家電レビュー

組み立てたブロックが電池で動かせる! 子供も大人も夢中に

ブロックキット「ウゴクブロック」

多くの人が子供のころ夢中になって遊んだブロック玩具。大人でも愛好家は少なくない。そんなブロック玩具で、自動車などの乗り物っぽいものを作った時に、「ラジコンみたいに動かせたらいいのにな」と、1度は思ったことがあるだろう。

その願いを叶えてくれるのが、ユカイ工学の「ウゴクブロック」シリーズ。カワダ製の「ダイヤブロック」で形を作ったら、付属のモーターを取り付けて、スイッチをつなげると、ブロック玩具を動かせるというもの。さっそく小学校3年生の息子と一緒に遊んでみた。

使用したのは「ウゴクブロック L YE-EDU017」。計480個のブロックと、モーターユニットとスイッチが各2個、それに電池ケースが1個付属するモデル。他にも同梱するブロックやモーターなどの少ない「M」や「S」などのモデルがラインナップされている。ちなみに既存のカワダ製のダイヤブロックも、そのまま使える。

様々な形の計480個のブロックが付属
モーターユニットとスイッチが各2個と、電池ケースが同梱。いずれもブロックにくっつけることができる

まずは、ブロック玩具マスターを自称する息子に見せると「おぉすごい! なにこれ、動かせるの?」と、かなり目をキラキラさせて喜んでいた。そこで「なにか動かせそうなものを作ってみてよ」と、おまかせ的なオーダーをすると「うぅん……急に言われてもなぁ」と戸惑う。そんなに考えなくても、いつも作っているようなものを作ればいいのにと思いつつ、ユカイ工学のサイトにある「ブロックシリーズのレシピ」に載っているものから作ってみることにした。

レシピにあるのは、首や羽根をくるくる回転させる「キリン」や「ヘリコプター」、それに本体が移動していく「ペンギン」や「ふね」。

ユカイ工学 kurikit「ブロックシリーズのレシピ」

基本は、モーターを搭載したブロックを中心にして、他のブロックをくっつけていき、好きな形を作っていけば良い。サイトに載っている形が、それほど複雑ではないこともあり、本体はすぐに完成させた。さらにスイッチと乾電池ユニットなどをコードで繋げつつ、ブロックにくっつけてコントローラーを形作る。あとは本体とコントローラーをコードで繋げれば、モーターに直結したパーツをスイッチ操作で回転させられる。また、スイッチを前後に倒すと、回転方向が変わる。

スイッチを搭載させたコントローラー。某ゲーム機のようなコントローラーを作ろうとしていた
上の写真の状態から、乾電池ユニットを繋げて完成したコントローラー
モーターに直結している正方形の板状のパーツが、スイッチ操作によって回転する
スイッチを前後に倒すと、回転方向が変わる

いくつかサイトに載っているものを真似て作ってからは、徐々にオリジナル……というと大げさだが、自身が作りたい形へと変えていっていた。

はじめはモーターユニット1個だけを使っていたが、2個使うようになり、さらには2個を直列させて動かしてみたりと、色々と作り変えていく。こちらは撮影があるので「早い早い、まだ壊すな」と言っても聞くわけもなく、作って→動かして→壊して→改良して?→動かすという一連を、繰り返していく。

「あぁダメかぁ……」と言いながら、いちいち気持ちを凹ませることもなく、もう次の対策を取り入れて作り直していくのは、単純にすごいなと思う。

モーターユニット1個で作ったもの
モーターユニットを2個使って作ったもの

ただし、作っていくうちに「これは作れないな」という「限界」を決めるのも早かった。「なんかもっと見栄えがするような、でっかいモノを作ってほしいんだけど」と依頼しても、「これさぁ、大きくすると崩れちゃうし、タイヤが空回りして動かないんだよ」と、諦めも早い。

大人も夢中になってモノづくりができる

そんなこともあり、筆者も一緒に作ってみることにした。とはいえ、クリエイティブな頭を持ち合わせていないので、まずは製品サイトの動画に映っていたものを作ってみることにした。

真似たのは、鳥が羽を上下にパタパタと動かしている置物のようなもの。YouTubeの動画をストップさせて、同じように組み立てていく。

動画の1:16〜1:17に登場する鳥を真似てみた

さすがに大人であれば、真似るのは難しいということはない。またこういう作業は、無心になれるので好きだ。動画で見えづらいパーツの組み合わせは、息子と「このブロックかなぁ?」などと検討し、トライ&エラーをしながら組み立てていった。

筆者がメインで作ったのだが、実際に動かしてみると、息子も「おぉ!」と感動している様子だ。

左右をパタパタと動かす鳥のようなもの
動画の一番最初に登場するのが、この時に作った、羽根をバタバタさせる鳥のようなもの

1つ大きなものを完成させると達成感がある。「おぉし! 次はでっかいのを作ってみよう!」と、振り返ると……筆者がモーター1個とコントローラーを使っていたこともあり、息子は小さな家のようなものを、いくつも作っている。そして「大きいのは無理だよ」と、ポツリとつぶやく。

「やってみなきゃ分からないじゃん」と言うと、「じゃあどんなの作るの?」と聞いてきたので、とっさに「その家みたいなのを、どんどん積み上げていって、ハウルの動く城みたいなのを作ってよ」とオーダー。「いいけど……重いから動かないってぇ〜」と言いながら、手を動かし始めた。

今回は2個のモーターユニットを直列にして、その上に、ブロックを積み上げていくことにした。

一般的なブロック玩具としても遊べる
乗り気がしない様子で組み立て始める息子
今回もモーターユニットを2個直列させて作っていった
徐々に形ができあがっていく
とりあえずの完成

どんどん形を作っていき、動かそうとすると、車輪が滑ったり外れてしまったりと、重くなった本体がなかなか動かない。動いてもバランスを崩してしまって、パタンッと倒れてしまう。まぁ筆者としては想定内のことなのだが、息子は「ほらぁ……倒れちゃうんだよ」とか、ぶつくさ……。「それじゃあ車輪の形を変えてみよう」などと言いながら、筆者も意地になって改良する。

そして、なんとか動くものが作れた。息子はテンションが低いままだが、それでも嬉しそうだ……たぶん。

「ウゴクブロック」で遊んでみて感じたのは、もしかすると息子に遊ばせるのには、少し遅すぎたかもしれないということ。対象年齢は6才以上となっているが、息子がブロック玩具に夢中になっていたのは、3歳頃から小学1年生あたりだったろうか。その後も、時々思い出したように遊んではいる。だがやはり、ブロック玩具で夢中になって遊んでいた頃に使わせてあげたら、それを動かせることに、もっと感動したように思う。

ブロックを積み上げていくだけでなく、それを動かせるようにする……しかも、想定していたものを、そのまま作れるわけでもない。そういうことを、幼い子供に体験させてトライ&エラーをさせるのには、ちょうどよい玩具だ。意外と大人の方が、夢中になるかもしれない。

河原塚 英信