ニュース
25万円と50万円のマッサージチェアはどう違う!? フジ医療器の3モデルを乗り比べてみた
2019年6月19日 06:30
フジ医療器は、マッサージチェアを始めとした同社最新マッサージ機器のメディア向け体験会を開催した。会場の東京ショールーム(東京都港区芝浦3-2-16)は一般公開されており、無料で体験可能。営業時間は、平日10:00~18:00。
会場に用意された製品は、約10万~約50万円と幅広い価格帯のモデル。3製品をゆっくりと体験してきたので、その乗り心地をレポートする。特に約25万円のエントリーモデルと、約50万円の最上位モデルは、見た目はあまり変わらないが、マッサージ性能や操作性に大きく違いが見られた。
インテリアにマッチするデザインが魅力「ロースタイルマッサージチェア」
まずは、一番求めやすい価格の「ロースタイルマッサージチェアH AS-LS1」を体験した。販売価格は約10万円。
値段もさることながら、本モデルは背もたれが低い形状が特徴。部屋の中で圧迫感を与えず、インテリアにマッチするデザインで、リビングなどに置きやすい。
機能は絞られており、施療範囲は首~骨盤まわり。「首肩もみメカ」と「背腰ローリングメカ」を搭載し、上半身を心地よくマッサージするという。「首肩もみメカ」は、大小2つのもみ玉を組み合わせたもので、首から肩を集中的に揉みほぐす。もみ玉は上下に移動可能。「背腰ローリングメカ」は、4つの回転式もみ玉が上下しながらマッサージする。
実際に使ってみると、首肩もみメカがしっかりと動き、揉みほぐしてくれるのがわかる。2つのもみ玉が首のツボに入り込んで刺激してくれる。背腰ローリングメカは上下に動き、腰に程よい圧を与えてくれた。いずれも強弱の調整はできないため、腰はもうちょっと強めにできたらなお良かった。
またロースタイルマッサージチェアはスピーカーを搭載しており、Bluetooth連携によりスマートフォンから音楽を流すことも可能。ヒーリングミュージックと合わせれば、より癒しの時間を楽しめるだろう。
エントリーモデル「リラックスマスター マッサージチェア AS-695」
次に、4月に発売されたエントリーモデル「リラックスマスター マッサージチェア AS-695」を体験。販売価格は約25万円。
AS-695に搭載されているマッサージ機構は、部位に合わせてもみ技が変化する「GRIP式メカ3.0+(プラス)」。6つのもみ玉が、肩は掴んでほぐし、背中は広範囲に、腰は深く、おしりは下部まできめ細かくマッサージするという。適切なポイントをマッサージできるよう、肩位置自動検出機能も備える。
自動コース(全身)で運転を始めると、まずセンサーが肩位置を検出。リモコンのランプが点滅から点灯に変わると肩位置調節が終了し、マッサージが始まる。もみ玉の位置が合わないと思ったら、手動で位置調整できるので問題ない。
全身コースで最も印象的だったのは、腰の揉みほぐし。ツボにグリッと入っていくのがわかり、うぉぉ……と思わず声が漏れる。肩位置検出から腰の位置も計算されたようで、ツボを外さないマッサージに感動した。エアーバッグは22個備え、肩から足首まで包んでくれる。このほか、全身または脚部を伸ばしてほぐすストレッチ機能も搭載。
またリラックスマスターはコンパクトな点も特徴で、本格的なマッサージ機能を備えながら、後方15cmのスペースがあればフルリクライニング可能。肩部と脚部は収納でき、使わないときはコンパクトにできるという。
強さ調節は、肩と背中が5段階。背中とエアーバッグが2段階。少しわかりづらかったのが、肩と背中の強さ調節ランプが3つなこと。レベル「2」か「4」にしたいときは、ランプが2つ表示される仕様で、始めはこれ強さ何段階まであるんだ……? と戸惑ったので、少し慣れが必要だ。
AI搭載で唯一の液晶リモコン、最上位モデル「CYBER-RELAX マッサージチェア AS-2000」
最後は最上位モデル「CYBER-RELAX マッサージチェア AS-2000」。サイバーリラックスという名前が既に格好良い。
本機の特徴は、ユーザーの体型や状態に合わせてマッサージする、「5D-AI メカ」と「AIダブルセンシング」を搭載している点。「5D-AI メカ」は、ユーザーの体の負荷状態などから、リアルタイムに力加減や動作の緩急、圧力を自動調節する。「AI ダブルセンシング」は、背筋ラインと肩の高さを自動検知。「AI ダブルセンシング」が検知した体型情報と、「5D-AI メカ」から得られるユーザー情報を、AIが組み合わせてマッサージに反映するという。
また新たに高精度のブラシレスモーターを採用。よりなめらかな動きを実現し、人の手に近い動きでほぐすとしている。ヒーターを備えた背パッドは、新たに腹部にも当てられるようになった。背中に当てるか、お腹に当てるか選べ、従来の足裏ヒーターとあわせて全体をじんわり温めながらマッサージできる。
今回は、パッドをお腹に当てて使用した。肩からお腹までをパッドが覆うため、布団を掛けているような感覚がある。肩にもエアーバッグが備えられており、全身を包み込まれるような心地よさだ。この状態でフルリクライニングすると完全に寝姿勢になり、「あ、このまま寝れるやつ」と確信する。
同社によると、まずはストレッチコースで体をほぐしてからマッサージするのがオススメということで、ストレッチコースで運転。ストレッチコースで面白いのは、脚部が下に引っ張られて、つま先からググっと伸びること。人に足を引っ張られているような感覚で、これは1人でのストレッチではできないなと思った。
そのまま自動コース「全身 極 疲労回復」を選択。こちらも運転前に肩位置が検知されるが、さらに背筋ラインも検出される。最上位モデルはリモコンに液晶画面があるため、自分の背筋ラインを表示してくれる。自覚はあるが猫背なのが背筋ラインにも現れており地味にショック……。
マッサージ性能はお墨付きで、かなり心地よい。腰や肩に入るもみ玉はツボを捉え、エアーバッグの締め付けも絶妙だ。正直、使うまではあまりAI機能は信用していなかったが、5分座っただけで前言撤回。全身のツボを外さないし、もみ玉の複雑な動きはまさに人の手だった。
またリモコンの液晶も見やすく、リアルタイムで今どういう動きをしているのかを表示してくれる。ちょっと刺激が強いなと思ったらタッチ操作で調整できるので、とても使いやすい。残り時間がわかるのも高ポイントだ。
この液晶は最上位モデルにしか採用されていないが、従来よりシニア層から好評で、新モデルではさらに液晶を大きくしたという。液晶は大きいが、リモコン自体を大きいと感じることはなく、視認性も操作性もかなり良い。
ちなみに同社によると、マッサージチェアの市場動向は2016年以降、30万円未満のスタンダード帯よりも、30万円以上のハイエンド帯の方が構成比では上回っているという。
「自分で使うものというよりも、親と同居していて一緒に使うという方の話を聞きます。そうすると、より良いモデルを、と考える方が増えるようです。また、一生に一度の買い物ということで、どうせならとハイエンド帯が選ばれています。もちろん置き場所や予算がネックになるという話もありますので、幅広いラインナップでさまざまなニーズに応えられるようにしています」と、同社担当者は話す。
今回はショールームでの体験だったので、すべての機能を試せた訳ではないが、それでも違いは感じられた。もちろんショールーム以外に、家電量販店の店頭でも試せるので、気になる人は一度ぜひ乗り比べてもらいたい。