家電レビュー
机に置けるシャープの空気清浄機は、狭い部屋にピッタリで効果も実感!
2021年7月23日 09:00
6月後半からずいぶんと暑くなってきたので、冷房を久しぶりに起動した。そこで困ったのが、クーラーの風で床や棚のホコリが舞うこと。筆者はハウスダストアレルギーなのもあり、一日中くしゃみが止まらなくなってしまった。
ホコリを少しでも少なくしたいと購入したのが、2021年1月発売のシャープの6畳向けプラズマクラスター空気清浄機「FU-NC01」。同社の空気清浄機でも最小サイズで、他社製品と比べても小型なほうだ。0.3µm以下のホコリや菌を99.97%以上集じんできるようなHEPAフィルターはなく、集じん・脱臭一体型フィルターを備える。実売価格は17,000円前後。
購入のポイントは「1Kで7畳ほどの広くない部屋で使うので、できる限り小さいこと」。ホコリが目に見えて減ったかというともう少し長く使わないとわからないが、少なくとも購入前よりはくしゃみが出なくなった気はする。2万円以下の価格を考慮すれば、コンパクトなサイズ感や機能に満足だ。
机上にも置ける大きさ
筆者の部屋では1年中除湿機を動かしているのだが、いつも置き場所に困っていて、「空気清浄機を買うなら除湿機より小さなものを」と思っていた。今回購入した「FU-NC01」は直径17cm、高さ33cmの筒形で、現在使っている除湿機の3分の1ほどの大きさ。筒形のデザインのため、置く場所は壁際でも部屋の真ん中でもあまり気にならない。また、重さは2kgほどと片手でも持てるほど軽く、移動もしやすい。
コンパクトなため、自宅で仕事しているときには机の上に置いて使っている。ハードカバーの本の表紙ほどの大きさのスペースが机上にあれば、置くことができる。適用畳数こそ6畳と狭いものの、机や棚の上など周囲のちょっとしたスペースに置けるので、自分の周りの空気は清浄できていそう。下から空気を吸い、上部から放出する形状のため、机上の紙が風で動いてしまうこともない。
また、形状も「ザ・空気清浄機」といったものではなく、シンプルな円筒型なのがよい。床や棚の上にインテリア感覚で置けて、狭い部屋でも圧迫感を感じなかった。筆者はあまり利用していないが、上部にナイトライトも付いているので、ベッドサイドのライト代わりにも置けそうだ。
弱はほぼ無音、中/強では動作音が聞こえる
FU-NC01の風量は「弱/中/強」の3段階。動作音なのだが、「弱」と「中/強」では差があるように感じた。「弱」ではほぼ無音で、「中/強」では「ブーー」という音が聞こえてくる。個人的には「中」であればそこまで気にならないが、卓上で使うときには「強」で使わない。
まず、床で使った場合、「中」はそこまで気にならない音量。7月現在、コンプレッサー式の除湿機を1日中動かしているので、除湿機よりは動作音が小さい。「強」で使った場合は、除湿機がハードに動く速乾モードと同程度の音量で少し気になる。テレビを見ているときなど周りがうるさければいいが、寝るときは「強」だとうるさいと感じてしまった。「強」の音が気になるとはいえ、筆者の部屋にある6年ほど前に発売されたクーラーの「空気清浄」機能のほうが明らかに音が大きかった。
つぎに、卓上に置いたときだが、「中」でも「ブーー」という運転音が気になる。しかし、ノートパソコンのファンの音よりは静かで、毎日使用していたらそこまでうるさいとは思わなくなった。ただ、「強」は正直、うるさいと感じたので卓上ではほぼ使っていない。パソコンでゲームをしているときの本体ファンを想像してしまうような音だった。
結局、筆者はふだん、床に置くときは「中~強」、寝るときは「弱~中」、卓上で使うときは「中」で使用している。
集じん・脱臭一体型フィルターとプラズマクラスターで空気清浄
FU-NC01は、集じん・脱臭一体型フィルターを搭載。また、シャープの独自イオン「プラズマクラスター」機能を備えており、カビや花粉、ホコリの抑制を期待できそう。プラズマクラスターイオンは、空気中のカビなどの表面から水素原子を奪うことで作用を抑制、また、静電気を除去することで花粉やダニのフンが壁に付着するのを抑えるという。
プラズマクラスターには「7000/25000/NEXT」の3段階があり、FU-NC01が備えるのは7000。衣類や床などに付着した花粉やウイルスへの効果はないが、浮遊しているカビや花粉の抑制、生乾き臭などの消臭効果はあるとしている。
FU-NC01を使用して2週間ほど経った現在、クーラーをつけた際に出ていたくしゃみがなくなったわけではないが、効果がある気はする。というのも、購入前はクーラーをつけた際には鼻炎薬を飲まなければつらいほどくしゃみが止まらなかったのが、「薬を飲まなくてもいいかな」といったレベルにまで落ち着いたのだ。あくまでも個人の感想だが、FU-NC01を置かないよりは置いたほうが部屋に舞うホコリがマシになった気がする。
一体型フィルターの交換時期の目安は1年に1回で、1個当たりの価格は3,520円。FU-NC01より大きな空気清浄機では、集じんフィルターや脱臭フィルターの交換時期が約10年のため、長年使うとなると本体価格は安いがコストがかかる。それでも、ほかにはないコンパクトさがFU-NC01にはあるので、個人的には納得できる出費だ。
清掃は1週間に1回ほど
取扱説明書には、清掃は週に1回ほど行なうよう書かれている。手入れする場所は本体下部の吸い込み部とプレフィルター、一体型フィルターで、ホコリを掃除機で吸い取ればよい。吸込み部は空気清浄機を分解しなくても掃除できるので、手軽だ。プレフィルターも、掃除機であっという間にホコリを吸い終わる。
試しに1週間フィルターを掃除せずにどれほど汚れるか確認してみた。ほとんどの時間を「中」で稼働させ、3時間だけ掃除をするときに「強」にしていた。3日目にプレフィルターを確認したところ、筆者の部屋がホコリっぽいせいか、あきらかに目がつまっているように見えた。7日目まで掃除せずに使ったところ、結構汚れている印象。大がかりな掃除をしたときや、部屋がもともとホコリっぽい場合は、1週間経つ前でもプレフィルターのホコリを掃除機で吸ったほうがいい気がした。
プレフィルターはかなり汚れたが、吸い込み部と一体型フィルターはさほど汚れていなかった。しいて言えば、髪の長い人がいる場合は、吸い込み部に髪の毛が引っかかっていることがあるので、それをサッと取り除けばいいくらいだ。
狭い部屋に空気清浄機を置きたい人に
実際に使ってみて、筆者としては以下のようなケースに当てはまる場合は特に、FU-NC01をおすすめできると実感できた。
- 1Rや1Kのマンションなどで、広さが7畳以下の場所
- キッチンやトイレ、子供部屋などの広くないスペース
- 机や棚の上に置いて使いたい場合
- インテリア感覚で空気清浄機を置きたい人
サイズの小さなFU-NC01は、価格が手ごろな分、機能も絞られている。Amazonや家電量販店では17,000円程度で販売されており、空気清浄機の中では高くはないと思える。微細なチリまで集められるHEPAフィルターは搭載していないため、もしより高度な空気清浄能力を求めている人には向いていないかもしれない。
一方で、一番の魅力は、机の上などでも置けるコンパクトさ。部屋にあまりスペースのない筆者のライフスタイルには合っていた。機能に関しても、ホコリが空中に舞っているのをある程度は軽減できていると実感している。