トピック

【自転車を楽しもう!】e-bikeなどスポーツバイクを始めるのに必要なアイテムとは?

サイクルツアーにアドバイザー、コーチングにフィッティング、解説まで「自転車のことなら」なんでもやる#13cRRの平塚です。前回は「自転車の種類」について解説しましたが、今回はスポーツバイクを始める際に揃えたほうがいいアイテムをご紹介します。

日本ではかねてより、自転車が交通手段の1つとして機能してきました。免許がなくても手軽に乗れる自転車は、自分の力で遠くに行ける感動を与えてくれる素晴らしい乗り物です。日本では主にシティサイクルタイプのママチャリ文化が栄えてきました。前回にご紹介したように、買い物や比較的近場の移動に適しており、ハードルが低くチャレンジしやすい自転車です。

一方で、e-bikeを含むスポーツバイクは、シティサイクルと同じ自転車でありながら、まったく違う乗り物ともいえます。車体以外に準備が必要なアイテムもあります。

ペダルが別売りのケースが多い

スポーツバイクを扱う自転車屋へ行ったことはありますか? 初めてショップに行った方に「ペダルは?」とよく聞かれます。実はスポーツバイクにはペダルが別売りのモデルが多いのです。e-bikeでは付属するケースも多いですが、ペダルがないモデルもあります。

また、ペダルは大きく分けると、フラットペダルとビンディングペダルの2種類があります。スニーカーなどで乗りやすいのがフラットペダル。よりスポーツ走行を楽しもうとすると、専用シューズでペダルに足を固定するビンディングペダルに辿り着きます。ビンディングにも種類がありますが、どれを選ぶにせよ使用用途が大きく影響してきます。

フラットペダルを使用する場合でも、標準装備のペダルでは、グリップ感やサイズ、デザインなど満足できないケースもあります。さまざまな種類があるので、ショップで相談するのが一番良いと思います。そして、愛車で最初にカスタムしやすいポイントでもあるので、自分好みのカスタムへの第一歩としてもオススメです。

ペダルの種類は豊富(写真はシマノの公式サイトより)

実は必要な「アレ」もいろいろ付いていない

カギ

まずは愛車を守るために必須のアイテムが「カギ」。残念ながら……自転車は盗難されやすい乗り物です。シティサイクルではサークルロックが標準装備ですが、ほとんどのスポーツバイクにはカギが付いていません。これがなければ自転車で外出を楽しめないマストアイテム。

ワイヤーロック、U字ロック、チェーンロック、ブレードロックなどがあります。サイクリング中に持ち運ぶことを考えると重量も気になりますが、できるだけ頑丈で切断されにくいカギをオススメします。

地面に固定されて動かすことができない柵やガードレールなどに一緒にロックする「地球ロック」、カギを2つかける「2ロック」を活用し、うまく防犯対策をしてみてください。

そして、自宅ではできるだけ室内保管したいですね。外出先においても、できるだけ目が届く範囲での駐輪をオススメします。昨今ではサイクリストが利用しやすい飲食店などの施設も増えています。そうしたお店を利用すると、置き場所にも困らないかもしれません。

シティサイクルしか経験がない方は、ペダルがないことに驚かれたかもしれません。実は、他にも必要なアイテムが「標準装備でない」ことが多いのです。サイクリングを楽しむ前に必要なアイテムからいきましょう。

カギにもさまざま種類があります。写真はABUSのダイヤル式アーマードロック(ABUSの公式サイトより)

ライト

続いて「ライト」。夜道を走る際に点灯するライトですが、クルマ同様に自転車でもライトの点灯は必須です。しかし、ほとんどのスポーツバイクはライトが標準装備されていません。

e-bikeであればバッテリーから電源を取るライトを標準装備しているモデルもありますが、通常のスポーツバイクでライト付きのモデルはほぼないでしょう。シティサイクルを購入する際には気にすることもないので、初めてスポーツバイクを購入する際には大きな違和感を持つ人が多いです。

また、道路交通法では後方は反射板でOKとなっていますが、若干の頼りなさを感じるのも事実。テールライトも使用したいところです。自転車は小さく目立たない乗り物です。日中でもライトを使用する「デイライト」をオススメします。

前後にライトを装着しての「デイライト」がオススメ(CAT EYEの公式サイトより)

スタンド

そして「スタンド」。シティサイクルでは当たり前ですが、こちらもスポーツバイクは基本的に付いていません。一部のクロスバイクでは標準装備のモデルもありますが、ほとんどのモデルではオプションパーツという考えていたほうがよいでしょう。センタースタンドやキックスタンドがありますが、カーボンフレームの車体はフレーム損傷の恐れがあるため、スタンドを装着できない場合もあります。

とくにe-bikeは車体重量があるため、むやみやたらに購入せずに、ショップの方に相談することをオススメします。また、スタンドがなければ「どうやって駐輪するの?」と思うかもしれませんが、その場合は立てかけて駐輪する必要があります。その方法については、別途ご紹介したいと思います。

e-bikeやスポーツバイクは基本的にはスタンドがありませんが、標準装備もあります

着用の努力義務化が始まるヘルメット

2023年4月より全国で自転車走行時のヘルメット着用の努力義務化が始まるのは、ご存じでしょうか?

自転車乗車時に転倒すると、自然と重たい頭から着地する可能性があり、大切な頭を守るためにはヘルメットは「絶対に必要」です。スピードが出るスポーツバイクはもちろん危険ですが、低速度のシティサイクルでもリスクは非常に高いのです。まだまだ“努力義務”という段階ではありますが、自転車という楽しい趣味を楽しむみなさんには、ヘルメットを着用してもらえたら嬉しいです!! 近々、ヘルメットにフォーカスした記事もお届けしたいと思います。

ヘルメットはスポーティなイメージがあるかもしれませんが、カジュアルなモデルも増えています(OGK KABUTOの公式サイトより)

あると便利なサイクリンググッズとは?

e-bikeやスポーツバイクを楽しむにあたって、「あると便利」なアイテムは数多くあります。楽しみ方によっても異なりますが、代表的なものをいくつかご紹介します。

リュックサック

シティサイクルとは異なり、「カゴがない」スポーツバイク。荷物はどうしたら? リュックサックを使用すると、サイクリングに必要なもの、外出先での買い物など、荷物の持ち運びが便利になります。

ハンドルに袋等をかけている人を見ることがありますが……前輪に巻き込んで転倒の恐れもあるため、絶対にオススメしません。ちなみに、私も高校生の頃にちょっとした買い物でトートバッグを前輪に挟んだ経験があります。そして、自転車を壊すとともに肋骨骨折をした……経験もあります。そんな痛い経験後は一切していません。みなさんがそんな悲惨な経験をしませんように。

サイクルウェア

サイクリング専用に作られたウェアは、やはり機能的に使いやすいです。通勤や街乗りでは必要ないかもしれませんが、ロングライドを楽しみたい人にはオススメです。

ロングライドではお尻に痛みを感じることもあり、「パッド」がついたスパッツやパンツを履くと緩和されます。サイクリストは「ピチピチのウェア」というイメージがあるかもしれませんが、カジュアルに着こなせるブランドもありますし、私服の下に着用するだけでも大きく変わります。自転車専用のソックスも一度履くと、きっと離れられなくなると思いますよ!!

アイウェア(サングラス)

風が吹いて目にゴミが入ったことはありませんか? 「自転車に乗っている=常に風が吹いている」とお考えください。むき出しの臓器とも言われる「目」はとても繊細です。

紫外線の影響も受けやすい部位です。さらに、風に乗って虫やゴミが目に入ることも……。ほかにも飛び石なども考えられますよね。眩しさもサイクリングでは危険につながりますので、ぜひアイウェアを活用しましょう。

荷物を運ぶのにはリュックサックが便利。自転車用のモデルはより使い勝手も考慮されています
アイウェアにもスタイルや好みに合わせてさまざまなモデルがあります

泥除け(フェンダー)

こちらは必要としない場合も多いですが、通勤・通学など普段使いする際には泥除けが欲しいですよね。後付けできるタイプの泥除けもあるので、使い方に合わせて検討してみてもよいでしょう。

なお、「安物買いの銭失い」になりやすいアイテムでもあります。高いモデルでもそこまでの価格ではないので、しっかりとした固定力があり幅の広いものを選ぶのがオススメです。身長によっても付けられるモデルも変わるため、十分に吟味してください。

ボトルケージ

自転車に固定するドリンクホルダーのことを「ボトルケージ」と呼びます。リュックサックのサイドポケットなどに飲み物を入れるのもいいですが、車体についていたほうが出し入れしやすくて便利です。

自転車用のボトルや一般的なペットボトルなど、微妙にサイズが異なるため、サイズ変更可能なボトルケージは便利です。もちろん、自転車用のボトルのみ使用する場合には、専用のボトルケージを使うとよいでしょう。価格もピンキリですが、スポーツバイクでスピード感を楽しむ場合には、固定力が高いものを装着することをオススメします。

ボトルケージは便利です

なお、サイズが違うボトルを使用すると入らない、もしくは走行中に飛んで行ってしまいます。ボトルが飛んでしまうと、他者の事故を招く可能性があり、非常に危険です。特に自転車用のボトルケージに500mlのペットボトルを使用するのはやめましょう。

スポーツバイクであったら「便利・嬉しい」アイテムはキリがないのが正直なところです。ただ、無駄に揃える必要もありません。使い方や楽しみ方に合わせて、みなさんが必要なアイテムを準備できるように願っておりますし、ご相談があればその手助けをしたいと思います!!

次回は着用義務化がスタートするヘルメットについて。その後は走行に向けてのアドバイスをできればと思います。スポーツバイクを購入しても、「どこを走ったらいいのかわからない」と悩む人も多いようです。まずはルート設定などからお伝えしていきます。

平塚吉光

元プロロードレーサー。引退後、サイクルツアーなどを中心にe-bikeにハマり、自分の中での自転車の可能性を広げ続けるサイクリスト。ロードもトラックもMTBも、もちろんe-Bikeも大好きです。Instagram:@yoshimitsu_hiratsuka Twitter:@yokkun1113