家電レビュー

「うっかり賞味期限切れ」や買い忘れを防ぐ冷蔵庫アイテムでストレスから解放

冷蔵庫を開けなくても残量がわかるストックマネージャー機能を使ってみた

卵を使おうと冷蔵庫を開けると、1つも残っていなかった……卵に限らず、このような経験がある人は多いのではないだろうか。筆者は特に、牛乳やヨーグルトなんかでよく同じ状況に遭遇する。パックはそこにあるのに、フタを開けたらほとんど入っていないのだ。

2人暮らしの我が家では、朝食と昼食は各自で準備したものをバラバラに食べる。それも決まったメニューを食べるわけではないので、お互いがなにを食べたか把握しづらく、牛乳やヨーグルトの減り具合も予想できない。その結果、食べようとしたら残っていないことや、逆に外でのランチが続いたりしてほとんど手つかずのまま賞味期限を迎えることも……。些細なことなので「悩み」とまではいかないが、日常のプチストレスになっていた。

そんななか、パナソニックから既存の冷蔵庫でも使える「ストックマネージャー」機能がリリースされた。「重量検知プレート」という製品を購入してアプリと連携させることで、冷蔵庫内の食材の残量をスマホで確認できるというものだ。

我が家の冷蔵庫はインターネット接続機能を搭載していないが、それでも使えるとのこと。これは買い忘れやを食品ロスを防ぐのに役立つかもと、早速試してみることにした。重量検知プレートの店頭予想価格は、卵ケース付きの「NY-PZE1B1」が5,500円前後、重量検知プレートのみの「NY-PZE1」が4,500円前後。

卵ケース付きの重量検知プレート「NY-PZE1B1」

細かな設定を済ませばあとは普段通りに使うだけ

ストックマネージャーは、重量検知プレートに載せた食材の重さを測定し、残量をアプリで確認できる機能。外出先からでも食材の残りがわかるので、スーパーで「卵はどれくらい残ってたっけ」と気になったときもアプリを開けばすぐにわかる。

重量検知プレートのサイズは12×23×2.1cm(幅×奥行き×高さ)で、冷蔵庫に入れてもそれほど場所を取らない大きさ。冷蔵庫のオプション品ではあるが、冷蔵庫に入れない常温の保存食品などの管理にも使える。なお使用可能環境は1~39℃で、冷凍室では使用できないので気を付けたい。

重量検知プレートを使うには、まずアプリと連携させる必要がある。パナソニックのアプリ「キッチンポケット」をインストールしたら、「CLUB Panasonic」の会員登録をし、ログインする。アプリ下部の「キッチン家電」タブへ進み、右下の「家電登録」ボタンをタップ。重量検知プレートを選択し、本体裏面に記載されている品番を登録。後は画面の指示に従って無線LANと接続すれば初期設定は完了だ。

次に、重量検知プレートの更新タイミングを「1時間に1回」または「1日に1回」から選択。設定したタイミングで、アプリに表示される食材の残量が更新される。ひとまず1時間に1回更新の通常モードにしてみた。

アプリの「キッチン家電」タブの「家電登録」ボタンをタップ。重量検知プレートを選択して品番を登録する
本体裏の無線LANボタンを押し、接続する
プレートが重量を更新するタイミングを選ぶ

ここまで済んだら、プレートに載せる食材の登録に進む。はじめにプレートの重さをリセットするため、なにも置いていない状態、または卵などをケースに入れて保管したい場合はケースを載せた状態で「次へ」をタップ。管理したい食材名を検索して登録し、プレートに載せて重さを計測する。計測できる範囲は約40g~5kgとなっている。

重量が認識されたら、残量の表示単位を「%」または「個」から選ぶ。ヨーグルトや牛乳など、個数で分けられないものは%、缶ビールなどは個に設定すればいい。そして現在の残量を登録する。今回は未開封のヨーグルト2パックを載せ、100%にした。

プレートの重さをリセットして、残量を確認したい食材を載せる
無線LANに接続したら、食材の登録へ進む。食材に合わせて単位を「%」か「個」に設定

以上でスマホから食材の残量を確認できるようになるが、プッシュ通知などを設定することでさらに便利に使える。残量のプッシュ通知のほか、利用期限目安や使い忘れ通知などの詳細を決められる。

通知の設定をするには、アプリのパントリータブに表示される「重量検知プレート/食材名(今回はヨーグルト)」のアイコンをタップ。購入日と利用期限目安があらかじめ参考値として記載されているが、後から自由に変更できる。利用期限目安には賞味期限や、定期購入をしているのであれば次回のお届け日などを設定するといいだろう。

使い忘れ通知は任意の日時にできるため、賞味期限の当日でもいいし、その2~3日前に設定して消費を促すのもよさそうだ。そして残量通知のタイミングを「1日1回だけ/残量が少ない時だけ/残量が変化するたび/通知しない」から選ぶ。上述の通り、筆者の家族は食事のタイミングがバラバラなので「残量が変化するたび」にして、減り具合をこまめに把握できるようにした。

パントリータブでは詳細設定が可能。賞味期限が近づいたら通知するといった設定も
残量が変化するたびに通知することもできる。アプリを開く必要がなくなるので、設定しておくのがおすすめだ

「冷蔵庫を開けなくてもわかる」だけではない、意外なメリット

重量の更新を「1時間に1回」、通知のタイミングを「残量が変化するたび」に設定しておくと、ヨーグルトを食べると大体1時間以内に「残りは●●%です」と通知してくれる。この通知だけで、リアルタイムでなくても大体の残量を把握できるので、使用中はほとんどアプリを開く必要がなかった。朝から外出しているときに通知が届いたりすると、「あ、さっきごはん食べたんだ」と家族の様子がわかってほっこりしたりもした。

使いはじめの頃は何度か誤作動があった。プレートの設定をした日はヨーグルトを1口も食べていないのだが、翌朝6時に「残りは90%です」と通知が届いていたのだ。原因ははっきりとはわからないが、取扱説明書には、庫内でプレートがななめになっていたりすると正しく重さを計測できない場合があると記載されているので、プレートを置く際は気を付けたい。

昼食のヨーグルト。これまでは食べようとしてフタを開けるとほとんど入っていないことが多々あった
ヨーグルトを食べると(残量が減ると)スマホに通知が届く
残量が減っていないのに通知が届くという誤作動があった

使っていて気付いたのだが「残量が変化するたび」の通知だと、一度もヨーグルトを食べなかった日は通知が届かず、アプリを開かないと残量がわからない。賞味期限が近付いたときだけでなく、日頃から使い忘れを防ぎたいのであれば、1日1回通知する設定にしておくのがいいだろう。

すべて食べきって残量が0%になったら、同じヨーグルトを買って載せればこれまで通りに使える。その際は利用期限目安を設定しなおすのを忘れずに。

ちょうど1パック食べ終えると、「残りは50%」との通知が

プレートに載せる食材を変更したいときも、操作は簡単だった。今度は卵の在庫を管理したいので、卵ケースを載せた状態で重さをリセット。残量は「個数」で管理、通知は1日1回に設定した。

食材をケースに入れて保存する場合は、ケースを載せて重さをリセット
卵のように1つ1つが軽いものは%管理が推奨されているが、試しに個数管理に設定してみたところ、現時点では問題なく使えている

ちなみに、家族がそれぞれ「キッチンポケット」アプリをダウンロードすれば、全員が重量検知プレートを管理できる。それぞれのスマホに通知も届くし、アプリを開けば出かけたついでに冷蔵庫の残量を確認して買い足すといったこともできる。複数のプレートを管理することも可能なので、卵用、ビール用と使い分けてもよさそうだ。

実際に使ってみて、残量の変化がきちんと反映されるのか試したくて意識的にヨーグルトを消費したというのもあったが、いつものように買ったことを忘れて賞味期限を過ぎてしまうことはなかった。

また「ヨーグルトの残りは30%です」と通知が来ることで、「ヨーグルトが冷蔵庫にあること」と「残りが30%」の両方がわかるのが、当たり前のようだが有難かった。家庭で食材の買い出しや調理を担当していると、冷蔵庫になにが入っているのか、いつまでに使い切らなければいけないのか、といったことを頻繁に考える必要があるが、こうやって通知が来ることで頭が整理され、買い物や食事の準備がいつもよりスムーズになった。

今回は「使い忘れ防止」を主な目的としていたが、「残量が●●%になったら追加購入する」と決めておくと買い忘れ防止にもなりそうだ。絶対に切らしたくないお米やビールの在庫管理、食材の利用期限の通知など活用方法はさまざま。願わくは、残量が減るとアプリで自動注文されるといった、ネットスーパーやECサイトとの連携ができるようになるとうれしい。

鄭 恵慶