家電ミニレビュー
アラジンのレトロデザインなコーヒーメーカー、気になる味は?
2023年8月14日 08:05
中はふっくら、外はサクサクのトーストが楽しめる、グラファイトトースターを世に出したブランド「アラジン」。そのアラジンがトーストに合うコーヒーを追求して作ったというコーヒーメーカーが、「アラジン コーヒーブリュワー ACO-D01A」です。
この記事では、本機で淹れるコーヒーの味はもちろん、使用感などをレビューしていきます。毎日のようにコーヒーを飲みながら仕事をするライターが評価しました。
ドリップ終盤の差し湯がコーヒーをおいしく仕上げる
本機で淹れたコーヒーがおいしい秘訣、それはドリップ後の差し湯です。アラジンによると、コーヒーの旨み成分が抽出されるのはドリップの序盤~中盤に限られており、終盤になると旨み成分はなくなり、むしろ雑味をもたらす成分が出てきてしまうといいます。そこで本機では、中盤まででドリップを中断し、終盤にはお湯を注ぐことで旨みを維持しつつ、雑味を抑えているのが特徴です。
本機が淹れるコーヒーのテイストは、クリア、マイルド、ストロング、デミタスの4種類です。差し湯とドリップ液の配合がそれぞれ違い、ドリップ液:差し湯の比率は、クリアが3.5:6.5、マイルドが5:5、ストロングが7:3、デミタスが0:10となっています。序・中盤のドリップ液のみを抽出し、差し湯を全くしないデミタスは、氷の上から注いでアイスコーヒーにする、あるいはミルクと割ってカフェオレにすることを想定したメニューです。
それらの味わい全体に共通していえるのは「飲みやすい」こと。ストロングにもなるとその味はかなり濃厚ですが、“嫌な”濃さではなく、コーヒー好きであれば素直においしいと思える濃さなのです。一方、クリア、マイルドでもコーヒーの旨みはしっかり抽出されているので、薄いと感じることはありませんでした。筆者の感覚でそれぞれの味を表現するとしたら、クリアは普段コーヒーを飲まない人でも飲みやすそう、マイルドはスタンダード、ストロングは目を覚ましたいときの一杯といった感じでした。
開発コンセプトである「雑味の抑制」は明らかに効果を発揮しており、本機が淹れたコーヒーを飲んだ筆者は「コーヒーの雑味って“あれ”だったんだ」と、その正体を体感できるほどでした。
「コーヒーが本当に好き!」という人に
本機で一度に淹れられるコーヒーの量は、コーヒーカップorマグカップ1杯。コーヒーカップ1杯を淹れるレギュラーカップモードでは130ml、マグカップモードでは250mlをドリップします。一杯のドリップにかかる時間はレギュラーカップモードでは4分で、マグカップモードだと4分30秒かかります。これだけの時間がかかる理由は、ドリップの前に予熱、蒸らしの工程を踏んでいるためです。
1回で大量にドリップすることはできませんが、直販限定のコーヒーサーバー(3,740円)を使えば、2人分を淹れられます。多くの量をドリップしたい場合は、マグカップモードで連続ドリップします。幸いフィルターとコーヒー粉を入れ替えるのは簡単なので、手間はあまりかかりません。
難点を挙げるとすれば、一度のドリップにかかる4分という時間の長さ。一人用として使うのならボタンを押してから4分、ほかのことでもしながら待てば良いだけです。でも複数人ぶんを淹れるとなると、8分以上は要します。この点を考えたら、1人から、多くても2人向けの家電と考えたほうがよいように思います。
また、コーヒー豆を挽く機能はないので、粉になったものを購入するか、豆を手動で挽く作業が必要になります。本機は、豆を挽いているときの香りも楽しみたい、それほどにコーヒーが好きなユーザーに向いた製品といえます。
コーヒー好きの在宅ワーカーにはたまらない
以上の使用感を踏まえたうえで、本機がどのようなユーザーにぴったりか考えてみると、筆者の結論は「コーヒー好きの在宅ワーカー」です。筆者はライターという職業ゆえ、家で仕事をする時間は少なくありません。気分転換にコーヒーを飲みたいとタイミングもたびたびあるので、その際にはありがたい存在でした。
また本機が開発された背景には、アラジンのトースターで焼いたトーストと同時に、おいしいコーヒーを楽しみたいというユーザーからの要望があったといいます。クリア、マイルド、ストロングというそれぞれのテイストは、それぞれがさっぱりしたプレーントースト、まろやかなバタートースト、濃厚なチーズトーストとのマリアージュを考えて作り出されたものです。
本機は、仕事中の気分転換にも、朝食や昼食のトーストのおともとしても、ベストな一杯を淹れてくれました。