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エアコンはつけっぱなし、毛布は布団の上? 三菱電機が冬の寝室環境を解説
2020年12月3日 16:30
気温が低く乾燥が気になる冬に、エアコンを活用した寝室の環境づくりについて、三菱電機の住環境に関する専門家や、睡眠環境プランナーの三橋美穂氏が解説。快眠のための要素や、エアコン設定、乾燥対策のテクニックなどを紹介している。
三菱電機は東京・大阪に住む男女600名に対し、冬の睡眠環境に関する意識調査を実施。調査によると、6割以上が冬の睡眠の質に満足しておらず、その理由として「朝寒くて起きるのがつらい」「乾燥でのどが痛い」「手足が冷えて眠れない」など、室内の環境が原因と思われる項目が挙げられたという。
睡眠環境プランナーの三橋美穂氏によると、真冬に熟睡できない原因は、寒さによって筋緊張が起こって血行が阻害され、身体の深部温度が下がらないことにあるという。寒いと掛布団を何枚も重ねて温かくしようとするが、掛けすぎると布団の重さで体が圧迫され、かえって血行が妨げられてしまう。同氏は寝室内の温湿度に関して、温度は18℃以上、湿度は40~60%がベストとしている。
三菱電機は睡眠時の室内環境をよくするための7つのテクニックを紹介している。
1.エアコンを一晩中つけておく
冬の睡眠時は室温を一定に保つため、エアコンはつけっぱなしがいいという。部屋を暖めておくことで、夜中のトイレや朝の布団から出るタイミングでも、寒暖差による健康面への影響が起きにくいとする。設定温度は18~23℃を推奨。また、エアコンをつけっぱなしにした際の乾燥対策として、風量を抑えた「ねむり運転」設定、保湿機能の活用や、風向きを人がいないところや下向きに切り替えることが有効だという。
2.外気をブロック
寝室が冷える一番の原因は「窓からの冷気」だという。室内の暖かい空気が窓際で冷やされ、床に滞留することで部屋全体が冷えていく。「窓からの冷気」を防ぐことで光熱費もを削減できるとする。窓の断熱対策としては、「断熱カーテンを床までかける」「窓に断熱シートを貼る」「内窓を取り付ける」などがおすすめとしている。
3.エアコンの乾燥対策と睡眠時のマスク着用
エアコンをつけると湿度を「40~60%」に保つのが難しいため、同時に加湿することを推奨している。加湿器の利用のほか、洗濯物の室内干しや観葉植物を置いても、加湿効果が期待できる。このほか、のどの乾燥対策としてマスクを着用する場合は、不織布よりも綿やシルクがおすすめ。繊維のあいだに水分を含むため、保湿性が高まるという。
また乾燥対策として、直接スチームを浴びるタイプの保湿機の利用もおすすめとしている。加湿器は部屋全体を加湿するため、睡眠時に連続使用するには大きなタンクを備えたものが必要となるが、顔周りに直接スチームを届ける保湿機は小型で場所を取らないとする。さらに一晩中運転しても、過度な加湿による窓や壁の結露を抑えられるという。
4.汚れた空気を換気
部屋の空気が汚れていると呼吸が浅くなり、睡眠の質が低下して疲れが残ってしまうことがあるという。エアコンをつける前に窓を開けて換気をするなど、きれいな空気を部屋に取り入れてから就寝することで呼吸も深くなり、疲れが残りにくくなるとしている。
5.布団を事前に温めておく
冷たい布団に入ると筋肉が収縮して、深い眠りに入るための体温の放熱ができず、結果的に寝付きが悪くなるという。寝る前に布団の中が人肌くらいに温まるように、布団乾燥機や湯たんぽの利用を勧めている。
6.毛布は羽毛布団の上に。寝具の順番も大切
羽毛布団は体温の力で膨らみ、内部に熱をキープするため、身体に直接触れるように使うのがおすすめという。さらにマイクロファイバー毛布を上からかけ、羽毛布団を体に密着させることで、肩口からの冷気を防げる。それでも寒い場合には、ウール、カシミア、キャメルなど動物の毛の毛布を羽毛布団の内側に敷くと、蒸れることなく温かさを保てるとする。一方、綿の掛ふとんは温まりにくいため、毛布を掛ふとんの内側に敷き、身体に密着させるのがいいとする。
7.肌着はパジャマのズボンの中に入れる
寒がりの人は、背中の保温性を高めるように心がける。横向きになったときに、背中と掛け布団のすき間から冷気が入りやすいため、寒くて途中で目が覚めやすくなる。対策として、肌着の内側にフェイスタオルを入れると、保温や保湿効果が期待でき、熟睡感がアップするという。パジャマのズボンに肌着の下部を入れ込むことも効果的とする。