家電レビュー

パナの2万円切る手のりシェーバー「パームイン」LITEは文句なし高コスパ

パナソニックが2025年6月に発売した「ラムダッシュ パームイン LITE ES-P330U」(直販価格19,800円)

パナソニックの人気シェーバー「ラムダッシュ」シリーズの新機軸として、2023年9月に登場した小型シェーバー「ラムダッシュ パームイン」シリーズから、新たに3枚刃のベーシックモデル「ラムダッシュ パームイン LITE ES-P330U」が登場しました。

従来のラムダッシュ パームインシリーズは、5枚刃のハイグレードモデル「ES-PV6A」が直販価格41,580円、同じく5枚刃のスタンダードモデル「ES-PV3A」が同33,660円なのに対し、ES-P330Uは同19,800円と手ごろな価格になっています。

(左)ハイグレードモデル「ES-PV6A」、(右)パームイン LITE「ES-P330U」

ラムダッシュ パームインシリーズは普段使いにも出張にも向いている高性能コンパクトシェーバーという印象でしたが、パームイン LITEはどうなのか。実際に試してみることにしました。

剃り味は5枚刃ほどでなくても、満足度は十分

パームイン5枚刃モデルのサイズが72×45×57mm(幅×奥行き×高さ)なのに対し、パームイン LITEは71×42×60mm(同)。パームイン LITEは3枚刃のため、印象としてはコンパクトに見えますが、実際にはほぼ同サイズです。

5枚刃モデルは絞り出し深剃り刃×2、くせヒゲ深剃り刃×2、アゴ下トリマー刃に加えて肌のすべりをよくするスムースローラーを搭載していますが、パームイン LITEは深剃り刃×2、アゴ下トリマー刃の3枚刃構成になっています。

2023年9月発売の5枚刃モデル「ラムダッシュ パームイン ES-PV6A」(左)との比較

従来のパームインシリーズと同様、持ち方は通常のラムダッシュシリーズと大きく異なります。4本の指と親指で挟み込むように持つか、中指と薬指、親指で挟みつつ、左右を人差し指と小指でサポートするような持ち方などが使いやすいのではないかと思います。

親指とそれ以外の4本の指で挟む持ち方
人差し指と小指で左右をホールドする持ち方

パームインシリーズでは初めて3枚刃構成になったため、5枚刃モデルに比べて剃り味が落ちてしまうのではないかというのが最も気になるところかもしれません。

結論から言うと、5枚刃や6枚刃といった上位モデルに比べて肌の上での動かしやすさは落ちますし、1回のストロークで剃れるヒゲの量も上位モデルの方が上であることは間違いありません。ヒゲが濃くて毎日のシェービングが面倒くさいという人や、1分1秒でもシェービング時間を短くしたいという人には向いていないかもしれません。

しかし3〜4万円以上もする上位モデルに比べると、直販価格19,800円というのは圧倒的にコスパが良いのではないかと感じます。

パームイン LITEでシェービングしているところ
5枚刃よりは時間がかかる印象はあったものの、きれいに剃り切れました

全自動タイプとは棲み分けつつ、普段使いから出張用まで万能

筆者がさまざまなメディアから「おすすめ製品を紹介してほしい」という依頼を受けるたびに悩ましく感じるのが「コスパ感」です。炊飯器でも洗濯機でも、フラッグシップ機が最も高性能なのは確かですが、気軽に買い替えられるほどの価格帯ではありません。それはシェーバーも同様で、最新の最上位モデルになると5万円や6万円を超える製品もザラにあります。

そういう意味では、全自動洗浄充電器やポーチが付属する「ラムダッシュ PRO 5枚刃 ES-L570W」(実売価格26,000円前後)などの方が、万人におすすめしやすいのは確かです。上位モデルのパームイン ES-PV6AやES-PV3Aよりもコスパが良く、付属の全自動洗浄充電器に載せてボタンを押すだけで洗浄から乾燥まで行なってくれるためタイパも抜群です。

それに比べると、新モデルのパームイン LITEは3枚刃のベーシックモデルではあるものの、持ち運びがしやすいうえに2万円を切る価格を実現しています。普段使いでも十分な満足度を得られますし、出張に携行しても邪魔になりません。ヒゲの濃さにコンプレックスを感じている人なら、毎日の出勤に持ち出しても負担にならないと思います。

海外出張用のポーチに入れたところ。かなりコンパクトでスペースに余裕がありました

筆者が担当しているラジオ番組のお悩み相談にも、父親や息子にシェーバーをプレゼントしたいという相談が数多く寄せられます。3万円以上もする製品はなかなかおすすめしづらいのですが、2万円を切る価格であれば頑張ってプレゼントできる人も多いのではないかと思います。

2023年に登場したラムダッシュ パームインは、“ほぼフラッグシップ”を毎日でも持ち運べるという点が新機軸でした。特にES-PV3Aは、コスパとシェービング性能の高さのバランスが絶妙でした。

それに対してパームイン LITEは、パームインの製品コンセプトやデザイン性を引き継ぎつつ、コスパの良さが際立っています。パームインシリーズのポータブルシェーバーとしての幅を、うまい具合に広げた製品だと思います。

安蔵 靖志