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【自転車を楽しもう!】ヘルメット着用は増える? 知っておきたい重要性と正しいかぶり方
2023年4月14日 08:05
2023年4月1日より、自転車走行時のヘルメット着用“努力義務化”がスタートしました。さまざまなメディアでも報道されており、大きな戸惑いがある人も多いかもしれません。レースにトレーニング、サイクリングの際には必ずヘルメットをかぶっている私ですが、正直、若干の不安や心配があるのも事実です。それは「果たしてヘルメット着用が増えるのだろうか? 乗る人が減らないだろうか?」ということ。そんな現状も踏まえて、自転車に乗り続けて25年の私からヘルメットについて、いろいろお届けしたいと思います。
ヘルメットには感謝しかない! 自転車に乗るすべての人の頭を守る
自転車競技とは切っても切り離せない“落車”。選手時代にはたくさん経験しました。落車とは……自転車走行中の転倒のことです。「タイヤのグリップを失う」「前走者などの転倒に乗り上げる」など自転車で転ぶタイミングはとても多いです。
脳震盪でフラフラしたり、ヘルメットがボロボロになるケースの落車もあります。きちんとヘルメットをかぶっていなければ、大怪我では済まされないレベルで頭を打っていた経験が多くあります。今までもこれからも私を守ってくれるヘルメットには感謝しかありません!! そんな経験をした私でも、「努力義務」でヘルメット着用が浸透するのか不安や心配もあります。
・ヘルメットを常に持ち歩くのか?(シェアサイクルなどはどうする?)
・ヘルメットの持ち運び方法はどうする?(リュックを大きくするのか?)
・髪型を気にする人も多いだろう(私は基本ワックスなどでセットする習慣がありません・笑)
・ちょっとした移動時に着用してくれるのか(近所のコンビニやスーパーなどへの買い物など)
サッと挙げてもこれらの心配事があります。同じような思いの人も多いのではないでしょうか。日頃から髪形に無頓着な私ですが、特に女性や自転車通勤をされる人にはハードルが高くなる気がしています。
ただし、ここでお伝えしたいのはヘルメットの必要性や重要性です。ヘルメットは競技や趣味でスポーツバイクに乗る人だけでなく、ちょっとしたサイクリングや一般生活で自転車に乗るすべての人に必要なのです。
予期せぬところで事故は起こる。ヘルメットで死亡率が下がるデータも
これから自転車を趣味にしようとする人、買い物などの日常生活を利用する人を脅かすわけではありませんが、2輪である自転車はいつか倒れる可能性があり、安全運転を心がけている自分に落ち度がなくとも、事故に遭う恐れもある乗り物なのは事実です。
極論ですが「自転車で外に出ない」ことが、いちばんの安全策です。しかし、そうもいきません。駅までの移動や買い物など、日常で自転車が必要する人にとっては、「乗らないこと」は選択できないでしょう。
では、どうするのか? どう守るのか?
答は安全運転を心がけながら「自分の身は自分で守る」「事故に遭わない、転ばないようにする」ことです。
すごく簡単に聞こえるかもしれません。しかし、私もたまに転びます。過信が原因に繋がっていることもあります。誰でも乗れる自転車ですが、そこには技術も必要です。ビギナーや交通手段として自転車を活用する人こそ、転ぶ可能性が高いことを意識し、転んだ時の対策としてヘルメットが必要になります。
当たり前ですが、自転車で転ぶと地面に転がることになります。そのタイミングで怪我をしやすい箇所は、手のひらや肘、膝、そして頭です。手袋や肘・膝当てをするのもオススメですが、頭を守るのはヘルメットです。ヘルメット着用が万が一の時の死亡率が大きく下がるというデータもあります(参考:警視庁「~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~」から)。
どんなヘルメットを選んだらいい?
初めてのヘルメット選びの場合は、どんなモデルを買えばいいのかわかりませんよね。ロードバイクやMTB、さまざまなメーカーから幅広いモデルが発売されています。例えばシティサイクルで通勤や街乗りメインならば、見た目も含めて大袈裟に感じてしまうかもしれません。最近では帽子のような気軽にかぶれるデザインのモデルまでラインナップも増えています。価格もピンキリです。オススメはしませんが、ネット通販では1,000円くらいのモデルを見かけることもあります。
では、ヘルメットを選ぶ基準はなんでしょうか?
基本的には頭を守るためのものなので安全性を重視しましょう。安全性とは、ヘルメット内部で頭をうまく保護してくれて脳震盪などのダメージを防ぐシステム(機能性)を搭載していること。そのため、価格も高めになってしまうため、なかなか手を出しにくいかもしれませんが、重要なポイントでもあります。
また、ヘルメットには使用期限があり、一般的には3~5年程度と言われています。どんなに良いモデルでも劣化によって使用できなくなってしまいます。いつ作られたか分からないヘルメットを買ってしまうと、手元に届いたタイミングですでに使用期限が迫っている可能性があることも……。信頼できるショップで購入するのが確実でしょう。
そして、サイズ選びもとても重要です。頭や顔の大きさ、形状。人それぞれまったく違うと言えます。欧米人とアジア人では頭の形が異なり、例えば日本人向けには「アジアンフィット」が用意されていますが、日本人でも欧米人の形状がフィットする人もいます。フィット感を確かめるためにも、試着して確実に頭に合ったモデルを選ぶことが必要です。
ファッション性と安全性を兼ね備えたモデルも
できればファッション性と安全性を両方兼ね備えたモデルがいい、という人も多いでしょう。デザインに関しても大切な選択の1つです。価格が少し高めだとしても、納得したものを買うことが長くかぶり続けるために必要なことです。前述しましたが、実は少しずつファッション性の高いヘルメットも増えています。
また、スポーティーな印象のヘルメットもサイクリングキャップなどを併用することで、ラフな見た目にもなります。使い方次第ではかっこよく使え、実はスーツなどにうまく合わせることもできます。私が願っていることでもありますが、ファッションの一部として楽しんでほしいです。
コロナ禍の始まりは、マスク着用に抵抗もありましたが、時を経て慣れてしまうと、今や外したくない! という人もいます。ファッションの一部にもなったのです。マスクをするとお化粧が……という女性も減ったように思います。
遡りますが、ヘルメット繋がりといえばオートバイも一緒ですよね。かつてはノーヘルが当たり前という時代もありましたが、法律の改正とともに、今では当然のようにヘルメットが着用されて、日本ではノーヘルのオートバイを見ることはほぼなくなりました。最初は慣れない部分があったかと思いますが、「慣れないから」「昔は……」という理由でかぶらない人を見たことがありません。ヘルメットも機能だけでなく、デザインも進化しているので、自分好みのモデルを選ぶ人も多いでしょう。
これらの例から言えることは「慣れ」が大きいということです。業界側の課題は大きいでしょう。いかにデザイン性と機能性の高いヘルメットを生み出し、着用や持ち運びのハードルを下げることができるのか?
そして、みなさんも一度ヘルメットをかぶり出したら、お金では買えない安心感とともに、ノーヘルでは怖いという感覚が生まれてくれると思います。少しずつハードルが下がっていき、ファッションにヘルメットを取り入れようとなってくれると嬉しいです。
頭を守るためにヘルメットを「正しく」かぶろう
ヘルメットの重要性を紹介してきましたが、それはヘルメットを「正しくかぶっている場合」というのが前提になってきます。正しいヘルメットのかぶり方をご存じですか? もしかしたら多くの人が「なんとなくかぶっている」かもしれません。
街や自転車イベント会場でも、ヘルメットの残念なかぶり方が多く見受けられます。設計とは違うかぶり方は、万が一の際に機能を発揮してくれないことや別のリスクを生むことがあります。最後に正しいかぶり方をご紹介します。
1.ヘルメットのダイヤルを緩め、ヘルメットの紐が丸まっていないことを確認してください。
2.ヘルメットの前後を確認して、前側から眉毛の上に合わせるようにかぶってください。紐がしっかり表に出ていることも確認してください。
3.前頭部付近のヘルメットを軽く抑え、調整ダイヤルを回して頭にフィットさせてください。その時、軽く頭を振ってヘルメットが動かない程度に締めると良いです。
4.ヘルメットの紐が耳の位置で「V字」になるように調整してください。 メーカーやモデルにより固定力の高さや動きやすさなどさまざまです。すぐ動く場合は都度調整をする必要があるので、そのあたりも購入の基準になるかと思います。
5.紐を締め、長さを調整しましょう。2本の紐の長さを一定にして締めてください(1本しかないモデルもあります)。指が2本程度入る長さがちょうど良いとされています。長すぎると外れてしまい、短すぎると苦しいです。紐が短く、顔に合わないものもあります。しっかりとした長さを残せるヘルメットを選んでください。
これらのステップを守れば誰でも正しくかぶれますので、ぜひ試して安全な自転車生活を送ってくださいね。
おまけ:日々ヘルメットを着用する際に相性の良い髪形
最後にヘルメットをかぶると髪型が心配……という人に向けて、私の独断でオススメの髪型をお伝えします。特に髪が長い人はポニーテール時に被りやすいヘルメットなどもあります。髪型の崩れには、まだまだ対応できない部分も大きいでしょうが、……という選び方もあることを知っていただきたいです。
1.坊主
ヘルメットだけでなく、キャップにも強いですよね。坊主がいちばん最強です。
2.(低め)ポニーテール
日頃のファッションとしても、ヘルメットをかぶる際にも跡などに左右されない印象です。
3.パーマ・くせ毛
パーマやくせ毛の人はヘルメットを脱いでも髪型が崩れにくい印象です。
逆に直毛の人は少し気を使うかもしれません。私も直毛ですが、短いとヘルメットの跡がつきます。寝癖がつきやすい毛質の人の対策はまたご紹介したいと思います。
これまでにヘルメットを着用して来なかった人には、不慣れな部分もあるかと思いますが、ぜひ日常にヘルメットを取り入れていただけると嬉しいです!!