家電製品レビュー

家族でシェアするe-bike。BESV「CF1 LINO」はカジュアルに乗れてお気に入り

BESVの新車「CF1 LINO(シーエフワンリノ)」に乗ってみました

昨年は編集部で購入したe-bikeを借りて自転車通勤にチャレンジしてみたり都内をぐるっと巡ってみたりと、e-bikeのよさをたくさん感じられた1年でした。しかし編集部のe-bikeを独り占めするわけにもいかず、しばらく乗れていなかったところへ、BESVの新車「CF1 LINO(シーエフワンリノ)」発売のニュースが飛び込んできました。

バッテリーがフレームに内蔵されたインチューブタイプとなっていて、見た目がとてもすっきりしています。正直、かなりタイプです。これは一度乗ってみたい……! ということで、早速お借りしてきました。筆者が気に入ったポイントと、インチューブタイプならではの「充電どうするか問題」についてご紹介します。

シンプルな車体にひとめぼれ。価格は239,800円

“普通の自転車感”がイイ! 家族でシェアもできる

実物の車体を見ても第一印象は変わらず、スリムでかっこいい! バッテリーが外から見えないだけでなく、ディスプレイも省略されていて、車体はすごくシンプルです。スピードやトリップメーターはスマホアプリ「BESV SMART APP」で表示できるので、がっつりサイクリングを楽しみたい人にも、あまり深く考えず気軽にe-bikeに乗りたい人にもマッチする仕様かと思います。

アシストモードはエコ/ノーマル/パワーの3段階に加えて、ペダルを踏む力に合わせてアシストを自動調整するスマートモードが用意されています。ドライブユニットはBESVオリジナル。車体サイズは1,750×595×1,040mm(全長×全幅×全高)の1サイズで、車体重量は22.5kgです。

アシストモードは手元で操作
ディスプレイはありませんが、スマホアプリでスピードなどを確認可能

乗ってみると、いい意味で“普通の自転車感”がしました。ステップインフレームのため足を蹴り上げる必要がないうえ、ハンドルの位置も絶妙で、スポーツバイクに慣れていない人でも違和感なく乗れます。ディスプレイがないのも、手元に気を取られなくて個人的にはプラスに感じました。

そして見た目がスポーツっぽすぎないので、カジュアルな服で街乗り、というシチュエーションが合います。車体がいかにもスポーツバイクなデザインだと、普段の服装ではちょっとちぐはぐに感じることもあったので、カジュアルな服で乗っても違和感がないのはうれしいです。スタイリッシュでありながらもシンプルなボディなので、スーツで乗ってもかっこよくキマりそうです。

“スポーツ感”が強くなくて、カジュアルに乗れるのがうれしい

特に気に入ったのがサドルとハンドルを工具なしで動かせること。e-bikeに限らずスポーツタイプの自転車はサドルの高さを調節するのに六角レンチが必要なことが多いのですが、CF1 LINOは工具不要で手軽に調節できるから家族で共用するのにもぴったりです。

実際に夫婦でシェアして乗っていましたが、夫からの評判は上々。あまりe-bikeに乗ったことのない夫ですが、「漕いでる感覚がないくらいスイスイ進むね! 今日も乗っていい?」と気に入った模様です。

ハンドルとサドルは工具を使わずに調節可能
高さや位置を変えることで家族でシェアできます
身長175cmの男性が乗ってみました

フレームのボタンを押すと電源が入って青く光るところもかわいくて、お気に入りポイントのひとつ。バッテリー残量が減ってくるとボタンが赤く点滅するようになります。また電源を入れたまま操作/乗車せずに3分ほど放置すると、自動的に電源がオフになる仕様です。ちょっと途中で寄り道したいときでも、わざわざ電源の操作をしなくてもいいので便利ですね。

電源を入れると青く光るボタン

リアキャリア、サークルロック、キックスタンドなどは標準装備されていて、別で用意する必要はありません。リアキャリアには市販のパニアバッグを付けられるのですが、これが買い物の荷物を入れたりできて超便利。

筆者は週に1回スーパーでまとめ買いをしていますが、大量の食材もバッグに入れるとスッキリ。さらに、いつもは普通の自転車でフラフラしながら運んでいたんですが、アシストのおかげで重さも感じないので、いつもの買い物がうんと楽になりました。ただ車体自体は重いので、食材を載せたまま倒しちゃったりすると起こすのが大変なので気を付けましょう(経験談)。通勤時にはバックパックをそのままパニアバッグに突っ込んだりもできて、背中のムレも解消できました。

買い物に行くときはe-bike Watch編集部に借りたパニアバッグを付けて
食材もたっぷり入ります
仕事帰りの買い物も楽ちんです

お気に入りポイント最後の1つは……ブレーキランプが点灯すること! リヤライトがしっかり明るいので必要性はそこまで感じませんが、個人的にはグッときました。角を曲がるところで5回点滅させたくなっちゃいますね。

BESV「CF1 LINO」のブレーキランプ

インチューブバッテリーは集合住宅でどう充電する?

さて、冒頭でもお話しした通り、CF1 LINOは378Wh(36V/10.5Ah) のバッテリーがフレームに内蔵されたインチューブタイプとなっています。そこで問題となってくるのが充電方法。バッテリーだけを取り外して自宅のコンセントに繋ぐということができないのです。

一戸建てに住んでいてガレージなどにコンセントがあれば直接充電できますが、マンションやアパート住まいの人はインチューブのe-bikeは諦めなきゃいけないのでしょうか。はたまた、室内にe-bikeを持ち込んで……? どうにかできないものかと考えてたどり着いたのがこちら。

Jackeryの「ポータブル電源1000」。容量は1,002Wh

そう、ポータブル電源です。これを駐輪場に持って行って、その場で充電してしまえばいいのです。とはいえずっと見張っているわけにもいかないので、ポータブル電源と車体をチェーンロックで繋いでおきます。そうすれば、また充電が終わった頃に戻ってくればいいというわけです。

充電時間はバッテリー残量がゼロの状態からだと4.5時間ほど。長時間放置するのが心配な人は、バッテリー残量が50%を切ると電源ボタンが赤く点灯するので、そのタイミングで充電するようにしたらいいでしょう。

車体に加えてポータブル電源まで買うとなると出費が多くてちょっと大変……ですが、ポータブル電源があると停電時にもスマホの充電ができたり、今回使用したJackeryの「ポータブル電源1000」は小型家電なども動かせます。災害対策にもなるので、e-bikeの充電にかかわらず1台持っていると安心です。

フレームに搭載されている充電端子
付属のアダプターで充電端子とポータブル電源を接続
盗難対策としてチェーンロックで車体とポータブル電源を繋いでおきます

見た目よし。乗り心地よし。シェアもできるお気に入りの1台に

最初はCF1 LINOのムダのない見た目に惹かれましたが、外見ではわからなかった乗り心地のよさにも気付きました。筆者は小柄なこともあり、これまで乗ったe-bikeはすこし大きいと感じていたなかで、CF1 LINOは体に馴染んで、しっくりくる。体格に合っているのか、乗っていて姿勢がしんどくなることもなく、とても乗りやすいe-bikeでした。

家族でシェアできるというのも高得点で、外出する時間帯があまりかぶらない我が家にぴったり。自分専用だとなかなか手が出ない価格ですが、家族で乗れると考えるとお得感があるのではないかと思います。

筆者の体格にも生活にもフィットしたCF1 LINO。今後、e-bikeを買うとしたら確実に候補に上がってくる1台です。

見た目も乗り心地もお気に入りの1台となりました
鄭 恵慶