ニュース

三菱の空気清浄技術ヘルスエアーに、新型コロナウイルス低減効果

ヘルスエアー技術によるウイルス低減の概念図

三菱電機は13日、同社の空気清浄技術「ヘルスエアー」が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して低減効果があることを確認したと発表した。一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター神戸試験センターと共同で行なった実証の結果を公表している。

ヘルスエアーは、室内に浮遊するウイルスや細菌などの低減を目的として2012年に開発。「放電部」を構成する放電電極と対向電極に、直流電圧を加えて強力な放電/電界空間を生成することで、その空間を通過するウイルス、細菌、アレル物質などを除去/低減するという。放電電極にリボン形状を用いたタングステンリボン電極により、空間内の広い範囲を高電界にできる。

今回の実証では、ヘルスエアー技術で生成する放電生成物と高電界を作用させ、新型コロナウイルスの残存率の低減を確認した。

試験体は、咳やくしゃみで口や鼻から飛び出す微粒子に含まれ空気中に浮遊している状態と同様にするため、ウイルス懸濁液0.005mlを試験用ステンレス板に付着させ、安全キャビネット内で10分乾燥させたもの。

これを放電電極と対向電極の間に設置し、ヘルスエアー技術の作用時間を確認するため、通電時間2時間、4時間、8時間の3パターンで実証。通電終了後、洗い出し液1mlを試験体上に滴下して新型コロナウイルスを回収、洗い出し液の10倍希釈系列を作成してプラーク法により測定。試験体あたりのウイルス感染価を算出した。

その結果、ヘルスエアー技術により生成する放電生成物と高電界を8時間作用させることで、新型コロナウイルスの残存率を99.4%低減することを確認したという。

なお、同社のエアコンや換気扇などには「ヘルスエアー機能」を搭載している製品もあるが、今回の実証は試験装置での結果であり、製品や実使用環境での効果を示すものではない。

ヘルスエアー技術による新型コロナウイルス低減結果
出典:一般財団法人日本繊維製品品質技術センター神戸試験センター「放電デバイスの抗ウイルス性試験結果報告書」

同社はこれまで、大学や公的研究機関と共同で、A型インフルエンザウイルスA/Aichi/2/68(H3N2)、ネコカリシウイルス、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis NBRC12993)、アレル物質ではスギ/ブタクサ花粉アレルゲン、ネコアレルゲンに対するヘルスエアー技術の有害物質低減効果について実証を行なってきた。