家電レビュー

スマホで鍵をサクッと開けて漕ぎ出せる! 快適すぎる自転車用スマートロック

SESAME サイクル

先月、自宅の玄関ドアにスマートロック「SESAME 3」を設置した。そのときから気になっていたのが、CANDY HOUSEの自転車用スマートロック「SESAME サイクル」だ。価格は3,980円とリーズナブル。この自転車用スマートロックを取り付けたので、その使い心地などをレビューしていく。

「SESAME サイクル」は、解錠のみをスマートフォンの専用アプリで行なえる自転車用のスマートロック。アプリは、前述の「SESAME 3」と同じものを使えて、スマートフォンと「SESAME サイクル」とは、基本、Bluetoothで接続して解錠できる(施錠は、手動で行なう)。

取り付け後は、快適そのもの。自転車を停めている駐輪場などに着いたら、スマートフォンのアプリを起ち上げて、接続するのを2〜3秒ほど待つ。2〜3秒で、本機とアプリとの接続が完了するため、「解錠」ボタンをワンタップする。すると少し離れた場所にある自転車から、「ガシャッ」と音がして解錠される。あとは、そのまま自転車に乗り込んで漕ぎ出せるというもの。

スマートフォンで解錠できる自転車用のスマートロック
「SESAME サイクル」を取り付けたところ

都市部で普及しているドコモ系などのシェアサイクル利用者だと、自転車用スマートロックを想像しやすいだろう。シェアサイクルの自転車に近づき、スマートフォンやSuicaなどでタッチすると「ガシャッ」と解錠される。あの雰囲気と利便性を、自分の自転車でも実現できるということだ(SESAME サイクルは、主にアプリで解錠する)。

ミニベロロードにも取り付けられた

基本、「SESAME サイクル」は自分で取り付けられる。ただ、そうした取り付けに自信がなければ、近くの自転車店にお願いしてもよいだろう。

届いた商品には、本体のほかに取り付け用の固定金具とネジ、それに鍵が同梱している。

開梱したら、まずはビス留めされている乾電池の収納ケース部を開けて、乾電池の絶縁シートを外す。通電したら、スマートフォンの専用アプリ「セサミ、ひらけゴマ!」を開いて、接続設定する。筆者は既に同アプリを使っているので、設定画面で「新規デバイス」を探した。すぐに「SESAME サイクル」が現れるので、タップして接続するだけだった。

自転車に取り付ける前に、アプリで作動するかを確認しておくとよいだろう。

商品が届いた状態
本体や取り付け用の金具、鍵などが同梱する
本体の下部に、鍵穴がある。スマートフォンのバッテリーが切れていた場合などは、こちらの鍵で開けられる
乾電池が収納されているケース部を開けて、乾電池の絶縁シートを外す
自転車の、シートステーに固定する部分

本機が主に想定しているのは、シティサイクルだ。電動アシスト自転車や子供用の自転車など、多くのモデルに対応している。

それに対して、筆者の自転車はタイヤ径の小さいミニベロ(小径)のロードタイプの自転車。ブレーキの形はマウンテンバイクやクロスバイクなどに使われていることも多い、ワイヤー式のV-ブレーキというもの。さらに泥除けのフェンダーが付いている。

正直「SESAME サイクル」がターゲットとしている自転車とは、仕様がだいぶ違う。事前に取り付け可能か確認してはいたが、送られてきた商品を見て、本当に付けられるかな? と一抹の不安を感じた。

後輪はV-ブレーキ。小径なので装着しづらい

結論としては、少し調整が必要だったが、15分ほどで取り付けられた。

まず、本機は基本、後輪を支えるシートステーに取り付ける。だが筆者の自転車はV-ブレーキなので、ママチャリなどとは異なり、シートステーの内側に取り付けることになる。また、トップチューブから二手にわかれるシートステーは、タイヤの中心に向かって広がっている。さらに筆者の自転車は小径であるため、取り付けるべきシートステーの広がりが大きい。正直、取り付けにくいのだ。

同梱されていた3種類の取り付け金具のうち、一番長いものを使用した
少しすき間があったので、ゴムをかまして装着した
装着したところ

タイヤの小さい小径自転車だと靴のかかとが当たる

装着後は、おおむね快適に使っている。

少し気になるのは、自転車のフレームが黒いため、真っ白の「SESAME サイクル」が少し目立って見える点……だが、気にしないことにしている。問題なのは、ペダルを漕いでいると右足の靴のかかと部が、本機の乾電池ケース部に当たること。ほんとに少し触る程度なのだが、こちらは気になるので、足の置き場所を気持ち前にズラして乗っている。

これはシートステーとペダルとの最短距離が短い、小径のロードタイプの自転車だから起こることかもしれない。ロードタイプでも、タイヤ径が26インチや27インチくらいであれば、本機の取り付け位置が高くなり(ペダルから遠くなり)、足が当たることはないだろう。もちろんV-ブレーキではなければ、取り付け位置が異なるので、当たる心配はない。

右足のかかとが、乾電池のケース部に当たる

そのほか、気になるのはバッテリーのもちだ。製品仕様では3年持続とある。

同じ仕組みの住宅ドア用のスマートロック「SESAME mini」を使っていた時には、1年半はもった。ドア用の場合は、サイクル用と異なり、解錠/施錠のいずれの際にもサムターンを回す力が必要だ。「SESAME mini」で1年半くらいもったので、解錠のときのみに駆動する「SESAME サイクル」は、仕様表通りに3年は使えるだろう。

またバッテリーが切れた際には、乾電池を取り換えればよい。乾電池はCR123Aの1本。コンビニでも売っている店もあるので、入手は比較的に容易だ。

購入時にはパナソニック製のCR123Aが1本付属する

これまではワイヤーロックを後輪または前輪に取り付けていたため、施錠はもちろん解錠するのにも、少し体をかがませていた。本機を取り付けたことで、解錠時に腰をかがめて鍵を開ける動作が、不要になった。取り付けたメリットが、たったこれだけ? と、思われるかもしれないが、自転車が主な移動手段である筆者には、とても快適に感じる。筆者は単に面倒くさがり屋なだけだが、例えば幼い子供や大きな荷物を抱えながらでも、スマートフォンでサクッと解錠できるのだ。

筆者の自転車では前述の通り、右足の靴のかかと部が本機に接触するという問題がある。そのため一概に、どの自転車にもおすすめできるものではない。だが、鍵の開け締めが面倒だなぁと感じたことがある人なら、3,980円と比較的に安価なので、試しに取り付けてみる価値はあるだろう。

河原塚 英信