e-bike試乗レビュー
BESVのグラベルe-bike「JG1」をいち早く試乗してきた♪ 軽くて速くて楽しい!!
2021年3月30日 13:45
2021年3月29日に発表されたBESV(ベスビー)の最新e-bikeこと「JG1」。e-bike専業メーカーBESV初のグラベルロードバイクタイプのe-bikeです。価格は363,000円。
グラベルロードバイクとは、砂利道(gravel)などの未舗装路も走れるように作られたロードバイク。舗装路はロードバイクとして快速に走れます。加えて、砂利道や泥道などのダートロードも走れるように、太めのタイヤや安定的な制動力を発揮するディスクブレーキ、あるいは衝撃吸収性のあるフレームを採用しています。そんなグラベルロードバイクに電動アシスト機構を加えたのが、JG1というわけです。
発売前ですが、このJG1をお借りすることができました。というわけ、さっそく試乗してのレビューをお届けしたいと思います。
JG1はどんなグラベルロードe-bike?
まずはJG1の概要から。前述のとおりグラベルロードバイクタイプのe-bikeです。JG1の各部を写真と説明文で見ていきましょう。
ほか、フロント・リア用フェンダーが別売で用意されています。また、リアキャリアや予備バッテリー収納ケースもあります。グラベルロードバイクは長距離を走る「旅の自転車」として使われることも多いので、こういったオプションがあるのはありがたいですね。
軽い!!! 速い!!! 楽しいぃぃぃ~♪
クルマでJG1を借りに行ったんですが、借りたJG1をクルマに積み込む瞬間「あ~っ、軽っ!!!」と声が出てしまいました。Mサイズなので15.9kg。
筆者が持っている2台のe-bikeの重さは、ミニベロe-bikeのTern「Vektron S10」が19.8kgで、e-MTBのミヤタ「RIDGE-RUNNER」が21.3kg。いつもこれらのe-bikeをクルマに積んだり下ろしたりしているわけですが、その感覚からすると「JG1は凄く軽い」という印象です。
これは恐らく、重量バランスも関係していると思います。JG1はダウンチューブにバッテリーが内蔵されており、ドライブユニットはリアハブにあります。
筆者の2台のe-bikeはバッテリーとドライブユニットが近い位置にあり、重心近くを持ち上げないとバランスが崩れがち。なので持つ位置が限られる。でも持つ位置を誤るとバランスが取れず、その分、余計な力を使って持ち上げることになります。
一方、JG1は持ち上げる時にバランスを取りやすい感じ。シートポスト近くのフレームを持てば、だいたいバランスが取れる。そのバランスの取りやすさと車体の15.9kgという軽さが相まって、「凄く軽い」と感じさせるのでしょう。
さておき、そんな軽い感じのグラベルロードe-bikeで試走。今回は自宅から舗装路を走り、激坂があったりダートロードがあったりする丘陵エリアに向かいます。
まずは舗装路を走行。そして感じたのは、JG1は快速系のe-bikeであること。速いんです。平坦な舗装路だとすぐ24km/hに達してしまう。ミニベロe-bikeやe-MTBではあまり達しない速度域でスイスイ走れるという感覚です。
アシストの効きも好印象。停車時のギア位置さえ気にしておけば、漕ぎ出しはパワフル。ちょっと頑張っちゃうと数秒で24km/hに達してしまう感じ。
それと走行感がスムーズです。履いているタイヤは転がり抵抗が少ない感じなので、走り出しで十分スピードに乗せてしまえば、ペダリングをやめてもそのままスーッと惰性で走れる。静かに風景が後ろへと流れていく感覚、非常に楽しいです♪
一方で、少し気になる点も。停車中でもペダルへの力のかけ方で、少し前に出ようとすることがあります。危険な感じはしませんが、JG1のドライブユニットの特性なのかもしれません。
さておき、フレームを始めとする剛性感も十分あるという印象です。スムーズに旋回できますし、強くペダリングをしても力が逃げないというイメージ。しっかりした車体だと思います。
それと、グラベルロードバイクという点がナニカとイイ。タイヤが太めでグリップも良いので、ガチのロードバイクほどは路面を気にする必要がなく、道路のひび割れや小さな段差はスッと乗り越えられます。タイヤのエアボリューム、それからフロントフォークとシートポストがカーボン製なので、乗り心地も良好です。
また、ドロップハンドルで、手の向きをさまざまに変えられるので、やや長距離を走っても手や手首が痛くなりにくい。前傾姿勢でのペダリングは腰が痛くなりにくくて快適。フラットと呼ばれる上ハンドル部分は平で広めなので、リラックスした姿勢で流すような時はとりわけ快適です。
やっぱりグラベルロードe-bikeはいいなあ……と思いましたが、いや、結論はJG1でグラベルを走ってから出すことにします。もうすぐ激坂、そしてその先にあるダートロードに入っていきます。
激坂もボロ舗装路も泥道もOK!!! JG1は街も自然も楽しめるグラベルロードe-bikeだった
JG1のアシストモードは省電力のECO、SMART、最大出力のPOWERの3種類。BESVオリジナルのSMARTモードは、ペダルを踏む力に応じて自動的に最適な出力を発揮するというモードです。
舗装路でそれぞれのアシストモードを試しつつ走りましたが、筆者的には特に意図がない限りSMARTモードでいいかな、と。全部e-bike任せとなりますが、けっこう賢く出力を調節している様子。急坂ならパワフルな漕ぎ味になりますし、速度を維持する程度ならしっかり電力を節約しているようです。
そうしているうちに舗装路終了。激坂に入ります。e-MTBで上ってもそこそこ息が上がる程度の激坂。JG1だと、どう上れる?
結果、フツーに上れちゃいました。e-MTBで何度も上った激坂ですが、JG1は車体が軽いからか、いつもほどは息が上がらずにクリア。そしてこの先はダートロードがあったりするエリアです。
舗装の細道があり、ダートロードがあり、というエリアですが、舗装の細道は長いことメンテナンスされていないようで、凸凹だったり割れていたり大きめの溝があったり。ロードバイクで走るには危険な道路ですが、JG1だと楽しく走れます。
JG1のタイヤの太さとグリップ、それからアシスト力は、どちらかといえばe-MTB的な走りをするのに向くかも。葉っぱの道の砂利道も危なげなく走れますし、泥の道も大丈夫。
ただ、e-MTBほどはダートロードの走破力はありませんので、MTBコースのような本格的泥道を楽しめるかと問われれば……たぶん腕に自信のある人なら楽しめますが、そうでない人は……てな感じ。JG1は、ツーリング中に道が舗装路、ボロい舗装路、砂利道、泥道と道質が変わっても走り続けられるというイメージで、あえて砂利道と泥道だけを選んで走る、という方向性ではないような気がします。
JG1でもうひとつ「厳しい」と感じられたのは、木の根などがあるシチュエーション。頑張れば行けはしますが、サスペンションなしだと車体のコントロールがタイヘン!!! グラベルロードバイクはタイヤが太めでグリップがあるといっても、大きめ木の根だと怖い瞬間が何度もありつつ、チェーンリングと木の根の距離も近くて……やはりシチュエーションによっては「こういう場所はグラベルよりe-MTBだよな~」と思ってしまいます。
それと、ほんの少しだけ気になったのは、JG1のアシストのクセのようなもの。前述のとおりSMARTモードで走り続けましたが、たまに「あっ今、アシストが少し遅れた!?」とか「ペダルを踏むのを止めた後に一瞬だけアシストが続いたような……?」という感じがしました。ほとんど気にならないというレベルではありますが、JG1独特のアシスト感がたまに出るという感じがあります。まあ、このあたりはほかのドライブユニットにもありはしますけどネ。
JG1で走って楽しいのは、泥道だったり砂利道だったりする「1~2本裏の田舎道」って感じの道路。見かけるのは徒歩の人で、急坂もあったりして人力自転車はまず入ってこないような裏の裏の道ですね。そういう道をゆっくりと自然を楽しみながら走るのは、e-bikeサイクリングの大きな楽しみのひとつだと思います。
JG1のようなグラベルロードe-bikeの良さは、舗装路以外の道もガンガン走れちゃうこと。しかも快適に。まあ、ハードなダートロードとかだと、やはりe-MTBのほうがイイわけですが、JG1でも多くのダートロードを楽しめます。
加えてイイのは、舗装路では快速系e-bikeとして気持ちよく走れること。実はこの日の試走は、けっこう久々にダートロードを走ったりして、帰る頃にはわりと体力がなくなっておりました。でも、舗装路をスイスイ走るJG1なので、帰り道の舗装路走行は全然疲れませんでした。
んんん~!!! やっぱりグラベルロードe-bikeってイイかも!!! 街乗りは快速だし、ちょっと裏道山道に入っても問題なく走破できるし。
ともあれ、いろいろ好印象となったJG1試走。軽さと速さと、それからグラベルロードバイクとしての力強さが備わりつつ、お値段的にも手を出しやすい感じのJG1なので、興味があればぜひ一度試走してみてください♪