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ミヤタ・メリダ・BESVのe-bikeで御殿場の本格MTBコースを走り回ってきた!!【e-bike部始動】
2019年1月25日 06:30
e-bike部結成!! 本格派MTBコースを走るゼ!!
何だかんだのe-bike熱でホットに盛り上がっている編集部。来る日も来る日もe-bikeのコトを追い続けているアツ~いメンツが、ついにe-bike部を設立! 最新e-bikeを知り、最新e-bikeに乗って、ラクに走りまくる部なのだーッ! というコトらしく、筆者・スタパ齋藤も問答無用でこのe-bike部に強制加入させられていたのでした♪ 「♪」って、嬉しいのかよ>筆者。
ちなみに、「e-bikeって何?」という人に簡単に説明しますと、e-bikeとはドライブユニットが装着されたスポーツ電動アシスト自転車のこと。こちらの記事で詳しく紹介されているので参考にしてください。
さて、「部」というからには活動ですネ。というコトで、第一回目の部活動として、イキナリ、本格的なMTBコースを走りに行くことになりました。
1,500円でe-bikeもレンタルできるMTBコース
そのMTBコースは「御殿場MTBパークFUTAGO」。静岡県御殿場市二子にある常設コースです。二子の森林を活用していますが、倒木による土石流災害を防ぐための間伐でできた道を利用して、MTB走行に向くようコースが造成されています。現在のコース全長は約10km。MTB未経験者から上級者までが楽しめる豊富なコース設定がなされています。
ちなみに、このコースはさらに拡張が予定されていて、2019年度までには合計40ヘクタールが整備され、その後に100ヘクタールまで拡張されるそうです。そして、MTBコース以外にも、様々なアウトドアアクティビティ施設やカフェなどの併設も検討しているとか。
で、我らe-bike部がこのMTBコースに目を付けたのは、編集部がコース発表会で試走して驚いた本格的で広いMTBコースというのもあるんですが、MTBタイプe-bikeの貸し出しも行われている点。ヘルメットやグローブもレンタル・販売されていますので、手ぶらで行ってもMTB走行を楽しめます。ちなみにレンタルe-bikeはミヤタ「RIDGE-RUNNER」。
以前にこちらの記事でもご紹介しましたが、電動アシストコンポーネントとして、シマノSTEPS「E8080シリーズ」を搭載しつつ、バッテリーも大容量で、1回の充電で約140km(ECOモード)のアシスト走行が可能です。また、トラクション性や乗り心地に優れる極太タイヤセミファット仕様だったり、山道をガッツリ走れるマウンテンバイクタイプの本格e-bikeです。
コース料金やe-bikeレンタル料金は別表のとおり。e-bikeレンタルつまりRIDGE-RUNNERレンタルのところに注目して欲しいんですけど、1時間1,500円、2時間2,500円、3時間3,500円で、1日だと5,000円! ヤバいですね~激安ですね~♪ RIDGE-RUNNERは36万9,000円(税抜)しますが、こんなレンタル料で乗りまくれる!! e-bikeに興味がある人なら、購入前に本格MTBコースで実際に試乗して楽しめるのはありがたいですね!!
また、借りて乗って返すだけという点もイイ。ハッキリ言ってMTBコースを走れば、自転車は埃だらけの泥だらけ。でもレンタルだから洗車しなくてOK! まあ靴や服は少々汚れるとしても、洗車要らずのMTBダートロード走行とは、なんともまあラクな! 素晴らしい。
なお、御殿場MTBパークFUTAGOでのコース走行やe-bikeレンタルについては、事前に電話でコース状況を確認したりe-bikeレンタルの予約をしておくのが無難です。雨などの直後でコース走行が難しい場合もあるでしょうし、イキナリ行ったらe-bikeが全部貸し出し中ってこともあるかもしれませんし。
3種類のe-bikeで走りまくれ!!
さておき、御殿場MTBパークFUTAGOは、もちろんMTBを持ち込んでの走行もOK。じゃあ最新のe-bikeも持ち込んで、山道走行を楽しんでみよう! というわけで、ミヤタ「RIDGE-RUNNER」をレンタルしつつ、それとは別にメリダ「e.BIG SEVEN 600」とBESV「TRS1」を持ち込んで走っちゃおう! てなハコビになりました。
ちなみに、これらマウンテンバイクタイプのe-bike3機種をザッと紹介しますと……ミヤタ「RIDGE-RUNNER」はファットタイヤで乗り心地の良さを確保しつつも、ドロッパーシートポストやロックアウト機構搭載の130mmトラベルサスペンションによる走破性を備えたミヤタのフラッグシップe-bike。メリダ「e.BIG SEVEN 600」はメリダ本社のe-bike専用工場でつくられた最新アルミフレームを採用し、軽快ながらも力強い走破性を実現したスポーティーなe-bike。そして、BESV「TRS1」は軽量&高剛性のカーボンフレームを採用し、剛性感と乗り心地の良さで一歩先んじる高級e-bikeです。なお、これらe-bikeのドライブユニットはすべてシマノSTEPS「E8080シリーズ」。パワフルでタフなスポーツ走行向け電動アシストコンポーネントです。
3車種、どれも良さそう! 全部乗っちゃうゼ~! というコトで早速GO♪
うっそ!? ここ自転車で登るの? とビビったが……
わーい、e-bikeでMTB走行だ~♪ とか思っていた筆者ですが、ちょっと不安もありました。御殿場MTBパークFUTAGOは山を切り開いてつくったMTBコースで、スタート地点となる受付から、ゴール地点となる展望台まで、直線距離で約1km。標高差は約150mです。平均勾配15%。100m進むと高さが15m増す坂が、15%の上り勾配です。普通の道路で15%の勾配と言うと、誰が見ても「激坂」です。
でも、ずっとその激坂が続いているわけではありません。まっすぐ上っていくわけではなく、つづら折れで道が続きますし、コース部分によっては平らな部分や勾配が緩やかな部分もあります。そういう緩やかなコース部分が初心者や未経験者向けコースとなっているわけです。
しかし、逆に、15%を超える超激坂も存在します(実際に25%くらいの勾配もありました)。スタート地点から展望台まで行くには、20%以上とかそーゆー「前傾しないとひっくり返りそうな超急坂の登り」もあるわけです。……e-bikeと言えども、そんな道を進んで行けるのか?
とかビビっていたわけですが、結論から申しますと、行けちゃいます♪ 立ち漕ぎとかしないでも行けちゃうんです♪ ひっくり返りそうな超激坂登りでも、サドルに腰掛けたまま、ペダルをクルクルクルクルと回し続ければ、あらもう頂上!
まあペダルを回し続けるから多少はハァハァと息が切れるわけですが、予想外の短時間でサクッと150mも上まで登ってきちゃった!! 俺の脚すげー!! ヒルクライマーになれんじゃね? ってソレe-bikeのおかげだし!
そうだ素晴らしいぞe-bike! 50年以上生きてきたけど、登坂における常識が覆されたようで、オッチャンはマジで感動しているぞe-bikeよ! 通常のスポーツバイク同様にしっかり達成感も得られるし大満足!!
筆者はRIDGE-RUNNERで日常的に走っていて、MTBタイプe-bikeの登坂能力を知っていました。いや、知ったつもりでいました。しかし、そんなモンではなかった。「ここまで急な坂なんて……」というくらいの勾配でも、ペダルを回し続ければ登れちゃうんです。まあ丁寧にペダルを回していかないと、前輪が上がって後ろに倒れちゃう可能性がありますが、しかしまあ力強くライダーをアシストしてくれるんです。
上ってきた道を下ると、そのことがさらによくわかります。「えっこんな急坂をホントに上ってきたの?」というイメージ。急坂なら下るのは怖いと思うかもしれませんが、3車種とも油圧ディスクブレーキが搭載されているので、少ない力でしっかりブレーキが効くために安心して下ってこれます。また、上って下ってを繰り返しているうちに、さっきまで「凄まじい激坂」と思えていた勾配が、「e-bikeなら行けるだろう」という見え方になったりもします。「自転車で走れそう」と思える道が一気に物凄く増えていく、e-bike体験ならではの希望的なビジョン。マジで素晴らしいです。
御殿場MTBパークFUTAGOすげーイイかも!!
e-bikeの良さ凄さを再確認しつつ、御殿場MTBパークFUTAGOというMTBコースにも強く惹かれました。というのは、安心して走れることと、気軽にMTBを楽しめることです。
ぶっちゃけた話、山道をMTBで走行したいと思っても、案外走れるところがないんです。私有地だったり侵入禁止の国有林だったりで、どこでも入れるわけじゃないのが現実。走れる山道は存在しますが、それを見つけるのがタイヘン。見つけたとしても、快適に走れるとは限りません。MTBを担いで進む必要があったり、滑落などの危険があったり、危険な野生生物と遭遇する可能性があったり。
御殿場MTBパークFUTAGOの場合、MTBで走ることを前提につくられていますから、全体的に快適に走れます。尖った岩が突如現れるとか、道が途切れて藪漕ぎ必至とか、そーゆー危険や面倒はなし。スピードを出して楽しめるコーナーがあったり、平坦な林間コースを気持ち良く走れたり、お好みで超絶激坂の登り下りにもトライできます。
少々前述しましたが、坂はソコソコで緩めの上り下りを楽しめる「MTB初心者もしくは初体験者」向けのコースもあります。そういうコースをe-bikeで走ると、自転車で行く森林浴って感じ。仲間と話をしながらラクにまったりと走れます。
それと御殿場MTBパークFUTAGO、やっぱりe-bikeレンタルサービスが素晴らしい。これも前述しましたが、e-bikeを借りて走って返すだけ。洗車不要。コースまでMTBを持ち込む手間も不要。身ひとつで行って、安心なコースをたっぷり快適に堪能できるのって、サイコーにイイですね~♪ e-bikeに興味がある人、興味があるけど購入する前に試乗したいような人にはかなりオススメです!!
もうひとつ、御殿場MTBパークFUTAGOは展望もイイです。頂上の展望台からは迫力の富士山と御殿場の街を眺望できますし、実はスタート付近のちょっとした丘からも美しい富士山を眺められます。
安全に走れて、気軽にMTBを楽しめて、さらに風景もナイス。御殿場MTBパークFUTAGOは、ライダーに都合のいい要素がバッチリ揃っている常設MTBコースです。かなりオススメ♪
そんなに疲れないから、走った後でもたっぷり遊べる♪
御殿場MTBパークFUTAGOのコースを上から下まで、しっかり登坂して、楽しくダウンヒルしてきたわけですが、1回の上り下りだとあまり疲れません。テンポ良く走れば、1時間で2回か3回、上り下りを楽しめると思います。ゆっくりじっくり楽しんでMTBサイクリング、というなら、2時間で3回の上り下りって感じでしょうか。
ちょっと余談ですが、e-bikeで山道を走ると、暑くも寒くもなりにくいです。普通のMTBの場合だと、山道を上ると真冬でもけっこう汗だくになるもの。また、その汗により、停車したり坂を下ったりすると一気に体が冷え冷えに。でも、激坂を上っても汗だくとまではいかないe-bikeの場合、山頂まで上ってゆっくり風景を見ていても、その後にスピード出して下っても、寒くなりづらいんですね。とても快適。
ともあれ、e-bikeによる山道走行は、強力なアシストパワーのおかげでたいして疲れません。ほどほどの運動になるという感覚。なので、その後の時間と体力を観光などに使ってゆったり遊べる感じ。
併設するホテルで食事や温泉も楽しめる!!
実は、この御殿場MTBパークFUTAGOを運営しているのは「時之栖(ときのすみか)」という総合的な観光施設グループ。ホテルを中心に、遊んだり観たり食べたり寛いだりする各種施設があり、そのエリアだけで1日2日たっぷり遊べます。ちなみに、コースから時之栖までは約3Km。クルマで5分ほどです。
というわけで、山道e-bike走行を堪能した我らe-bike部は、時之栖に一泊して遊んでいくことに。MTBの後の御殿場高原ビール超うめぇ~! 焼きたてステーキも激うめぇ~!! お土産も豊富!!! ナニゲに歴史のあるイルミネーションもキレイでした。そしてホテルの窓から見える大迫力の富士山も印象的♪
なるほど~、e-bikeでラクに楽しく走って、残りの体力でしっかり観光して回る。こういうのはアリですね~♪ また来たいですね~御殿場MTBパークFUTAGO、そして時之栖。再度訪れる気満々の筆者なのでした♪
そして、最後にe-bike部4名が3車種で走り回ったわけですが、編集部と難波氏が気に入った車種をそれぞれご紹介。機会があればゼヒe-bikeを体験してみてください。
編集部・自転車ド素人 清水が気に入ったBESV「TRS1」
どのe-bikeも楽しく安心して乗れましたが、個人的に最も乗り心地が良かったのがBESV「TRS1」。メンバー内でずば抜けて自転車素人ですが、アシスト入力の加減が絶妙な気がしました。e-bike初期に登場したモデルなのにデザインもいいですね。ロケで車体を持ち上げることが多いので、カーボンフレームおかげでの20kgを切る軽量性も魅力です(笑)。また、マウンテンバイクタイプのe-bikeはハンドル幅が広いため、車道を走っているとけっこう怖いと感じることがあります。でも、BESV TRS1はハンドル幅が少し狭いので、そうした面でも初心者の方にはオススメかもしれません。
編集部・銀髪ブタ野郎 瀬戸が気に入ったメリダ「e.BIG SEVEN 600」
やっぱりMTBコースをe-bikeで走ると最高に楽しい♪ ぶっちゃけ今回走ったどのe-bikeでもやっぱり楽しかったです。が、あえて1台を選ぶなら、やっぱり「eBIG.SEVEN 600」が一番好みでした。とにかく軽快感があります。重量で言えばカーボンフレームのTRS1のほうが軽いですが、走ったときの軽快感は「eBIG.SEVEN600」のほうが上に感じました。で、その軽快感の理由はというとタイヤの太さのようです。見た目にはほとんど同じように見えますが、「eBIG.SEVEN 600」のタイヤは2.2インチ幅。例えばRIDGE-RUNNERは2.8インチ、TRS1は2.6インチですから、「eBIG.SEVEN 600」が一番細い。絶対的なグリップは太いほうがありますが、細いほうが軽快感はあるそうで、そのへんが楽しさにつながったのかもしれません。
自転車ジャーナリスト・難波が気に入ったミヤタ「RIDGE-RUNNER」
マウンテンバイクという乗り物は100年ぐらいの伝統があるように感じますが、実は発明されてから約40年の歴史しかありません。その黎明期にMTBの生産では世界の主要国だった日本のしかもリッジランナーと言えば、90年代のMTBの隆盛を知っている人なら究極のブランド。そのリッジランナーの名前を冠したeMTBですが、27.5インチの幅太タイヤを装備したいわゆる650b+カテゴリーのバイクながら、シマノSTEPS「E8080シリーズ」のパワーで上りすら楽しいというかエアボリュームで乗り心地も良いです。下りは130mmストロークのサスと、650b+タイヤでラインを選ばない単純な楽しさがあります。あまり細かいことを言わずに楽しいからいいじゃん! と言っていた四半世紀前のあの頃が目の前に再来。おじさんを自認するならオフロードメインのeMTBはリッジランナーで決まりでしょう。