料理男子TAKAの”この家電ならこのレシピ”

第3回

いつだってハレの日気分が味わえる! 失敗しらずのなめらか茶わん蒸し ~シャープ「ヘルシオ」

オーブンレンジから電気圧力鍋や無水調理鍋など、調理家電を使ったレシピ研究に余念がない料理男子のTAKAが送る、おすすめレシピの連載。ここでは調理家電に付属しているレシピ集の中から「これはうまい!」というものをピックアップしてご紹介します。TAKA流のアレンジレシピも参考にしていただければ幸いです!

 「茶わん蒸し」というと何となく特別な日の和食に添える一品だと思っている人が多いと思いますが、栄養があって食べやすいのでお吸い物代わりにどんどん取り入れたいメニューです。今回紹介するのは、シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」で作る茶わん蒸し。

シャープ「ウォーターオーブン ヘルシオ AX-XW500」

 これまで蒸し器やスチームクッカーなど、いろいろな調理機器で試してきましたが、ヘルシオのいいところは絶対に失敗しないこと。蒸らし時間を含めて約35分と時間こそかかりますが、なめらかで「す」が入らず、おいしくできるのです。これは90℃という絶妙な温度帯を保ってコントロールしてくれる家電ならではの素晴らしさなのだと思います。

 前日の夜に後片付けのついでに準備しておけば、翌日は冷蔵庫から出してヘルシオに入れるだけなので、35分という長さも気にならないのではないでしょうか。具も干ししいたけを煮る手間を省き、生しいたけでOK。というのも、好みにもよりますが、レシピ通りに干ししいたけの甘煮を入れると茶わん蒸し全体がどうも甘くなってしまうのです。

 また、エビの代わりにシーフードミックスを使うと簡単なうえにいい味が出るので、わが家ではこれが定番です。みつ葉も蒸し上がったところにのせるのが一般的なようですが、最初から器に入れてしまったほうが、味の調和としてはいいように思って、いつもそうしています。そうそう、なめらかさのために、卵液を作るときの「こす」手間は省かないでくださいね。

 この連載の趣旨に合わせ、まずは卵とだし汁の割合が1対4となるヘルシオのクックブック通りのレシピを掲載していますが、実験を重ねたところ、だし汁の量を少し減らして1対3.5にするのが黄金比率という結果になりました。その場合の分量も記載していますので参考にしていただければうれしいです。

 洋風のメニューにもあうチーズ茶わん蒸しや、疲れている時や体が冷えている時におすすめの「ショウガ入り茶わん蒸し」もアレンジ版として紹介しているのでぜひお試しください。

材料(4人分)

・干ししいたけ(水でもどす):2枚

【A】
・干ししいたけのもどし汁:大さじ2
・しょうゆ:大さじ1
・さとう:大さじ1

・鶏ささ身:100g
・酒・薄口しょうゆ:各少々

・エビ:4尾
・みつ葉:適量
※付属のクックブックには、このほかにかまぼこ、ぎんなんも

・卵:M2個
・だし汁:2カップ(400ml)※冷ましておく
・塩:少々
・薄口しょうゆ:小さじ1
・みりん:小さじ2

ヘルシオのクックブック

作り方

<干ししいたけを煮る>

・干ししいたけは半分に切って耐熱容器に【A】とともに入れ、ラップをせずに庫内中央に置く
・レンジ→600W/1分10秒→スタートボタンを押して加熱

水で戻した干ししいたけに水、調味料を加える(写真は1人分)
干ししいたけの下ごしらえはレンジ調理で
600Wで1分10秒加熱するだけなのでスピーディ
甘辛い味付けのしいたけが出来上がる

<ささ身とエビの下ごしらえ>
・ささ身は筋を取ってそぎ切りにし、酒と薄口しょうゆをふっておく
・エビは尾を残して殻をむき、背ワタを取る

<卵液を作って蒸し上げる>
・卵をよく溶きほぐしてだし汁でのばし、塩、薄口しょうゆ、みりんを加えて混ぜ、こす
・蒸し茶わんに具を入れ、卵液を8分目まで注ぎ、共蓋、もしくはアルミホイルをかぶせる
・角皿に並べ、上段にセットする
・メニュー選択→検索→メニュー番号→71→決定→決定→スタート
※調理時間の目安:約35分(蒸らし10分を含む)
※手動で調理する時には「ソフト蒸し90℃で25分。加熱後に庫内で10分蒸らす

冷ました出し汁、茶わん蒸しの具(エビ、鶏ささ身、レンジ調理した干ししいたけ、みつ葉)、卵2個
卵をよく溶きほぐしてだし汁でのばし、塩、薄口しょうゆ、みりんを加えて混ぜる。卵をほぐす時にはボウルの底に箸をつけたまま、卵白を切るようにすると泡が立たなくて「す」が入りにくい
なめらかな茶わん蒸しを作るにはここで濾すひと手間が大切
エビ、鶏ささ身、レンジ調理した干ししいたけ、みつ葉を器に入れる。わが家ではたっぷり食べたいというリクエストの応えてスープカップを使っている
卵液を注いだところ
茶わん蒸し用の器を使う場合は共蓋をするが、ほかの器の場合はアルミホイルをかぶせればOK
角皿を上段にセットする。大きさの違う器で一緒に作っても大丈夫!
水タンクの2の水位まで水を入れてセットする
メニュー番号71の「茶わん蒸し」を選び、スタートを押す
蒸らし時間込みで35分かかるが、何度作っても失敗のないなめらかな茶わん蒸しが出来上がる
茶わん蒸しの具材でおすすめは解凍して酒少々をふったシーフードミックスと生しいたけ、みつ葉の組み合わせ。エビや干ししいたけの下ごしらえの手間も省け、いい味が出る
だしを取るのが面倒なら、市販の顆粒のだしの素を使うのがおすすめ
少量のお湯を入れ、顆粒のだしの素をしっかり溶かすのがポイント
続いて水を加えればお手軽な「だし汁」の完成

TAKA流アレンジレシピ【1】

卵とだし汁の割合を1対3.5にした黄金比率の「TAKA流茶わん蒸し」

 ヘルシオのクックブックに掲載されているデフォルトのレシピでは卵とだし汁の割合が1対4になっています。これも十分おいしいのですが、食べているときに汁気が多く、くずれやすいのが気になっていました。かといって1対3にするとやや硬めでプリンに近い食感になります。

 最終的にはだし汁の量を少し減らして1対3.5にするのが黄金比率ということに落ち着きました。家族に食べてもらった感想も「なめらかだし、食べごたえがあっていい」とのこと。

 卵M2個、だし汁350cc、塩小さじ1/3弱、みりん小さじ1+3/4(9cc)、薄口しょうゆ小さじ1弱が、おすすめの割合です。だしを取るのが面倒なら、市販の顆粒のだしの素を使ってもOKですが、その場合はだしの素に少量のお湯を入れ、しっかり溶かしてから水を足してください。

ヘルシオのデフォルトのレシピは卵とだし汁の割合が1対4だが、だし汁の量を少し減らして1対3.5にするのが黄金比率。その場合、卵2個、だし汁350cc、塩小さじ1/3弱、みりん小さじ1+3/4(9cc)、薄口しょうゆ小さじ1弱
細かな計量にはこの計量スプーンが便利

 そしてもう1つ。顆粒のだしの素も塩、みりん、薄口しょうゆなども使わずに、極上の味に仕上げる奥の手が、創味食品の「京の和風だし」と「創味の白だし」を使うこと。これがあれば、卵と水だけで味が決まるので、実はいちばん手軽です。

 卵液の調合は卵M2個、水335cc、京の和風だし大さじ1+小さじ1、創味の白だし小さじ2。「京の和風だし」は茶わん蒸し以外にもおでんなどに活用できる便利な調味料で大のお気に入りなんですが、関東ではなかなか手に入りにくいのでネット通販で購入しています。スーパーで気軽に買えるようになるといいなと思っています。

顆粒のだしの素も塩、みりん、薄口しょうゆなども使わずに、極上の味に仕上げる奥の手が、創味食品の「京の和風だし」と「創味の白だし」を使うこと。これがあれば、卵と水だけで味が決まる
定番の具材に卵とだし汁の割合を1対3.5にした卵液を注いだところ
蒸し上がった茶わん蒸し。デフォルトのレシピに比べ、生しいたけが上に浮き上がって蒸されるのでにぎやかな仕上がりになる

TAKA流アレンジレシピ【2】

ブラックペッパーがアクセントの「チーズ茶わん蒸し」

 初めて作った時から家族に絶賛されているのが「チーズ茶わん蒸し」」です。これはなんと器にシュレッドチーズを入れて卵液を注いて蒸すだけの簡単さなんですが、食べる前にブラックペッパーをふるとピリッと味がしまって、和風洋風どんなおかずと一緒でも合うおいしさです。

 なめらかな卵をすくうとトロリと溶けたチーズが糸を引いて、口の中に弾力のあるうまさが広がり、一気に最後まで食べてしまうこと請け合い。ぜひお試しください。ちなみに、チーズ茶わん蒸しの時には卵とだし汁の割合を1対3にして少し硬めの仕上がりにするほうが美味しいです。

具材はシュレッドチーズのみ
卵液を注いで蒸し上げればOK
チーズ茶わん蒸しの出来上がり
チーズ茶わん蒸しにはブラックペッパーをふると格別のおいしさになります

TAKA流アレンジレシピ【3】

疲れた日には体にやさしい「ショウガ入り茶わん蒸し」を

 いつもの茶わん蒸しの具と一緒にすりおろしたショウガを少し加えてから卵液を注いで作る「ショウガ入り茶わん蒸し」は、家族が疲れているような時に作っています。かすかに感じられるショウガの風味が味に変化をつけますし、体をじんわりと温めるので、熱々の茶わん蒸しの温もりがいつまでも続くといった感じでしょうか。風邪のひき始めにもいいかもしれません。

普通の茶わん蒸しの材料にすりおろしたショウガを加えた「ショウガ入り茶わん蒸し」は疲れ気味の日におすすめの一品

TAKA

国立音楽大学音楽学部演奏学科声楽専修卒業。在学中よりイタリアンレストランや大手和食チェーン店の厨房でアルバイト経験を重ねる。現在は歌関連のバイトをしつつ、自宅では平日の夕飯づくりを担当。母親の仕事の影響もあり、多種多様な調理家電を使いこなしながら、和洋中の料理からお菓子づくりまで行なう。母親は家電+ライフスタイルプロデューサーの神原サリー。