家電製品ミニレビュー

湿度78%! ダイニチの加湿器はうるおい・手入れ・デザインすべてマルッ!

 本格的な寒さとともに、真冬に気になるのが乾燥。朝起きたときは大体喉がイガイガしていて、そのまま風邪を引いてしまうこともある。そこで導入したのが、ダイニチ工業の「ハイブリッド式加湿器 HD-RX716」だ。

ダイニチ「ハイブリッド式加湿器 HD-RX716」

 加湿器は、超音波式や気化式、スチーム式などさまざまなタイプがある。HD-RX716の加湿方式は、ハイブリッド式。水を含んだフィルターに風を当てる「気化式」と、ヒーターで温めた風をあてる「温風気化式」を組み合わせたものだ。湿度が低いときは「温風気化式」ですばやく加湿し、設定湿度に近づくと温風を使わない「気化式」に切り替えて加湿量を調整する。

 これまで安い超音波式の加湿器を使っていて、出てくる風が冷たく、ミストが出る割にあまりうるおっている感じがせず気に入っていなかった。次に使うならスチーム式か気化式かなと思っていたところ、このハイブリッド式を見つけた。スチーム式よりも素早く加湿ができそうなのと、手入れが簡単そうだったのが選んだ理由だ。

メーカー名ダイニチ工業
製品名ハイブリッド式加湿器 HD-RX716
実売価格19,526円

 HD-RX716の適用床面積はプレハブ洋室で19畳まで。自宅のリビングは13畳なのでちょうど良さそうだ。ダイニチの加湿器シリーズ(RXシリーズ)は、適用床面積に合わせて複数モデルがあり、1つ小さいモデルに、適用床面積14畳までの「HD-RX516」がある。しかし、13畳のリビングを加湿するにはもう少し大きい方が良いかなと思ったのと、価格も2,000円しか変わらなかったことから、HD-RX716を選んだ。

 タンク容量は6.3Lと大きく、加湿量は最大700ml/時だ。水を気化するフィルターは、「抗菌気化フィルター」を採用。抗菌・防カビ加工を施しており、トレイ内の雑菌やカビの繁殖を抑えるという。

 デザインも良く、リビングに置いていても違和感がなさそうなのもポイント。カラーはクリスタルホワイトとプレミアムブラウンの2色あり、加湿器っぽくないカラーが気に入ってプレミアムブラウンにした。

リビングになじむデザイン
タンク。加湿量は最大700ml/時

しっかり加湿! 風が真上に吹き出すから体に当たらない

 モードは「標準/静音/eco/のど・肌/おやすみ加湿」を用意。「標準/eco/静音」では、湿度を「50/60/70%」に設定できる。タンクは大容量のため、満水にするとかなり重い。高さもあり、浅い洗面台だと入れづらいので、キッチンのシンクで給水するようにした。タンクにはハンドルがついているので持ち運びはしやすい。

 まずは「標準・60%」で運転開始。スタート時の湿度は37%で、1時間ほどで58%まで上がった。後はそのまま60%あたりの湿度をキープして運転していた。13畳のリビングを加湿するのには問題なさそうだ。

 ちなみにHD-RX716は温風気化式といっても、水が気化するときに熱が奪われるので吹き出す風は温かくない。使いはじめのとき、温かい風を期待していたのでちょっとがっかりした(笑)。とはいえ、超音波式のような冷たい風というわけでなく、風も真上に吹き出すので、体に当たらず寒くない。

 体感としても十分満足。普段は、暖房をつけた状態で2時間映画を観ていると喉がカラカラになり、頻繁にお茶を飲んだりと集中できないことがあった。しかし加湿をしている状態だとそういったこともなく、快適に過ごせるようになった。

タンク容量は6.3Lと大きい。深さのあるシンクが給水しやすかった
タンクいっぱいまで水を入れるとかなり重いが、ハンドルが付いているので持ち運びやすい
「標準・60%」にして運転スタート。最初は37%だったが、このあと58%まで上がった
温風気化式でも風は温かくない(笑)。真上に風が吹くので寒くなりにくい。かなり高い位置まで風が届いていた

 オススメのモードは「のど・肌」だ。室温に応じて喉や肌のうるおいを守る湿度に自動で加湿量を調整するモードで、結構パワフルに加湿してくれる。このモードは、部屋が温まっていない状態では、喉や肌のコンディションを考えて湿度を70%以上にコントロール。部屋が温まってくると60%程度に設定湿度を下げて運転をコントロールするという。

 実際、のど・肌モードにすると、本体の湿度計の数値がグングンと上がっていく。標準モードのときよりもスピーディーで、パワフルに加湿されているのがわかる。30分ほどで湿度65%になり、最大で78%まで上がっていた。帰宅してすぐに加湿したいときや、寝る前に寝室の湿度を上げておきたいときに便利だった。

のど・肌モードはパワフルに加湿。最大で78%まで湿度があがった

寝起きの喉が痛くない! ハンドル付きで寝室に持っていきやすい

 特に良かったのは寝ているとき。就寝1時間前くらいに本体を寝室に持っていき、のど・肌モードで運転。電気を消すときと一緒に運転を「おやすみ加湿」に切り替えて寝るようにしたのだが、これがとても良かった。これまで悩まされていた、寝起きの喉の痛みがなくなったのである。それが原因で風邪を引くこともあったが、HD-RX716を使うようになってから朝の調子がとても良い。

寝るときは寝室に持っていった。寝起きの喉が痛くない!

 「おやすみ加湿」で運転すると、操作パネルのランプがほぼ消える。運転ランプだけ点いているが、通常より7割減光されているため、部屋を真っ暗にしても明かりが気にならない。また、このモードは静かさ優先のため、運転音も気にせず眠れる。モード開始後1時間は最小13dBでの運転になり、1時間後の眠りについたあたりから、しっかり加湿運転をするようになり、静音性と加湿機能を両立している。

 寝る前に「のど・肌モード」で運転したときの湿度は78%、「おやすみ加湿」に切り替え、朝起きたときの湿度を見てみると56%になっていた。パワフルなモードからの切り替えだったので湿度は下がったが、それでも十分なレベル。

「のど・肌モード」で運転。寝る直前の湿度は78%になった
「おやすみ加湿」に切り替え。湿度表示などランプが消える
朝起きたときの湿度。56%になっていた
「おやすみ加湿」の仕組み

 ちなみに本体はハンドル付きなので、持ち運びがしやすい。寝室用に適用床面積が小さいタイプのものを買って2台使いしようかなと考えていたが、簡単に持ち運べるので1台で十分そうだ。

 また、タンクの容量もたっぷりで、こまめに給水しなくて良いのも嬉しいポイント。1晩運転させても水は残っていて、給水は2~3日間隔で問題なく使用できた。

 のど・肌モードはパワフルなので、消費電力も最大で290Wと、搭載されているモードの中では一番高い。帰宅後や寝る前1時間など時間を決め、その後は標準や、温風を使わないecoモードに切り替えるようにした。

ハンドル付きで持ち運びやすい
タンク容量はたっぷり。1晩運転させても水は残っていた

トレイが取り外せて手入れしやすい

 加湿器で気になるのは手入れのしやすさ。内部は水アカやカビが発生するおそれがあるので、定期的なチェックが必要だ。HD-RX716は、抗菌気化フィルターが装着されているトレイが取り外しできるので手入れがしやすい。

 トレイが一体になった加湿器は排水するだけでも、本体ごと洗面台や浴室に持っていく必要があるが、この製品は本体から外してトレイだけを持っていけばいい。フィルターとトレイは水洗いする。手入れのタイミングは、お手入れランプが知らせてくれる。大体2週間に1回だ。

 ちなみにフィルターは持続力を長持ちさせるために、1カ月に1回はクエン酸で浸け置き洗浄をする必要がある。これはちょっと面倒だなと感じたが、この製品に限らず、多くの加湿器でクエン酸での掃除が推奨されているので仕方ない。なお、クエン酸洗浄をしなかった場合のフィルター寿命は1シーズン(6カ月)。クエン酸洗浄をすると5シーズンは使えるという。

 交換フィルターは別売りで1,470円(Amazon)。メンテナンスが面倒だという人は、1シーズンでの使い捨てという考え方もありだろう。

トレイは取り外せる
さっそく水アカが浮いていた
トレイはスポンジで水洗い
抗菌気化フィルターは月に1回クエン酸で洗浄する
背面のフィルターは掃除機でほこりを吸引する
汚れがひどいときは取り外して掃除する

 これまであまり満足のいく加湿器に出会えていなかったのだが、HD-RX716には大満足。インテリアにマッチするデザインも、加湿能力も十分。加湿器でネックになりがちな手入れ面も配慮されていて、とても使いやすい。

 値段も2万円以下と、気化式と温風気化式のハイブリッドで適用床面積19畳と考えると手が出しやすいだろう。まだまだ乾燥が続くこの季節、ぜひオススメしたい製品だ。

西村 夢音