e-bike試乗レビュー
どこでも走れるからもっと走りたくなる!! KONAのグラベルロードe-bike「LIBRE EL」
2022年3月30日 08:00
世界的に人気となっている自転車がグラベルロードバイク。その名のとおり、砂利道(gravel)やダートなどの未舗装路を走れるロードバイクのことです。通常のロードバイクよりも太めのタイヤや制動力の高いディスクブレーキを装備し、少し幅の広いドロップハンドルを採用し、1台でいろいろな遊びが楽しめるのが特徴です。
日本でもグラベルロードe-bikeのラインナップが増えてきましたが、今回はKONA BICYCLESのブランド初となる「LIBRE EL(リブル イーエル)」をお借りできたのでご紹介したいと思います。1988年にカナダで創業したKONAは、特にMTBで世界的に人気のブランドです。
LIBRE ELはどんなグラベルロードe-bike?
KONAは日本のe-bike市場には2020年から参入し、フルサスe-MTB「REMOTE(リモート) 160」とハードテイルe-MTB「EL KAHUNA」を展開していましたが、グラベルロードe-bikeは「LIBRE EL」が初となります。カーボンフレームのグラベルロードとして人気のLIBREがベースとなっており、ELはELECTRICを表しています。
まずは「LIBRE EL」の車体概要から。海外ではシマノSTEPS「E7000シリーズ」を搭載していましたが、日本ではシマノSTEPS「E6180シリーズ」に。バッテリーは504Wh(36V/14.0Ah)の大容量でインチューブタイプを採用。
コンポーネンツはシマノ「GRX 810」(11速)、タイヤはWTB「Venture(ベンチャー)」でサイズは650B×47C、前後に油圧式ディスクブレーキを搭載。アルミフレームにフルカーボンフォークの組み合わせで、TranzX(トランズエックス)製のドロッパーシートポストも標準装備の本格的なグラベルロードe-bikeです。フレームサイズは50cm(適合身長目安155~170cm)と52cm(適合身長目安165~178cm)。価格は539,000円。
グラベルもダートもオンロードも快適で楽しい
本格的なグラベルロードでの試乗記事は別の機会に掲載したいと思いますが、オフィスのある神保町を出発し、オンロードからオフロードまで都内を40kmほど走ってみました。
都心では信号でのストップ&ゴーが続きますが、ドロッパーシートポストが標準装備なので快適。左ハンドルのブレーキレバーで操作する仕様で、ギアチェンジと同じようにサドルのポジションを自然に変更できます。e-bikeはフロントギアを搭載しないモデルが多いので、そこを上手く活用して、スイッチを増やさずに手を離さず操作できるのは便利です。
これまで試乗してきたグラベルロードe-bikeの中では、いちばん太いタイヤを装着しているため、まさにグラベルやトレイルライド向きなのかと考えていました。ですが、オンロードも軽快に走ることができます。平地なら漕ぎ出し時以外はアシストを必要とせず、バッテリーが空っぽになるまでかなりの距離を走れるはず。また、サイクリングロードでは30km/h巡航もへっちゃらな印象なので、ロードバイクなどと一緒に走ることもできるでしょう。
そして、グラベルやダートなどで本領を発揮します。荒れた路面や石畳、林道に砂地などでもタイヤ独特のトレッドパターンとエアボリューム、カーボンフォークのおかげで、突き上げの衝撃などをしっかり吸収してくれて快適。ドライブユニットはミドルレンジのシマノSTEPS「E6180シリーズ」ですが、十分なトルクで必要な場面ではしっかりアシストが効いてくれるので、MTBと一緒にトレイルまで走れるんじゃないか? と感じました。ドロッパーシートポストも装備されているので、上りではサドルを高くし、下りでは低くできますし。
「もっと走りたい」と感じさせてくれるので、興味がある人はぜひ試乗してみてください。ロングライドを楽しみたい、ロードバイク仲間と一緒に走りたい、グラベルロードを気持ち良く走りたい……等々、1台でいろいろなニーズに応えてくれるe-bikeです。