家電製品レビュー
着脱式バッテリーで時間を気にせず掃除できる! 日立のスティック掃除機がさらに進化したぞ
2019年1月7日 06:00
年末の大掃除中で、手持ちの掃除機がへたってきたと感じた方も多いのではないだろうか。そんな中、掃除機の販売台数調査によれば、キャニスター型の掃除機は販売台数の過半数を割り、いまや半分以上をスティック掃除機が占めている。
が! ここで問題が! スティックタイプの平均的な駆動時間は20~30分しかない。例えば時間のかかる年末の大掃除だと、スティック掃除機の電池が切れがち! ちょっと気合を入れて「強モード」で掃除しようものなら、10分から20分で電池がきれちゃう。
再びフル充電するまでに「3時間」の強制休憩!
まじかっ! コレじゃあ作業効率悪いったらありゃしない。そんなときにオススメしたいのが、バッテリーが着脱式のスティック掃除機だ。別売の電池を何個か買っておき、時間のあるときに充電。これで大掃除前に2~3個のバッテリーをフル充電しておけば、鬼に金棒! 掃除にスティック!
そんな着脱バッテリーを採用したスティック掃除機の1つが、日立のパワーブーストサイクロン「PV-BFH900」だ。
メーカー名 | 日立 |
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製品名 | パワーブーストサイクロン「PV-BFH900」 |
価格(編集部調べ) | 56,579円 |
吸引力が弱いサイクロン でも! コイツはパワフルだ!
「サイクロン式の掃除機は、吸引力が強い。だからスティック式でもお部屋がきれい」というのは間違い! え! マジ!? 本当は「サイクロンは吸引力が落ちないけれど、元々の吸引力は強いわけではない」のだ。これ、あまり言われないけどホントのコト。
サイクロン以前の掃除機は、掃除機というより「吸引機」や「ポンプ」。とにかく強力なモーターをブン回して床のごみを吸い取るというものだった。でもここ十年で、吸引力より先端のパワーブラシの開発が進み、それほど吸引力がなくても、今まで以上に床がツルツルで、きれいになる「掃除機」へと進化した。
逆に言うとここ十年間で掃除機の吸引力は、だんだん弱くなっていると言ってもいいほど。つまり吸引力の強い高価なモーターにお金をかけるより、ブラシの高性能化にお金をかけた方が、床がきれいになるからだ。
2018年の秋冬では、これにアンチテーゼを唱えるメーカーが出てきた。その1社が、パワーブーストサイクロンを生み出した日立なのだ。
“パワーブーストサイクロン”の名前に恥じない、強い吸引力がポイント。一般的なスティック掃除機では吸い込めない金属などの重いごみでも、グングン吸い込むパワーを備えている。
パワーブーストサイクロンが必須になるのは、工芸や工作、手芸など、樹脂や金属など重いごみがよく出るシーンだろう。さらに毛足の長いじゅうたんやラグが、どうも今の掃除機だと砂っぽいと感じる方向け。そうどちらも、吸引力の弱い掃除機が苦手とする汚れだ。
もちろんフローリングの居間や廊下に使うと、目地の間に挟まった重い砂ごみなども取れてすっきりする。
パワフルだけれど、駆動音は意外と静か
パワーアップすると、モーターからの音が大きくなるのでは? とご心配の声もあるだろう。しかしこの掃除機のモーターおよび吸引ユニットは日立独自の開発で、強力だができるだけ運転音を抑えた設計になっている。それゆえ普通に掃除したときの運転音は、50~60dbととても静か。
フローリングやじゅうたんの掃除の運転音は、静かなオフィスからコーヒーショップの店内くらいの音量。掃除機をかけている割には静かだ。なお手動で「強」にした場合でも、毛足の長いじゅうたんが吸音するので、およそ53dbとそれほどうるさくない。
パワフルにごみを吐き出すパワフルスマートヘッドと、本体の賢い吸引力制御のコンビネーションで、ワンランク上のお掃除ができる。それがパワーブーストサイクロンだ。
パワーを運転時間に! バッテリー交換方式でロングラン
パワーブーストサイクロンが便利なのは、パワーと運転時間のバランスを掃除機自身が考えてくれること。じゅうたんの奥に潜むごみを取るならパワフルスマートヘッドを回転させて、強い吸引力で頑固なごみも吸い取る。フローリングの綿ごみなら、弱い吸引力でバッテリーを節約しながら掃除。汚れの少ない場所でも吸引力を落としてお掃除。
というように、吸引力を必要としない場所では自動的にバッテリーを節約して、そのパワーを稼働時間に変えて長時間掃除できるようにしてくれる。
そのためパワフルスマートヘッド(布団用ミニパワーヘッドの場合もほぼ同様)を使った床掃除は40分、机や工作のごみ掃除でヘッドを利用しない場合は60分と長時間のお掃除ができる。
さらに別売のバッテリー(12,000円)を購入して、普段から交互に使うようにしておけば、もっと長時間のお掃除ができる。これなら年末の大掃除でも電池切れを心配することなく使えるので便利だ。
加えてバッテリー内蔵式の掃除機は、数年するとバッテリー寿命となるので、修理扱いで内部のバッテリー交換が必要となる。しかし本機は交換式なので、修理費もかからず、交換中の掃除機を心配する必要もない。長く使うほどコストパフォーマンスがどんどん上がる経済的な掃除機だ。
強い吸引力の秘密は、モーターだけではない。パワフルスマートヘッドの水色の羽にもその秘密がある。ヘッドがごみを吸い込むためには、できるだけ床に密着していると効率がいい。密着していない場合は、あちこちから空気を吸い込んでしまうので、同じ吸引力でも力が分散されてしまうからだ。
この掃除機は、水色の羽が弁の役割をして常に床を密着するようになっている。しかもヘッドを前に進めると正面の水色の弁が開いて前方のごみを強く吸引。後方の弁は閉じてごみを逃さないようにする。逆に後ろに引っ張ると、後方の弁が開き、前方の弁が閉じるので、後方のごみを強く吸引するようになる。
一般的な掃除機は、前方のごみを中心に掃除するが、この掃除機は押しても引いても吸引力が強い2Wayになっているのも特徴だ。
さらに凄いのは、壁のキワのキワまで吸引力が届き、デッドスペースがまったくない点。一般的な掃除機だと、どうしても壁から5mm~数cmにはごみが残ってしまうもの。しかしこの掃除機は、弁の仕組みで壁際のごみを強力に吸引できるので、ごみがほとんど残らない。
パワーを家の隅々まで持って歩ける軽さと便利ツール
パワーブーストサイクロンをオススメするもうひとつのキーワードは「軽い」という点。パワフルスマートヘッドと延長管をつけても約2.1kg。2Lのペットボトル並の重さしかないのだ。
さらに延長管を外して本体だけにすると、重さは約1.4kgとこれまた軽量。しかもハンドルがカーブを描いているので、身長や体勢に合わせてどこでも持てる。掃除中の手首に負担がかからないだけでなく、個々に違う体感重量が一番軽いところを選べるというわけだ。
さらに先端ツールの隙間ノズルも非常に便利。おそらく工作や手芸をする方は、こちらのツールを常につけることになるかも? 通常の隙間ノズルとして使えるだけでなく、ブラシをシュッ! とズラして、ごみを集めながら吸い込める。
また掃除機を短くして使うと、排気が机のごみを吹き飛ばしてしまうなんてことがよくある。しかし本機は排気の向きをシャッターで左右に切り替えられるので、手芸や工作、勉強あとの机の掃除でごみを吹っ飛ばしてしまうことがない。
ほうきブラシも標準添付なので、作業や勉強机の細かいごみを吸い取ったりというのも便利。ミニパワーヘッドは、ソファや車のシート、布団のお掃除に使える。
さらに自由に曲げられる延長ホースを使うと、本体を近くにおいてホースだけでお掃除をしたり、階段掃除やエアコンのお掃除、高所の掃除にも便利だ。
さりげない部分で便利に使えたのは、眩しいほどに光るLEDライト。作業机の下や家具の下など、暗い場所でも明るく照らしてくれるので、必要な部品を間違って吸ってしまわないように確認できる。
ワンタッチでごみ捨てポン! 専用スタンドも装備
パワーブーストサイクロンでいちばん嬉しい付属品は、立て掛けるだけで充電できる専用スタンドだろう。立てかけるだけで本体が自立する床置きタイプの充電スタンドを標準付属するメーカーは、これまでほとんどなかった。しかし本機には、プラスチックで組み立て式ながら、しっかり自立するスタンドが付属する。
これでスタンドを壁にネジで留めなくてもいいので、賃貸などの物件でも買ったその日からスタンドに立てて置ける。しかもACアダプタの差し込みをスタンドにセットすると、立てかけただけで自動的に充電してくれるのもうれしい。プラグの抜き差しの手間がない。
ごみ捨ては、ダストカップのワンタッチボタンでポイ! ダストカップを本体から外してゴミ箱に持って行っていいが、本機は本体にダストカップが付いた状態でも、ワンタッチでごみ捨てできるところが凄い!
唯一気になったのは、髪の毛やペットの毛。これらをキレイに吸い込むことはできるものの、ダストカップのサイクロンに絡まってしまい、ワンタッチボタンでポン! と捨てられない。
指でつまんで取り出したりしばければならず、少し厄介な面を残している。
なお、パワフルスマートヘッドのブラシやダストカップ、フィルター類はすべて水洗いできるので、梅雨の時期の掃除機独特のイヤなニオイも防止できる。
毛足の長いラグやじゅうたんの部屋や手芸や工作が趣味の方に!
日立のパワーブーストサイクロンは、静かなのにパワフルなのが特徴。しかもパワーが必要な床と、そうでない場所を見分け、できるだけバッテリーを長持ちさせてくれる賢いスティック掃除機だ。
本機を強くオススメするのは、「どうにもラグやフローリングが砂っぽくて……」とお悩みの方、そして工作や手芸など綿ごみより重いごみがでる方へ特にオススメしたい。
スティック掃除機のブームが始まりだした数年前に、いち早く購入された方は、そろそろバッテリーの寿命が来る頃。バッテリー内蔵型のスティック掃除機は、修理扱いでバッテリー交換をすると、それだけでお金がかかってしまう。本機のようにバッテリー交換式にすれば、より長く使えることを保障しよう。