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三菱、風がイヤな人には当てない賢いエアコン

ルームエアコン「霧ヶ峰 Zシリーズ」の2023年モデル

三菱電機は、人の脈波を計測・解析することで感情を推定し、心地良い環境を目指すルームエアコン「霧ヶ峰 Zシリーズ」を、2023年2月に発売する。ラインナップは定格冷房能力2.2(6〜9畳向け)〜9.0kW(25〜38畳向け)モデルの12機種。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は278,000円前後〜448,000円前後(税別)。

ルームエアコン「霧ヶ峰 Zシリーズ」の室内機

従来からの赤外線センサー「ムーブアイ mirA.I.+(ミライプラス)」を搭載したうえで、室内にいる人の脈波を計測するバイタルセンサー「エモコアイ」を備えたエアコン。これまでの快適性と省エネ性の両立に加えて、気持ちに合わせて空気を整える空調を実現。「おまかせA.I.自動運転」に設定するだけで、自動で室温や体感温度、気流などを調整し、くつろぎやすい室内環境を整えるという。

赤外線センサー「ムーブアイ ミライプラス」とバイタルセンサー「エモコアイ」の役割分担について、同社の静岡製作所 営業部のルームエアコン販売企画グループの中洲次郎さんは、次のように解説してくれた。

「新機種でも、空調の制御をメインで行なうのは、赤外線センサー『ムーブアイ ミライプラス』です。まず、同センサーが、室内の温度、人がどこにいるかや人の温度を見ます。そのうえで、寒ければ温風を出して暑ければ冷風を出し、気持ちの良い空間を作るというのが、ベースとなっています」

中洲さんは、「ムーブアイ ミライプラス」での分析データをもとにした制御により、論理的には快適な空間が出来上がるという。ただし、あくまでも論理的には……というだけ。

「今回の『エモコアイ』では、人が本当に快適だと感じているのか? を確認し、主に気流の調整を行ないます。『エモコアイ』は、最終的なチェックを行なうということです。チェックをしたうえで、人が満足していれば、そのままの設定で運転しますし、まだちょっと不快に感じているなという場合には、風向きを変えて、直接風があたらないようにするなどの調整を行ないます」

「エモコアイ」で気持ちを推定し、自動で気流を調整する
従来からの、室温や人の位置や温度を検知する「ムーブアイ ミライプラス」も搭載する

改めてバイタルセンサー「エモコアイ」とは、脈波を取得する計測部と、計測データを解析するライブラリを1つのセンサー内に実装したもの。リストバンドなどの機器が不要で、近距離から6mまで非接触で計測できる。

なお「エモコアイ」の「エモコ」とは、「エモーション コンディショニング」の略だとする。

計測した脈波を解析することで、「集中度」や「リラックス度」、「眠気度」、「疲労度」といった人の感情を推定し、推定結果を見える化できるという。

搭載されたバイタルセンサー「エモコアイ」
本体前面の「emoco tech」と記された場所に「エモコアイ」が内蔵されている
「集中度」や「リラックス度」、「眠気度」、「疲労度」といった人の感情を推定できる

バイタルセンサー「エモコアイ」で、人の「集中度」や「眠気度」を推定できることを利用したのが、新搭載の「フレッシュモード」。リビングでの在宅ワークを想定したモードで、ユーザーの集中度を推定し、最適な空調で集中しやすい環境を創出するという。

前述の中洲さんは「フレッシュモード」とは「集中モード」とも言えると言いつつ、その仕組みを次のように語った。

「まず室内にいる人の脳の活動そのものが、活性化しているか低下しているかを解析します。集中力が上がっているか下がっているかを見るわけです。下がっている場合は、設定温度を少し下げつつ、その人に風を直接当ててあげます。刺激を与えて、ちょっと不快にしてでも目を覚ましてあげるような方向ですね」

「フレッシュモード」のイメージ

「霧ヶ峰 Zシリーズ(2023年モデル)」に対応する、別売の「換気ユニット」を同時発売する。「換気ユニット」を取り付けることで、換気機能(排気)の追加が可能。

リモコンの「換気」ボタンで運転のオン/オフや風量調整ができるほか、「ムーブアイ ミライプラス」が検知した在室人数に応じて換気量を自動で最適化する。

また「フレッシュモード(集中モード)」との併用で、換気により室内のCO2を排出し、より集中力が持続しやすい室内環境を作るという。

エアコン本体と連携する、別売の「換気ユニット」をラインナップする