家電製品レビュー
まずはe-bikeに乗ってみたい? それなら伊豆でe-bikeをレンタルして遊ぼう!
2019年2月4日 06:30
そろそろe-bikeに興味が出てきたという人も多いのではないでしょうか? とはいえ、実勢価格は30~40万円ほど。ヘルメットやウェアなどの用品も考えると、興味が出てきたからといって、すぐ購入するにはなかなかハードルが高いのが現実です。
とりあえず試乗したいと考えた時にとれる行動は、「近所のe-bikeを取り扱っているスポーツサイクル店に行って試乗する」「メーカーが共同や独自で主催している試乗会に出向いてみる」「e-bikeのレンタサイクルを借りてみる」「e-bikeのガイドツアーに参加してみる」の4つの手段があります。
しかし前2者では、店舗や試乗会が開催されるような場所なので、だいたい平らでe-bikeの本領を試すのには少々物足りないでしょう。“加速がラクな自転車ですね”で終わってしまうと、e-bikeの本領の1%しか知らないことになってしまいます。
オススメはガイドツアーはですが、オンロードでe-bikeを使ったガイドツアーとなると、まだ選択肢が少ないのが現状です。そこでオススメしたいのが、遊べるフィールドに近い場所でe-bikeをレンタルするという方法です。
e-bikeをレンタルして遊ぶなら伊豆半島へ
関東在住の読者の方ならば、私のオススメのは伊豆半島。私自身が監修した25カ所にのぼる充電ネットワークなどのインフラが既に整っているというのが理由です。そもそも充電ネットワークをつくるきっかけとなったのは、e-bikeを入手して、関東周辺ではe-bikeを遊ぶフィールドに適している伊豆で遊んでいたら、遊びつくすには少し電池が足りないと感じた経験に基づいているからです。
e-bikeで走るのが楽しい。伊豆には、e-bikeをレンタルできるスポットも複数整ってきており、e-bikeを遊ぶためのインフラも既にあるということです。
インプレスe-bike部でも試しにみんなで遊びに行ってみよう! ということで、今回訪れたのは、道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」にあるサイクルカフェ「Spoke Cafe(スポークカフェ)」。MERIDA XPERIENCE CENTREでもあるSpoke Cafeは、メリダの通常のロードバイクやクロスバイクなどをレンタルできるだけでなく、e-bikeのレンタルも可能です。
伊豆と聞くと、「ちょっと遠い」というイメージがあるかもしれませんが、伊豆ゲートウェイ函南のある函南町は伊豆半島の入り口です。新幹線に乗って、品川から三島まで約50分。そのあとローカル線に約10分乗るだけで着きます。
クルマで行くにも都心からのアクセスも非常によく、実は気軽に遊びに行ける距離です。ちなみに、e-bikeのレンタル料金は1時間2,000円、4時間3,500円、7時間5,000円。e-bikeはミヤタのマウンテンバイクタイプの「RIDGE-RUNNER」とクロスバイクタイプの「CRUISE」が用意されています。
いろいろなe-bikeで富士山を眺めながらの絶景サイクリングへ
今回は、持ち込んだコラテック「E-POWER X VERT」やBESV「TRS1」、メリダ「eBIG.Seven 600」、実際にSpoke Cafeでレンタルしたミヤタ「RIDGE-RUNNER」と合わせて、スタパ斎藤氏含むインプレスe-bike部でレッツサイクリング(ちなみにe-bike部第一回目の活動記事はこちら)。
伊豆半島の真ん中である中伊豆エリアは、南北に狩野川という川が流れていて、修善寺から河口の沼津まで片道約50kmがサイクリングロードでほぼつながっています。
この狩野川の支流にもサイクリングロードが整備されていて、e-bikeの本領を発揮する山までのアクセスはストレスフリーなことこの上なし。それでいて、東西南北どこを向いても山と海しかないというロケーションなので、人力のスポーツサイクルで走るとなると狩野川沿い以外は本気のトレーニングになってしまう条件ですが、e-bikeなら気軽に急斜面を上る散策が楽しめます。
寄り道しながら三島スカイウォークと山中城址を目指す
今回のサイクリングの目的地は、箱根峠の途中(といってもほぼ頂上に近いのですが)にある、三島スカイウォークとその先にある山中城址という戦国時代の遺跡。
箱根峠といえば、天下の難所と呼ばれる日本を代表する登坂の1つ。国道1号線バイパスは、大型トラックをはじめ、交通量が非常に多く路肩も狭いため走りにくいのですが、実はgoogle mapを拡大してみると、江戸時代から使われている旧道や、国道1号線がバイパス化される前の旧街道などが峠方向に向かって縦横無尽に伸びています。
伊豆ゲートウェイ函南から距離にすると20km弱(ずっと乗り続けると片道1時間30分弱の距離)ですが、標高差はおよそ600m。しかも旧道なので斜度はキツく、“急道”と呼んだほうがよいかもしれません。
いろいろな角度で狩野川沿いの富士山の借景を拝みながら20分ほどウォーミングアップを兼ねて走ると、地元で話題の古民家の蔵を改装した蔵のパン屋「堂の前」に到着。
普通のサイクリングなら20分で停まったりしないのですが、e-bikeでのサイクリングは“移動スピードが速いお散歩”。寄り道していろいろ観たり食べたりするのが楽しいアクティビティです。
“25%の壁”に挑戦!! 雄大な富士山パノラマビューも堪能
頂上で食べるパンを調達し、お寺に寄り道したりしながら、一路箱根に向かうわけですが、麓に着いた時点でe-bike部のメンバーからは「あれを上るのー?」と疑問の声が。それは、麓の県道から農道へと逸れた斜度およそ25%の壁。
25%の斜度は、どのレベルのサイクリストにとっても強烈な上り坂です。しかし、電動アシストを搭載しているうえに、マウンテンバイクならではのワイドレシオのギアが付いているe-bikeなら、自転車初心者の編集部・清水氏を含めて、軽く心拍を上げながらも誰でも笑顔で登れる程度。
一旦平らになったところでe-bikeを乗り換えて、ボッシュ製とシマノ製のドライブユニットの違いを試してみようか、という話になるぐらいラクラクに上れます。すると、丘の向こうに富士山が見渡せそうな尾根が見えるので坂を下って、もう一度上り返してキャベツ畑を眺めながら散策。360°パノラマの海と富士山を眺めた時に「凄い!! 凄すぎるっ!! これがe-bikeかっ!!!」とスタパ斎藤氏が呟いた気がしますが、実にこんなロケーションでコーヒープレスでも持っていたら、それだけでリラックスした休日感はあります。
いよいろ三島スカイウォークと山中城址へ
三島スカイウォークへの道は旧道の県道を通っても上れますし、さらに旧道の東海道 箱根八里の道を通っても到着することができます。箱根八里は、ところどころ石畳があったりして誰でも走れるという条件ではないのですが、スポーツサイクルの経験がある人でマウンテンバイクタイプのe-bikeなら登れます。クロスバイクタイプではパンクが怖いので県道を通ったほうが無難でしょう。
「日本一長い吊り橋」がキャッチコピーの三島スカイウォークですが、スポーツサイクル用の自転車ラックも用意されていたりしてe-bikeで訪れても快適。富士山を眺めながら吊り橋を渡っていると、高さ70m・長さ300mのジップラインがあったり、セグウェイに乗れたり、天気の良い日ならここだけで半日遊べそうな観光施設です。
サイクリングを楽しむことが一番大きな目的ですが、同時にこうやって寄り道しながらいろいろなことを体験して行くのが、e-bikeの醍醐味だったりもします。
そして、最終目的地である山中城址ですが、実は箱根八里の旧道がバイパス工事中で、一部国道1号線バイパスを走行しなくては到達できないので、初心者の場合はスカイウォークを目的地に設定するほうが無難かもしれません。国道1号線を走らなければならない区間はわずかなので、安全に注意して走行すれば問題ありませんが、到達してみると山中城址の文字どおり、箱根の山の中に城の跡。
鎌倉時代につくられた山城とのことですが、当時の北条政権が富士川を挟んで敵対していた武田氏を監視するためにつくった城だけあって、駿河湾方面への抜けは抜群。山の中にこれだけ大きな城が約500年前につくられていたというのに驚きます。
そんな話をしながら、山頂で夕日を眺めつつ、部員4人で途中に購入したパンをかじっていると「さっきカレー食べなかったっけ?」という言葉も聞かれます。まあ、運動しているのでたぶん大丈夫(笑)。
3時間ほど走りながらずっと喋っているので、ゴルフやスキーと同じように、1日遊ぶとなんだかグループで仲良くなれる気がするのも、e-bikeならではのサイクリングです。e-bikeでこんなサイクリングをしてみたいと思ったら、Spoke Cafeに電話してレンタル予約してみてください。インプレスe-bike部の記事を読んだと伝えれば、この日のルートもスタッフが詳しく教えてくれるはず。晴れた日に訪れれば、きっと楽しいe-bikeの世界が待っていることでしょう。
最後に今回走ったルートはこちら(※一部ルートがトレースできないのであくまでも参考までに。そして実際の法規に従って走行ください)。