e-bike試乗レビュー

トレックのe-bike「Powerfly 5」を街乗り仕様にカスタマイズ!!

愛車を自分仕様にカスタマイズすることも、自転車の大きな楽しみでしょう。ただ、e-bikeをカスタムしている人は、まだまだ少ないように感じます。ドライブユニットやバッテリーなどの電動部分が多いことや型式認定の問題もありますが、そうした箇所に手を出さなくても、ちょっとしたことで利便性や快適性が高まったり、カッコよくなったりするもの。何よりもカスタムすると“自分だけの愛車”感が飛躍的に高くなります。そこで、トレックのe-MTB「Powerfly 5」を通勤や遊びにも使える街乗り仕様にカスタマイズしてみました。

メーカー名トレック
製品名Powerfly 5
実売価格460,000円

この車体をベースに選んだのは、初めて乗ったときに「これは街乗りも楽しそう」と感じたから。フロントのみにサスペンションを装備したハードテイルe-MTBで、29インチのタイヤを履いているので、舗装路でもスピードを維持しやすく、それでいて太めのタイヤが路面の凹凸を吸収してくれるので乗り心地も快適なのです。

筆者は過去に29インチタイヤのMTBを街乗りで使っていた経験がありますが、これが実に楽しかった。街中の道は意外と凹凸があったり、舗装が荒れている部分もあって、細いタイヤだと気を遣う場面も少なくありません。しかし、MTB用の太いタイヤだとそういう場面が全部楽しめるようになるのです。ただ、太くて大径のブロックタイヤは漕ぎ出しでペダルが重かったりするのですが、e-bikeならそんな心配もなし。29インチタイヤのe-MTBは、街乗り向きなe-bikeなのです。

タイヤサイズは29x2.30と大きく太いので、速度が維持しやすく乗り心地も快適
ドライブユニットはボッシュ「Performance Line CX」。コンパクトで最大トルクが75N・mと大きいので、上り坂がラク
前後とも油圧式ディスクブレーキなので、安心感が高い。サイドスタンドの取り付けマウントも装備されています
ハンドル幅は750mmあるので、オフロードでは抑えが効きますが歩道の走行はできません

トレックストアでカスタマイズを依頼

まず「Powerfly 5」を持ち込んだのは「トレックバイシクル東京青山」。メーカー直営のe-bike認定販売店なので、安心して作業を任せられます。店内にはアクセサリーパーツも充実しているほか、パーツの取り寄せも依頼可能です。

基本的な作業をお願いした「トレックバイシクル東京青山」
e-bikeの認定販売店だけあって、店内には「Allant+ 8」などのe-bikeが並んでいます
ドリンクホルダーやペダル、ロックなどのアクセサリーパーツも充実

カスタムのコンセプトは街乗りを快適にすることですから、まずはスタンドは取り付けたいところ。「Powerfly 5」にはペダルが標準で付属しないので、どうせならと自分好みのカラーのものを選んでみました。また、高価なe-bikeを街中で乗り回すにはセキュリティ対策として安全性の高いロックも用意しておきたいところです。今回は車体に装着できるタイプを選びました。

セレクトしたパーツはトレック純正アクセサリーのスタンドとペダル、そしてABUSの「U GRIP BORDO 5700/100 SH」
スタンドはマウントがあるので簡単そうですが、取り付ける際にはホイールを外す必要があるので、こうやってスタンドで浮かせたいところ
ペダルは水色っぽいカラーをセレクト。ワンポイントの差し色になってくれることも期待しています
堅牢性には定評のあるABUSのロックの中でも、信頼性の高いブレードタイプなので重量もありますが、このようにドリンクホルダー部分に取り付けられるので便利です

e-bikeの中にはライトが標準装備されているモデルもありますが、「Powerfly 5」には付いていないので、前後ライトも取り付けておく必要があります。今回は前後セットになったCATEYE(キャットアイ)の「SYNC CORE + SYNC KINETIC セット」を選びました。これは前後のライトが連携し、片方のボタンを押すと両方が点灯・消灯するという便利なもの。また、装着が義務であるベルも、どうせならカッコいいものをつけたいのでKNOG(ノグ)の「Oi」という製品をつけてもらいます。

左からCATEYEの「SYNC CORE + SYNC KINETIC セット」、KNOGの「Oi」、街乗りに便利なスマホホルダーのSPCONNECT(エスピーコネクト)の「BIKE BUNDLE2」
ハンドルまわりの取り付け作業は難しくありませんが、今回は取り付けもお願いしてしまいました

最後は快適性を高めるためのアイテム。タイヤがむき出しのeMTBは路面が濡れていた際のハネで服が汚れてしまいますが、それを最小限に抑えるために前後に小さいフェンダーをつけてみました。また、個人的に街乗り自転車に必ずつけたいハンドルに取り付けるタイプのドリンクホルダー(正式にはハンドルバーマウントバッグ)ももちろん装着。

左からBlack burn(ブラックバーン)の「OUTPOST CARRYALL」、Rockshox(ロックショックス)の「MTB Fender」、Black burn「BARRIER SEAT FENDER」
フロントのフェンダーはフロントフォークにタイラップを使って取り付けます
リアフェンダーはサドルの下に挿し込むだけなので、取り付けは簡単
ドリンクホルダー代わりの「OUTPOST CARRYALL」もベルクロで簡単に取り付けられます

パーツを交換するような手のかかるカスタムではないので、作業自体は小一時間程度で終了。ですが、車体の雰囲気は結構変わりました。かなり街乗り自転車っぽくなった印象です。

スタンドとフェンダーがつき、ハンドルまわりにも装備が充実して使いやすくなってそう
ハンドルバーマウントバッグは口を締めることもできるので、ドリンクだけでなくいろいろなものを入れられます
ペダルに違う色を入れたことで、結構車体の雰囲気が変わった気がします
フロントフェンダーはサスペンションと同じメーカーなので、カラー的な相性もバッチリ

カスタムしてもらったのがうれしくて、お店から自宅まで約25kmの道のりを乗って帰ることに。実際に乗ってみると、かなり快適度がアップしていることが実感できました。乗り味自体は変わっていませんが、スタンドがついたのでコンビニなどに寄ったとき、気軽に駐めることができます。ロックも車体についているので、盗難防止も簡単。ハンドルまわりには、スマホホルダーとバッグがついたのも超便利でした。

自分好みに仕上がったので待ちきれずに、そのまま乗って帰ることに
スマホにルートを表示させながら、バッグにモバイルバッテリーを入れて充電しながら走るなんてこともできます
もちろんペットボトルなども入れられて、すぐに飲めるのも便利
街乗りe-bikeにはサイドスタンドは必須の装備ですね。気軽に寄り道ができます
大切なe-bikeを守るためのロックも、車体に装備されていると重くて堅牢なものでも苦になりません。施錠も簡単

タイヤは太いブロックタイプのままですが、アシストが強力なので抵抗の大きさも気になりません。快速系e-bikeのように30km/hオーバーで巡航するような走り方には向きませんが、むしろ急がされない感じでのんびり走れました。そして、未舗装路も走ってみたくなり、途中から川沿いのオフロードを走ってみることに。ロードタイプの自転車と違って、こういう寄り道ができるのも楽しいところです。都内でも、意外とこういう気持ちいい未舗装路があるんですよね。

こんな道ですが一応都内。シングルトラックを走っている気分が味わえます
気持ち良くてこういう裏道(?)ばかりをつないで帰ることにしました
川沿いに走ると、結構気持ちいい道が見つかります。こういう探検ができるのも魅力の1つ
小さめのフェンダーでも泥はねを防いでくれる効果は意外に高いので、汚れを気にせず走れます
CATEYEのライトはかなり明るくて、暗くなってしまっても安心して走れました
後方からの視認性も高そう。点灯のほか点滅も選べます
そして、どちらかを消せば前後ともに消灯してくれるのが便利! 消し忘れや点け忘れの心配もありません

キャリアを装着してさらに利便性がアップ

カスタムしてもらったことで、街乗りの快適性はアップしましたが、1つ心残りだったことがあります。それはキャリアが装着できなかったところ。通勤や遊びに使うには、荷物を入れられるバッグがあると便利なのですが、残念ながら「Powerfly 5」はハブ(車軸)の幅が広いブースト規格なので、装着できるキャリアがなかったのです。しかし、どうしても諦めきれなかったので、トピークの「RX ビームラック Eタイプ」というシートポストにマウントするタイプのキャリアを注文してしまいました。両サイドにフレームがあるタイプなので、パニアバッグも装着できるはず。

ブースト規格のハブは剛性が高いのですが、キャリアの取り付けは難しい……
勢いで注文したトピークのキャリアでしたが、つけてみたらピッタリ!!
シートポストに装着するタイプなので、ネジを2本締めるだけで簡単

どうしてもキャリアを装着したかったのは、サイドに取り付けるパニアバッグを装着したかったから。最近は、通勤にも使えそうなアカ抜けたデザインのものも増えてきていて、使ってみたいと思っていたからです。セレクトしたのはオルトリーブの「ダウンタウン2 QL3.1」という製品。防水性の高さには定評があるメーカーですし、デザインもシンプルでオンでもオフでも使えそう。早速取り付けてみました。

思った以上に「Powerfly 5」にも似合います。また一気に雰囲気が変わりました
キャリアとセットで開発された専用バッグ「RX TrunkBag EX」を装着可能
オルトリーブのパニアバッグのいいところは、キャリアへの着脱が簡単なところ。専用のホルダーをキャリア側に装着しておけば、挿し込むだけで固定できます
外す際は、裏面のコードを引っ張るだけと超手軽。しかも固定もしっかりしています
容量は20LでノートPCを収納するポケットもあるので、仕事でも使えそう

この仕様でしばらく使ってみましたが、本当に便利でした。バッグを気軽に脱着でき、そのまま持ち歩くのも簡単なので、取材に出掛ける際にも使えますし、休日に子どもと遊ぶときにも遊具や水筒を入れておいたりとか活躍してくれます。e-MTBだから走る道も選ばないし、スタンドもあるので買い物などにも気軽に乗って行けます。これ、街乗りには最強の組み合わせかも。

仕事で出かける際にはPCなどを入れたバッグをワンタッチでキャリアに装着して
そのまま走り出せるので急いでいてもストレスになりません
休日には、こんな感じで子どものおもちゃなどを放り込んで
近所の小川に出かけてみたりとか、e-bikeの活用範囲が一気に広がります
バッグの装着位置は調整可能なので、ペダルを漕いだときにカカトが当たらない位置に調整しておきました

カスタムといっても、大掛かりなことは何もしていないのですが、ちょっとしたパーツを装着するだけで、e-bikeの使い勝手や快適性はかなり向上しました。特にスタンドとロックは車体に装着してあると、ちょっと買い物などに出かけるのがとても便利になりますし、ハンドルバッグはドリンク以外にもスマホや補給食なども放り込めます。

大げさなパニアバッグには抵抗がある人がいると思いますが、今回使った脱着できるタイプなら街乗りでは本当に便利です。キャリア自体の脱着も簡単なので、山道を走りに行く場合などは外してしまえばいいわけですし。e-bikeもちょっとしたことからカスタムしてみると、便利で快適になるだけでなく、より自分の生活に密着した乗り物になって愛着が増すことは間違いありません。購入したら、ペダルやベルなど小さなパーツからでも、自分好みのものをつけてみることをオススメします。

増谷茂樹

乗り物ライター 1975年生まれ。自転車・オートバイ・クルマなどタイヤが付いている乗り物なら何でも好きだが、自転車はどちらかというと土の上を走るのが好み。e-bikeという言葉が一般的になる前から電動アシスト自転車を取材してきたほか、電気自動車や電動オートバイについても追いかけている。