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[始めよう薬膳レシピ27]ストレスを緩和してくれる「揚げ焼き豆腐」
2018年 1月 25日 18:00
慌ただしかった1月もそろそろ終盤、疲れをリセットして2月を迎えませんか。今回は、ストレスを和らげる「ユズ」の皮をたっぷり使った、エビのとろみダレでいただく「揚げ焼き豆腐」のレシピをご紹介します。「豆腐」は疲労回復に役立つうえ、女性ホルモンに近い作用も期待できるため、若さや健やかさを維持したい女性のみなさんにぴったりです。また「ユズ」は、消化を良くするので、食欲がないときにおすすめの食材ですよ。今回のメニューは、お酒にも合うので、ユズの香りを楽しむ「おつまみ」としてもどうぞ!
ストレス緩和の揚げ焼き豆腐」の食材効果
今回ご紹介するレシピは、「ストレス緩和の揚げ焼き豆腐」です。タレには、体を温める「エビ」を使い、消化を助けてくれる「ユズ」で香り付けしました。
「エビ」は血行不良に効果的で、[旬の薬膳32]では、「1年の幸せを願う、縁起の良い魚介」の1つとしてご紹介しています。
「豆腐」は「大豆イソフラボン」をとれるので、女性の健康維持に欠かせない食材です。熱を冷ます「涼性」という分類なので、「温性」の「ネギ類」や「ショウガ」といった薬味と組み合わせると、バランスの取れた食べ合わせになりますよ。
また、これまで[不調の薬膳5]でもお伝えしたように、野菜やフルーツの「香り」には、気持ちを落ち着かせる作用をもつものがあります。今回は、「ユズ」を使って、気持ちが和らぐ、揚げ焼き豆腐を作っていきましょう。
「ストレス緩和の揚げ焼き豆腐」の材料(2人分)
木綿豆腐:150g(縦15×横10cmくらい、1丁の約半分を使用)
ゴマ油または食用油:大さじ7くらい
剥きエビまたは小エビ:80~100g
塩:適宜(エビの下処理、タレに使用)
片栗粉:大さじ5(エビの下処理とタレ、豆腐の衣に使用)
水:250mlほど(タレ、水溶き片栗粉に使用)
カツオ節:5gほど(タレに使用)
酒:大さじ1(タレに使用)
醤油:大さじ1(タレに使用)
ユズの皮: 10cmほど(リンゴの皮を剥く要領で薄く剥いたもの、お好みで増量可)
ユズ果汁:クシ形で2切れ(お好みで、なくても可)
おろしショウガ:少々(お好みで、なくても可)
三つ葉:適宜(なくても可)
「ストレス緩和の揚げ焼き豆腐」の作り方
1.ユズの皮は刻み、最後に散らす分を取り分けておきます。三つ葉は、2~3cmの長さに切っておきましょう
2.剥きエビは、包丁で薄く切り込みを入れて、腹ワタ、背ワタを取ったら、ボウルへ入れ、塩、片栗粉を順番に揉み込んで汚れを取り除き、よく洗い流してから、1cm角に刻んでおきます
3.鍋で水を沸かし、沸騰したら火を止めてカツオ節を入れ、そのまま数分置いてから、ザルなどで濾します
4.鍋に2.3.、酒を入れて加熱し、アクを取ったら、醤油、ユズの皮、おろしショウガ、三つ葉を加え、ユズの実を絞ってひと煮立ちさせ、塩で味を整えて、タレを作っておきます
5.木綿豆腐は、キッチンペーパーで包むようにして水分をしっかり取り、幅1~1.5cmに切ったら、片栗粉を薄く付け、ゴマ油を熱したフライパンで揚げ焼きにします。こんがり焼き目が付くくらいが美味しいです。焼き上がったら油を切り、お皿へ盛り付けましょう
6.タレに火を通し、水溶き片栗粉を回し入れてとろみを付けたら、豆腐にたっぷり掛け、最後にユズの皮を散らして完成です
今回は豆腐を揚げ焼きにしていますが、時間がないときは、市販の厚揚げを湯通しし、タレを掛けても美味しくいただけます。また、カツオ節がないときは、顆粒の和風ダシで代用できますよ。
「エビの下処理のコツ」や「エビの秘密」、「豆腐の水切り」について知りたいときは、下記の記事を参考にしてみてくださいね。
◇【調理の下処理5】殻と背ワタの取り方、臭味取りまで、エビ下処理のコツ
◇【調理の下処理34】料理に合わせて「豆腐の水切り」、時間別に4種ご紹介
薬効1「ユズ」
「ユズ(柚子)」は、おせちでいただく「なます」や、冬至のお風呂にも使うので、馴染みのある果実ですね。「帰経(きけい・食材がどの臓腑に入り、効いていくかを示した 経路のこと)」に「肺」をもつので、咳が出て辛いときの不快な症状を和らげるほか、「気」を巡らせる作用が強いため、胃の調子が良くないときにもおすすめです。
冒頭でも触れた通り、ユズの香りにはリラックス効果があり、気分が落ち着きます。また「ユズの皮」が体を温める性質をもつ一方、「ユズの果汁」は、「涼寒性」で体を冷やすので、おろしショウガなど「温性」の食材を合わせて、温冷のバランスをとるといいですね。
薬効2「豆腐」
豆腐は、これまでに夏の熱冷まし食材としてご紹介してきました。また五臓の「脾(ひ)」や「胃」と関わりが深く、消化しやすいため、年齢を問わずいただけるほか、疲れを取りやすいという特徴もあります。油分との相性が良く、今回のレシピのように、ゴマ油と組み合わせると、便通が整いやすいですよ。
寒い季節に大切なこと
薬膳や東洋医学では、冷えると胃腸(「脾」)が弱り、栄養素を体の隅々にまで届けられないと考えます。ですので、体を温めたり、消化力を上げて胃腸の働きを維持することは、寒い季節を乗り切るために大切です。
今回のタレに使った「エビ」は、冷えを改善するので、冬に食べると体が温まり、[始めよう薬膳レシピ23]では、肩こり対策として、香味炒めをご紹介していますよ。
また冬至は過ぎてしまいましたが、残ったユズをお風呂に入れると、冷えに効くうえ、爽やかな香りでリラックスタイムを過ごせます。ぜひご家族で、お試しください。
「ユズ風呂」について気になった方は、下の記事を参考にしてみてくださいね!
◇冬至の「ユズ風呂」、効果と注意点、使用済みユズの再利用法2つ
◇参考文献
「薬膳、漢方の食材事典」(ナツメ社)