家電製品レビュー

BESVの折りたためるe-bike「PSF1」は自然なアシストなのにスイスイ進んで快適!

 春!!! e-bikeの季節が近づいてきました! 1年中自転車に乗っている身としては、ちょっとずつ暖かい日が増えてきたことが嬉しくてたまりません。

 春の訪れを感じていたところに、インプレスe-bike部から「新しいe-bike試しましょ!」とのお誘いが。今回は、BESVの折りたたみe-bike「PSF1」に乗ってみました。e-bikeも折りたためるんですね!?

BESV JAPAN(ベスビー ジャパン)の折りたたみe-bike「PSF1」
メーカー名BESV JAPAN
製品名PSF1 グレイブルー
価格(編集部調べ)269,500円

 PSF1は、e-bike専業メーカーのBESVが初めて投入した折りたたみタイプとのこと。タイヤサイズは20×1.5インチとミニベロタイプで、身長160cmの筆者でも乗りやすそうです。

 本体を最初に見て思ったのが、e-bikeっぽくない! ということでした。グレイブルーのカラーリングは、スポーティーな青とは異なりオシャレな雰囲気です。中央のバッテリーも同じ色で塗装されているので存在感がありません。

通常時。今回はオプションのキャスター付き専用フェンダーを装着
折りたたみ時。キャスターによりこのまま転がせる
中央の三角形のパーツがバッテリー。フレームと同じグレイブルーで塗装されているのでデザインに溶け込んでいる
バッテリーは鍵がないと取り外し不可。この鍵は本体の電源を入れるのにも必要

 ちなみにバッテリー容量は10.5Ahで、最大90kmの走行が可能です。変速ギアはリアのみで7段階。シマノ製「アルタス」を搭載しています。

 ドライブユニットはBESVオリジナルで、アシストモードは「1/2/3/S」の4段階。Sは、走行状況に応じてモードが自動で切り替わるスマートアシストモードです。1/2/3のアシストモードの、走行可能距離は95km/70㎞/55㎞。

ハンドル左側に操作スイッチ、中央にディスプレイを配置。ディスプレイではスマートフォン連携やUSB給電もできる
変速ギアはリアのみ7段階
アシストモード1
アシストモード2
アシストモード3
スマートアシストモード

軽やかなのに1漕ぎでスイスイ進む!

 さっそく街乗りで走ってみました。まずはアシストモードを1に設定してスタートです。漕ぎ出しはスムースで、グイっと進む感じもありません。

 個人的にベストだった設定は、ギア6で、走行はスマートアシストモード。普段走る道には坂がいくつかあるので、走行状況によってアシストを切り替えてくれるこちらが便利でした。平坦な道ではスピードを出しすぎず走ってくれ、坂になるときちんとアシスト力がアップします。

 手動でアシストモードを切り替えるなら、坂ではアシストモード3がちょうど良かったです。

漕ぎ出しはスムース。スマートアシストモードにすれば坂になると自動でアシスト力がアップ

 今回PSF1に乗ってみて良かったのは、不自然なアシストがなく、軽快に進むこと。平坦な道を走っているときは特に、電動アシストだということを忘れるほど自然な乗り心地です。スピードが出すぎることもなく、重いペダルを漕いでいる感覚もありません。

 そうした自然なアシストながら、1漕ぎでもスイスイ進む点がとても気に入りました。例えるなら、1ストロークでめちゃめちゃ進む平泳ぎの選手といったところでしょうか(笑)。足をガシガシ動かさなくても進むので、長距離を走っていても疲れません。

 普段自転車を使うときは15分くらい乗っているのですが、寒い冬だとその距離も億劫になり、途中で走るのが嫌になることがあります。しかしPSF1ではそういったことがなく、スイスイ進むから楽しいな~なんて思っているうちに目的地付近に着いていて、走行時間も10分に短縮されていました。

平坦な道を走っているときは特に、電動アシストだということを忘れるほど自然
サスペンションはリアに搭載。振動を吸収してくれる

折りたたみ、組み立ては慣れれば簡単

 PSF1の特長である折りたたみに関しては、組み立てを含めて慣れれば簡単、というのが正直なところ。ですが折りたたむ部分には「WARNING」のシールが貼ってあるので、それを目印にすれば手順はわかりやすいです。

 なお本機は実店舗のみでの販売になるので、折りたたみ方は購入時に店頭でレクチャーしてもらえます。もちろん付属の説明書にも折りたたみ方が書いてあります。

 ちなみに私は、もう慣れたから大丈夫でしょ~と思っているときに組み立て手順を忘れて焦ったことがあるので、説明書はなくさない&スマホで折りたたみ方のページを撮影しておくことをオススメします。

折りたたみ箇所は3つ。いずれも「WARNING」のシールが貼ってあるのでわかりやすい(手順2のシールは裏に隠れている)
まずペダルを折りたたんでおく。中央のレバーを手前に引きながら、ペダル自体を内側に折りたたむ。レバーは結構固いので注意

 ペダルを折りたたんだら、まずは手順1。中央のレバーを引っ張りながらサドルを持ち上げ、リアサスペンションを外します。そのままサドルを持ち上げて、後輪を内側に移動させます。ここは角度が悪いときちんと折りたためないので、全然動かない! というときは前輪の角度を変えながら試すと良かったです。

 手順2は、前輪部分の赤いロックを外します。前輪を斜め後ろに引き上げ、チェーン部分のパーツにフロントフォークを引っ掛けて固定。

 手順3は、ハンドル部分のロックを外して下方に折りたたむだけ。これで折りたたみ完了です。車両重量は18.3kgですが、今回はキャスターを付けたのでコロコロ転がせば移動もスムースでした。

手順1
レバーを引っ張りながらサドルを持ち上げると、リアサスペンションが外れる
そのままサドルを持ち上げる
後輪を内側に移動させ、キャスターが地面につくまで折りたたむ。前輪の角度が悪いと折りたためないので、動かないときは前輪の角度を変えてみる
手順1完了。キャスターを付けない標準状態でもスタンドがあるので自立する
手順2
前輪部分の赤いパーツを押し上げながらロックを外す
前輪を斜め後方に引き上げる
赤い丸枠の部品にフロントフォーク(BESVロゴあたり)を引っ掛けて固定する
正面から見た様子。左が前輪、右が後輪
手順2完了
手順3
ハンドル付け根のロックは、ネジを押しながら外す
ハンドルを手前に下げて折りたたむ
折りたたみ完了

 ミニベロタイプなので、折りたたむとさらにコンパクトになりました。玄関に置いてもそこまで圧迫感はなく、日常生活を送る中でも邪魔に感じることはありませんでした。

 前に住んでいた賃貸マンションは、駐輪場の契約が1世帯1台までで姉と喧嘩したのですが、PSF1なら無駄な争いを生まずに済みそうです(笑)。ほかにも駐輪場が屋外にあって盗難が心配という人にも、玄関に置いておけるのは安心ですね。

 自転車自体を玄関まで運んでしまえば、バッテリーを外すことなく充電できます。駐輪場に電動アシスト自転車を置いているときのような、充電したいけどバッテリーすぐに取り外せない! or 面倒くさい! みたいなこともなくなりますね。充電時間は約4.5時間です。

キャスターがあると移動しやすい
玄関に置いても圧迫感はない
バッテリーを外すことなく充電可能。鍵の差込口の隣に充電ドックを備える
バッテリーを外すときは、鍵を挿してさらに押し込み「OPEN」までひねる。電源をON/OFFにするだけのときは押し込む必要はないが、バッテリーを外すときは押し込まないと「OPEN」までひねることができない
バッテリーを外して充電

 なお組み立てるときは、折りたたむときの手順と逆で3→2→1とやっていきます。ここで注意が必要なのは手順1。折りたたみ時はレバーを引いてロックを外しましたが、組み立てのときはレバーは特に触りません。

 その代わり、画像赤枠で囲った部分のレバーを引きながら後輪を起こす必要があります。このレバーを引かないと後輪はびくともせず組み立てられません。

 自転車に慣れている人であれば問題ないですが、折りたたみ自転車デビューの場合は、購入時に練習することをオススメします。ポイントは3つなので、そこさえ押さえてしまえば後は簡単です。

組み立ての際は、手順1の折りたたみ時に使ったレバーではなく、赤枠のレバーを引きながら後輪を起こす

 当初は折りたたみに苦戦しましたが、e-bikeとしての性能は文句なし。1漕ぎでスイスイ進む感覚はかなり気持ちいいです。

 カラーは、今回乗ったグレイブルーのほかゴールドもあり、こちらもオシャレ。コンパクトで街乗りにぴったりなので、新生活の自転車選びの候補としても良さそうです。

 ちなみに今回はヘルメットもお借りしたのですが、最初に渡されたときは「工事用……?」とためらいました。が、意外にもかぶってみるとゴールドは肌馴染みが良かったのでこちらもおススメです(笑)。

お借りしたサウザンドのヘルメット(税込価格:12,980円)。最初は工事用にしか思えませんでしたが、かぶったら印象が変わりました

西村 夢音