ダイキンのエアコンと空気清浄機、アートでカスタムできる新提案

The Art Line(作品名「ミラーボール」、作家：Fumie Shimaoka)

ダイキン工業は17日、家電にアートの発想や遊び心を加えた新ブランド「The Art Line(ジ・アートライン)」を発表した。薄型エアコン「risora(リソラ)」と「加湿ストリーマ空気清浄機(70タイプ)」の正面パネルに、伝統工芸やアート作品などのビジュアルを採用した新モデルを1月17日より予約開始した。

予約は「ダイキンソリューションプラザ フーハ東京・フーハ大阪」で受け付けており、購入者には2025年3月より順次製品が届けられる。

価格はオープンプライスで、店頭予想価格は前面パネルのデザインによって異なり、risoraは250,000円～275,000円前後。空気清浄機は99,000円～121,000円前後。

一般的にエアコンに高い性能を持たせるには大きなサイズが必要となるほか、部屋に合わせた白や黒、茶色などのカラーが主流となっている。その一方で、設計やデザインにこだわったホテル/商業施設が増えたこと、家庭でも家具やインテリアにこだわりを持って選ぶ人が増えたことなどを背景にThe Art Lineが企画された。

アート作品のほか、伝統工芸などの要素をとり入れた

エアコンや空気清浄機のデザインに、自然素材や絵画のようなテーマをとり入れたのが特徴。部屋に飾るアートを選ぶように、家電を選ぶ新たな提案としている。一人ひとりの要望に合わせたものづくりを可能にするセーレンのビジネスモデル「ビスコテックス」を応用することで実現した。

The Art Lineを紹介したダイキン工業の石井克典 執行役員 空調営業本部長

全57種類から好みや部屋に合わせたデザインを選べる

The Art Lineは、伝統工芸品や自然素材などの質感を表現。ART、NATURE、BLENDの3シリーズで全57種類のデザインを展開する。

The Art Lineは、ART、NATURE、BLENDの3シリーズで構成

購入にはまず東京または大阪のフーハへ直接訪問し、モデルや工事などを相談。見積もりが出て注文し、届くまでの期間は約2カ月。

ベースとなる本体の機能は、risoraが2023年モデル、加湿ストリーマ空気清浄機が2024年モデルと共通している。risoraの2023年モデルを持つユーザーは、前面パネルだけを購入して付け替えることも可能。交換は工具不要で行なえる。

パネルは工具なしで交換も可能

ARTとNATURE、BLENDそれぞれで異なる部屋の雰囲気に

伝統工芸品の質感を表現した「ART」は、「風」や「空気の流れ」をモチーフとした図柄を取り入れた。こだわりの調度品のような仕立てを空間に取り込み、上質な空間にするという。対象製品が届けられるのはrisoraと空気清浄機で2025年春頃。

「ART」シリーズでは、華やかに彩るために厳選された4種のアートも採用しています。水性ペンや絵の具など、様々な画材が生み出す独特のタッチを楽しめる。

アート作品は、障害を持ちながらも独自の個性で作品を手掛ける作家と契約するスタートアップ企業のヘラルボニーとコラボレーション。購入した製品の中から作品使用料が支払われることになる。

ARTシリーズの一例(作品名「ミラーボール」、作家：Fumie Shimaoka)

ヘラルボニーのビジネスモデル

「NATURE」は、自然由来の豊かな素材感をイメージしたシリーズ。最新インテリアトレンドをとり入れ、自然由来の豊かな素材感を再現。微細な凹凸まで表現し、深みのある陰影の表情を作り出す。製品が届くのはrisoraが3月中旬、空気清浄機が4月上旬以降。

「BLEND」は、モノトーンを基調としたカラー8色に、壁紙で用いられる定番の質感5柄を掛け合わせた合計40種類から選べる。risoraのみ展開し、製品が届くのは3月中旬以降。

NATUREシリーズの交換パネル

BLENDシリーズの交換パネル

エアコンを部屋に合わせたデザインに

セーレンのビスコテックスは「ほしいものを・ほしいときに・ほしいだけ」をコンセプトとしたビジネスモデル。多品種少ロット、在庫レスで生産する。1,677万色の色表現に加え、リアルな凹凸表現を実現。デジタルツールを活用したデザインのサンプル作成、修正、発注、生産で、デザイン決定から約2週間の短期間で納品が可能となる。

セーレンのビスコテックス

ビスコテックスは、これまで自動車のインパネなどへの採用もあったが、家電とのコラボは今回が初となる。

販売についても、今回のように、ダイキンが国内のショールームで商品を販売するのは初。全ての実物のデザインパネルを手に取って色味や質感を確認できるようになっている。

【ラインナップと価格】

シンプルでも高機能なエアコン「risora」と「加湿ストリーマ空気清浄機」

risoraは、デザイン性と機能性の両立にこだわって、空気と空間両面での心地よさを実現したルームエアコン。

risora(左)と加湿ストリーマ空気清浄機(右)。写真はNatureシリーズの「タン」

薄型コンパクトながら、大型リビングに対応できる風量を備える。エアコンの主要部品と正面のパネルの細部までゼロから設計し、ムダを排除するためのシミュレーションにより、奥行き185mmの薄さを実現。部屋の高い位置にあるエアコンのデザインとして、正面パネルに隙間を設けることで、圧迫感のない軽やかなデザインに仕上げた。

「加湿ストリーマ空気清浄機(70タイプ)」は、シンプルで落ち着いた部屋になじむデザインと、静かな運転音や手入れのしやすさなどにもこだわった空気清浄機。適用床面積の目安は7m2/分。8畳を清浄する目安は9分。加湿量は700ml/時。

操作部や表示は天面に収め、どの角度から見てもインテリアにフィットするようデザイン。吸い込み口と吹き出し口が離れて配置されているため、効率的に広範囲のホコリを収集する。吹き出し口が大きいため風が柔らかい点も特徴。本体サイズは315×315×760mm(幅×奥行き×高さ)、重量は12.5kg。