家電レビュー

とにかく軽い! 高所も細部もラクに掃除できる東芝のスティック掃除機

東芝「TORNEO V cordless VC-CLX50」

ここ数年、スティック掃除機の軽量化が進んでいっている。筆者が現在使っている、東芝の「TORNEO V cordless(トルネオ ヴィ コードレス) VC-CLX50」も、ヘッドやパイプを含めた重量が1.5kgと軽く、かなり使いやすい。

初めて手にとったときは、こんなに軽くて大丈夫? と不安に思ったが、家のさまざまなところで活躍してくれているのでご紹介したい。実売価格は57,550円。

VC-CLX50は、吸引力はそのままに従来機種より300g軽量化。本体、パイプ、ヘッド、バッテリーを含めた標準質量1.5kgを実現している。本体サイズは266×180×1,058mm(幅×奥行き×高さ)で、集じん容積は0.13L。本体カラーはグランレッドのほかピンクブロンズを用意。

軽いだけでなく吸引力も維持するために、サイクロン部はフィルターレス構造を採用。6気筒の気流がチリや花粉などの微細な粒子まで分離し、排気フィルターの目詰まりを抑えるため、パワフルさが持続するという。

サイクロン部はフィルターレス構造を採用
アタッチメントは、ふとん用ブラシ、丸ブラシ、すき間ノズルの3種類
収納用スタンド

軽いからサッと手にとって気軽に掃除できる

数年前までスティック掃除機は吸引力にこだわるが故、本体が重くなっていく傾向にあった。筆者が以前使っていたスティック掃除機(2019年発売)も質量2.7kgと、パワフルではあったが重くて手軽に掃除できるとは言い難かった。

2021年に、2.2kgの「Dyson V12 Detect Slim」を使ったときに、スティック掃除機もだいぶ軽くなったなぁと思ったのだが、VC-CLX50はそれよりもさらに軽い1.5kg。

スタンドから外すとき、重い掃除機だとヨイショと持ち上げる必要があるが、VC-CLX50では持ち上げる感覚がなくサッと手に取れる。床面で動かしていても、軽いなぁひょいひょい動かせるなぁと、とにかく軽いことに感心してしまう。本体の長さは105.8cmで、身長160cmの筆者にはちょうど良いと感じた。

本体、パイプ、ヘッド、バッテリーを含めた標準質量が1.5kgとかなり軽い。スタンドから外すときも重くなく、サッと手に取れる

運転モードは、通常の掃除に適した「おすすめ」、よりパワフルな「強」、吸引力弱めで長時間掃除したいとき用の「標準」を用意。連続運転時間は順に、25分、10分、35分(標準/床ブラシ非装着時は45分)。

基本はおすすめモードで運転したが、吸引力は十分でゴミを取りこぼすことはなかった。フローリングではあまりパワフルに動いている様子はなかったが、これは床面に合わせてブラシの回転スピードを制御する「床面センシング」が機能しているため。回転を遅くしてゴミのはじきを抑えているという。

一方、じゅうたんやカーペットだと回転を速くしてゴミを掻き出しているので、「掃除している感」はカーペットのときの方が得られた。とはいえどちらもゴミの取りこぼしがある訳ではないので、この吸引力の違いは慣れれば気にならなくなった。

操作部。「おすすめ」と「標準/強」でボタンが分かれているが、どちらを押しても運転スタートする
「おすすめ」で運転。床面に合わせてブラシの回転スピードを制御する「床面センシング」が機能する
ヘッド裏面
ゴミ捨て時はダストカップを外す

軽いから高所もラクラク! 付属品で家中を掃除

付属品を使っての掃除もしたが、地味だけど良いなぁと思ったのはすき間ノズル。VC-CLX50は本体がコンパクトなので、洗濯機横のすき間に奥まで入ってくれる。

すき間ノズルはどのスティック掃除機にも付属していることが多いが、本体が大きいと引っかかってしまい、奥の方など細部まで届かないことがある。わが家の洗濯機も奥行きがあるので、本体が大きい場合パイプを使ってもすき間ノズルが奥まで届かないことが多々あった。

しかしVC-CLX50ならその心配がなく、洗濯機横の狭い幅(13cm)に本体が難なく入る。乾燥フィルターを掃除したときのホコリなど、洗濯機横は何かと汚れが溜まってしまうが、今までは見てみぬフリをしていた場所をスムーズに掃除できるのはとても気持ちが良い。

すき間ノズルを使用。洗濯機横のすき間に奥まで入った
本体がコンパクトなので、洗濯機横の狭い幅にも難なく入る

もう1つ良かったのは高所を掃除するとき。パイプを外し、付属の丸ブラシを本体に直接つけて使ったのだが、これが高所掃除にとても役立った。わが家は寝室にブラインドがあるのだが、この掃除がかなり面倒。

ホコリが溜まっているのが目に見えてわかるものの、1つ1つ拭き掃除をするのは疲れるし、ホコリがベッドに落ちるのも嫌でいつも放置していた。

そこで丸ブラシを使って撫でるように吸引すれば、1ストロークであっという間にキレイになる。ブラインドの面積は結構広いが、VC-CLX50は本体が軽いので腕が疲れることなく掃除できた。ようやくブラインド掃除の最適解を見つけられて、VC-CLX50を使うメリットをかなり感じられた。

パイプを外して丸ブラシ使用。ブラインド掃除の最適解が見つかってかなり嬉しい
パイプ+すき間ノズルで天井のフィルター掃除も。いつもホコリが気になっていた場所をようやく掃除できた
ふとん用ブラシはソファ掃除にも

バッテリーは着脱式。スタンドでスマートに収納

このほか細かいところにも配慮されており、本体背面に「滑り止めゴム」が付いているので掃除の途中で壁に立てかけられる。

充電も、スタンドに立てかけてプラグを差し込むほか、バッテリーを外して別の場所で充電することも可能。正直、スタンドに立て掛けたときに電源コードがむき出しになってしまうのが不格好だと思っていたので、別の場所で充電できるのはありがたい。

本体背面に「滑り止めゴム」が付いている
スタンドに立てかけてプラグを差すと電源コードがむき出しに
バッテリーは着脱式なので外して別の場所で充電することも可能

一通り使ってみて、やはり軽いのは正義だなぁと改めて思った。わが家ではメイン掃除をロボット掃除機に任せているが、細かいところはスティック掃除機の出番になる。

ロボット掃除機が入らない部分が汚れていると、今までは自分で掃除するのが面倒でよく放置していたが、VC-CLX50なら軽くてサッと手に取れるので面倒にならずに掃除できている。むしろ一度掃除を始めるとスイスイ進んで楽しいので、家具下や洗面所などもまとめて掃除しようと思えるのだ。

もちろんフローリングなどのメイン掃除にも活躍してくれる。最近のスティック掃除機はどんどん軽くなっており、0.9kgというモデルもあるが1.5kgのVC-CLX50も十分軽い。吸引力も申し分なく、軽さを重視したいけどゴミもしっかり吸いたい人にVC-CLX50はかなりオススメできる製品だ。

ロボット掃除機が入らないエリアの掃除にかなり適している
軽いので一度掃除を始めると色んなところを掃除したくなる
西村 夢音