e-bike日々徒然

グラベルロードで自転車生活が充実!! 楽しさのきっかけはe-bikeだったかも

こんにちは、サイクルコーディネーターの#13cRR 平塚吉光です。今年の夏も猛暑予報ですが、暑さや体調に気を付けながら充実した自転車生活になることを願っています。

ちなみに私の最近の自転車生活はとても充実しています!

もともと選手として活動していたことは何度かお伝えしていますが、選手時代は「常に速く走る」ことを頭に置いて活動していました。そのため、どこに行っても余裕がなく、本当に追い込まれていた時の記憶は残念ながらほぼありません。もちろん、楽しかった記憶もありますが、街の風景などをまったく覚えていなかったりします。

そんな私に自転車の楽しさを再び教えてくれたのは、「e-bike」だと思っています。"速く走らなくてもいい”世界線に強制的に戻ることができた印象です。e-bike Watch読者のみなさまと同じように、e-bikeの楽しさを実感する日々です。

e-bikeもさまざまなカテゴリーの車種が増えていますが、グラベルロードが気になる人も多いのではないでしょうか。また、e-bikeで自転車の楽しさを実感し、ペダルバイクにも興味が出てきて使い分けたい人もいるかもしれません。e-bike部・清水氏もその一人です。今回はグラベルロードについてお伝えしたいと思います。

清水氏もe-bikeをきっかけにペダルバイクも楽しんでいます

「自転車らしさ」を味わえるのがグラベルロード

e-bikeでの走行やレンタサイクル、ガイドツアーでの初心者の方との触れ合いで、私は自転車本来の楽しみ方を思い出しました(あるいは初めて知った?)。そして、ロードバイクやクロスバイクでのサイクリングを嗜むようになったわけですが、ロードバイクだとレースポジションに近づいてしまう……、クロスバイクだと空気の抵抗を感じてしまう……という状況でたどり着いたのがグラベルロードでした!

以前の記事でもお伝えしましたが、自転車にはそれぞれ用途があります。

ツーリング、走り、オフロードなど、さまざまなニーズの楽しみ方をバランス良く実現させてくれるのがグラベルロードなのです。

昨今の自転車業界には、速くバランス良く走れるエンデュランスモデルも登場しています。一方でグラベルロードはゆっくり、そしてがれた山も突き進める特徴があります。のんびりを目標にした走行を楽しむ私にはグラベルロードがぴったりでした!

昨年購入した愛車のトレック「Checkpoint(チェックポイント)」

グラベルロードはロードバイクに近いものからMTBに近いモデル、価格もピンキリですが、おおむね多くのシーンでうまくアジャストしてくれます。もしかしたらグラベルロードこそ、"古き良き自転車らしさ”を持ったオーソドックスな自転車なのではないだろうか? と感じているところです。

最近のロードバイクでは当たり前のようにエアロや軽量、MTBならサスペンションが装着されています。そんな当たり間がなかった時代の自転車に一番近いのがグラベルロードだと感じます。

最新の性能が悪いわけではない

もちろん、グラベルロードが最高でロードバイクやMTBと比較する話ではありません。上記の最新の性能を備えるモデルには理由があり、時代のトレンドもあります。否定もしませんし肯定していきたいスタンスですが、私にとっては「オーソドックス」が自転車を楽しむには欠かせないポイントの1つだからです。

オーソドックスな自転車で楽しさが広がっています

「ドロップハンドル(丸く曲がったハンドル)が格好いいから!」ロードバイクが欲しいという方も多いです。そして、速さを求めないケースもしばしば。その方たちにはロードバイクで速く走ることよりも、単純にドロップハンドルの自転車に乗りたいということです。そして、現実は自転車の扱いに苦労し、「タイヤは太いほうが……」というケースが多いのが個人的な印象です。

それらのニーズに応えてくれるのがグラベルロードだと考えます。ロードバイクのような雰囲気を醸し出し、太めのタイヤのセッティングが可能。タイヤの太さが地面からの振動を和らげてくれ、道路の溝などの影響を受けにくいため、初心者でも比較的安全に、そしてラクに走りやすい自転車です。

太めのタイヤは走りやすいので、初心者の方でも安心感があるでしょう

グラベルロード購入で自転車生活が大きく変化

自転車はスポーツでありながら、移動手段でもあり、幅広い用途に対応できる"万能な乗り物”です。いまの私のスタイルにマッチするグラベルロードを購入してから、自転車生活が大きく変わりました。

現在では、サイクルレッスンから輪行旅まで幅広く活躍しています。トレーニング要素が強いライドではロードバイクを準備しますが、それ以外はほぼグラベルロード! という日々です。もちろん、e-bikeにも喜んで乗っています。

個人的にはハンドルバッグやサドルバッグを付け、時に必要最低限で少しレーシーなスタイルです。少し難易度は高いですが、ホイールごとに違うタイヤをつけておくと走行に合わせてチョイスすることも可能です。

この日はグラベルタイヤをチョイス
地元をのんびりサイクリング

38mmのグラベルタイヤと28mmのロードタイヤをそれぞれ付けたホイールがあります。グラベルでのんびり走る際は空気圧を低めにして気持ち良く、少し頑張る時はロードタイヤでキビキビ走れる仕様です。

e-bike Watchでの初記事の際にも触れていますが、現役引退後には自由なサイクリングを楽しもうと決めていました。

遂に昨年5月には寝台特急を利用した自転車旅にチャレンジし、8月にはグラベルイベントにも参加しました。まったく方向性の違う2つのイベントが同じ自転車でこなせる奇跡! 楽しめちゃいますよね!!

鉄道デビュー
鉄道だけでなく船も体験
グラベルイベントにも参加
楽しく走ることができました

そして、ダボ穴と呼ばれるネジ穴が車体のあちこちに付いており、専用バッグや荷物台なども装着できるため、ツーリングやキャンプなどにも使いやすい自転車でもあります。用途を選ばずにどんなシーンでもサイクリングを楽しませてくれるのがグラベルロードです。移動手段としてもスポーツでも自転車の広範囲を楽しめます。

e-bikeとノンアシストのペダルバイクもあり!?

私は「自転車の楽しみ方は人それぞれ」がモットーです。

スピードを競う選手だった私に自転車の楽しみ方を教えてくれたe-bikeに乗るように、e-bikeを楽しむ人がペダルバイクに乗りたい! と考えても必然であり間違いではないのです。

自転車業界に身を置く私としては、e-bikeがきっかけでサイクリストになり、ペダルバイクも楽しんでもらえるのであれば、それはとてもうれしいことです。単純に興味を持ってくださる方が1人でも増えれば、自転車に対して愛のある運転をしてくださるドライバーさんが増えることにもつながるでしょうし、道路で歪み合わない共存の世界に少しでも近づくはずです。

実は自転車が安全に走れることはサイクリストにとってはもちろん、普段ママチャリと呼ばれるシティサイクル生活をする方にとってもとても大切なこと。スポーツや日常使いの差は存在しません。

日本の道が走りやすくなるためには、自転車へ少しでも思いを持った人が増えることがとても大切です。e-bike乗り→サイクリスト(e-bike含め車種問わず)になると嬉しいです! 特にe-bikeで「自転車という楽しい乗り物」に気付いた方には、アシスト有無に限らずグラベルロードがオススメだということをお伝えしておきます。

人生にはいろいろなチャレンジがあると思います。すでにe-bikeにハマっている方は「購入」や「試乗」というチャレンジをした証ともいえますね。私もe-bikeで自転車の楽しさを再確認しました。

今度はオフロードにもチャレンジしてみませんか? 走行環境などまだまだ不安がありますが、グラベルロードであればオフロードでもオンロードでも楽しめます。何かを始めるのには縁起が良いと言われる辰年もまだ半分残っています!

グラベルロードでのオフロードはオススメです
もちろん舗装路をのんびり気ままに走るのも楽しいです
そして好きな場所を自由に走りましょう
平塚吉光

元プロロードレーサー。引退後、サイクルツアーなどを中心にe-bikeにハマり、自分の中での自転車の可能性を広げ続けるサイクリスト。ロードもトラックもMTBも、もちろんe-Bikeも大好きです。Instagram:@yoshimitsu_hiratsuka Twitter:@yokkun1113