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【始めよう薬膳レシピ9】むくみ・白髪を改善、美肌にも効く「黒豆煮」

薬膳で「黒豆」は、むくみ、白髪に効果的なほか、滋養を補ったりと、効能がたくさんあるパワー食材です。今回は、お正月の煮豆を「きび糖」で作った、疲れが取れる「黒豆煮」のレシピをご紹介します。使用する砂糖は、「きび糖」の代わりに、「白砂糖(上白糖)」でも大丈夫。それぞれの砂糖の効能にも触れていきます。黒豆をコトコト煮るだけで、優しい甘味の「黒豆煮」ができますよ。

 

「黒豆煮」の食材効果

今回ご紹介するのは、「きび糖」で作った「黒豆煮」です。お正月の煮豆(おせち料理)でもある「黒豆」は、薬膳で美肌や黒髪、健康に良いとされるほか、水分バランス(「水」)を調整するので、むくみも和らげます。また今回使う「きび糖」は、「白砂糖」のように精製されていないので、サトウキビの「ミネラル」が残っていて栄養素が豊富です。黒砂糖に比べ入手しやすく、スーパーで購入できますよ。薬膳では、「黒砂糖」や「きび糖」は体を温めるとされ、どの種類の砂糖も、疲労を回復します。もちろん「黒豆煮」は「白砂糖」でも作れますし、味の好みで使う砂糖を選んでも良いと思います。それではまず、「黒豆煮」の材料と作り方を見ていきましょう。

 

「黒豆煮」の材料(4~5人分)

黒豆:300g
塩:少々
醤油:大さじ2
きび糖:180~200g(お好みの砂糖でも可)
水:6カップ(黒豆を煮るのに使用、差し水の分量は除く)

 

「黒豆煮」の作り方

<下準備>

黒豆をザルなどでサッと洗ってから、煮る前に6時間ほど、できれば1晩、鍋で分量の水に浸けておきます

 

1.豆を浸した水は捨てず、鍋へ塩、醤油、きび糖またはお好みの砂糖を入れ、黒豆を中火で煮ていきましょう
2.沸騰したら弱火~中火にしてアクを取り、水が少なくなったら差し水をして、黒豆全体が煮汁に浸っている状態を保ちながら煮ていきます 
※煮ていくと、煮汁が真っ黒になりますが、正常です
3.アクが少なくなったら落としブタをして、ときどき煮汁の量を見ながら、お湯を足し、鍋のフタもして気長にコトコト弱火で煮ていきましょう

3時間ほど煮れば出来上がりです。味付けも黒豆の柔らかさも、みなさんのお好みで大丈夫なので、調整してくださいね。

 

煮汁が煮詰まってしまっても、豆が柔らかくなっていれば問題ありませんが、豆にシワができたり、皮が破れないように煮るには、豆が煮汁に浸っていた方がいいですね。

黒豆を浸す時間がない場合は、鍋に水、塩、醤油、きび糖またはお好みの砂糖を入れて火を通し、洗って軽く水を切った黒豆を加え、沸騰する手前で火を止め、そのまま数時間置いてから、煮込んでください。落としブタは、アルミホイルを丸い形にしたもので代用できます。

 

薬効1「黒豆」

薬膳で「黒豆」は、言わずと知れたパワーフード。【不調の薬膳15】でもご紹介した通り、白髪の予防や、美肌に効果的な食材です。黒豆の「帰経(きけい・食材がどの臓腑に入り、効いていくかを示した 経路のこと)」は、五臓の「腎(じん)」なので、体にエネルギーを蓄える力が強く、疲労を軽減します。「脾(ひ)」にも働きかけるため、消化吸収を促したり、老廃物を体外へ排出して、むくみや倦怠感を和らげますよ。黒豆煮のほか、黒豆入りのごはんや黒豆茶もあり、黒豆茶はクセや渋味が一切なく、とても飲みやすいお茶なので、ぜひお試しくださいね。

 

薬効2「きび糖、黒砂糖(黒糖)」

薬膳で「きび糖」や「黒砂糖(黒糖)」といった茶色い砂糖は、体を温める「温性」と考えられ、疲れや冷えを軽減したり、緊張をほぐしたいときに使います。「きび糖」も「黒砂糖」も「ミネラル」を含みますが、「黒砂糖」は特に、サトウキビの絞り汁をそのまま濃縮しているため※、「ミネラル」が多く、体に不足しがちな栄養素を摂りやすいです。

 

薬膳では、どの砂糖が良い、悪いという考え方はなく、「白砂糖(上白糖)」も「色が付いている砂糖」も、どちらも疲労回復に役立ち、手っ取り早くエネルギーを補給したいときに便利。また風邪を引いて咳や痰を鎮めたいときは、「氷砂糖」が効果的とされています。

 

黒豆を水に浸してから煮ると、仕上がりふっくら

今回ご紹介した「黒豆煮」は、私が祖母から習った豆の煮方をアレンジしてご紹介しました。黒豆を煮るときは、前日に黒豆を水に浸しておくと、煮る時間が短く済み、仕上がりもふっくらします。煮るときは基本的に放っておくだけなので、時間があるときにゆっくり煮ながら、リラックスタイムを過ごすのもおすすめです。

 

薬膳で「黒豆」は、疲れが和らぎ、力が付くほか、美肌やツヤツヤの黒髪も目指せるので、良いこと尽くめのお豆。体バランスも調いやすいです。また「黒豆煮」は、身近にある食材だけで、どなたでも作れるお手軽メニューなうえ、甘味があるのでお子さんも食べやすいですね。多めに煮て冷凍保存しても便利なので、ぜひお試しください!

 
◇沖縄県黒砂糖協同組合 沖縄県黒砂糖工業会 黒糖について
http://www.okinawa-kurozatou.or.jp/kokutou/

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。