家電製品レビュー

専門知識ゼロからはじめるe-bike ~コラテック「E-POWER LS」は街中どこへでも乗っていけるオールマイティーな1台

 普段から家電 Watchをご覧になっている方には、e-bikeはすでにお馴染みの存在かもしれませんが、今回はタイトルの通りコラテック「E-POWER LS」に乗ってみたレビューです。e-bikeどころか電動アシスト自転車にも乗ったことのない私が、超初心者目線でお届けしたいと思います。

 その前に1つ、お見せしたいものがあります。

坂道はフラフラしてしまう

 こちらは、現在の私の脚力および非電動アシスト自転車のレベルです(笑)。この程度の坂でもフラフラと立ち漕ぎする人間が、果たしてe-bikeを乗りこなせるようになるのでしょうか。

e-bikeとは一体……?

 e-bikeをざっくり説明すると、クロスバイクやマウンテンバイクといったスポーツタイプの自転車に電動アシストユニットをつけた「スポーツ電動アシスト自転車」みたいな感じ。一般的に電動アシスト自転車といえばママチャリタイプのものを指すので、それと区別する形でe-bikeと呼びます。

 またe-bikeと電動アシスト自転車が異なる点は、形だけではありません。搭載されているアシストユニットも小型で軽く、高性能センサーを搭載するなどスポーツ用に最適化されています。

 今回お借りしたのは、ドイツの老舗ブランド・コラテックの「E-POWER LS」。ミニベロという、タイヤのサイズが小さいタイプで、フレームの形も普通の自転車っぽいです。私は身長155cmですが、問題なく乗れました

コラテック「E-POWER LS」
メーカー名コラテック
製品名E-POWER LS
希望小売価格258,000円(税抜)

 ただサドルとペダル、ハンドルがそれぞれ離れているのか、乗っていてしっくりくる位置になるまでは微調整が必要です。サドルの高さのほかに、ハンドルの角度も調整できます。

 真っ白な車体に赤の泥除けが、自転車にはなかなかないカラーリングで目を引きます。社内で組み立てたのですが、通る人が立ち止まるほど。中には写真を撮る人もいました。e-bikeに興味があるのでしょうか? これを見ていたら編集部の私までご連絡ください(笑)。

はじめてのe-bikeでいきなり12km走ることに

 さて、会社で組み立てたということは、自宅まで乗って帰らなきゃいけないということ。調べてみると、弊社から自宅までは平坦だけど12kmほどある模様……。

 e-bike部の先輩は「12kmなら余裕だよ、余裕!」と言っていたけど、それは普段からe-bikeに乗って長距離を走っているからでは!? と内心、全くあてにしていませんでした。

 不安を抱えつつ、帰宅スタート。すでに周りは暗くなっていましたが、前後のライトがとても明るいので心強いです。

前後のライトはかなり明るいので夜道も安心です

 気合を入れてひと漕ぎするとぐんっと進み、アシストの強さに驚きました。e-bikeって、最初のひと漕ぎですら力がいらないんですね。どんどん漕いでいるうちに慣れてきて、するするーっと進むのが気持ち良かったです。

 感動したのは、信号で止まって再び走り出すとき。一瞬でさっきまで走っていたスピードに追い付くので、常にトップスピードで走れます。

 アシストレベルは「Eco/Tour/Sport/Turbo」の4段階、ギアは8段階で調整できます。いろいろと試してみましたが、街乗りするときのアシストはTour~Sport、ギアは6~8がちょうど良さそうです。正直、Turboは漕いでいる感覚がなさすぎて、もはや原付に乗っているんじゃないかとさえ思いました(笑)。

右ハンドルでギア、左ハンドルでアシストレベルを変更
走行中にも操作できます

 終始マップとにらめっこしながらの帰路でしたが、e-bikeのおかげで体力を消耗しないので、精神的にも楽でした。途中で階段に出くわしてしまい、大きく迂回することもあったのですが、とにかく疲れないので回り道がストレスにならず、「よし、行ってみよう!」と前向きにもなれました。

 結果は自宅までの12km、迷ったりしながら1時間20分かかりましたが、汗ひとつかきませんでした。とにかくスイスイで楽ちんというのが、はじめてe-bikeに乗ってみた印象です。

ディスプレイには走行距離、平均速度などが表示されます
航続(連続走行)距離はTurboで52km

e-bikeの実力を検証! 坂道もスイスイ走れる秘密はボッシュのドライブユニットにあった

 しばらくe-bikeに乗ってみて感じたのは、アシストユニットがとっても静かだということ。車通りのない夜道を走っていても、タイヤが地面と摩擦する音しか聞こえないほどです。

 そして、推進力が強い。道路は、小さなアップダウンがたくさんあって地味にしんどいんですが、e-bikeだとその度に後ろから車体を押してくれるような感覚で、どんな道でもスイスイ進めちゃいます。

 パワフルで静か。これは「E-POWER LS」に搭載されているボッシュのドライブユニット「Active Line Plus」の特徴です。街乗りに適した日本仕様の電動アシストユニットで、1秒間に1,000回以上のデータを測定し、最適なアシストをしてくれるのだそうです。だから漕ぎはじめの瞬間からスムースに走り出せるんですね。

こちらがボッシュのドライブユニット「Active Line Plus」

 このボッシュのドライブユニット「Active Line Plus」のパワーを確かめるべく、坂道を上っている様子を撮影してみました。わかりやすいように冒頭と同じ、ママチャリでトライした動画から。

ママチャリで坂を上るのは結構キツい

 この坂、ゆるやかに見えるかもしれませんが、結構キツいんです。座って漕げたのは最初だけで、立ち漕ぎしないと倒れてしまいそうでした。立って漕いでもかなり足の力が必要で、何度か撮りなおすうちに疲れてしまいました。

e-bikeで坂を上ってみると……

 アシストレベルはTurbo。さっきの動画がウソのようにするする進みます。本当に力は必要なくて、ただ普通に座って漕いでいるだけでe-bikeが勝手に上ってくれます(笑)。この時、坂を上りきるのにかかった時間を測っていたのですが、ママチャリでは約16秒だったのが、「E-POWER LS」では約10秒でした。

 これはたしかに、e-bike部の面々が坂道ばかり上っているのも理解できますね(笑)。でも山を登るわけじゃなくても、坂道って日常にたくさんありますよね。普通の自転車だと上ることをあきらめてしまったり、がんばって上っても、それだけで疲れてしまったり……。

 e-bikeだと、そんな坂道にもどんどん挑戦してみたくなります。挑戦といってもがんばるのはドライブユニットで、私はただ足を軽く動かすだけですが(笑)。

バッテリーは重いですが取っ手が付いているので持ち運びしやすいです
充電残量も確認できます

サイクリングにも近所の買い物にも。乗り心地の良いe-bike

 約1カ月間乗ってみましたが、コラテック「E-POWER LS」はオールマイティに活躍する1台だと感じました。

 たまに夫婦で銭湯に行くのですが、自宅から銭湯は3kmの距離。我が家には車がないため、行くとしたら自転車になります。往復6kmって普段自転車に乗らない人からすると、ちょっと身構える距離じゃないでしょうか? そんなわけで、疲れるからと銭湯に行く夫を見送ったこともあります。

 それがe-bikeだと行きも帰りもスイスイで、汗もかかないからお風呂上がりの気持ち良い状態のまま帰宅できます。e-bikeがあるうちにもう1度行っておけば良かったなあ……(笑)。

身長155cmでも乗りやすいサイズ

 さらに近所のスーパーへ買い物に行くときも、頼もしい味方となってくれます。1週間分のまとめ買いをするので、いつもはパンパンになったレジ袋を載せてフラフラと帰っているのですが、「E-POWER LS」はタイヤが太いおかげで、安定した走りをキープできます。アシストのおかげで重さも感じません。

 後方には荷台があるので、こちらを活用しても良さそうです。見た目は悪くなってしまいますが、前方にカゴを付けるとさらに実用性がアップしますね。またフレームの形状がまたがりやすく、乗り降りしやすいのもうれしいポイント。スカートでも気軽に乗れます。

 ただ1つ難点があるとすれば、タイヤが太すぎて駐輪場のスタンドに収まらないことでしょうか。自宅や駅の駐輪場がスタンドタイプの方は注意が必要です。

タイヤが太く安定感はありますが、スタンドにつっかえてしまうので要注意

 休日にはプチ遠出もしました。自宅付近から葛西臨海公園まで続いている自転車・歩行者用の道があるので、それに沿って、片道7kmをがっつり漕いでみました。

 往復14km、約1時間30分ほどの走行で、アシストレベルをTurboにして走ったりもしましたが、充電は1目盛りも減りませんでした。

7kmの道のりもe-bikeだと楽しむ余裕が生まれます
夕日をバックに1枚

 はじめてのe-bike体験は想像以上に快適で楽しかったので、ほかにもいろんなe-bikeに乗ってみたくなりました。今度はがっつり激坂にチャレンジしてみたり……(笑)? e-bikeのおかげでアクティブになれそうです。

 普通の電動アシスト自転車もいいですが、新しい移動手段や趣味として、スタイリッシュなe-bikeはいかかでしょうか。女性や小柄な方、e-bikeは気になるけどスポーツバイクは怖いという方にコラテック「E-POWER LS」はおすすめです。

 10km以上のサイクリングもできるし、近所のスーパーまでのちょっとした移動にも良い、趣味と実用性を兼ねる存在だと思います。サイクリングに特化したスポーツバイクよりも、様々なシチュエーションに対応できるのではないでしょうか。冬のボーナスの使い道に、検討する価値ありです(笑)!

鄭 恵慶