家電製品ミニレビュー

この使いやすさはもはや革命! オムロンの血圧計「HEM-7600T」がオススメ

 血圧でお悩みの方に朗報! すでに血圧計を持っている方も、これから買おうと思っている方にも、ぜひぜひぜひ! オススメしたいのが、先日オムロンから発売された上腕式血圧計「HEM-7600T」だ。

上腕式血圧計「HEM-7600T」。価格はおよそ22,000円と高めだが、早々壊れるものでもないので5年も使えばかなり安いものになる
メーカー名オムロン ヘルスケア
製品名上腕式血圧計 HEM-7600T
実売価格21,470円

 これまでの血圧計とは一線を画する使いやすさと、正しい姿勢で計れる便利さを兼ね備え、血圧計に革命を起こしたと言ってもいいだろう。少なくても筆者はそう思う。

 ここまで褒めると「お前、オムロンから金品もらってるんじゃね?」と思われてしまうかもしれないが、そうではない。毎日血圧を測って、血圧と脈拍の具合を見ながら薬を飲む筆者にとって、最高の血圧計なのだ。

これまでの血圧計は「装着◎姿勢△」か「装着△姿勢◎」で、帯に短したすきに長し

 血圧をわずらっている方はご存知の通り、血圧計には大きく分けて2つのタイプがある。

 ひとつは、旅行に持って行ったり会社の引き出しに隠して(笑)おける、手首式の血圧計。筆者も旅行や寒いところに取材・撮影に行くとき必ず持ち歩き、予備もあわせて2個持っている。もうひとつは、ちょっと大きくて文字は見やすいけど、携帯には不便な上腕式の血圧計。

 でもこれ、ともに一長一短があって、使い分けている人が多かったり、正しく血圧を測れていない人が多かったりするのだ。

左から手首式、新製品の上腕式「HEM-7600T」、従来型の上腕式

●手首式血圧計

長所
・コンパクトで携帯に便利
・安い!
・単機能なので操作が簡単

短所
・正しい姿勢で計るのが難しい→結果として正しく計れていない人が多い
・測定に時間がかかる
・スマホと連携できる機種があまりない

●上腕式血圧計

長所
・誰がやっても常に正しい姿勢で測定できる
・スマホと連携できたり2人の血圧を管理できたり高機能
・測定が早い

短所
・重くて持ち運びできない
・装着や操作が手間(高機能ゆえ)
・手首式に比べて高い

 2つの血圧計だが、決定的な違いは「正しい姿勢で正確な血圧を測れるか?」という点。

 特に手首式は、「正しい姿勢」で血圧を測れていない人が非常に多い。これは家族や親戚などを見てきた経験だが、たぶん一般的にも正しい姿勢を取れていない人が多いはず。

 血圧計は手首式や上腕式に限らず、心臓と同じ高さで計らなければならない。が! 病院だと机の上に腕を置いて、ちょっとクッションを敷いて計ってたりするので、家でも同じようにやってしまう。

 そもそも病院の机は、書き物をする机なので、食事をするリビングのテーブルに比べ少し高くなっている。だからリビングのテーブルで血圧を測る場合は、病院より少し高めの敷物をしなければならないのだ。

手首式でも「正しい姿勢」をすれば正確な血圧が測れるのだが、ダイニングテーブルは低いので、血圧計が心臓と同じ高さにならずNG。枕のようなものを使って手首を上げること

 もっと誤差がでちゃうのが、コタツ(笑)。

 コタツに正座して入って、机の上に腕を置いて計っている人をよく見かけるが、これだとかなり心臓より低い位置で血圧を測ってることになるので、高めの血圧が出てしまうのだ。

もっとダメなのはコタツやちゃぶ台での測定。心臓の位置というより、お腹に近い高さになってしまっている

 でも自分の心臓がどこにあるか? なんて正しく理解している人は少ない。一昔前の映画やドラマでは、本人の左側の胸を拳銃で狙っていたりするし、自分の胸の左下を触るとドキドキしているので、左側にあると思っている人が非常に多い。

 実は心臓は体の中心で、みぞおちより少し上(アバラ骨に守られている部分)にあるのだ。医者や手術をしたことがある人にとっては常識なのだが、あまり一般に知られていない豆知識(笑)。

心臓を正面から見ると左右中央にある。真っ白の点線はアバラ骨の断面。アバラに囲まれた真っ黒な部分が肺でその中央にあるのが心臓(ちょっと大動脈の影も映ってる)
横から見たところ。左が腹側で、右が背中側。ちょうど前のアバラ骨の中に心臓がある。これは筆者の中身だけど、みんな似たようなモン
3D映像にして左ワキから見たところ。かぎ針のような形をしているのが心臓から出ている大動脈で、それに囲まれるように中央に白く薄い心臓の影が見える

 胸の左下がドキドキしているのは、血液を送り出すポンプの心室が左側斜め下に寄っているので、その振動が伝わってドキドキを感じているだけ。

 なので手首式の血圧計は、心臓の位置を正しく理解している人が使う分には、上腕式や医者の血圧計なみに正しく計れる。ちなみに腕の先は、だらーんと机に伸ばしておく必要はないので、手を胸に当て、心臓の位置に血圧計がくるようにする。「わが身をもって忠誠を誓います!」的なカッコイイポーズで血圧を測るといいだろう。

血圧計を心臓の高さに持っていけば、こんな格好で測ってもいい(と、お医者さんが言ってました)

 一方、上腕式の血圧計は上腕につけると、だれでも心臓の高さに測定器が来るので、正しい姿勢で計りやすいというわけ。寝ながら計ったり、腕を上げて計ったりするすれば、異常な測定値になるが、そんな人はまずいないだろう。

 このように手首式も上腕式も血圧計の精度は正確でまったくかわらないのだが、測定姿勢で誤差が出るため、一般的に上腕式血圧計のほうが正しく図れるといわれたるゆえんだ。

上腕式だと、誰でもはめた位置が心臓の高さなので正しい姿勢で計れる

本体・カフ一体型で上腕式の正しい姿勢と手首式の簡単さ

 HEM-7600Tは、上腕式ながら机に置く本体がないので、ホースを引っ張り出して伸ばしたりしなくていい。装着の手軽さは手首式なみに簡単だ。しかも必ず心臓の高さに取り付けられて、姿勢や心臓の位置を気にする必要もない。

HEM-7600Tは、上腕式なのでいつも正しい姿勢で計れる

 つまり、上腕式と手首式のイイトコ取りをしたのが「HEM-7600T」。しかもスイッチはたった2つに集約され、スマホと連携することを主眼に置いて開発されているため、操作もシンプル。

一般的な上腕式の場合
1.最近のはカバーがないのが主流。掃除機のコードみたいにエアホースを伸ばす
2.カフを腕に巻く
3.2人の血圧を管理できるので、どちらかを選ぶ
4.測定開始ボタンを押す
5.ようやく測定結果が表示された
HEM-7600Tの場合
1.本体一体型カフをはめる
2.カフをマジックテープで固定
3.電源ボタンを入れると測定開始し、すぐに測定できた

 とにかく手首式並み、下手すると従来の手首式より装着・測定が簡単。「ちょっと血圧が上がってきたかも?」という場合でも、気軽にチェックできるので便利この上ない。

 これは血圧計に革命を起こした機種といってもいい!

スマホとの連携も簡単、血圧の推移がグラフで見れて注意もしやすい

 スマートフォンとの連携は、いたって簡単。Apple StoreやGoogle Playから無償の「OMRON connect(オムロンコネクト)」をインストール。血圧計とスマホとの間は、スマホ用の電話のヘッドセットやスピーカーでおなじみのBlurtoothが使われている。

 この方式は、セットアップ(ペアリング)が簡単で、オムロンコネクトの初回起動時に、血圧計を登録する画面で機種名の「HEM-7600T」を選ぶだけで、すんなり接続できる。Bluetoothうんぬんを知らなくても接続できるほど親切だ。

 あとは血圧を計るごとにスマホに最高・最低血圧と心拍数の値が送られ、大きな文字で値を確認できる。

測定値はスマホに転送されすぐに大きな字で確認できる
血圧計本体にも表示されるが、ほかの血圧計に比べると文字はやや小さめ

 また日々血圧を測っていくと、自動的にグラフを作成してくれる。グラフは週単位と月単位で表示できるので、血圧が高いときの傾向を掴むのに便利だ。

 1週間の生活習慣がキッチリしている方は、毎週水曜日は会議があるから要注意。今日は薬を持っていこうと、事前に策を講じることもできるだろう。

1週間の血圧の変化がグラフで表示される。土曜日はひと段落するので、血圧低め!?
こちらは月間の血圧。いつも水曜日ぐらいになると、ヤベ!仕事してね!となって血圧が上がるようだ
日々の測定データは、スマホからメール出力することでパソコンのExcelなどで管理もできる

 またグラフの圧が突出して高かったときなどは、原因を探るといいだろう。おそらく寒い中外で作業をしていたり、イライラするようなことがあったときだ。こうして自分の血圧が上がる原因を探っていくと、予防ができるので便利だ。

 1カ月単位の表示もしかり。中旬の「やっぺー、今月なんも書いてねー」的な焦りや、月末の「請求書書くのメンドクセー」的なのが顕著にでる(笑)。

 またこのオムロンコネクトは、対応した体重計や歩数計・活動量計などを統合して管理。血圧だけでなくさまざまなバイオデータを統合して、自分の健康状態を管理できるソフトになっている。

機器の追加を選ぶと、体重計や万歩計、活動量計などを統合して、自分の健康状態を管理できる

毎日計かりたくなる血圧計、計るのが楽しい血圧計

 手首式の手軽さで、毎日使える血圧計。しかもいつも正しい姿勢で測定できるので、健康管理に役立つ。しかも測定したデータは、すべてスマホに自動転送され、週単位や月単位のグラフとして見られるので、推移も一目瞭然。

血圧手帳をつけるのは面倒でも、この血圧計なら毎日続けられるはず

 血圧手帳をつけるようにと医師にアドバイスを受けても、長続きしなかった人、高血圧が気になる人、心臓や血圧の疾患で術後を経過を把握しなければならない人には、マストアイテムと言ってもいいだろう。

 血圧は別名サイエンスキラーと呼ばれている。なぜなら脳卒中やくも膜下出血、動脈瘤や動脈解離など、命に関わる病の引き金になるからだ。医師に血圧が高めと診断を受けたら、ぜひ血圧計を購入して欲しい。

 手首式は安くて一見初心者向けのように思えるが、正しい姿勢をとるのが難しい。しかがって、HEM-7600Tのような上腕式で手首式の手軽さも備えた製品がオススメだ。

藤山 哲人