家電レビュー
衣類乾燥除湿機を自宅に初導入! もう梅雨の部屋干しは怖くない!!
2025年6月24日 09:05
コンプレッサー式の除湿機が欲しくなって2年くらいが経つ。気になる理由は、じめじめと暑い梅雨に活躍してくれるんじゃないかと思ったからだ。そこで、そろそろ暑くなりそうだと思い、シロカのコンプレッサー式除湿機「SDC-10D171」を家で使い始めた。価格は29,700円。
まだ暑くならないけれど衣類乾燥機として活躍
「除湿機を絶対に買った方がいいよ」という声を聞いたことがない。だけれど、除湿機の新製品のプレスリリースは絶えない。なぜだろう? と考えて思い当たったのは、住環境の違いにより誰にでも便利だと言えるものではなく、誰もが導入メリットを感じまくっているわけではないのでは? ということ。
筆者の場合は、築うん十年の昭和時代に建てられた賃貸マンションに住んでいる。全室エアコン完備……ではないし、当然、浴室乾燥機があるわけでもない。最新の住宅の多くが備えているだろう条件をクリアしていないということ。
最新の住宅に、各室にエアコンが配置され、浴室乾燥機があるのも、あった方が断然快適だと感じる人が多いからだろう。それらがない我が家は、おそらく最新住宅に比べて不快に感じることが多いと言えるかもしれない。
具体的にどんなところが不快かと言えば、代表的なのが、洗濯物を部屋干しすると、特に梅雨には生乾き臭が発生すること。
そうした課題をコンプレッサー式の除湿機が解決してくれるのではないか……と推測してみた。
なぜコンプレッサー式かといえば、同方式は夏場の室温が高い環境で、除湿能力を発揮してくれるから。また、デシカント式やハイブリッド式と異なり、ヒーターを使わないため室温が上がりにくく、電気代も比較的に低く抑えられるとされている。デメリットとしては、室温が下がる冬場の除湿能力が落ちるという点。ただし、筆者宅の場合は現状では冬に除湿機を使いたいと思ったことがないので、問題なさそうだ。
今回使用したシロカのは、オーソドックスなモデル。ほかと比べて「ここがすごい!」という点はないが、その代わりに明らかに劣っている点もない。さらに設置面積がA4サイズくらいと置きやすく、価格が29,700円とリーズナブルなため、「コンプレッサー式除湿機って、どんなもんだろう?」と体験してみるのに、ちょうどいいモデルだと言える。
本体デザインもスッキリとしていて、部屋の片隅に置いておいても、見た目に邪魔にならない。その証拠に、新しい家電製品を自宅で試し始めると「なにこれ、邪魔だな……」と、すぐに言ってくる妻からも、今のところ文句を聞いたことがない。
使用時には、電源を入にして、「除湿」または「衣類乾燥」モードのいずれかを選んでいる。本体の中で何か異なることをしているのか分からないが、筆者も、単に除湿したい時には前者を、衣類乾燥させたい時には後者を選んで起動している。
空気中から集められた水分は、本体後方の排水タンク(2.8L)に集められていく。今年はなかなか気候が暑くならないが、それでも湿度が70%に達する日が既に何度かあった。そうした日に使うと、数時間でまとまった量の水が溜まった。自宅で除湿機を使うのは初めてということで、「おぉ〜、これだけの水が空気中に漂っていたのかぁ」と、少し感動した。普段は空気に内包されている水分など、意識したことがなかったからだ。
排水タンクは着脱可能で、洗面台に持っていき、じゃ〜っと流すだけ。「これだけの水を空気中から回収しましたよ」と体感できて、気持ちがいい。
定格除湿能力は、仕様表によれば「室温27℃で相対湿度60%」の環境で、「1日8.5L(50Hz)」ということになっている。27℃で60%という条件に、1日だけ近い日があったので、日中は「除湿」モードで使い続けてみた。すると何度も交換するほどではなかったが、1度だけタンクが満水になった。
運転音に関しては、35〜50dB。昼間に窓を開けて使っている分には、ほとんど気にならない。
ジメっとしていた日の就寝時に、部屋と廊下の境界線上に設置して使ってみた。さすがに「除湿・強」で使うと音が気になるが、「除湿・弱」運転にすれば、眠気の方が勝ってすぐに眠れた。ただし小学生の息子は、キーンというような高音域の音が若干気になると言っていた。大人には聞こえない音がしているのかもしれないが、そう感想を語った息子も、その後すぐに眠ったので、常に気になるほどではないのだろう。ちなみに「静音モード」のような設定は用意されていない。
部屋干しが怖くなくなった
今年は梅雨入り前から、スカッと晴れる日が少なく、曇または雨の日が多いような気がする。そこで、洗濯乾燥機を持っていない筆者宅では、もっぱら部屋干しする機会が多い。
これまで部屋干しする際には、扇風機の風を当てることもあったが、今年は除湿機の「衣類乾燥」モードを使っている。感覚値だが、扇風機の時と比べて、乾燥までの時間が短縮された気がする。同じ条件で扇風機と除湿機とを比較できないので「気がする」としか言えないが、干している服を触って「あぁ……まだ乾いていないなぁ」と思う回数は、確実に減った。
同機には「消臭」モードがあるわけでも「イオン」を放出するわけでもないが、比較的に短時間に乾かせるからなのか、生乾き臭が気になったことはない。我が家は天日干ししたい派だが、除湿機があれば「部屋干しでもいいよね」と思うようになった。
また電気代については、仕様表の消費電力から推測すると、1時間で8〜10円くらいになる。
上の記事を書き終わってからのことだが、関東では6月10日に梅雨入りした。窓を全開にした状態で、部屋に設置している温湿度計は、室温が26℃で湿度は73%を示している。シロカのコンプレッサー式除湿機に内蔵されている湿度センサーも、同じく73%と表示している。温度が高くないためジメジメとした不快感はない。
そんななか、洗濯を終えて8時前後に部屋干しを始めた。タオルやワイシャツなど綿生地で乾きにくい衣類だけを集めて、9時頃から「衣類乾燥」モードにして風を当て始める。昼休憩の13時頃に確認すると、既にほとんど乾いていた。完全に乾いた洗濯物を取り込み、まだ湿っている衣類だけに、さらに除湿機の風を当て続けると、まもなくすべてが乾ききった。
まだ除湿機初心者なので、どんな環境で役立つのかすべてを把握できていないが、梅雨の部屋干し時には確実に役立っているし、梅雨に限らず、冬の衣類が乾きにくい日にも活躍してくれるはずだ。
今後は浴室に伸縮ポールを取り付けて、浴室乾燥機のように使うことができないかを検討したいと思う。もっと短時間で衣類を乾かせるのではないかと期待している。また夏には、ジメジメした不快感を解消できるのかも検証してみたい。