e-bike試乗レビュー
トレックのe-bike「Powerfly 5」を街乗り仕様にカスタマイズ!!
2020年8月28日 06:30
愛車を自分仕様にカスタマイズすることも、自転車の大きな楽しみでしょう。ただ、e-bikeをカスタムしている人は、まだまだ少ないように感じます。ドライブユニットやバッテリーなどの電動部分が多いことや型式認定の問題もありますが、そうした箇所に手を出さなくても、ちょっとしたことで利便性や快適性が高まったり、カッコよくなったりするもの。何よりもカスタムすると“自分だけの愛車”感が飛躍的に高くなります。そこで、トレックのe-MTB「Powerfly 5」を通勤や遊びにも使える街乗り仕様にカスタマイズしてみました。
メーカー名 | トレック |
---|---|
製品名 | Powerfly 5 |
実売価格 | 460,000円 |
この車体をベースに選んだのは、初めて乗ったときに「これは街乗りも楽しそう」と感じたから。フロントのみにサスペンションを装備したハードテイルe-MTBで、29インチのタイヤを履いているので、舗装路でもスピードを維持しやすく、それでいて太めのタイヤが路面の凹凸を吸収してくれるので乗り心地も快適なのです。
筆者は過去に29インチタイヤのMTBを街乗りで使っていた経験がありますが、これが実に楽しかった。街中の道は意外と凹凸があったり、舗装が荒れている部分もあって、細いタイヤだと気を遣う場面も少なくありません。しかし、MTB用の太いタイヤだとそういう場面が全部楽しめるようになるのです。ただ、太くて大径のブロックタイヤは漕ぎ出しでペダルが重かったりするのですが、e-bikeならそんな心配もなし。29インチタイヤのe-MTBは、街乗り向きなe-bikeなのです。
トレックストアでカスタマイズを依頼
まず「Powerfly 5」を持ち込んだのは「トレックバイシクル東京青山」。メーカー直営のe-bike認定販売店なので、安心して作業を任せられます。店内にはアクセサリーパーツも充実しているほか、パーツの取り寄せも依頼可能です。
カスタムのコンセプトは街乗りを快適にすることですから、まずはスタンドは取り付けたいところ。「Powerfly 5」にはペダルが標準で付属しないので、どうせならと自分好みのカラーのものを選んでみました。また、高価なe-bikeを街中で乗り回すにはセキュリティ対策として安全性の高いロックも用意しておきたいところです。今回は車体に装着できるタイプを選びました。
e-bikeの中にはライトが標準装備されているモデルもありますが、「Powerfly 5」には付いていないので、前後ライトも取り付けておく必要があります。今回は前後セットになったCATEYE(キャットアイ)の「SYNC CORE + SYNC KINETIC セット」を選びました。これは前後のライトが連携し、片方のボタンを押すと両方が点灯・消灯するという便利なもの。また、装着が義務であるベルも、どうせならカッコいいものをつけたいのでKNOG(ノグ)の「Oi」という製品をつけてもらいます。
最後は快適性を高めるためのアイテム。タイヤがむき出しのeMTBは路面が濡れていた際のハネで服が汚れてしまいますが、それを最小限に抑えるために前後に小さいフェンダーをつけてみました。また、個人的に街乗り自転車に必ずつけたいハンドルに取り付けるタイプのドリンクホルダー(正式にはハンドルバーマウントバッグ)ももちろん装着。
パーツを交換するような手のかかるカスタムではないので、作業自体は小一時間程度で終了。ですが、車体の雰囲気は結構変わりました。かなり街乗り自転車っぽくなった印象です。
カスタムしてもらったのがうれしくて、お店から自宅まで約25kmの道のりを乗って帰ることに。実際に乗ってみると、かなり快適度がアップしていることが実感できました。乗り味自体は変わっていませんが、スタンドがついたのでコンビニなどに寄ったとき、気軽に駐めることができます。ロックも車体についているので、盗難防止も簡単。ハンドルまわりには、スマホホルダーとバッグがついたのも超便利でした。
タイヤは太いブロックタイプのままですが、アシストが強力なので抵抗の大きさも気になりません。快速系e-bikeのように30km/hオーバーで巡航するような走り方には向きませんが、むしろ急がされない感じでのんびり走れました。そして、未舗装路も走ってみたくなり、途中から川沿いのオフロードを走ってみることに。ロードタイプの自転車と違って、こういう寄り道ができるのも楽しいところです。都内でも、意外とこういう気持ちいい未舗装路があるんですよね。
キャリアを装着してさらに利便性がアップ
カスタムしてもらったことで、街乗りの快適性はアップしましたが、1つ心残りだったことがあります。それはキャリアが装着できなかったところ。通勤や遊びに使うには、荷物を入れられるバッグがあると便利なのですが、残念ながら「Powerfly 5」はハブ(車軸)の幅が広いブースト規格なので、装着できるキャリアがなかったのです。しかし、どうしても諦めきれなかったので、トピークの「RX ビームラック Eタイプ」というシートポストにマウントするタイプのキャリアを注文してしまいました。両サイドにフレームがあるタイプなので、パニアバッグも装着できるはず。
どうしてもキャリアを装着したかったのは、サイドに取り付けるパニアバッグを装着したかったから。最近は、通勤にも使えそうなアカ抜けたデザインのものも増えてきていて、使ってみたいと思っていたからです。セレクトしたのはオルトリーブの「ダウンタウン2 QL3.1」という製品。防水性の高さには定評があるメーカーですし、デザインもシンプルでオンでもオフでも使えそう。早速取り付けてみました。
この仕様でしばらく使ってみましたが、本当に便利でした。バッグを気軽に脱着でき、そのまま持ち歩くのも簡単なので、取材に出掛ける際にも使えますし、休日に子どもと遊ぶときにも遊具や水筒を入れておいたりとか活躍してくれます。e-MTBだから走る道も選ばないし、スタンドもあるので買い物などにも気軽に乗って行けます。これ、街乗りには最強の組み合わせかも。
カスタムといっても、大掛かりなことは何もしていないのですが、ちょっとしたパーツを装着するだけで、e-bikeの使い勝手や快適性はかなり向上しました。特にスタンドとロックは車体に装着してあると、ちょっと買い物などに出かけるのがとても便利になりますし、ハンドルバッグはドリンク以外にもスマホや補給食なども放り込めます。
大げさなパニアバッグには抵抗がある人がいると思いますが、今回使った脱着できるタイプなら街乗りでは本当に便利です。キャリア自体の脱着も簡単なので、山道を走りに行く場合などは外してしまえばいいわけですし。e-bikeもちょっとしたことからカスタムしてみると、便利で快適になるだけでなく、より自分の生活に密着した乗り物になって愛着が増すことは間違いありません。購入したら、ペダルやベルなど小さなパーツからでも、自分好みのものをつけてみることをオススメします。