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Arlo、完全ワイヤレスで屋外でも使える4Kネットワーク防犯カメラ

 Arlo Technologiesは9月18日、ワイヤレスセキュリティーカメラの最新モデル「Arlo Ultra」を発表した。ベースステーションとなる「スマートハブ」とバッテリーを内蔵するワイヤレス4Kカメラとをセットにした製品で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、カメラ2台付属モデルが71,111円、カメラ3台付属モデルが94,259円(ともに税抜)。

Arlo Technologiesが2019年10月に発売する「Arlo Ultra」
Arlo Ultraシリーズのラインアップ

 どちらも映像のクラウドストレージ保存機能などを利用できるサブスクリプションサービスの「Arlo Smart Premier」プラン(年間14,280円)が1年分付属する。追加の4Kカメラは1台36,800円(同)で販売する。

 Arlo Ultraのカメラは最大視野角180度の4K対応カメラモジュールを搭載しており、暗部の黒つぶれや明部の白飛びを押さえて撮影できるHDR(ハイダイナミックレンジ)に対応。スマートハブのmicroSDカードスロットに4K(3,840×2,160ピクセル)動画を保存できる。付属のバッテリーの充電時間は3.5時間。満充電で3〜6カ月ほど使えるとのことだ(1日平均5分程度録画した場合)。

Arlo Ultraの4K HDR対応カメラ
付属のバッテリーを装着することで、ワイヤレスでの監視および撮影が可能だ
Arlo Ultraのスマートハブ
宅内ネットワークとは有線LANで接続する
カメラは付属のマウントとマグネットで接続するようになっており、さまざまな角度で自在に設置できる

 カメラには赤外線センサーを内蔵しており、人や乗り物、動物、荷物の存在や動きを検知して自動撮影するだけでなく、検知した動体(人や動物など)を自動的にズーム(デジタル12倍ズーム)撮影するインテリジェントズーム&追跡機能を搭載している。

さまざまな通知機能のほか、クラウド上のAI(人工知能)を利用した人や物の検出機能も備えている
光学ズームは搭載していないものの、人や物の動きを検知すると自動的に動くものにズームして追尾するインテリジェントズーム&追跡機能を搭載している

 新たにスポットライトも内蔵した。従来モデルでは周囲が暗い場合に白黒映像になっていたが、Arlo Ultraでは夜間でもカラー撮影が可能になった。

スポットライトを利用しない場合の白黒映像
スポットライトを利用すると、夜でもカラー撮影ができる

 カメラには2マイクを内蔵しており、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載し、音声と映像による双方向コミュニケーションにも対応する。

Arlo Ultraが従来モデルから継承する特徴
Arlo Ultraシリーズの新たな特徴

防犯だけでなくコミュニケーション利用なども増えている

 Arlo Technologies プロダクトマネジメント シニアディレクターの松尾 実己生氏は「Arloシリーズの初期は防犯が焦点になっていましたが、最近はいろいろなユースケースでこのサービスが使われています」と語る。

Arlo Technologies プロダクトマネジメント シニアディレクターの松尾 実己生氏

 ペットの見守り、子供が帰宅したかどうかなど家族の状況確認、庭を荒らしている動物を確認するためにカメラを一時的に庭に向けるなど、さまざまな使い方で利用されているとのことだ。

 「簡単に取り付けできて使いやすい製品やサービスを作ると、ユーザーの方々が新しいアイデアで使っていきます。家族で使うようになると、防犯というより家族を含めた感情的なコミュニケーションツールとしてのユースケースが増えています」(松尾氏)

 現在、Arloシリーズは全世界100カ国以上に展開しており、ユーザー登録者数は約310万人、接続するカメラの台数は1,240万台を超える。1日のビデオストリーミング数は約1億800万とのことだ。

Arloシリーズは全世界100カ国以上に展開しているとのことだ

 Arloシリーズは国内ではまだ認知度がそれほど上がってはいないが、海外で成功した大きな理由は「完全ワイヤレス」だと松尾氏は語る。

 「バッテリー内蔵のカメラは全くケーブルが不要で、電波さえ届けばコンセントがなくても使えるので、簡単に設置して簡単に使えることから人気になりました。『いかにも防犯カメラ』なデザインではなく、いろいろな住宅のデザインスタイルに合うように製品をデザインしました。カメラは完全防水で、雨でも雪でも湿気が多い日でも、屋外のどこにでも設置できます」(松尾氏)

 カメラに内蔵するスポットライトは夜でも昼間と同じようにカラー撮影できるだけでなく、動きや音を検知したときに自動点灯したり、手動で明かりを付けたりできる。

 「家族のために暗いところを照らしたり、怪しい人が入ったときに点灯して怖がらせるといった使い方ができます」(松尾氏)

 従来モデルではサイレンがスマートハブに内蔵されていたが、Arlo Ultraではカメラに内蔵されたため、侵入者に対して至近距離で威嚇することができるようになった。サイレンを鳴らす状況についてもスマートフォンで設定できるようになっている。

 カメラは防水でバッテリー内蔵のため、屋内外の多彩な場所に設置できる。様々な角度で設置できる付属のマウントに加えて、常時接続するための屋内用・屋外用マグネット式ケーブル、オプションバッテリー、バッテリーを2個充電できるデュアル充電ステーション、電源のない屋外でもバッテリーを充電しながら使える充電用ソーラーパネルなどアクセサリーも充実する。

Arlo Ultraシリーズのアクセサリーのラインアップ
屋内外用のケーブルを取り付けることで、バッテリーを気にせず監視・録画できる
充電用ソーラーパネルを利用すれば、電源のない屋外でもバッテリーを充電しながら使える

ストリーミング、本体保存、クラウド保存が可能

 Arlo Ultraは3つの利用方法がある。1つめはスマートハブ経由でスマートフォンやタブレットなどにライブストリーミング配信する方法で、2つめはスマートハブに入れたマイクロSDカードに記録する方法。3つめは有料の「Arlo Smart Premier」プラン(年間14,280円)を利用し、クラウドストレージに保存する方法だ。

 Arlo Smart Premierプランのみ、保存できる解像度は最大1,080pで、4K解像度での保存はできない。しかし最大30日間保存しておけ、その期間はスマートフォンなどからいつでも見られるのが魅力だろう。

 Arloシリーズは動きや音を検知すると自動的に動画を撮影するだけでなく、スマートフォンアプリに通知する機能を搭載している。Arlo Smart Premierプランを利用すると、人、乗り物、動物、荷物のうち必要なものを検知した場合のみ撮影・通知するというフィルタリング機能も利用できる。

 「外出先や職場、旅行時に家の様子を確認したり、怪しい動きや音があったときに動作を検知して通知がスマホに来るようになっています。また、最新のAIとコンピュータビジョンを使って人やペット、モノなどを検知し、興味のあるものだけをフィルタリングできるようになりました。いろいろアクティビティがあって通知のノイズが多くなると役に立たないので、興味があるものだけに絞ることができます」(松尾氏)

 Arlo Technologiesは現在バッテリー内蔵の「Arlo/Arlo Pro」シリーズのほか、電源接続タイプの「Arlo Q」シリーズ、子供の見守り用の「Arlo Baby」をラインアップしている。

 海外では屋外用のスマートライト、音声のみのドアベルなどをラインアップしているが、「今後はビデオカメラ付きのドアベル、窓センサー、ドアセンサーなども出していく予定です」と松尾氏は語った。

Arlo Technologiesの製品ラインアップ(国内未発売も含む)。今後さまざまな製品を発売していく予定とのことだ

 Arlo UltraのスマートハブはArloシリーズの従来モデルのカメラとの互換性があるため、従来モデルのユーザーもArloシリーズのカメラをそのまま利用できる。

 「近い将来はZ-WaveやZigBeeを使って他社のセンサーと連携し、1つのシステムでセキュリティカメラを使えるようにする予定です」(松尾氏)

 Arlo Ultraは70,000円からと決して安くはないが、特に一戸建て住宅では設置が簡単で手軽に家のセキュリティーを堅固にするのに役立つ。バッテリー内蔵で手軽に持ち運べるので、必要に応じて宅内やベランダ、庭などに持ち出して4Kビデオ撮影したり、在宅中の赤ちゃんの見守り、外出時のペットの見守りなど、さまざまな活用法が考えられる。

 屋内外に設置できるアクセサリーもいくつかラインアップしているため、賃貸住宅などでも利用する機会はありそうだ。