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パナソニック、換気&加湿できるエアコンが進化。冷房の苦手な人に「しっとり冷房」
2022年9月28日 11:00
パナソニックは、換気や加湿機能を備えたエアコン「Eolia(エオリア) LXシリーズ(2023年モデル)」を11月10日より発売する。ラインナップは6~29畳用の全10機種で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は29万円~44万円前後。
冷房/暖房をしながら換気もできるエアコンの新モデルで、従来の給気換気に加え、排気換気機能も搭載して換気の効率を高めた。素早く冷暖房を行なう「極上冷暖房」が進化したほか、冷房時に除湿をしすぎない「しっとり冷房」も採用。冷房すると乾燥や手足の冷えが気になる人にも配慮した機能となっている。
【訂正】店頭予想価格を変更しました(9月29日)
換気が進化して高効率に
新機能の排気換気により、場面に合わせて適した換気が可能になった。例えば夏の暑い時は最初に排気換気することで暖かい空気を外へ出すなど、室内外の気温差に合わせて、効率的に換気をしながら部屋を冷暖房できる。
室外ユニットに2つの給排気切り替え弁を設け、3個の弁を開閉して風路を切り替えることで、空気漏れを最小限にしながら給気+排気の高い換気量を可能にした。切り替えはリモコンの「換気切替」ボタンで行なえる。換気量は給気換気が38m3/時、排気換気が30m3/時。
換気はCO2や菌、ウイルスなどを取り除ける一方で、デメリットとして外気に含まれる花粉やPM2.5などを部屋に入れてしまう可能性もある。そこで、独自の「全自動お掃除」(フィルターお掃除/ホコリレスコーティング/加熱乾燥/ナノイーX)で清潔を保ち、「ナノイーX“除菌”内部クリーン」でカビ菌などの除去も可能にする。
新たに、ナノイーX内部クリーンの効果として、エアコン内部の油分も低減することを検証。油成分の残存率を、ナノイーX(9.6兆個/秒)の場合は最大約41%、新しいナノイーX(48兆個/秒)は最大約74%低減したという。
エアコン上部には、抗ウイルスエアフィルターも搭載。Ag+(銀イオン)と抗ウイルス剤で、捕集した菌を抑制し、特定ウイルスの数を減少させる。このエアフィルターはSIAAの抗ウイルス加工の認証も取得している
暖房は朝昼夜、曜日ごとの運転を学習。すぐ温風が吹き出る
「極上冷暖房」は、暖房時に素早く足元から暖かくなり、霜取り中も暖房が止まらないもので、冷房時は素早く涼しくなり、快適で省エネを実現する機能。極上冷房の省エネ性能は従来比で10%向上させている。
朝にすぐ暖かくする「すぐでる暖房」は、毎日の運転ON時間を学習して準備運転する機能で、従来は朝のみで帰宅直後の夜や昼などは非対応だった。また、学習できるのは1パターンのみで、曜日で別にすることはできていなかった。
新しい「すぐでる暖房(AIチャージ)」は、朝+昼夜の電源ONに対応。朝昼夜に時間帯を区分して、それぞれの運転ON時間を学習する。また、曜日別にもON時間を学習して記憶。学習したON時間に合わせて、低Hzの予熱運転を行ない、ON時にすぐ温風吹き出しを可能にする。従来の暖房と比べて吹き出し40℃までの到達時間を30%短縮するという。予熱運転は各回最長2時間で、消費電力は350W。
加湿の量とスピードがアップ。除湿しすぎない冷房も
加湿機能も進化。構造変更による熱効率のアップや、ヒーターの仕様変更により、最大加湿量を従来の810ml/時から、新モデルでは860ml/時(4kW~8kWクラス)を実現した。
設定温度時の湿度を予測した独自の加湿制御により、加湿のスピードもアップ。湿度50%への到達時間を、従来モデルの60分に対し、新モデルは48分に短縮した。
冷房については、従来のエアコンでは「乾燥や手足の冷えが気になる」という不満があったことに着目。これは低室温時の過度な除湿が原因であるとして、冷房時の湿度低下を抑える「しっとり冷房」を新たに搭載した。
通常の冷房は設定温度ベースで湿度の目安はない一方で、「しっとり冷房」にすると、設定温度に加え、不快指数75前後と湿度上限70%に設定。運転開始時は設定温度まで一気に冷やし、安定時には熱交配管温度を独自に制御。手足先の表面温度の下がりすぎを防げるという。除湿を抑制するため、通常冷房より15%の省エネにもつながる。
一方で、除湿を重点的に行ないたいニーズにも対応し、温度低下を抑制しながら除湿量を高める「新・パーシャル制御」を採用。
従来のパーシャル制御は、熱交換器の除湿する/しない部分を作ることでごく弱い除湿を行なっていた。新・パーシャル制御は、熱交換器の構成を見直すことで、気温が低い時も温度の低下を抑制しながら除湿量を高め、安定温度時にプラス0.5℃となり、安定時の湿度を4%抑えるという。
スマホでWi-Fiを介してエアコンを操作できる「エオリア アプリ」もリニューアル。画面の情報を整理して直感的な操作をできるようにしたほか、親指操作のしやすさに配慮するなど改善を行なった。
室内機の本体サイズは799×385×295mm(幅×奥行き×高さ)。室外機は849×319×812mm(同)で室外機の高さは従来比で高さが10mmアップした。
LXシリーズのほかにも、「Xシリーズ」10機種を10月21日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は25万円~41万円前後(6~29畳用)。換気には対応しないが、すぐでる暖房(AIチャージ)や、抗ウイルスエアフィルター、新・パーシャル制御を搭載する。
【訂正】初出時、Xシリーズについて「換気が給気換気のみ対応する」としていましたが、Xシリーズは換気非対応でした。お詫びして訂正します(9月29日)