家電製品ミニレビュー

iPhoneに血圧を即転送! いろいろ便利な上腕式血圧計

オムロン ヘルスケア「オムロン 上腕式血圧計 HEM-7510C」

 数年前に高血圧と医者に診断され、毎日の血圧管理が日課になっている筆者。先日とある手術を受けたら、血圧はすっかり正常値内に収まるようになった。しかし血圧が改善されたことを示すエビデンスとして血圧測定は欠かさないようにしている。

メーカー名オムロン ヘルスケア
製品名オムロン 上腕式血圧計 HEM-7510C
購入場所Amazon.co.jp
購入価格15,012円

 そんな筆者から超オススメしたい血圧計は、オムロン ヘルスケア「オムロン 上腕式血圧計 HEM-7510C」だ。コンパクトで表示が見やすく操作も簡単。その上、BluetoothとNFCに対応したスマートフォンへ、測定したデータを転送できる!

 今までは、どうやっても長続きしなかった血圧測定だが、これさえあれば電子血圧手帳として常に携帯できる。もう診察に行っても「今日は血圧手帳を忘れてしまって……」なんてことはなくなる! スマホを忘れなければ!!

初心者こそオススメしたい上腕式! オムロンをオススメするわけ

 冬場は気温が下がり血管が収縮するため、夏場より血圧が上がりやすい。しかも風呂の寒暖差や寒いトイレでのいきみも、血圧を上げる原因だ。さらに冬の気圧配置は、東側に低気圧が張り出してくるので、体内の圧も高くなってしまう。

 たかが低気圧と思うかもしれないが、心臓外科医によれば、低気圧が来ると急患(心臓や動脈疾患)が増えるという。すでに高血圧の人にとって冬は危険な季節であり、これまで血圧に異常がなかった人が異変に気づく季節でもある。

 医者に(「上が」「下が」と条件付きでも)「高血圧」といわれたことがある人は、ぜひ血圧計で自分の体の状態を把握して欲しい。筆者がオススメするのは上腕式。安くてコンパクトな手首式もあるのだが、初心者にはオススメできない。

初心者にはあまりオススメできない手首式血圧計
手首式は心臓と同じ高さにしなければならず、座り方によって測定値が変わりやすい

 なぜなら、手首式は座り方や腕の角度などによって、測定値が大きく変わりやすいからだ。ある程度自分の平常時を知っていて、測定した血圧が「これは高すぎ」(もしくは低すぎ)と判断できる人向けと言える。

 初心者には、測定値が安定している上腕式がいい。中でもオススメは、医療機器メーカーとしても、電子機器メーカーとしても高い実績を持つオムロンだ。筆者は、ずーっとオムロン愛用者なのだ!

 家庭用の血圧計にはもう1種類ある。同じ上腕式なのだが、大きな輪っかに腕を通して測る全自動式だ。これが一番正確に測れるが、本体が大きくて価格も高く、机と椅子がないと使いにくい。なので、カフ式がオススメというわけだ。

上腕式血圧計は、測定値が安定するので初心者向け
カフのチューブは取り外しもできる
単三の乾電池4本で数カ月は使えるので経済的。付属のACアダプターでもOKだ

バネ入りのカフで位置決めもピッタリ! 表示の見やすさも抜群

 血圧計の使いやすさを決定付けるのは、腕に巻きつけるカフと呼ばれる部分。これをいかに簡単に、狙った位置に巻けるかで、その血圧計の良し悪しが決まる。この点HEM-7510Cは、カフにバネが入っているので、腕が細い女性から、筋肉隆々の男性まで、誰でも簡単に位置が決められる。

ひじの関節からだいたい1~2cm離したところにカフを固定する
しっかり固定できるように、カフは扇状になっている

 マジックテープ式なので、あとはペタリとくっつけるだけ。カフは腕に密着するように、直線の帯ではなく、扇状になっているのもポイントだ。

 バネやマジックテープではないカフはとても面倒で、つける時間が倍は違う。血圧は朝の忙しい時間と寝る前に測るので、カフの使いやすさが長続きするポイントと言ってもいいほどだ。

 また、表示の見やすさもチェックしたい。見るべきところは、今計った血圧と、過去の血圧、過去の平均血圧などがはっきり区別できるかだ。

 HEM-7510Cは、はっきり区別できるだけでなく、血圧の履歴をデイリーやウィークリーといったグラフでも表示できるため、傾向を掴みやすい。

測った血圧は、1文字10円玉ほどの大きさで表示される。画面上部には、気温と日付と時刻も表示。右側の数値が、上が135、下が85の線を越えていなければ正常値
ウィークリーの平均値がグラフで表示される。今回の測定値との見分けも一発だ

 さらに便利なのが、血圧と同時に気温も記録してくれる点。冬は、寝坊して暖房をつけずに測った血圧と、暖房ぬくぬくの部屋で測ったのでは数値が大きく変わる。HEM-7510Cは気温も一緒に記録してくれるので、本当に血圧が高いのか、寒くて一時的に高くなったのかを見極められる。

完全に血圧手帳を電子化できるハイテク血圧計!

 医者に高血圧を診断されると、たいてい「血圧手帳」が渡される。朝晩に血圧を測って、この手帳にメモして自分でグラフを書き、己の体調管理を義務付けられるのだ。そして次に診察に行くとき、この手帳を医者に診せることで、処方した薬の効き具合の診断材料になる。

高血圧の人に配られる血圧手帳。毎日つけるのは、途方もなく面倒……
血圧計や体重計、万歩計などオムロンのヘルスケア製品と、スマホやパソコンをリンクできる「ウェルネスリンク」に対応。画面はスマホのアプリに機器を登録するところ
BluetoothとNFCに対応したスマホが必要

 小学校のときに観察日記が3日と続かなかった人は、血圧手帳も3日と続かない。そんな人が多いので、ここ数年の血圧計のトレンドは、血圧手帳との連動にある。

 手帳に付け忘れても、数カ月前までさかのぼって履歴を見られるのはもちろん、USB接続してパソコンにデータを取り込めたり、SDカードでデータを移動できるものなどさまざまだ。

 筆者は全部試したことがあるが、結局最後は血圧手帳に転記したり、パソコンからデータを吸い取り、グラフを印刷するのは面倒。で、挙句の果て、せっかく転記した血圧手帳や、プリンタで印刷した血圧グラフは、だいたい家に忘れちゃうのだ。

血圧計の通信ボタンを押して、スマホのアプリを起動。あとは画面の指示にしたがって、スマホを本体にかざせばデータ転送完了
転送はあっという間に終わる。わずらわしさがないので超便利
筆者の血圧の推移。健康!
一カ所だけ血圧が高かった箇所を表示。149-100は高いが、これは暖房を付けずに測ったためだ

 しかしHEM-7510Cは、血圧手帳との連携がパーフェクト。用意するのはBluetoothとNFCに対応したスマホと無償のアプリだけ。

 血圧計からデータを取り込むときは、スマホを本体に数秒かざすだけで転送できる。自動改札機のICカードと同じしくみだ。スマホとのデータ通信でお財布ケータイのデータ送受信機能を使っているのだ。今回はAndroid端末を使ったが、iPhoneではBluetoothでデータを転送できる。

 とにかく手軽なので、病院にいく前にサッとかざして1カ月の記録を転送。あとは医者で診察する際に「先生、血圧をスマホで管理してるんで、ここで電源入れてお見せしていいですか?」と告げて見せるといいだろう。マナーが気になる人は、機内モードにすればいい。

パソコンの画面なら、1カ月分の毎日の血圧を表示しても見やすい
1週間の平均値を表示することもできる。血圧の傾向を見るのに便利

 血圧はデイリーだけでなく、ウィークリー、マンスリーなどで表示でき、現在や過去の傾向も分かるので血圧手帳より便利だ。なによりスマホを忘れることはまずないので、確実に医者に血圧の推移を見せられる。

 なおデータはオムロンのWebサービスにも転送されるようで、スマホ経由で読み込んだ血圧計のデータは、パソコンからオムロンのサービスにアクセスすれば、同様のグラフが見られる。このサービスは基本無償で、ヘビーに使いたい場合は有償サービスもある。

 またパソコンのサービスを利用すると、過去の血圧を手入力できたり(買い替え前のデータを移行するのに便利)、測定値にメモを入力したり(運動や風呂の直前直後だったなど)、カンマ区切りのデータをWebからダウンロードして、Excelなどで管理することもできる。

パソコン版はデータの手入力、薬の服用状態、メモなど詳しく入力もできる。スマホでも20文字のメモなら入力OK
Excelを使い慣れているならデータをダウンロードして活用することもできる
デジタル血圧手帳が実現できるHEM-7510C

 血圧のデータはクラウドを経由して共有できるため、スマホとパソコン間で同期を意識することはまったくない。

 ただ「血圧だって個人データだ!」という人は、約款などをよく読んでからサービスを利用すること。筆者はとくに気にしてないので、無償の恩恵にあずかっている。

 血圧計としても洗練され、コンパクトで使いやすいHEM-7510C。スマホをかざしてデータ通信すると、楽に血圧をしっかり管理でき、デジタル血圧手帳として便利に使える! 筆者オススメの血圧計だ。

藤山 哲人