家電製品ミニレビュー
3万円台でここまでできる! シャープのオーブンレンジで作ったピザが驚きのサクサク具合
2019年11月18日 06:00
結婚を機に家電を一式買い揃えることになった。限られた予算の中でも妥協はしたくないと熟考の末、オーブンレンジはシャープの「RE-V100A」を購入した。2019年3月当時の実売価格は34,000円(税抜、ちなみに現在の実売価格はなぜか39,000円前後)とお手頃だが、電子レンジ、オーブンとしてはもちろん、自動調理などにも対応した一台だ。
今回は「RE-V100A」の説明書と付属のクックブックを参考に、この製品の特性を活かした調理にチャレンジしてみたい。調理レビューに入る前に、まずは「RE-V100A」の特徴をざっくりと見ていこう。
メーカー名 | シャープ |
---|---|
製品名 | 過熱水蒸気オーブンレンジ RE-V100A |
購入価格 | 34,000円(税抜、2019年3月時点) |
シャープのオーブンレンジを代表する「ヘルシオ」は、“ウォーターオーブン”と呼ばれる過熱水蒸気のみで調理するのに対し、この「RE-V100A」は過熱水蒸気とスチームやヒーター加熱を組み合わせて調理する。
レンジ機能は赤外線・絶対湿度・温度の3つのセンサーを使って食材を上手にあたためられる。冷凍食品モードでは、食材ごとにわざわざ時間を設定しなくても、ボタンを押すだけで自動的に適温まであたためてくれる。食材の状態に合わせて仕上がりを調整することも可能だ。
庫内容量31Lに対して、外寸は490×435×390mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトな方だ。40平米、1LDKの新婚夫婦の部屋でも幅を取らず気に入っている。
ノンフライメニューって美味しくないと思っていたけど……
さて、まずはクックブックのノンフライメニューの中から、定番のから揚げに挑戦しよう。ノンフライ料理と聞くと衣が白っぽくて見栄えが良くないし、揚げ物を食べた時のガッツリ感もなく、正直美味しくないのではないかと疑っていた。今回、そんなマイナスイメージを覆せるだろうか。
作り方は、食べやすく切った鶏もも肉にから揚げ粉をまぶし、網の上にならべてオーブンに入れる。あとはダイヤルを回しから揚げのメニュー番号13を選び、スタートボタンを押すだけ。とても簡単だ。
なお、ノンフライメニューはすべて付属の調理網を使用する。また、過熱水蒸気による調理なのでタンクに水を入れることも忘れてはいけない。
自動調理がスタートした。運転音は特に気になるほどうるさくはない。調理開始から3分ほど経ったころ、ブーンという音が静かになり、かすかにポコポコ……と音が聞こえてきた。見てみると窓が曇っていて、水蒸気が庫内に充満しているようだ。
過熱水蒸気とはこの水蒸気をさらに加熱した気体のこと。この気体が持つ凝縮熱という大きなエネルギーを使って食材を中まで素早く加熱することで、うるおいを保ちつつ余分な脂を落としてヘルシーに調理できる。
スタートから約22分で調理は完了。色づきは薄めだがきつね色で美味しそうに仕上がった。
いざ実食。食感はカリッとしておらず、やわらかい。ただびっくりしたのは、肉が含む水分と脂分がちょうど良くとってもジューシーで、まるで油で揚げたかのような満足感があること。しかし余分な脂は落ちているので重たくない。今後、我が家のから揚げはすべてノンフライで良いんじゃないかと思える出来だった。
さらに、ノンフライ調理は片付けが楽なのもうれしいポイント。揚げ物だと油を固めて鍋を洗い、べたべたになったコンロ回りや床まで拭くこともあるが、今回は調理網と角皿を洗うだけ。2つとも汚れが落ちやすく、すぐにきれいになった。
揚げ物となるといつも気合を入れてキッチンに立つが、これからはノンフライ調理で気軽に楽しめそうだ。
肉や野菜を同時に調理
次は、3品献立セットを試してみる。異なる食材を使って主菜1品と副菜2品、4名分を同時に調理してくれる時短メニューだ。クックブックには5種類の主菜と10種類の副菜レシピが掲載されていて、今回はその中から手羽元の香り焼き、ポテトチーズ焼き、パプリカサラダを作ってみる。
まず、豆板醤などの調味料に漬け込んだ手羽元を角皿に並べ下段へ。上段の角皿は左半分にじゃがいもとチーズを並べ、右半分にアルミホイルで包んだパプリカとエリンギを載せる。ダイヤルを回しメニュー番号17に合わせスタート。調理は約25分で完了した。
手羽元はつやのある仕上がりで、身もぷりぷりしていてとても美味しい。じゃがいもはホクホクしていて、とろけたチーズがよく合う。
そしてパプリカサラダは手羽元と同時に加熱したにもかかわらず、焦げたり乾燥したりしなかった。じっくりと加熱されたパプリカは甘く、エリンギは噛むとじゅわっとおいしいエキスが出てくる。
肉と野菜を同時に調理しても、それぞれがベストな状態に加熱される。これも過熱水蒸気の効果だろうか。調理時間は25分と短くはないが、料理につきっきりにならなくていいので、その間に洗い物をしたりすれば効率的だ。
古いオーブンでは上手く焼けなかったピザに挑戦
最後はクリスピータイプのピザに挑戦した。以前、ピザ作りにはまっていたのだが、実家の古いオーブンでは火力が弱く、トマトソースなどの水分で生地がべちゃっとなってしまいイマイチだった。「RE-V100A」の最高温度は250℃。果たして美味しく焼けるだろうか。
今回は生地から手作りする。生地をこね、ボウルに入れてオーブンへ。発酵温度は30℃~45℃まで選べるようになっているので、今回は40℃に設定し45分発酵させた。
発酵が終わり生地を少し休ませたら、丸く伸ばしトッピングをする。ダイヤルをメニュー番号40-2に合わせてスタートすると予熱が始まる。オーブンを250℃まで予熱する際にかかった時間は約23分とかなり長い。ただ、後日180℃までの予熱を試したところ7分強で完了したので、一般的なケーキやパンを作る際は気にならないだろう。
なお、ピザを作るときは角皿も一緒に予熱するので、取り出して生地を載せるときはやけどしないよう注意が必要だ。加熱中はオーブン本体もかなり熱くなる。
10分ほどで焼きあがった。ピザの縁の方に包丁を入れるとザクッと小気味良い音が。断面を見ると、いつもはべちゃっとなっていた中心部分の生地もしっかりと空気を含んでいる!
食べてみるとさっくり、ちゃんとクリスピータイプのピザに仕上がっていた。これにはとても感動し、思わず1枚ぺろりとたいらげてしまった。
オーブンだけではない、意外と使える便利な機能
ここまでオーブン機能を紹介してきたが、「RE-V100A」にはほかにも様々な機能がある。なかでも私が気に入ったのが「好みの温度あたため」機能。-10℃、20~90℃まで5℃単位で設定可能で、例えば冷凍庫から出したばかりのカチカチのアイスクリームを、食べやすい適度なやわらかさにできる。
実際にアイスクリーム(-10℃設定)とバター(20℃設定)を試してみたが、どちらも30~40秒で加熱が完了した。特にバターなどは忙しい朝だと上手く塗れなくてイライラするが、トースターでパンを焼いているあいだにこちらで少しあたためておくとサッと塗れて便利だろう。
今回紹介したのはシャープの「RE-V100A」。過熱水蒸気の力で食材の水分を保ちつつ、中まで素早く火が通る。これがどんな食材もおいしく調理できる秘訣だろう。
10万円もする高性能オーブンレンジを買わなくとも、ノンフライメニューや自動調理はできるしピザだって焼けるのだ。しかも、意外と簡単に。価格もお手頃なので、私のような料理に慣れていない新婚さんにぜひおすすめしたい。