家電製品レビュー

【ぷーこのe-bike沼】ジャイアントの女性専用ブランドLivのe-bikeで遂にロングライドへ

新型コロナウイルスをきっかけに「電車乗りたくないよぉー!」と、急に興味を持ったe-bike。一度足を踏み入れたその世界は、私の価値観というか世界観を大きくひっくり返したというか広げてきた。なんだこれ!? とその魅力満点の沼にズブズブ落ちて漂う私のe-bike体験記第4弾。今回は私のハマり度がさらに加速!? 何かに開眼した!? それでは今回も行ってみよー!

ジャイアントの女性専用スポーツサイクルブランドLiv

今回のパートナーは、世界最大規模の自転車メーカーGIANT(ジャイアント)の女性専用サイクルブランドLiv(リブ)の「ESCAPE RX W-E+」というクロスバイクタイプe-bikeだ。

ESCAPE RX W-E+
メーカー名Liv
製品名ESCAPE RX W-E+
実売価格280,000円

身長や体格の違いでサドルは下げるけれど、“女性専用”といわれて正直ピンと来なかった。ちまたに嫌というほど溢れる「女性向け」という「女性はこういうのが好き」の押し付けに辟易していたのかもしれない。正直、最初は斜に構えてた(笑)。

でも実際にご対面すると一目ぼれ。その格好良さに瞬間で心が完全に掴まれて、めっちゃ前のめりになった(笑)。しかも、身長160cm以下の小柄な女性向けのXXSサイズのフレームだ。日本ではe-bikeの規格ってとても厳しくて、ドライブユニットだけでなく、フレームやチェーン、チェーンカバーから警報機(ベル)に至るまで、もう全部全部セットで申請と承認が必要なのだそう。

だからサイズ展開とか面倒でなかなかできないと思うのだけれど、それでも地道で面倒なことにもコストをかけているのは、メーカーの強いこだわりと自転車愛を感じて思わず最敬礼である。

細部までこだわりと愛が詰まっている

女性専用ブランドに対して斜に構えてた私だけど、このバイクの凄さを前に、頭を殴られたようなショックというか、自分の浅はかさ的なものに恥ずかしくなることになる。物作りの人へなんたる失礼な人間だ。と、深い深い穴を掘って埋まりたくなってしまったよ。

バッテリーは「GIANT ENERGYPAK 500」という36V/13.8Ahの大容量リチウムイオンバッテリー。ECOモードで225km、SPORTモードでも90kmも走れる本当に大容量!! 私みたいなライトユーザーが1カ月乗ったとして充電する日が来るだろうか」と正直思ったレベル(笑)。

大きなバッテリーなのにフレームと一体化していて、スリムでコンパクトなデザインで全然邪魔にならない。バッテリーをOFFにしても気持ち良く走れるように軽量なスポーツ設計のアルミフレームが使われている。このXXSサイズだと、ドリンクホルダーも付けられないのだけれど、おかげで低身長でも足回りもとても自由でめっちゃ扱いやすい。

XXSサイズは小柄な女性向けの小さなフレーム

e-bikeの肝といえるドライブユニットは、ヤマハと共同開発した「GIANT SYNCDRIVE SPORT」。パワフルなサポートはもちろん、踏み込む足の力加減がそのまま伝わる繊細な感覚に物凄く感動した。例えるなら、他のドライブユニットのパワフル系モードが、スマホを手袋付けて操作する感じなのに対して、こちらは、そのまま素手で操作しているような感覚。力加減もタイミングもとにかくジャストに反応する。坂道の細い道で人とすれ違う時に止まるギリギリのスピードで漕いでも、止まらず加速しすぎず、本当に繊細な力調整ができる。

時計表示があったら私は嬉しいな

サイクルコンピューターはコンパクトながら、とても見やすい表示。横にスマホを充電できるためのmicro USBポートを搭載していて、「えー!? 究極のモバイルバッテリーじゃん!!」と驚いた(笑)。時計表示がないのはちょっと残念だったけど、私が時間に追われすぎなのか!? 操作レバーはグリップと一体化しているので、グリップ握ったまま操作できてとても良い! そこまでモードとか変更しないけれど、ちょっとインフォ画面変えたい時とか手を離さず操作できるので、とても安心・安全だ。

ハンドルから手を離さなくていいのは安心で嬉しい

小柄な女性に合わせた540mm幅のハンドルがものっ凄く使いやすい!! 変な力が入りすぎないし、しっかり安定して握れる。これまではサドルの高さ調整しか考えていなかったけど、フレームやハンドルもやっぱり体格で最適サイズというのがあるんだなと乗って実感した。

このハンドル幅のおかげで変な力が入らない

これぞ女性専用ブランド!? 細やかな配慮が嬉しいアクセサリーも充実

フレームやハンドルなど、女性の小柄な体型に合わせた設計に「なるほどな」と感動したけれど、それだけじゃなかった!! アクセサリー関連も細部まで「うわー! これはいい!」という工夫やデザインが施されている。

備品の設計とか天才!? って思った
こんなスペースをうまく使うなんて!

バックライトはサドルにカチッとハマる感じで、ツメを押すと簡単に外せて充電できる。泥除けもサドルの下にスポッとハマるしくみで、簡単に取り外しできる。フレームに装着するダイヤルロックも、持ち歩かずに済んで便利だし、カラフルでかわいいのがたくさんあって、「これかわいい!」と単純に好き。Livブランドのアイテムは全部すっごいかわいいし、ライダーが喜ぶ機能満載だ。またもや私は心をがっつり掴まれてしまった。

この泥除けも画期的じゃない?
チェーンロックを持ち運ばなくていいの嬉しい
めっちゃ使いやすいし、蒸れないかさばらない

正しい自転車の乗り方を知ってる?

e-bikeを受け取りに行く際に、メーカーの代理店の方から操作方法など、いろいろレクチャー頂けると聞いていて、少し緊張しながらもとても楽しみだった。操作方法やアクセサリーの使い方などひと通り説明を受けた後に、なんと正しい自転車の乗り方まで教えてくれた(笑)。

私は今まで自転車から降りる時は、ブレーキをかけながらサドルにお尻を乗せたまま左足を地面に着いていた。左への横の動きである。でも正しい乗り降りは「前後」の動き。右足をペダルにかけたまますっと前に降りる。乗る時も右足で体重をかけたままスッと後ろに乗る。数回練習したらすぐに習得できたけど、子どもの頃に転ばずに自転車に乗れるようになって、誰かに自転車の乗り方を習ったことがない。自分の自転車の乗り方について考えたこともなかった。

サドルにお尻乗せたままで乗り降りしてた私
左右じゃなくて前後! 学んだ!
正しいサドルの高さになって踏み込みやすくなった

ほかにもブレーキにかける指は2本だとか、ギアの上げ下げだとか、車道の走り方とかいろいろレクチャーして頂いて目から鱗だったし、めっちゃ感動した。おかげでサドルの高さが3cm上がって(笑)、そのおかげで漕ぎやすさがアップした感じがある。

「昔から自転車乗ってる方からすると、アシスト使って走るなんて、e-bikeは邪道だとかって思われませんか?」という質問もしてみた。「スキーだって、昔は板を抱えて山上るところからだったんですよ。リフトができて大勢の人が楽しめるスポーツになったでしょ? e-bikeだって同じなんです。アシストのおかげでこうして自転車を楽しめる人も増えるし、それも十分にスポーツなんです」って答えてもらって、フッと腹落ちするというか、懐深いスポーツだなとますます好きになっちゃったし。

同行していたe-bike Watchの清水氏と盛り上がっていたツーリズムの話を聞きながら、「100kmとかその距離感はちょっと……」と思いながらも、興味を持ち始める自分もいた(笑)。

もう、私からすると異次元な話。聞いてるのはめっちゃ楽しい

初めてのロングライドへ!?

ちょっと乗っただけで、ものっすごい乗りやすさと爽快感を感じる。本当に通勤だけではもったいない! この子(e-bike)が泣いちゃうー! って思って、週末にサイクリングへ行くことに。

乗ってるだけでテンション上がる! 最高だ

長距離走るとどうしてもお尻が痛くなるので、クッションが入ったサイクルパンツを履いたほうがいいと教えて貰って、すぐにAmazonでパンツは買った! ランニング用のスポーツブラにスパッツ的なパンツも。さらに、自転車屋さんで一目惚れしたかわいいサイクリングジャージも買ったし、リュックに取り付けるペットボトルホルダーも!

もう準備万端! 完全に形から入るタイプの自分に笑えるけれど、テンション上がりまくる。週末は昼までグダグダ寝て過ごしがちの私だけれど、ワクワクしてシャキーンと目が覚めた。着替えて「じゃぁ、ちょっくら行ってくるわー!」とご機嫌でサイクリング。

今回は江戸川沿いをずっと上って走って行くだけの旅。特に目的地もなければ、どれだけ走るかも決めていない。サイクリングコースに到着するまでに家から10kmほどあるんだけれど、ちょっと前の私ならその入口がゴールの距離じゃない? なぁんて思いながらいざ出発。アシストのパワーで10km以上走れることはもう分かっている。自分の性格上、目的のない走りに「うん、飽きた」ってなる可能性が否めないなぁという不安を少し抱えていたけれど、それはとんだ杞憂だった。

川沿いにはサイクリングロードとたくさんのグラウンドが

広い川沿いのサイクリングコースは路駐のクルマもなければ、絶対に道を開けてくれない歩行者もいないし、クルマも通らないから緊張して走る必要もない。とにかく空が高く景色は広く、キレイに整備された道路がただひたすら続いて、時間と距離の感覚が消えたようになる。たくさんのグラウンドでスポーツを楽しむ人たちを眺める。夏の香りも立ち込めている。目に入るすべての風景が素晴らしく尊く感じてくる。何だこの幸せ空間って感じでウットリふわふわと漕ぎ進めていく。

しばらく走っていると、「あー、どっか草べりでおにぎりでも食べたら絶対においしいよね!」と思い、サイクリングコースから外れてコンビニで調達。なかなか休憩できそうなスポットが見当たらないけど、気にせずグングン進む。サイクルコンピューターに走行距離は表示されているのだけれど、ただ真っ直ぐ走って行く。私が初めてe-bikeに乗った時に感じた、ペダルを漕ぐだけでどこまでも行けそうなこの感覚は、一番好きでずっと忘れたくない感覚だ。

真っ直ぐ1本道じゃなかったっけ!?

前に前にひたすら楽しい冒険だ。サイクリングコースだから迷子にならないのも嬉しい! と思っていたらなぜか砂利道に突入。パンクが怖いからそっと押して歩くと、バッテリーの大きさと重さを実感する。でも急勾配を押して上る時だけだし、道を間違えなければいいのだ(笑)。そうこう走っているうちに、ようやくベンチが並ぶ休憩ポイントを見つけた。

さすが手で押すとe-bikeの重たさを感じる

「私もここでおにぎり食べよう♪」と寄ってみると、そこにはバイク用スタンドなどもあって「あー、自転車休憩所なんだぁ」と気付いた。キョロキョロと他の人のお作法(?)を見て、バイク用スタンドに自転車引っかけてみてからハッと気づく。「あ、スポーツサイクルはスタンドがないからかけてるのか! 私スタンド付いてるじゃん!」と、そそくさと下ろした。「の、乗せてみたかったんです」みたいな顔したけどちょっと恥ずかしかった(笑)。でもベンチで食べるおにぎりは最高においしかった!!

さすが手で押すとe-bikeの重たさを感じる

ひと息ついたところで休憩所の看板を見てビックリ! いつの間にか埼玉県に突入しているじゃないか! 家から約30km。e-bikeならたいして運動もしていない40代の私でも、こんなにもアッサリと遠くまで連れて来てくれるのか。感動以外の何物でもない。

我が家から30km地点。嬉しい~!

サイクリングコースの最後ってどこだろう? 行けるところまで行っちゃうか? なんて調子に乗って地図付きの案内看板を見てみる。そのサイクリングコースは170kmほどあるらしくて「無理ー(笑)」と諦めたけれど、いろいろ落ち着いたら最終地点まで数泊しながら行ってもおもしろそうだなって思った。

結局往復70kmのサイクリングとなったけど、楽しすぎる冒険だった!! 家にたどり着いて、達成感に高揚しながら飲んだビールは、私の“ベストビール2020”受賞決定なおいしさだった!! 唯一ショック(?)だったのは、フル充電で出かけて、SPORTモード(最強)で70km走ったのに、60%しか消費していなかったこと。SPORTモードで90km走れるとなっているけれど、平坦な道だったらもっと走れるってことだ。もうこのタフさに私は勝てる気がまったくしないー! あと40%はもう走れない! 嬉しいのになぜか悔しくなるのです(笑)。

まとめ

車体引き取り時の会話で「『ちょっとそこまで』の単位がおかしい! この人たち!」って思っていたけど、いざ1度思い切ってみると少し気持ちが分かるようになった。それを味わってしまうと、仕事後に「ちょっとそこまでテイクアウトしてくるー」なぁんて20kmとか、普通に移動するようになったし、自分の行動範囲が確実に広がった。このご時世もあるけれど、出かけるときに「自転車で行けるか」というのが基準になりつつある私。外出を控えるようになってからのほうがよっぽど野外を満喫するようになったとか、自分でも少々意味がわからない(笑)。

この「ESCAPE RX W-E+」は、女性専用ブランドというよりも、本当に「私専用!」って感じの乗りやすさと快適さと楽しさが、小さなボディにこれでもかと詰まっている。年齢も体力も関係ない。1歩漕ぎ出すと、世界がバーンと開けて、さらにステキなことが待っている気がしてワクワクした。見た目も大好きすぎて、「もう見てー! このステキな子!」と大声で叫びたいくらい。もっともっとこの子を引き連れて、どこまでもどこまでも、ずっと走っていたくなる最高なe-bikeだった。これは通勤だけでは絶対にもったいない。公私ともにめっちゃ最高の相棒になる自転車だと大声で叫びたーい!!

親切なサイクリストが「撮りますよ」って言ってくれた記念写真

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。