家電製品ミニレビュー
シワもタバコのニオイもばっちり落ちた! クローゼット型ホームクリーニング機「LG styler」がスゴイ
2017年3月6日 07:00
世界初の"クローゼット型ホームクリーニング機"として話題となったLGエレクトロニクスの「LG styler」。洋服をかけておくだけで、スチームと振動によってニオイ、シワ、花粉や埃などの汚れを取り除く、今までにはなかったタイプの家電だ。韓国で2011年に発売され、現在はワールドワイドで月間1万台以上を販売されているヒット商品である。
日本では2017年1月25日に発売され、現在は東京・二子玉川にある蔦屋家電で実物を見ることができる。今のところは主にホテルやレストランなどを中心としたBtoBで展開しているが、今後はBtoCも視野に入れてさらに販路を拡大していく予定だという。そんな注目の製品をお借りして、実際に家で使ってみた。
販売価格228,000円(税抜)とのことで、決して安いとは言えないが、一度使ってしまうと、手放せなくなる製品だ。個人的には価格よりも置き場所が問題で、導入に踏み切れない。サイズは445×1850×585mmで重さは83kg。見た目は細長い大型冷蔵庫のようなサイズ感で、間口は狭いが、特に奥行きが大きいクローゼットといった印象だ。
メーカー名 | LGエレクトロニクス |
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製品名 | LG styler |
品番 | S3RERB |
実売価格 | 246,240円 |
見た目は細長い大型冷蔵庫、スチームと振動でシワやニオイを落とす
LG stylerは、1分間で最大180回振動する「振動ハンガーラック」で衣類を揺らして花粉などのアレル物質を物理的に落とし、スチーム技術「True steamテクノロジー」でシワを伸ばしていく。最初はスチームで加湿し、最後は除湿するため、給水タンクと排水タンクが別々に備えられている。ドライクリーニングのような化学溶剤は使用しないので、衣類を傷めることがなく、やさしくケアできるのが特徴だ。
使い方はとても簡単。最初に給水タンクに水を入れて、本体に衣類をセットしてコースを選ぶだけだ。扉のタッチセンサーは日本語で表示されており、見やすく、コースの内容もすぐにわかる。コースは大きく分けて「リフレッシュ」「除菌プラス」「上質乾燥」「専用コース」の4つに分かれている。
「リフレッシュ」は主にスチームと乾燥、「除菌プラス」は「リフレッシュ」コースに加熱による除菌を加えたもの。「上質乾燥」はカシミアやシルクといった繊細な生地用で、低温でケアする。「専用コース」はスマートフォン(NFC対応のAndroid端末)を本体にタッチしてダウンロードした専用コースを2つまで利用できる。
ジャケット用ハンガーは2本、ズボン用のハンガーが1本付属している。3着を振動ハンガーラックにかけ、ズボンは扉にある「ズボン折り目ケア」にズボンを入れてシワなどを伸ばせるようになっており、一度にケアできるのは4着までとなっている。また、お好みでアロマシートをセットして、香りをつけることができる。専用のシートも販売されているが、乾燥機用の衣類柔軟剤シートや、アロマオイルを染み込ませたカット綿でも対応可能だ。
振動ハンガーラックはブルブルと震えるというより、左右にユッサユッサとしっかり揺れていた。扉を開けた状態だと音が気になるのだが、閉めてしまうとほとんど気にならない。音も静かで、30㎝ほど離れた場所で40dB程度だ。
実際に揺らしている様子はこちら。なお振動ハンガーラックは、扉を開けると停止するため、今回は特別にデモモードで確認を行なった。
かけておくだけなのにシワがキレイに伸びていてビックリ!
コースの選択は、扉にあるタッチパネルで行なう。リフレッシュコースの「標準」で旦那のスーツと私のガウチョパンツをケアしてみた。旦那のズボンは折り目が伸びてしまい、細かいシワが気になる。ガウチョパンツは座りジワができていたので、専用ハンガーにかける。ズボンは折り目に沿って整えて、ズボンの端をズボンハンガーにかけ、扉に内側ある「折り目ケア」の小さな扉を開いて、挟み込むようにする。
次に庫内の下にある給水タンクを確認する。手前に引いてタンクを取り出し、水位を確認する。満水にしておけば、コースにもよるが、4回ほど使用できる。衣類をクローゼットにかけるような感覚で、セットはとても簡単だ。表示された時間は48分。最後にスタートボタンを押せば、あとは待つだけ。
運転が終わると軽快な音楽が鳴る。扉を開けて衣類をさわってみると少し温かい。
ガウチョパンツの座りジワも、旦那のズボンもシワがキレイに落ちている。かけておいただけなのに、座りジワが目立たなくなっていることに驚いた。旦那のズボンはアイロンをかけたようにピシッと折り目がついている。
単にかけておくだけなので、正直言うとそれほど期待はしていなかったのだが、たった48分でこれだけシワが落ちるなら嬉しい。
また、同じようにシワだらけの綿シャツとワンピースを試してみた。綿シャツは全体的にシワがあり、ウールのワンピースは裾がグチャグチャでひどいことになっている。こちらも同コースで見事にシワが気にならない状態になっていた。
庫内の温度と湿度を計測してみると、48分の間に加湿と脱臭を行っていることがわかる。1度に4着ケアすることができ、1回あたりの電気代は約12円(「リフレッシュ」コースの標準モード)。アイロンがけやクリーニングに出しに行く手間や費用を考えると、とても安く感じる。
わずらわしいアイロンがけからも解放され、ちょっとシワが気になると、すぐにこのstylerに入れる習慣ができた。
強烈なタバコ・焼肉のニオイも落ちた!
飲み会でタバコのニオイがついてしまったり、焼肉の香りが染みついてしまったりして、イヤな気分になることがよくある。特に洗うのが面倒なニット類は、ニオイを消すのが面倒だ。
そこで、ビニール袋にタバコの煙を充満させ、セーターを入れて1時間ほど放置してニオイをつけておいた。出してみると、30cm離れたところでもプーンと匂ってくる。セーターに鼻を近付けると数秒もかいでいられないほど、強烈なニオイだ。
ウールやニットなどは伸びてしまう可能性もあるため、棚をセットしてそこにたたんで置く。リフレッシュコースの標準モードでケアしてみた。コース終了後には、ニオイが見事に落ちていた。
シワの取れ具合にも驚いたが、ニオイにもこれほど効果があるとは、思っていなかった。脱臭能力もかなり高い。後日、焼肉を食べにいったときのセーターも同じようにケアしてみたが、これも効果抜群だった。
次に、黒いフォーマルスーツに石灰を撒き、手でこすりつけたものを入れてみたが、こちらも、手でこすりつけた場所を除き、気にならなくないほど落ちている。これなら外出先から帰ってきてすぐに入れておけば、花粉対策にもなりそうだ。
お借りしている間は玄関に置いておき、帰ってすぐにコート類をかけ、リフレッシュモードの「おいそぎ」モードなどで対策していた。これで花粉を部屋に持ち込むことがなくなり、家の中でも鼻がかゆくて仕方ないということはなくなった。
季節の変わり目には「虫干し」にも効果がありそうだ。「除菌プラス」コースは、花粉などのアレル物質が99.5%除去でき、大腸菌などの雑菌は99.9%除菌できるという。また、ダニにも99.99%対策できたということなので、子どもが触れているぬいぐるみなど洗いにくいモノも定期的にケアしておくと安心だ。
終わると表面の髪の毛やゴミが落ちていた
使用後は排水タンクに溜まった水を捨てる。この水はかなり汚れているため、再び吸水タンクに入れて再利用することはできない。数回ケアをして庫内を見てみると、壁や床には髪の毛やゴミが落ちている。振動ハンガーラックにより、服の表面に付着しているゴミなどをしっかり落としていることがわかる。
置き場所問題が解決するなら今すぐにでも欲しい!
スマートフォンがあれば、無料アプリを使用することで、細かく分類されたコースから選んだ2コースを本体にダウンロードできる。NFC対応のAndroid端末であれば、設定も簡単だ。別のコースを使いたくなったら、上書きしてダウンロードできる。
冬場は静電気で悩んでいたので、「静電気」コースをダウンロードした。11分ほどで完了するので、出かける前でもケアできる。扉を開けて庫内を見ると少し水滴が残っていた。服がしっとりしてスカートがまとわりつくこともなくなり、とても快適だ。このコースは気に入ってしまい、外出前に必ずやるようになった。このように、好みに合わせて色々コースを選べるのは嬉しい。
試用したのは一週間だったが、毎日使用し、多いときは1日に3回ほど稼働していた。なかなか洗いにくい子どもの制服にも重宝しそう。除菌プラスコースにしておけば、除菌できるうえ、ニオイなどもしっかりとれる。
思春期の子どもは新陳代謝がよく、汗臭かったりするのだが、LG stylerがあればニオイも気にならなくなる。同じく、加齢臭がそろそろ気になってきた旦那の衣類も、LG stylerに入れておけばまわりの方が不快に感じることはなくなりそうだ。
問題はやっぱりサイズ。お借りしている間は、玄関に置いていたのだが、玄関の半分をLG stylerが占めてしまった。置けるのであれば、洗濯機などの横に置きたいところだが、狭い我が家ではそんなスペースはない。現実問題として、置き場所を考えると躊躇してしまう。
とはいえ、シワはキレイにとれるし、脱臭効果は抜群。ストレット素材の衣類、電気毛布、靴など一部は使用できないが、旦那のシャツやスーツ、洗いにくい私のスカートやブラウス、子どもの制服など日常でよく着る衣類はほぼカバーしており、家族全員が毎日使用できる。
ちょっとした座りジワなどでもハンガーにかけておけばキレイになっているので、忙しい日でもアイロンがけすることなく、いつでも着ていくことができる。置き場所問題が解決するのであれば、今すぐにでも導入したい!