかっていたので、順位はともかく3回も転倒してしまったのは心残り。というより、決勝レースに向けて不安が残ります。スタートは10台ずつ横に並んでいくので、4列目ということになります。まあ、がんばって少しでも前に行くしかないですね。予選で無理すると危ない場所もわかったので、ちょっとだけある林道区間やe-MTBのメリットを活かせる上り返し区間だけがんばる作戦で行きます。
カウントダウンが進んで、いよいよ一斉スタート! アシストがあると、やはりスタートが速いので「Performance Line CX」のパワーを活かして飛び出します。作戦どおり(?)前列の隙間を抜けてジャンプアップできました。林道区間でもがんばってペダルを踏み、また少し前に出ます。とにかく、e-MTBのアシストが活きる場面だけがんばって、あとは転ばないように無理をしないことを心がけました。
上り返し区間でも少しだけ前に出ることができましたが、ハイスピードな区間で抜き返され、後半になってくると疲れもあって集中力が落ちてきて、また数台に抜かされる。でも、何とか無転倒で下りてくることができました。思ったより速くゴールゲートが見えてきて、自分でもちょっと驚きます。ゴールのところで写真を撮っていた清水氏も、予想より早くきたのでピントを合わせ損なったくらいでした。
結果はe-bikeクラスで6位(全体での順位はわからず)。いちおう入賞することができました。完走7台なので、実質的にはブービーですが、入賞は入賞なのでめちゃめちゃ嬉しい! 表彰台に乗れたのはとてもいい気分でした。走る前は緊張しますが、そのぶん集中して走れるので、仲間と行くトレイルライドとはまた違った楽しさがありますね。
ダウンヒルレースだけでずいぶん長くなってしまいましたので、ヒルクライムレースはまた別記事でお届けします。