家電製品レビュー

少量でもご飯をおいしく、素早く、食卓で炊きあげる! 弁当箱型の炊飯器に満足

サンコー「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器 TKFCLBRC」

ふっくら炊きたてご飯は間違いなくおいしい。今回は、半合~1合の少量のお米で、一食分のふっくらアツアツの炊きたてご飯をおいしく素早く炊きあげるという、サンコーの「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器 TKFCLBRC」を紹介しよう。

「弁当箱炊飯器」というこれまでにない斬新な特徴から、白米好きな筆者は気になって気になって仕方がなかった。発売当初から大きな話題となり入手困難だったが、ついに手にし、レポートする機会が訪れたことがとても嬉しい。

メーカー名サンコー
製品名おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器
品番TKFCLBRC
価格6,980円 (税込)

炊飯器として型破りのデザイン

まず衝撃的だったのは、炊飯器でありながらお弁当箱を模したデザインだ。炊飯器から直接ご飯を食べるんだよねぇ……と、戸惑いを覚えるも、だってお弁当箱なんだもん。このデザインならアリ。

本体サイズは240×100×80mm(幅×奥行き×高さ)で、電源コードを含まない重量は732g。後に触れるが、スッキリとした白を基調としており、お皿やお椀と一緒に違和感なく並べられる大きさに収まっている。

付属品として、中間スイッチのついたケーブル、1/3合の計量カップに、アルミ上蓋を外す際につまむ、予備のシリコン製のつまみが同梱されている。定格消費電力は185Wで、保温時は計測すると30Wだった。

左上より、正面、プラグを差し込む右側面、左側面、背面
2つの蒸気口のある上面、裏もスッキリな底面
左より本体、固定フックのついた蓋、予備のシリコン製のつまみ、炊飯スイッチのついた電源コード(約1.4m)、1/3合の計量カップ
蓋のパーツは3つ。プラスチック製の蓋、アルミ製の内蓋にパッキン。簡単に分解できる

使い方は超シンプル

操作は至極シンプルだ。内釜に洗米された米(または無洗米)と同量の水を入れ、防水キャップを開き、電源コードをプラグに繋ぐ。電源ケーブルにあるスイッチを入れれば炊飯が始まり、炊きあがると自動的に保温に切り替わる。面倒な設定や操作はない。

本体にスイッチ類は一切無く、電源ケーブルを繋ぐコネクタがあるだけ
電源を入れると赤いランプが点灯して炊飯が始まり、炊きあがると保温に切り替わり緑色のランプが点灯する

内釜には水位を示すラインが記されている。内釜は本体に固定されており、取り外しはできない構造だ。本体と内釜の境目はシリコン製のパッキンで目止めされてあり、炊飯器ごと洗えるとしている。

内釜が外せないのでヒーター部を直接見ることはできないが、底面を取り囲むような「かこみ炊き」を実現する強力ヒーターを搭載。窯の側面まであたたまる高火力を実現し、ムラなくふっくらと、半合なら最短14分で炊きあげるという。

内釜は本体に固定されている。内釜に水位を示すラインがある
側面まで加熱するヒーターを搭載。高火力「かこみ炊き」でムラなくふっくら炊きあげるという

今回のレビューにあたり、近所で簡単に手に入る複数種のお米を買い求めた。銘柄によって食味が大きく変わるので、洗米の必要な2種のお米と、その必要がない無洗米3種を用意した。

洗米の必要なお米2種は、粘りと香りがあり、ニュートラルな食味で価格が手頃な「ななつぼし」に、甘みと強い粘りが特徴で日本で最も名の知れた「コシヒカリ」。

無洗米3種は、大粒でツヤ、香り、豊潤な甘みとコクに粘りが揃う新品種の「新之助」に、低アミロースで粘りが強く柔らかい「ゆめぴりか」。さらに、100円ショップやコンビニで購入できる、アイリスの「国産ブレンド」1合パックだ。

洗米の必要なお米を2種。ニュートラルな食味の「ななつぼし」と、日本で最もポピュラーで食味バランスが良い「魚沼産コシヒカリ」
無洗米は3種。平成29年に発売が始まった豊潤な甘みとコクの「新之助」、低アミロースで粘りが強くやわらかで甘みのある「ゆめぴりか」。100円ショップでも手に入る1合パックのアイリス「国産ブレンド」

それぞれの銘柄や品種の特徴がどのように表れるか、いよいよ炊飯していこう。それぞれに合うお惣菜も用意してしっかり味わいながらいただいた。

早ッ! 半合炊飯時間だけならたった10分。しかもおいしい!

炊飯の先に、弁当箱炊飯器を使った手順を記しておこう。

  1. 付属の1/3合計量カップを使ってお米を計量する(半合なら1杯半、1合なら3杯)
  2. 手持ちのボウルとザルで洗米する
  3. 水気をザッと切った米と同量の水を内釜に入れる
  4. 本体を揺すって米を平らにならして蓋をし、そのまま最低10分は置いて米に吸水させる
  5. 電源を入れる(本体プラグそばの赤色ランプが点灯する)
  6. 炊きあがってランプが緑色に切り替わったら、そのまま10分蒸らす

弁当箱炊飯器は高額な炊飯器とは違い、吸水と蒸らし機能は炊飯時に含まれないので、炊飯前後に10分ずつそれぞれに時間がかかる。芯の無いふっくらとしたご飯を炊きあげるのに必要な時間だ。洗米のいらない無洗米の場合も同様となる。

洗米した米と、同量の水を内釜に入れ、本体を揺すって米表面を平らにして蓋をする
水に10分浸けるだけでも、米粒は半透明から白っぽく変化。吸水が進んでいる
アルミ内蓋のパッキンは側面からの吹きこぼれを防いでくれる

炊飯の手順がわかったところで、最初に洗米の必要な「ななつぼし」を、計量カップ1.5杯にあたる半合分炊飯した。

吸水を10分行ない電源コードのスイッチをON。5分ぐらいするとグツグツという沸騰音が聞こえはじめ、徐々にブクブクという音に変化。そのころには蓋の蒸気口から湯気と炊飯の良い香りが立ち上ってくる。

「おおーッ! 炊飯が進んでる進んでる♪」とワクワクしたかと思ったら、本体からカチンッ! という音が小さく響き保温に切り替わった。

思わず「早ッ!」。なかば拍子抜けしながら時計を見ると、半合の炊飯時間はたったの10分。あっという間だ。炊飯終了を知らせるブザーなどはなく、本体のランプの色が赤から緑に変わるだけなので危うく見過ごすところだった。

炊きあがったらすぐに蓋を開けたいところだが、ここは我慢して10分蒸らす。米粒表面の水分を内部に浸透させて、よりおいしくいただくために必要な時間だ。

いよいよ蓋を取る。大量の熱い蒸気と良い香りが一気に立ち上り、ふつふつというご飯の音も響いた。正真正銘の炊きたてのご飯だ!お米は粒が揃い、張りがありツヤッツヤのピッカピカ!

さっそく一口パクリ。

えッ、半合しか炊いてないのにこんなにおいしいの? とビックリしてしまった。やや固めながらも芯は感じられず、ななつぼしらしい特徴が表れた紛れもないおいしい炊きたてのご飯そのものだった。むっちりとした噛みごたえに適度なねばりがあり、甘みが広がる。実験のつもりで炊いたご飯茶碗1膳分(半合)だったが、おかずなしでぺろりと平らげてしまった。食味の良い、大満足のご飯だった。

たった半合でもピカピカのこのツヤ。弾力がありむっちりと噛みごたえのあるおいしいご飯だ
茶碗によそった様子。炊きムラは感じられず、ひたすらおいしい
米のデンプンがにじみ出た"おねば"もしっかり表れていた。内釜はくっつきにくいコーテングがされている
アツアツのご飯が入った本体は、蓋を取る直前でも温かい程度だった

使用前に、少量の炊飯なのに保温機能は要るかなと訝った。だが、たった半合のご飯でも、蒸らしが終わって蓋を取れば湯気と香りが大量に立ち上った点から、アツアツの炊きたてご飯の実現に必要な機能なのだろうと実感した。

満足行く半合の炊飯の次は、同じななつぼしで最大量の1合を炊いた。米の量は倍になるも、炊飯時間は16分とやはり早い。1合で炊いた場合は半合時よりも加熱時間が伸びるためか、気持ちふっくらと柔らかく、食感がより好転する印象だった。とてもおいしい。

1合を炊き終えて電源コードを抜き、改めて惣菜と味噌汁と一緒に弁当箱炊飯器を食卓に並べたところ、コレがちゃんとした食事の風景として映る。「炊飯器ごとテーブルに載せ、そこから直接食べる」というだらしない感じはなく、弁当箱に詰められたアツアツのご飯をいただいている、という気持ちになる。ちょっとした意識改革がなされた瞬間でもあった。

買ってきたお惣菜にインスタント味噌汁を合わせただけなのに、ご飯が炊きたてだと高い満足感が得られるのは不思議
1合のご飯が入った弁当箱炊飯器の重さは849g。手に持ちながらいただくには少し重い

ここで用意した惣菜はスーパーで購入したもので、味噌汁はお湯を注いだだけのインスタント。それでも食卓を整え、炊きたてのおいしいご飯でいただくと、「ちゃんと食事をしている」という気持ちが沸き起こる。商品化されているパックご飯や、タッパーに入ったままチンしたご飯では味わえない大きな満足感を得られた。

銘柄の特徴がきちんと表れる

弁当箱炊飯器は少量炊きにもかかわらず、おいしく十分満足の行くご飯が炊けるのがわかったところで、米の銘柄を変えて炊き比べを試みた。各銘柄や品種による特徴、弁当箱炊飯器との相性を探っていきたい。

ななつぼしの次は、同じく洗米の必要な「コシヒカリ」1合を、ななつぼしと同じ工程で炊飯した。お味は文句なし。コシヒカリの特徴である甘みに、しっかりとしたねばりがちゃんと感じられた。粒もふっくらとおいしい。刺身と一緒にいただいたが、まぁ、おいしいことこの上ない。刺身はやはり、炊きたてのおいしいご飯を合わせたい。

コシヒカリのねばり、甘みが感じられるおいしいご飯。粒も大きく、張りがある
ちゃんと作ったものは味噌汁だけ。刺身にはやっぱり炊きたてご飯じゃないと!

洗米の必要なお米の次に、無洗米から3点を炊き比べてみた。

近頃は1~2合の少量パックの無洗米をコンビニなどでも扱っている。数キロまとめて買うには重く高価なお米も、少量パックなら仕事帰りに惣菜と一緒に購入しやすい。使い切りタイプなので風味の変化が少なく、場所を取らずに保存しやすいのも特徴だ。

また、無洗米というだけに、米と水を直接内釜に入れるところから始められる。洗米という工程が1つ消えるだけでも気持ちがラクになるうえ、洗米用のザルやボウルはいらないので洗い物も減る。

洗米の必要が無い無洗米なら、お米と水を内釜に直接入れて炊飯を始められる。洗米用のザルもボウルもいらない

無洗米の1つ目は「ゆめぴりか」。1合炊いていただいたところ、モチモチで粘り、甘みが強く、やわらかでおいしい。惣菜と合わせることも考えたが、あ、これで炊き込みご飯作ったらさぞおいしいだろうなと、さっそく実行した。

炊き込みご飯は、市販の五目ご飯の素を利用した。3合用なので、パッケージに入っている出汁と具材の1/3を使い、吸水に10分置いて電源を入れた。

炊飯が進むにつれ、出汁のいい香りが鼻をくすぐる。炊きあがりは見事。モチモチの食感に強いねばりが具材とよく絡み、狙い通りのおいしい五目ごはんを堪能できた。煮物の1つもあればもう十分な夕飯だ。

ゆめぴりかはアミロースの含有量が低く、冷めても固くなりにくいのも特徴の1つ。炊飯後に半分食べて、残りはすっかり冷めてからいただいたが、ポロポロにならずモッチリとおいしいまま。弁当箱炊飯器はゆめぴりかの食味や特徴も引き出しただけでなく、炊き込みご飯もおいしく炊ける。

市販の五目ごはんの素を利用
出汁と具材も入れ10分吸水させた
ツヤピカの炊きあがり。ねばりが強いので、具材と絡みやすい
出汁がご飯によく染みておりおいしい。冷めてもおいしいゆめぴりかの特徴を引き出した

無洗米のもう1つは「新之助」だ。まだ新しい品種で、大粒でツヤがあり、コシヒカリとは異なる甘みにコク、ねばりと弾力を特徴にもつ。2合で400円もする高級米だが、弁当箱炊飯器でバッチリ炊飯できた。ふっくらとしていてツヤがあり、心地良いねばりに噛みごたえが揃い食感もよい。噛むほどに甘みとコクが口に広がる。

とてもおいしいご飯だからこそ、ここではあえておにぎりにした。梅干しを入れて塩を少しきつめにし、海苔で包む。炊きあがったばかりのご飯を握ったアツアツのおにぎりはまさにご馳走だ。あああおいしい! 一瞬で1個をぺろりとたいらげてしまった。

もう1個はアルミホイルに包んで、お弁当とした。冷房の効いた部屋に8時間放置後してからいただいた。炊きたてよりもやや食感は固くなるが、冷めていてもねばりがあり、もっちりでツヤツヤ。贅沢なおにぎりは冷めても最高においしかった。

高級米の「新之助」。大粒、ツヤ、ねばり、甘み、コクが揃う、コシヒカリとはまた違ったおいしさがちゃんと引き出された印象だ
おいしいご飯はあえておにぎりに
米/塩/梅干し/海苔で作ったできたてのおにぎりはもうごちそう
8時間経過してすっかり冷めきっていても最高においしかった

最後に100円ショップでも手に入るブレンド米を炊飯した。アイリスの「国産ブレンド」の無洗米は1合パックなら、計量の手間はゼロ。

ブレンド米も侮れない。粒はやや小さいがよく揃っており、ねばりは少なめでやや固めに炊きあがった。クセの少ない食味で、パラッとしているブレンド米は、カレーや丼ものにピッタリ。今回はホワイトビーフストロガノフのお惣菜と合わせていただいたが、満足度の高い一品となった。

1合パックならお米の計量が要らず、さらにラク
固めのパラッとしたご飯が炊きあがった。適度な甘さがあってクセも少ない。ブレンド米も侮れない
パラッとしたクセの少ないご飯は、カレーや丼ものと相性バツグン。炊きたてはとてもおいしい

ここまで弁当箱炊飯器を使って5種類のお米を炊いてじっくり味わってみたが、どれも本当においしく、ちゃんとした食事をいただいたあとの充実感もそれぞれにたっぷり味わえた。

加熱する炊飯時間こそ短いが、吸水と蒸らしにそれぞれ10分は必要なので、食べはじめるまでに40分弱の時間がかかってしまうのは否めない。

とはいっても、消費電力は最大でも200W弱なので、電子レンジなどの調理器具と併用しやすい。炊飯しながら、惣菜の温めなおしをしたり、ちゃちゃっと味噌汁を作っている間に炊きあがってしまう印象だった。

また、食卓の上に置いたまま炊飯し、そのままいただけるスタイルは、なにかと物で溢れやすいキッチンに置かずに済む気軽さもある。コンパクトなので、しまうのも場所を取らない。

簡単にもっとおいしくもっと早く。さらにもう少し多くもアリ(自己責任)!

この弁当箱炊飯器には、お米に強制的に吸水させる機能はないので、吸水されるのを待ってから電源を入れなければならない。なぜなら、お米の水分含有量は15%前後と、ある意味乾物食品。芯の残らないおいしいご飯を炊くには、お米の芯まで吸水させて“戻す”必要があるのだ。本来なら夏場で40分、冬場なら60分は吸水に時間を充てるのがいいとされている。

だが、仕事からの帰宅後や、早く食べたい時にはそんな悠長に待っていられない。洗米してから一旦手を止めて吸水を待ち、改めて電源を入れるのが特に面倒に感じる点だ。かといって吸水を怠れば、芯の残るおいしくないご飯ができあがってしまうのは必至。

ならばと、前もって水に浸けっぱなしにしておく方法もあるが、夏場は室温も水温も高く、長時間水に浸けたまま放置すると、雑菌が繁殖する温床になりかねない。

そこでおすすめしたいのは「洗い米」の活用だ。洗い米の作り方は至極簡単。洗米後にザルで水を切り、ボウルにザルごと入れてラップをかけ、冷蔵庫に入れておくだけ。無洗米なら洗米せずに、水をしっかり通すだけでいい。これだけで吸水が進み、しかも2~3日は冷蔵庫でそのまま保存できるのが大きな利点。

時間のあるときに洗い米を準備しておけば、吸水の時間はゼロになり、思い立った時に流れ良く炊飯が始められる。電源を入れて蒸らしが終わるまで、1合なら25分程度となり、おいしい炊きたてご飯が素早く味わえる。

洗米後ザルで水気を切り、ザルごとボウルに入れ、ラップしてそのまま冷蔵庫へ。余計な水が捌けるよう、米の中央を凹ませて厚みを均一化しておく
袋から出したばかり(左)と洗い米の違いは歴然だ。しっかり吸水された洗い米は透明感が消え、カサも増している
1合米の吸水前の重量は141g(左)に対し、吸水後は162gだった。吸水されたお米はサラサラとしている
吸水前の米と同量の水を入れたら、すぐに電源を入れられる

最初にいただいたななつぼし1合を洗い米しておき、炊飯した。いただいてみると、ご飯のふっくら感、甘み、ねばりに香りもアップ! 10分しか吸水させなかった時と同じ米とは思えないほど、さらにおいしく炊きあがった。改めて、吸水時間がいかに大切かを思い知らされた。

洗い米を活用した炊飯は、特に弁当箱炊飯器に向いているといえるだろう。お米本来のおいしさを引き出すにとどまらず、「超高速」を謳う、弁当箱炊飯器のポテンシャルをより引き出すからだ。

ねばりと香りの食感がぐぐぐっとアップ。吸水時間10分のご飯よりもさらに、さらにおいしい
全く同じ水量で炊いたのに、内釜につくおねばの量も全く違った

弁当箱炊飯器の最大の炊飯量は1合。だが、ここまでおいしいと、もともと白米好きの自分はもう2口3口は食べたくなってしまう。炊きあがった1合の内釜の様子をみると、内蓋までの高さにまだ余裕がありそうだ……。ひょっとして、もう少し米の量を増やしてもいいかもと思ってしまった。

レビューですもんね、ならば試してみよう! と、「吹きこぼれてもあくまでも自己責任」と、思い切って付属の計量カップ4杯分(1.33合)の炊飯を試みた。

使用したお米は洗い米しておいたコシヒカリ。吹きこぼれるのを覚悟の上で炊飯を始めたが、側面からの吹きこぼれも蒸気口から溢れ出る事もなく、19分45秒で無事に炊飯から保温に切り替わった。10分蒸らして蓋を開けると、ご飯は内蓋ギリギリまで迫っていた。

そのお味はもちろんおいしい。コシヒカリのねばり、甘みが感じられ、洗い米しておいたおかげでよりふっくらとした食味豊かな炊きたてご飯だった。茶碗に軽くよそってみると、その量は3膳分。これならたっぷり味わえる。

思い切ってコシヒカリの洗い米1.33合と水をセット
炊きあがったご飯は内釜ギリギリまで迫っていた
ふっくらとして食味豊かに炊けた
3膳分炊いたので、たっぷりと米を味わえる

この方法は決しておすすめできるような使い方ではないかもしれない。だが、特にお腹が空いているときやご飯に合うおいしいおかずがあるときは、少しぐらいなら1合を超えて炊いても大丈夫そうだ。

お手入れは簡単だ。ノンスティック加工された内釜は外せないが、本体は防水処理が施してあり、スポンジと流水でサッときれいに洗える。電源プラグのキャップはきちんと閉めておくのを忘れずに。また蓋とアルミ製内蓋、パッキンは分解して丸洗いできる。それぞれのパーツが軽く小さいので洗うのもラクで、洗いカゴの中でも場所を取らない。

プラグのキャップを閉めておけば、内釜も本体も流水とスポンジでササッと洗える。蓋は丸洗いでき場所も取らない。後片付けはとても簡単だ

食事の度に新鮮な炊きたてご飯を楽しもう

様々な銘柄のお米を「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」で炊きあげ、惣菜と一緒に1つの食事として1粒残らず味わってみたが、ご飯の出来はどれも期待以上だった。たとえ買ったお惣菜でも、新鮮な炊きたてのご飯と一緒にいただけば、更においしく味わえた。「ああ、おいしかった! ごちそうさま!」の後はお腹も満たされ、心もたっぷりと満たされていた。

操作も扱いも簡単。お米と水の量さえ間違えなければ失敗はゼロ。お米の銘柄も選ばず、それぞれの特徴もしっかり引き出せる炊飯器の実力もある。卓上で炊飯してそのままいただき、食べきってしまうスタイルは革新的とも言えるだろう。弁当箱を模したコンパクトなデザインがそれをたやすく実現している。

価格も手頃で場所も取らないので、料理をほとんどしなくても、炊きたてのおいしいご飯が好きな人にはイチオシだ。仕事場で許されるのであれば、オフィスのデスク上で炊きたてのご飯でランチを楽しむのもかなり現実的。一人暮らしの人はもちろん、食事時間に差がある家族にも向いているだろう。

3度の食事の度に「炊きたてご飯」を味わう贅沢な生活、始めてみませんか?

藤原 大蔵