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“未来のミシン”プロトタイプ完成 ソファなど立体も縫える

MIRAIミシン

アックスヤマザキは、トヨタ車体の特許技術「タグステッチ工法」を活用した家庭用ミシン「MIRAIミシン」のプロトタイプを完成させた。2026年の実用化を目指して開発が進められており、8月5日から11日にかけて、大阪・関西万博の「ヘルスケアパビリオン」にて実機が初公開される。

同製品は、ソファや革製品、服など、これまで家庭用ミシンでは難しかった立体・湾曲形状の製品に対して、直接縫合や縫製できる点が最大の特徴。SDGs時代に即した「モノを修理し、再び愛着を持つ」文化の推進を支援する製品となっている。

「MIRAIミシン」には、トヨタ車体が自動車内装の加飾縫製で用いるタグステッチ工法を応用。下糸の代わりにタグを用い、上方向から縫製対象物に縫い付けることで、立体物でも加飾や縫合が可能となる。この技術は、現行のアルファードなどのダッシュボード加飾にも用いられている。また、タグピンメーカーであるトスカバノックの技術も生かされている。

タグステッチ工法は、現行のアルファードにも用いられている

開発のきっかけは、トヨタ車体の生産本部長 小山憲一さんが、タグステッチ技術をより広く社会で活用したいと考えたことによる。小山さんが家庭用ミシン専門メーカーであるアックスヤマザキをメディアで知り、声をかけたことで、今回のプロジェクトが始動した。

また、従業員わずか19名という小規模な中小企業が、大手の先端技術と手を取り合い、家庭向け製品として世界初の試みに挑む構図は、地方発の共創モデルとしても注目を集めている。

予定している本体サイズは約35.6×14×31cm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.5kg。電源は100〜240V。