家電レビュー

単身や少人数の料理に大活躍のマジックグリルS。すき焼きも朝食も簡単で片付けラクラク!

J-FUN「abien MAGIC GRILL S」

家庭で焼き肉や、きれいな焼色のホットケーキを楽しめるホットプレートはすっかりお馴染みだ。だが、1人暮らしや少人数の家庭には大きすぎたり、小型のものは妙にかわいい系のデザインだったりして選ぶのが案外難しい。また、器具の大小に関わらず10cm前後の厚みがあるので、しまうにはどうしても場所をとってしまうのも気になるところだ。

そんな気になるところを一掃してしまうのが、J-FUNが開発、販売する「abien MAGIC GRILL S(アビエン マジックグリル エス)」だ。価格は14,800円。ありそうでなかったサイズ感で、脚部は着脱できて収納にも困らない。面構えはめっちゃクール! 初めて目にしたとき「そうそう、コレコレ! こんなのが欲しかったんッ!」と心踊ってしまった。

1~2人にちょうどいい大きさ。分解してしまいやすい

最初は大きさから紹介しよう。組み立てた大きさは、250x230x110mm(幅x奥行きx高さ)で、質量は約1.8kg。プレートは食パンがギリギリ2枚並べられる広さで、直径26cmのフライパンと同程度の面積があると言っていいだろう。この大きさなら、2名分の肉と野菜を同時に調理できそうだ。また、プレートは21mmの深さがあり、すき焼きや麻婆豆腐のような汁気のある調理にも対応している点も特徴的だ。

組み立てた大きさは250x230x110mm(幅x奥行きx高さ)。片方の脚に操作と電源が集中している
食パン2枚が並べられる広さがある
21mmの深さがあるので汁気のある調理もできる

2つのスタンドはどちらもプレートへ差し込むタイプで、プレートから簡単に着脱ができる。スタンドの片方に温度調整ダイヤルと差込プラグ挿入口があり、一方はシンプルなスタンド。プレートのスタンド接続部の一方にはピンがあり、どちらのスタンドを差し込むかがわかりやすい。差し込んだスタンドはグラつきもなく、合計4つのゴム足でテーブル上でも滑らずに安定して置ける。

プレート裏面の様子。スタンドの接続部があるので、プレートのみの高さは約50mmとなる
プレートもスタンドも、一方に電源のピンがあるので認識しやすい
接合部もシリコンに覆われており、ぐらつき無く簡単・確実に差し込める
合計4つあるスタンドのゴム脚が、抜群の安定感を実現する

スタンドが着脱できるのでとにかく収納しやすい。立てたプレートとスタンドを並べても、幅は130mm、高さは230mmに収まり、奥行き280mmの棚に簡単に収まるほどコンパクト。さらに、スタンドの内側にマグネットが仕込まれているので、ゴロゴロ転がらずにくっつけてまとめられる工夫がある。

立てたプレートとスタンドを並べても130x230mm(幅x高さ)。奥行き280mmの棚に簡単に収まるほどコンパクト
スタンドの内側にマグネットが仕込まれており、くっつけて、まとめられる
プレート、スタンド、電源コード(約1.8m)の3点に分解しておける

温度設定は2つ。予熱は1~3分が目安

操作方法はとてもシンプルだ。スタンドにプラグを挿してコンセントに繋げばすぐにスタートできる。ダイヤルを回して温度をLO(弱)またはHI(強)の2つから選択する。LOの温度は約180〜200℃、HIは約250℃。ホットケーキなどはLO、鉄板焼やお好み焼き、焼きそばなどはHIを選ぶ。どちらの温度を選んだかは、LOはLEDランプが1個、HIは2個点灯したことでわかる。OFFのときはLEDランプは点灯しない。LEDランプの数で温度設定が確認できるので、ダイヤル部が手暗がりになっていても判別しやすい。

ダイヤルを回して2つの温度設定LO/HIを選択するシンプルさ
温度設定に応じてLEDランプが点灯するので、どちらを選んだかわかりやすい

さて使ってみようと思って電源を入れた。だが、何分経ってもLEDランプは点いたままで、十分にプレートが温まったのかどうかイマイチ分かりづらい。

というのも、一般的なホットプレートなら、設定温度に達するとサーモスタットなどで電源が自動で落ち、ランプが消えたり操作部からカチンと小さな音が聞こえてきたりして、「設定温度に達したな」と分かる。だが、abien MAGIC GRILL SはHIもLOもLEDランプがずっと点きっぱなしで音もせず、イマイチわかりづらい。

そこで、プレートが冷めた状態から電源を入れて、HI、LOそれぞれの消費電力がどのように変化するか計測してみた。

HIの場合、電源を入れた直後の消費電力は629Wだった。1分過ぎは605W、2分で592Wと下がっていき、6分で559Wとなった。7分後に冷たい水を注ぎ入れると、ジューッという音が上がり、消費電力はまた600Wに上昇した。

HI設定で電源を入れた直後は629Wだった
時間経過と共に消費電力が下がっていく。2~3分あたりで消費電力の下がり方が穏やかになった
7分経って冷たい水をプレートに入れると、消費電力が600Wに上昇した

LOも同じ様子だった。電源を入れた直後は403Wで、1分過ぎは391W、2分で384Wと下がり、6分で367Wとなった。同様に7分後に水を入れると、消費電力は384Wへ上昇した。

LOの電源を入れた直後は403Wだった
HI同様に時間経過と共に消費電力が下がっていく。1~2分あたりで消費電力の下がり方が穏やかになった
7分を経て冷たい水を入れると、消費電力は384Wに上昇した

以上の結果から、予熱の目安は1分〜3分ぐらいといったところだろうか。実際に電源を入れた直後にプレートに触れると、すぐに温かくなるのがわかる。立ち上がりはかなり早い印象だ。使い始めこそ調理を始めるタイミングが掴みづらかったが、これはすぐに慣れた。食材を載せてプレートの温度が下がれば、自動で火力が上がるのもわかった。

熱ムラが少なくこびり付かない

abien MAGIC GRILL Sのヒーターは他のモデルと同じように、薄型のフィルムヒーターが組み込まれている。一般的な棒状のシーズヒーターと違い、温度ムラが少ないという。

試しにプレートに水を張って沸かしたところ、沸騰時の泡の様子からヒーターの形状は円形で、電源コードの無いスタンドに少し寄った、ほぼ中心に配置されているのがわかる。温度設定がHIの時は泡が踊るように沸き、LOは泡立たずじわじわと沸く。

HIの沸騰の様子。右側の電源コードの無いスタンド側に少し寄って円形のヒーターがあるのが分かる。泡が踊るように沸き上がる
LOの沸騰の様子。じわじわと沸き、泡が少なくなった

ヒーターのありかがわかったところで、今度はホットケーキの生地を焼いて、ちゃんとプレートの端まで熱くなっているのか試してみた。

HI設定で約3分予熱をしてから、四隅にホットケーキの生地を流して焼き色をみてみると、プレートの四隅にも熱がちゃんと伝わっているのが確認できた。やや電源コードとダイヤルのあるスタンド側への熱が伝わりが遅い印象だ。次に中央に生地を流し入れて焼いてみると、今度は全体的に同じようにきれいな焼き色が付いた。

四隅にホットケーキの生地を置いて焼き色の様子をみる
ひっくり返したところ。コード側(上)はやや熱の伝わりが遅い印象はある
中央で12cmサイズのホットケーキを焼いてみる
ひっくり返すと見事に均等な焼きいろが付いた。油をひかなくてもこびりつかない

このとき、ホットケーキの生地を流す前に油をひかなかったが、生地はプレートにまったくこびり付かず、ターナー(フライ返し)で簡単にきれいに返せた。また、21mmの高さのプレートのフチは、ターナーを食材とプレートの間に差し込む邪魔にはならず、フチがせり上がっていても全く気にならなかった。むしろ食材がプレート上に留まってくれる壁になるので、ターナー操作もラクにできた。

テーブルの上で美味しく調理。小型なのでテーブルを広々使える

さてここからabien MAGIC GRILL Sを使って調理した様子をレポートしよう。今回作るものは、ホットプレートの定番と言えるメニューを選んだ。

ホットケーキは熱々をすぐいただける

abien MAGIC GRILL Sの火の周りを確認する流れで、まずホットケーキを作った。今回は市販のホットケーキミックスを利用している。プレートの大きさから、ひっくり返すことを考えて1枚ずつ焼いた。ホットケーキの推奨温度設定はLO。

3分ほど予熱してから生地を流し込む。1分ぐらい経つと生地の表面に泡が浮かびはじめ、フチが少し乾いてくるころに返したところ、美味しそうなきつね色が表れた。1枚焼き上がるまでの時間は3−4分程度なので、一般的なフライパンで焼くのと変わらない印象だ。焼きたてのホットケーキはバターもよく溶け、メープルシロップをかけても温かく美味しい。思わず笑顔になる。

ホットケーキは温度設定はLOが最適。美味しそうなきつね色に焼けた
熱々でふっくらのホットケーキはとても美味しい

プレートの大きさから一度に焼ける量に限りがあるが、1枚目を食べきる前に2枚目も焼き上がってしまうので、2名程度なら十分に楽しめる。テーブルの上で気軽に作れ、熱々をすかさず美味しくいただける。焼き上がり前から香りも立ち、目の前で膨らんでいく過程は見ていても楽しい。プレートの空いた所にりんごやパイナップルなどを焼いて添えても美味しいだろう。

お好み焼きは20cm角の大きめも作れる

豚肉の薄切りを使った「豚玉」のお好み焼きも美味しくできた。粉はお好み焼き粉を利用した。先に塩コショウした豚肉を鉄板の上に敷くように並べ、温度設定をHIにして調理を始めた。粉、水、卵、たっぷりのキャベツに紅生姜を混ぜた生地をその上に置いていく。

お好み焼き粉のレシピに則って、粉、水、卵、粗みじんのキャベツ、紅生姜を混ぜて用意
塩コショウしておいた薄切り豚肉を冷めたままのプレートに乗せ、HI設定で調理開始
豚肉が隠れるように生地を置いていく

次第にジュウジュウという音と、豚肉の焼ける香りに、キャベツの甘い香りも加わり湯気が上がってくる。頃合いを見計らってひっくり返した様子は、全体にいい焼きいろが付き、もうすでに美味しそう。

返した様子。生地全体にいい焼きいろがついて、もう美味しそうだ
火が通ったのを確認したら、ソース類をトッピングして完成
豚肉の香ばしさが加わり、キャベツは甘く、生地はふんわりの豚玉、美味い!

返してから数分焼いて、ソースとマヨネーズをかけ、削り節と青のりを振って出来上がりだ。生地を分厚く盛ってしまったので、焼き上がるまで10分以上かかってしまったが、豚肉はカリッと、キャベツはしっとりと甘く、生地はふんわりアツアツに仕上がった。豚肉の旨味も加わった香ばしい豚玉を堪能できた。

プレートが大きくなくても、切り分けていただける20cm角の大きなお好み焼きができるので、複数でシェアしながら楽しめる。

煙や油とびが少なく快適な焼き肉

ホットプレートの定番中の定番と言える焼き肉もジュウジュウ楽しめる。今回は2人前の材料として、タレをからめた焼肉用牛肉に、玉ねぎ、にんじん、かぼちゃ、アスパラ、キャベツを用意した。

温度はHIに設定。予熱2~3分ののち、火の通りにくいものからプレートに置いて焼いていく。焼き上がった物をいただくと、肉には適度な焼きいろが付きやわらかでジューシー。硬いかぼちゃやにんじんも柔らかく火が通り、玉ねぎにもきれいな焼きいろが付きしっとりと甘い。焼いたキャベツやアスパラは、肉の脂とタレがからんでまた美味しい。

ホットプレート定番の焼き肉もバッチリ楽しめる
お肉はジューシーで柔らか。ちょっと焦げたタレでさらに白飯がススム!

調理しながら気づいたが、油煙も立ちにくく油とびはほとんどおきなかった。油を使わなかったのもあるが、想像よりもテーブル面が汚れなかった。油煙が立つほど高温にはならないので失敗も無く、穏やかな火でじわじわとじっくりと焼き上げていく印象があった。

abien MAGIC GRILL Sは小型なので、テーブルを広々と使える

また、abien MAGIC GRILL Sは小型なので、テーブルの上に置いてもまだ広々と使えるのが良い。我が家のテーブルは1,200x600mm(幅x奥行き)ほどだが、abien MAGIC GRILL Sを中央に置いても、次に焼く食材が乗った皿のほか、2名分のごはん、味噌汁、小皿、おひつを載せる余裕があった。

すき焼きは2人分も余裕で煮込める

abien MAGIC GRILL Sのプレートは、フチが21mmせり上がっているので汁気のある調理もできる。ということで、今回はすき焼きを作った。

材料は牛肉、白菜、春菊、ネギ、えのき、しいたけ、しらたき、焼き豆腐を2人前用意。割り下は市販の物を利用した。肉をジューっと焼きたいので、調理前にHI設定でプレートを4~5分しっかり予熱しておいた。

用意した2名分のすき焼きの材料

いよいよ牛脂をひいて、肉とネギを焼いていく。火が通るころに割り下を少しずつ入れて焼き絡めていく。牛肉にネギの新鮮な香りに、割り下の甘じょっぱい香りが加わり、この時点でワクワクする。

十分予熱したプレートに牛脂をひいて肉を焼いていく
青ネギも加え、割り下を入れて焼き絡める

普段ならここで肉とネギを味わい始めるところだが、プレートに食材がどのぐらい載るかを見たいので、野菜を加えて煮る関東風すき焼きへと移行する。

肉とネギをプレートの端に寄せて残りの野菜を入れたが、2名で囲んでいただくのに十分な量が一度に調理できた。一度に目一杯野菜を入れると温度が下がるが、数分でグツグツと煮えはじめ、野菜類に火が通った。いただくと、すき焼き鍋で作ったものと同様、文句なく美味しかった。

小型のプレートでも、2名に十分な量のすき焼きが調理できた
かさのはる白菜、春菊、えのき茸などは食べ進めながら入れる。これは一般的なすき焼き鍋でも同じだ

高さ21mmのフチなので、一般的なすき焼き鍋(高さ50mm前後)で調理するよりも割り下などは少なめにしたり、食材は高さを抑えて切るなど下準備で調整する必要はある。だが、「abien MAGIC GRILL Sですき焼き」は現実的と言い切れる。わざわざすき焼き鍋を用意せずとも、遜色なく美味しくいただける。

忙しい朝はトーストもおかずもまとめて作れる

複数の調理器が必要な朝食は、abien MAGIC GRILL Sにまかせてしまおう。トースト、目玉焼き、ベーコンソテー、焼き野菜など、1人前の朝食を一度に作れてしまうワンプレートブレックファストが簡単だ。

いつもならキッチンに立って、トースターでパンを焼き、フライパンで卵などを焼いてお皿に盛り付けて……と、複数の器具も段取りも必要だ。だが、abien MAGIC GRILL Sを利用すればテーブルに着席して、全てをその場でササッと作りながらできたてをいただける。

直火で焼くトーストは一層美味しい。焼きいろもいい
火の通りの早い野菜も加えて、ヘルシーな朝食を面倒なく一気に調理できる

ちょっと行儀は悪いが、プレートから直接いただけばお皿は使わずに済むので洗い物も減る。慌ただしい朝の時短にも一役買う。

大好きな焦がし醤油磯辺焼きは、美味しくて片付けも面倒じゃない!

焼いたお餅に醤油をつけて海苔を巻いていただく磯辺焼き。個人的に、海苔を巻いてからもう一度醤油にひたし、さらに焼いて醤油を少し焦がしていただくのが大好きだ。

ところが、これを作るとなると案外厄介だ。オーブントースターやコンロに載せる焼き網では、網に醤油がこびりついたり、はみ出した餅が網にへばりついたりと後片付けが相当面倒。なので、いままではテフロン加工のフライパンで、コンロのそばから離れずに作っていた。それをabien MAGIC GRILL Sで作ってみたところとても具合がいい。

お餅をプレートに並べる。6個は余裕で一度に焼けそうだ
中まで火が通るのにHI設定で10分はかかるが、そこはのんびり待つ

プレートで焼いた餅の表面は醤油が染み込みやすい煎餅状になるのが好都合。醤油に浸して海苔を巻いてプレートに戻してちょっと焼いて水分を飛ばし、もう一度醤油に浸してさらにジューッと焼く。醤油の焦げる香りがいいんです。できたては特に美味しいんです。

焼いた表面が煎餅状になるので醤油がよく染み込む
海苔を巻いて一度軽く焼く。もちろんこれだけでも美味しい
さらにもう一度醤油を付けて焼くと、醤油が焦げて香ばしくて美味しいんですよ!

市販の切り餅は1.7cmの厚さがあるので、餅を両面焼いて中まで柔らかくなるまでHI設定で10分ほどかかる。けれど、最初から最後までテーブルに座ってテレビでも観ながらできるので多少時間がかかってもまるで苦にならない上に、とにかく美味しい。

プレートはIPX5相当の防水タイプ。丸洗いできて後片付けもラク!

調理後プレートが汚れても、abien MAGIC GRILL Sはとても簡単にキレイにできる。軽い汚れならプレートがある程度冷めてから、濡れたキッチンペーパーで簡単に拭き取ればすっかりきれいになってしまう。

ワンプレートブレックファストを調理した後のプレートの汚れは軽いもの。濡らしたキッチンペーパーだけで汚れは簡単に拭き取れた

さらに、プレートはIPX5相当の防水タイプなので、スタンドを外せば丸洗いもできる。焼き肉やすき焼き、醤油焦がし磯辺焼きを作った後はプレートにかなり汚れがつくが、丸洗いでスッキリとキレイにできた。プレートは小型で重さは1.3kg程度なので、片手で持ってお皿を洗うような感覚で心置きなく隅々まで洗えるのが気持ち良い。

焦がし醤油磯辺焼きを作った後はプレートに焦げ付いた醤油がベッタリ残る
プレートはIPX5相当の防水タイプなので、気兼ねなく隅々まで洗える。我が家の小さなシンク(奥行き40cm)でも、お皿のようにラクに洗えた

また、プレートを洗った後は、お皿と一緒に洗いカゴで乾燥できるのは本当に始末がいい。大きなプレートでは倒れる心配があるのでこうはいかない。

洗い終わったらお皿のように洗いカゴで乾かせる。ピンの接続部の水分はしっかり拭き取る
しまうのもラクラクだ

失敗が少なくて、一人暮らしや少人数家族にピッタリ

一般的な大きさのホットプレートの消費電力は概ね1,000W以上で、小型のものでも800W前後が多い。ゆえに、最大でも約600Wのabien MAGIC GRILL Sは大丈夫かなと、使う前は少し心配だった。

ところが、様々な調理を試した感想は「abien MAGIC GRILL Sの火力で十分!」ということだった。焼き肉なら、タレに漬けこんだお肉は焦げ付かずに柔らかくジューシーに仕上がり、野菜は本来の甘さを十分に堪能できる。ホットケーキやお好み焼き、トーストなどの焼きいろも見事にきれいに付き、割り下を使うすき焼きも美味しくできた。

事実、消費電力の大きなものよりもメニューによっては多少調理に時間はかかる。だが、言い換えればそう簡単に失敗しないのも事実だ。料理の経験が少なくても、火力の調整を間違えても、多少目を離しても、どれもちゃーんと美味しくできてしまう。

今回のレビューにあたり、せっかく美味しいもんを作るので第三者を1名迎え、焼き肉、すき焼き、さらにホットケーキ、お好み焼きと、撮影を進めながら一緒にいただいた。

調理しながら歓声が湧き上がる。

「肉美味いーッ! メシ進むー! かぼちゃ甘いー!」(焼き肉)

「いい匂い! 肉やわらか~い! 野菜に味しみてる!」(すき焼き)

「わー! 焼きいろきれい! (裏返して)わーみるみる膨らむ膨らむ!」(ホットケーキ)

「結構時間かかるねー。あ、でもいい匂いがしてきた。うわ、いい色! うまーい!」(お好み焼き)

調理中に変化する香り、出来上がっていく様子を見ながら、会話がどんどん弾む。食べては美味しさに唸り、笑い、ますます楽しい。ホットプレートを囲む醍醐味をabien MAGIC GRILL Sでじっくりたっぷり味わってしまった。

さらに、テーブルの上で調理していてもプレートの熱がさほど顔を直撃せず、油煙もほとんど上がらず脂も跳ねにくい。焼き肉などをしてもテーブルの上がベタベタにならず、片付けも簡単。調理中から片付けまで、気持ちもラクにずっと快適に過ごせた。

一つ残念なのは、蓋が標準装備されおらず、オンラインショップで別に購入しなければならない点だ。その分しまう場所は取らないが、蓋があれば調理時間を短くできるし、餃子やパエリアなどの蒸し焼きなど、メニューの幅も広がるだろう。蓋はSサイズが2,980円、Mサイズが3,480円で販売されている。

パパッと一人分の朝食やおやつをこしらえたり、数人で囲むホットプレートメニューに、abien MAGIC GRILL Sはサイズ感も使い勝手もバッチリだ。思い立ったら気軽にサッと取り出して調理が始められ、後片付けも丸洗いできて収納もラク。abien MAGIC GRILL Sがあれば、おうちごはんがますます楽しくなることうけあいだ。

藤原 大蔵