家電製品ミニレビュー

温かいスチームで熟睡! 睡眠中の乾燥を防ぐオムロンの「パーソナル保湿機」

ベッドサイドで顔周りだけを保湿する「パーソナル保湿機」

 寒くなり、乾燥も気になる季節になってきた。特に寝起きは、喉が痛くなることが多く、風邪かも……と不安になることがある。

 そこで、オムロンヘルスケアと三菱電機が共同開発した「パーソナル保湿機 HSH-101」を使ってみることにした。スチーム発生口から約50~75cm先までを潤す、顔周りなどの集中保湿に適した製品だ。

メーカー名オムロン ヘルスケア
製品名パーソナル保湿機 HSH-101
購入場所Amazon.co.jp
購入価格28,312円

 パーソナル保湿機は、ベッドサイドに置いて睡眠中の使用を推奨している。加湿方式はスチーム式で、水を沸騰させて蒸気を放出する。約45℃の低温スチームと常温風が同時に吹き出す構造で、スチームの上部から常温風が吹き出すため、スチームが上昇せず顔周りにしっかり届けられるという。

 約50~75cm先までと、狭い範囲での使用を推奨しているため、タンク容量は1Lと小型。本体幅は約15cmでサイドテーブルに置きやすい。タンクは小型だが、運転時間は連続モードで約4時間、間欠モードで約8時間となっている。睡眠中の使用と考えると十分だろう。

本体
使用する際は送風ダクトを前に引き出す
真ん中の網目がスチーム発生口。上部から常温風が同時に吹き出すため、スチームが上昇せずまっすぐ顔周りに届く
電源コードは取り外し可能。持ち運びやすい
本体カバーを外すとタンクが現れる
タンク容量は約1L。顔周りだけに使うため、小型化を実現している

 さっそくベッドサイドに置いてみた。パーソナル保湿機を使用する際は、吹き出し口と顔を最適な距離に保つ必要がある。前述のとおり、発生口から約50~75cmの距離に顔が来るようにし、高さも顔と同じになるようにする。

 筆者はもともと、ベッドと同じ高さのサイドテーブルを置いていたので問題なかった。また、普段使っているシングルベッドは幅が約120cm。吹き出し口からベッドの真ん中までは約60cmだったので、距離も難なくクリアできた。人によっては、設置環境が整わない場合もあるので、それに応じたサイドテーブルなどを用意する必要があるだろう。

スチームが約50~75cm先に届くようにする。
シングルベッドの真ん中は約60cmだったので問題なく設置できた

ホットタオルのような気持ち良さ! 温かいスチームで熟睡

 運転を開始すると、しばらくは涼しい風が送られてきた。スチーム式なため、水を沸騰させているからだ。約4分で温かいスチームが発生し、顔周りに届き始める。スチームは約45℃ということで、心地良い温かさだった。ホットタオルを顔に当てたように気持ち良く、それだけでぐっすり眠れてしまった。

 これまで使っていた加湿器は、気化式や超音波式のもので、加湿されても水が冷たくなってしまっていた。加湿しているはずなのに部屋が冷え、かえって風邪を引きそうになることもあったが、パーソナル保湿機はその心配もない。間欠モードなら8時間後まで運転できるため、朝起きた時にも温かいスチームを浴びられる。寝起きの喉もイガイガすることがなくなった。

 また、顔にうまくスチームが当たらない場合は、常温風の吹き出し口にある送風ダクトを調節すれば問題ない。ダクトの方向によって、スチームの向きを上下に変えられるので、細かい調整が可能だ。

送風ダクトで常温風の風向きを調整
ダクトを上に向ければスチームも上向きに
下方向にも調整可能。顔に直接スチームが届くようにする

 電源を入れた際は、まず8時間の間欠モードで運転がスタートする。これは、運転開始後と終了前の1時間は連続でスチームを発生し、間は電源のON/OFFの切り替えて断続的にスチームを噴出するモード。

 従来モデルでは、間欠運転時のON/OFFの切り替え音が気になるという声があったが、HSH-101では切り替え音をソフトにして音の聞こえ方を改良したという。実際、睡眠中に音が気になることはなく、しっかり睡眠を取ることができた。

 連続でスチームを発生させたい場合は、タイマーボタンを何度か押すと、ランプ表示が消え連続モードになる。この場合の運転時間は4時間なので、朝起きた時には運転が停止していた。

 間欠モードで運転しながら、表示ランプを消したいときには、タイマーボタンを3秒以上長押しするとランプが消える。睡眠中に光が気になる人にオススメだ。

電源を入れるとまず8時間の切タイマー設定で間欠モードで運転スタート
タイマーボタンを押すごとに運転時間を変えられる
押し続けると全ての表示が消え、連続運転モードになる
間欠運転でランプを消したいときは、タイマーボタンを3秒長押しする
電源ボタンを3秒以上長押しするとスチームが出ない送風モードに。暑い時期の使用がオススメ
タンクの水がなくなると雫のマークが点灯

サボテンマークで乾燥状態を知らせてくれる

保湿が必要な湿度環境になるとサボテンマークの「保湿ナビ」が光る。湿度が40%前後のときに点灯した

 また、HSH-101で新搭載された機能に「保湿ナビ」がある。本体には温湿度センサーが備えられており、肌や喉のうるおいが必要な温湿度環境になると、サボテンマークの「保湿ナビ」ランプが点灯して知らせてくれる。

 保湿ナビランプは、電源OFFの状態でもコンセントを差しておけば光る仕組みだ。本体の隣に温湿度計を置いてみたところ、湿度40%前後になるとサボテンマークが光っていた。

 夜、ベッドに入る前にタンクに水を入れるようにしているが、疲れているときは面倒になりがち。しかし、サボテンマークが光っていると、きちんと保湿しなくてはと思え、使用頻度がぐっと上がった。

手入れはカンタン! コードがなくて持ち運びやすい

 加湿器で必要なのは、定期的なお手入れ。

 手入れをするのは、蒸気発生部分のフードや蒸気ガイド筒など。パーツは取り外しやすく、電源コードも取り外しできるので、簡単に持ち運べる。本体に少量残っている水は捨てる必要があるが、パーツを全て外した本体は軽く、片手で持ててしまうので排水しやすかった。

本体カバーを外す。左側が蒸気発生部分になるため、週に1回を目安に掃除する
フードを外す
蒸気ガイド筒を外すとクリーニングフィルターが見える
全て取り外したところ。電源コードも取り外せて、片手で持ててしまう
水が少し残ってしまうため排水する。くぼんでいて排水しやすい

 水を加熱する蒸気皿は、3週間ほど手入れをしなかったら白い水アカが付着していた。しかし、水で流せばキレイに取れ、最後に水拭きすれば問題なかった。水アカは放置すると固まってしまい、加湿能力が落ちるのでこまめに手入れしよう

 排水前に外したフードや蒸気ガイド筒などは、水洗いするだけ。いずれの手入れも週に1回を目安に行なう。加湿器は手入れが面倒なイメージだが、この製品はパーツが取り外しやすく、全て小型なので煩わしいと感じることはなかった。

水を加熱する蒸気皿は水拭きする
取り外したフード、蒸気ガイド筒などは水洗いする
クリーニングフィルターはもみ洗い

 パーソナル保湿機を使って思ったのは、顔周りが温かい蒸気に包まれてとにかく気持ち良い! ということ。使用していない時よりもはるかに睡眠の質が良くなり、目覚めがスッキリするようになった。寝起きの乾燥もしなくなり、風邪予防にもつながっている。

 水を沸騰させるスチーム式なため、電気代は超音波式などに比べるとやや高く、8時間運転した場合で約21円。しかし、蒸気の心地よさやぐっすり眠れることを考えると、ぜひオススメしたい製品だ。

西村 夢音