家電製品ミニレビュー

軽くてコンパクト! ハンガーにかけたままシワ伸ばしできるパナの「衣類スチーマー」はやっぱり便利

 パナソニックの「衣類スチーマー」が売れているらしい。初代「NI-FS300」の発売は2013年11月だが、今年8月末、丸3年を待たずにシリーズ累計で出荷台数100万台を突破したという。

 筆者もこれまで、メーカーを問わずいくつかのスチーマーを使ってきて、それなりに便利さは感じてきたが、今回改めてパナソニックの衣類スチーマーの最新モデル「NI-FS470」を使いながら、その魅力に迫ってみたい。

パナソニックの「衣類スチーマー NI-FS470」
メーカー名パナソニック
製品名衣類スチーマー NI-FS470
実売価格7,726円(Amazon価格)

 衣類スチーマーはアイロンではなく、蒸気の力でシワ伸ばしするスチーマーだ。基本的に衣類をハンガーにかけて使用するため、わざわざアイロン台を出す必要がない。

 またアイロンに比べると、かなりコンパクトで軽いのも特徴の一つ。手の届きやすい場所にしまっておき、使いたいときにさっと使えるので、アイロンが苦手な人でも、多少はやる気になれるというわけだ。当然持ち運びも苦にならないため、出張や冠婚葬祭でスーツ、礼服を持って出かけるときに、一緒に持ち運んでいる人も多いと聞く。

本体サイズは、70×150×140mm(幅×長さ×高さ)、重量は約690g。持ってみると、その小ささと軽さがわかる
かけ面がフラットなので、アイロンとしても使える

 見たところは “ミニアイロン”といった感じ。かけ面の中央に縦1列、スチーム穴が空いており、スチームボタンを押すと蒸気が出る。前後が細いラウンド形になっているため、ギャザーやタックのすき間にも入りやすそうだ。

 ちなみにスチーム穴から放射状に伸びる溝は、スチームを広くゆきわたらせるための一工夫だそうだ。

レーヨンなど化学繊維のシワ伸ばしは超ラクラク

 ではさっそく使ってみよう。準備として、スチーム用の水をタンクに給水しておく必要があるが、タンクは取り外せないので、付属の専用カップに入れた水を注ぐ。ただしスチーマーは立てられず、注水口も狭いため、こぼさないよう慎重に入れなくてはいけない。

 水を入れたら本体をスタンドに置き、あとは電源をオンにスライドするだけ。だいたい30秒で温まり、使用できる状態になった。この立ち上がりの早さは、忙しい朝に嬉しいかも。ただし取扱説明書には、「あと20秒待つと、シワが伸びやすくなる」とあるから、実質は50秒ということなのだろう(笑)。

注水口のふたを開け、専用カップから水を注ぐ
スタンドに置いて電源をオン。赤い通電ランプが、点滅から点灯に変われば、使用できる

 スタンバイできたら、ハンガーなどにかけた衣類のシワが気になる部分にかけ面を向け、スチームボタンを押す。するとシューッと音を立てながら、白いスチームが噴射されるというわけだ。

 連続スチーム噴射時間は平均4分とのことだが、押している間だけ出るのでムダがない。前に、電源を入れたら勝手にスチームが出続けるスチーマーを使ったことがあるが、シワを探したり、洋服の向きを変えたりしているうちに、あっという間にスチームが切れてしまった。

スチームボタンは、ハンドルを握ったときの人指し指部分にあり押しやすい
ちょっと見えにくいが、結構な量のスチームが噴射された! その量、平均約11g/分。前モデルより増えている

 まずはお気に入りのブラウスのシワを伸ばしてみる。こちらは洗濯するたび、なんだかヨレヨレしてしまうのだが、アイロンでピシっと決めるニュアンスの服でもないし、センターにふんわりギャザーを寄せた部分はアイロンをかけにくい。素材は「レーヨンとポリエステル」とある。

 そこでシューッとスチームをかけてみると……あっという間に細かいシワが取れた!

アイロン前。全体によれっとしたシワがついている
スチームを当てたところから見る見るシワが伸びていった
センターの飾り部分も、アイロンジワをつけることなく伸ばせる
裾についた細かいシワも……
一度当てただけでスッキリ!
1分程度で、全体のシワはほぼなくなり、すぐに着られる状態になった

 続いて、やはりレーヨンがメイン素材のワンピース。こちらも簡単にシワ伸ばしできた。素材がスチームに適していたようだ。夫のスーツの背広のシワは、完全にはとれなかったものの、1分程度で恥ずかしくない程度にキレイになった。

1枚で着るものだけに、余計にシワには気を遣いたいワンピース
スチームを当てるだけで、ご覧のとおり
イスに座ると、どうしても背中や裾にシワができるらしい
短時間でもそれなりにキレイにシワが伸ばせた

 ここまで使った限り、衣類スチーマーはやっぱり便利! もうアイロンなんてかけていられないわ~!! という気分だが、実はすべての洋服でこの達成感が得られるわけではない。コットン素材がとても苦手だ。

コットン100%のシャツ。アイロンがけなしでは着られないほどヨレヨレだ
スチームを噴射し続け、プレス面まで当てながら伸ばしていく
3分程度やって、これくらい。疲れてしまった(笑)

最新モデルは左利きでも使いやすい構造に

 冒頭に述べたが、衣類スチーマーはアイロンではない。ゆえにシワ伸ばしはできるものの、アイロンがけとは違うため、ピシッと伸ばしたい素材には向いていないのだ。

 ただし、深いシワでなかったり、一部のシワが気になるという場合は、十分威力を発揮してくれる。またふんわり仕上げたい服の場合は、むしろ衣類スチーマーのほうが適している場合もある。スチームだけで落ちないシワは、プレスで伸ばせる2WAYなのも便利だ。

 ちなみに左利きに筆者にとって、最新モデルは嬉しい進化を遂げていた。それは、360度どの方向に傾けても、スチームが出るということだ。実は前モデルは、左に傾けたときはよかったものの、右に傾けるとスチームが出ないという構造上の弱点があった。

 だが左利きの人は、つい右側に傾けて使いたくなる。すると、途中でスチームが出なくなるわけだが、そんな事情を知らない筆者は、「なんかスチームの出方にムラがあるな」と感じていた。

 しかし最新モデルは360度使えるようになったため、どの角度でもたっぷりのスチームが出て、ストレスなく使える。これは左利きの人に限らず誰もが、使い勝手が向上したと感じるポイントだろう。

左利きは、左側に傾けるのが苦手
右回りに大きく動かしても、スチーム量が減らなかった

これからの季節にますます活躍する衣類スチーマー

 以上、さまざまな衣類のシワ伸ばしをしてみたが、衣類スチーマーはやはりあると便利な1台だ。アイロンの代わりになるとは言いがたいが、アイロンと上手に使い分けると、アイロンの手間が減ることは間違いない。

 またスチームは消臭効果もあるため、これからの季節はコートやセーターなど、自宅で洗えない衣類のケアにも活躍する。コンパクトなので常に取り出しやすい場所にスタンバイさせておき、気になったときにサッと使えるようにしておきたい。

田中 真紀子

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