家電ラボの徹底「本音」レビュー
タッチパネルで操作しやすい! 高級マッサージチェアを1カ月間使ったら腰痛が改善されて感動!!
2019年9月5日 06:30
肩こりと腰痛がひどく、ツライ日々を過ごしている。特に腰痛には苦しめられているので、マッサージに行ったり、スーパー銭湯などに置いてあるマッサージチェアを試したり、マッサージ系の家電も好きで色々購入している。
数年前、ガマンができなくなり、マッサージチェアを購入した。家電量販店に通って色々と試して比較した結果、選んだのがパナソニックのマッサージソファ。インテリアに馴染むデザインでコンパクトということもあったが、何よりも「グイグイとツボを押されて、ちょっと痛い」が気持ちよかったのだ。常に凝っているのでソフトなタイプよりもハードで痛いくらいのほうが好み。そんなわけでずっと愛用していたが、遊びに来た父が気に入ってしまい、実家に持っていってしまったのだ。そこで今、新しいマッサージチェアを探している。
注目しているのは、8月1日に発売されたばかりのパナソニック「リアルプロ」(EP-MA100)だ。売れているシリーズで、全身のコリをほぐす高級モデル。特にシニア層の男性を中心に高い評価を得ているとのことだ。新モデルの特徴は、もみ技が158種類から164種類に増えたことだ。また、タッチコントローラーを採用したことで直感的に操作できるようになった。
個人的な好みとしてハードでグイグイくるタイプが好きなので、やはりパナソニックのマッサージチェアは一番の候補に挙がる。ただ、ハイエンドということもあって、実勢価格が58万円前後と高額だ。それだけの価値はあるのだろうか。お借りして試してみることにした。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | リアルプロ「EP-MA100」 |
本体サイズ | 約85×130×120cm(幅×奥行き×高さ) |
実売価格 | 58万円前後(税抜) |
マッサージチェアにありがちな数多くのボタンがない! タッチパネルは老眼でも見やすい
実際に家に置いてみると、想像していたよりも大きく感じる。リクライニングしていないときは約85×130×120cm(幅×奥行き×高さ/クッション無しの場合は高さ約115cm)で、リクライニングしたときは約85×200×79cm、質量は約87kgもある。
前モデルと比較し、外観で大きく変わったのは操作部が「タッチパネル」になったこと。カーナビのようにタッチパネル式のコントローラーに変更されたので、直感的に操作できる。
最初にユーザーを選択し、メニューを選ぶ。メニューは大きく分けて2コースで、全身を自動でマッサージする「かんたん全身マッサージ」コースと、好みの部位や動作でマッサージできる「好みの部位を選んでマッサージ」コースだ。さらに詳細のコースを選ぶと肩位置センシングが始まる。マッサージが開始してから「もうちょっと強くしたいな」といった調整もタッチパネルで簡単にできる。
マッサージチェアといえば、たくさんのボタンを使って操作しなければならなかったので面倒だったが、これなら「肩だけ」マッサージしたい場合は、体のイラストから肩の部分をタッチすればいいので簡単だ。アームは動かせるので見やすい位置に角度を変えられる。
思わず声が出る! 痛気持ちイイもみ玉と、しっかりホールドするエアーバッグ
マッサージ動作については、もみ玉によるマッサージと、エアーバッグを使ったエアーマッサージの2種類となる。
パナソニックのマッサージチェアは、もみ玉でツボをピンポイントで刺激し、グイグイ押す。もちろん強弱は設定できるが、他社と比較すると強めの設定だ。そのため、強さをやわらげられる黒いシートクッションが付属している。
はじめに設定を変えず、「かんたん全身マッサージ」の「もみ揉ねつ(もみじゅうねつ)」を試した。マッサージのトータル時間は19分。最初に肩位置をセンシングし、「決定」を押す。あとは首から腕、足裏やふくらはぎまでしっかりともみほぐす中級者コースだ。取扱説明書によると痛みが苦手な方、マッサージに慣れていない初心者は、マッサージがやわらかめの「さすり」コースがおすすめとのこと。
私はゴリゴリに凝りまくっているので、「もみ揉ねつ」コースでスタート。背もたれが後ろに倒れ、脚のせ台が上がる。背もたれと脚のせ台に体重がしっかりと乗ったところでもみ玉が動きだす。もみ玉はまっすぐ移動するだけでなく、左右にも動きつつ上下しながらツボを押し、振動を加えてグイグイくる。そのため、あまりマッサージに慣れてない方は痛いと感じるかもしれない。最初、背中から内臓を押されるような感覚に声が出てしまった。これだけ体格がよく肉厚でコリがひどく、マッサージに慣れていても驚いたほどだ。
この痛気持ちいい感じは、まさにパナソニックらしいマッサージ。「これこれ! 」と個人的に感激した。さすが上位モデルだけあって、こするように動いたり、ピンポイントで押したり、背筋にそって体を伸ばしたり、動きの幅が多彩だ。もみ玉は温かくなるので、しばらくするとマッサージ効果と温かさで眠くなってしまう。
上腕、腕、脚、骨盤を刺激するエアーバッグが絶妙な強さ
もみ玉だけでなく、エアーバッグの圧迫感も心地よい。新製品で追加された上腕後部のエアーバッグ(左右)が特に気に入っている。一見、空気が入って膨らんでいるだけのように見えるが、実際に体感してみると肩をつかまれてもまれているような感覚だ。
さらにスゴイと思ったのは、しっかり肩をホールドすることによって体がズレなくなり、全身のマッサージやストレッチも安定することだ。「ストレッチ」コースについては後述するが、このときに上腕後部のエアーバッグがあるのとないとでは、効果が全く違う。
「全身」というだけあって、手や足も入念にマッサージしてくれる。手・腕マッサージ部は、肘から下をはさみこむようにエアーバッグが膨らむ。包み込むようにググッと上下から手のひらと前腕を圧迫してくれるので気持ちいい。単にエアーバッグが膨らんで挟んでいるだけではなく、表面の細かい凹凸がツボを刺激してくれるので、やみつきになる。
また、脚もエアーバッグの効果で絞り出すような圧迫感がたまらない。エアーで強弱をつけながら、脚の裏はローラーでゴロゴロと刺激されている。太ももは何もないように見えるが、座面にエアーバッグが入っており、上から持ち上げることで太ももにもマッサージ効果がある。
エアー動作は体を抑えて固定する効果があるので、一部の部位を固定しながら、他の部位で引っ張るような動作ができる。もみ玉、エアーバッグ、脚のせ台、背もたれがめまぐるしく動き、組み合わさることでツボを効率的に刺激していることがわかる。あちこちに装備されているエアーバッグの存在が想像以上に心強い存在だった。
ただ、音は少々気になる。ありとあらゆる方向から「シュコー」「ウィーン」「カクン」「カタカタ」と動作音がする。取扱説明書にも音についての解説があるほどで、静かな家の中で使うと最初は驚くかもしれない。モーターなどがあるので仕方ないのかもしれないが、もう少し音への配慮がほしい。
「ストレッチ」がお気に入り! 腰痛に効果てきめんだった
ライターという職業柄、座って作業することが多く、腰痛で苦しんでいる。マッサージに行くと主に腰をメインに施術してもらっている。今回、腰痛が改善されて感激したのが「ストレッチコース」だ。
ストレッチは首すじ、肩甲骨、腰、骨盤、脚、体幹の6種類で、好みのマッサージだけ選ぶことができ、「ストレッチ」コースにすればおまかせになる。いつも自動で全身をストレッチしている。
腰痛はおしりの筋肉も関係しており、腰だけでなくおしりもストレッチすることで効果が期待できる。あたためながら座面のエアーバッグが膨らむことによって押し上げられ、もみ玉が腰をグッと上に上げる。そのまま押さえた状態で座面のエアーバッグがしぼむので、腰が伸びていることがよくわかった。また、骨盤まわりでは、もみ玉が背中を支えながら、おしりのエアーバッグを交互に膨らませる。複数の合わせ技で骨盤の周りが伸びていることが実感できた。
体幹ストレッチが始まると、エアーバッグともみ玉、チェアの背もたれや脚のせ台を動かし、のけぞるような姿勢になる。このとき、上腕のエアーバッグが肩をがっちりつかみ、背中のもみ玉がグンと前に出てので、胸を張るような姿勢になり、脚のせ台は下に下がって体全体が伸びた状態になる。これがもうスッキリ!
「ストレッチ」コースも19分。終わったあとは嘘のように体が軽くなった。特にツライ腰痛に効果抜群だ。個人的にはマッサージよりも「ストレッチ」コースのほうが効果を実感できた。
どこをほぐしているのか一目瞭然、「スキップ」「リピート」が簡単にできるのは便利
操作パネルは見やすく、タッチパネルなので操作しやすい。自分好みに設定した動作を登録できるので、毎回設定する必要がなかった。
また、マッサージ中に「リピート」「スキップ」ができるのはユニークだ。「この動きが好きなのでもうちょっと長く続けてほしい」と思ったら、リピートを押すと動作中のマッサージを約2倍の回数を繰り返す。「この動きは苦手」と思ったら「スキップ」を押すと次の動作に移る。トータル19分の時間は変わることがなく、リピートを押すとその時間分、プログラムの最後の施術が削られる。スキップを押すと次の施術へ移行。そのままプログラムが最後までいったら最初にもどり、飛ばした時間分、最初から実施される。
どこをほぐしているのか、体のイラストで確認できるのも楽しい。液晶は明るく、文字もクッキリとしており、大きく見やすいので老眼でもメガネをかけずに操作できた。お風呂上りなど、わざわざメガネをかけることなく、リラックスした状態で操作できる点も魅力だ。
ただ、運転中は椅子が後ろ側に倒れるため、液晶画面が遠くなる。そのため、少し操作がしにくい。アームがもう少し長いほうが見やすく、操作しやすいのになと感じた。
娘は「液晶画面でYouTubeが見られればいいのに」
中学3年生も「弱」にしてマッサージを楽しんでいる。やはり強めのもみ玉が痛いらしく、付属のシートクッションを敷いてからマッサージをしている。
家族で使用する場合、強めが好きな人、弱めが好きな人と分かれることもあるので、弱よりももう少し弱いモードがあってもいいのかもしれない。現状では、やはりシートクッションは必要になるだろう。原始的な方法だが、物理的に弱くできるので痛みを抑えられる。ちなみに我が家では娘がクッションを使っており、「これくらいがちょうどいい」とのこと。
「マッサージするのに19分も時間がかかるなら、この液晶(操作パネル)でYouTubeが見られればいいのにね。Googleホームかなにかで、音声で操作できたら便利そう」と、娘は若者らしい提案をしていた。私は瞑想状態でゆっくりボーッとマッサージするのが好きなので必要ないが、気持ちはわかる。
インターネットに接続されるようになれば、新たにコースをダウンロードできたり、音楽を楽しんだり、色々な使い方ができるかもしれない。そういった機能も今後は期待したい。
使ってみて実感、やっぱり買うなら新モデル
今回の新モデル「EP-MA100」は、わかりやすい操作パネルが搭載されたことが大きい。直感的に操作できるのは、思いのほか便利だった。これに慣れてしまうと、従来のボタンによる操作はかなり面倒に感じる。
また、個人的に気に入ったのは上腕の後部に設置された左右の大きなエアーバッグだ。肩がホールドされ、腕から腰、足まで伸ばしてしっかりストレッチできて本当に気持ちがよい。もみ玉やその他のエアーバッグと組み合わせることにより、背中や腰だけでなく、肩や腕もしっかり効果を実感できる。これは前モデルにはなかった新機能だ。価格を考えたら型落ちモデルでもいいかな……と思っていたが、諸々を考えるとやはり新モデルが魅力的だ。
最上位モデルだけに価格は高いが、ふだんからマッサージに通っているのであれば早めにモトはとれそう。多彩なもみ技を組み合わせているため、すべて気持ちがよく、朝晩乗るのが楽しみになっていた。わが家の場合は本体の大きさが一番のネックになっているので、置く場所の問題はあるが、腰痛に悩んでいる身としては真剣に悩むほど、新モデルは購入する価値があると感じた。
まとめ
○ここがスゴイ! | ・ストレッチコースが最高!腰痛も改善された ・腕や足などのマッサージも強めで気持ちよい ・操作パネルが見やすく、直感的に操作できる |
△もうひといき! | ・色々な音がするので。内部の音についても配慮してほしい ・本体のサイズが大きい。搬入経路も確認が必要 ・マッサージ中は操作しにくいので、操作パネルのアームはもう少し長めにしてほしい |