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地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは

 ダイキン工業は、空間に調和するスタイリッシュエアコン「risora(リソラ)」のデザインに焦点を当てた説明会を開催した。会場には、risoraのデザイン顧問である、Water Design 代表取締役 坂井 直樹氏や、ダイキン工業のデザイン担当者などが登壇。空間におけるデザインの役割や、同社のデザインフィロソフィについて語った。

地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは スタイリッシュエアコン「risora」。2018年3月に発売予定
スタイリッシュエアコン「risora」。2018年3月に発売予定

 リソラは、7つのカラーバリエーションをそろえたルームエアコン。「理想の空間の一部になり、心地よさを届ける」をコンセプトに、インテリアに馴染む形状や素材の質感などのデザイン性と、最上位機種と同等の機能性を追求したという。

 室内機は、圧迫感をなくすために業界最薄の奥行き185mmを実現。前面パネルはマットな質感やツヤ感を出し、高級感あふれる7種類のバリエーションを揃えた。木目調で空間を引き締める「ブラックウッド」をはじめとした、「ラインホワイト/グレイッシュブラウンメタリック/ファブリックホワイト/ツイルゴールド/ソライロ/フォレストグリーン」を用意する。

地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは 7種類のバリエーションを用意
7種類のバリエーションを用意
地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは ツイルゴールド
ツイルゴールド
地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは ブラックウッド
ブラックウッド

デザインに投資する会社は成功している。坂井 直樹氏が考えるデザインとは

地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは Water Design 代表取締役 坂井 直樹氏
Water Design 代表取締役 坂井 直樹氏

 リソラのデザイン顧問を務めた、Water Design 代表取締役 坂井 直樹氏は、デザインについて以下のようにコメントしている。

 「デザインというと装飾性と思われがちですが、私は社会的な機能に注目しています。デザインを経営資源として投資する会社は、強いブランドを作り上げ成功していますよね。特に、Appleやダイソンは経営者がデザインを理解しています。ダイキンのデザイン顧問は数年前から担当しており、デザインがダイキンの経営資源となるようにサポートしてきました。その中で誕生したのがリソラです」

 空気や空間におけるデザインの役割としては、「リソラは7つのバリエーションの中で、暗い色も採用しています。これは、空間の中でいかに見る者の負担なく存在できるか、よく考えて練った結果です。エアコンにおいては、製品自体ではなく人間が主役です。その空間の中で、シックに存在することを目指しました」と語った。

 「イノベーションというのは、次のスタンダードを作る行為です。例えば、私がデザインし1987年に発売された日産の小型車『Be-1』は、今見ると普通のデザインですが、当時は奇抜といわれました。革新的なデザインによって、次の時代の原型が生まれるのです。ユーザーが本当にほしいことってなんだろうと考え、それを形にするとブームになります。リソラは、次のスタンダードになるべく作り上げました」(坂井氏)

地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは 1987年に発売された日産の小型車「Be-1」。当時は奇抜なフォルムと言われていた
1987年に発売された日産の小型車「Be-1」。当時は奇抜なフォルムと言われていた

 機能面は、同社のルームエアコン最上位機種「うるさら7」で好評の、人に風を当てずに夏はすばやく涼しく、冬は足もとから暖かい「天井気流」や「垂直気流」を搭載。このほか、設定温度到達後も快適な空間をキープする「プレミアム冷房」や、衛生面に配慮した「ストリーマ内部クリーン」なども備える。

地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは 天井気流や垂直気流を搭載
天井気流や垂直気流を搭載

省エネ性の高まりからルームエアコンは大きくなり、空間に調和しないものに

地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター 先端デザイングループ リーダー主任技師 関 康一郎氏
ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター 先端デザイングループ リーダー主任技師 関 康一郎氏

 リソラの開発背景について、ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター 先端デザイングループ リーダー主任技師 関 康一郎氏は以下のように語った。

 「昨今、省エネ性の高まりからルームエアコンはどんどん大きくなり、空間に調和しなくなっていきました。そこでダイキンでは、2016年にインテリアとの調和をコンセプトにした『UXシリーズ』にチャレンジしたのです。住宅用マルチエアコンのラインナップとして展開したもので、販売台数こそ多くありませんでしたが反響は大きく、そこから空間と調和するエアコンに注力するようになり、リソラが生まれました」

 また、リソラのデザインについては、「一見すると地味に思われるかもしれないですが、そういうものだからこそ暮らしに溶け込むと思います。主役はエアコンではなく、ユーザーの欲しい生活、それをつかさどる空間です。ユーザーが生活する空間におさまって、初めてデザインが完成します」と述べた。

地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは 2016年に発売した「UXシリーズ」。インテリアとの調和をコンセプトにした
2016年に発売した「UXシリーズ」。インテリアとの調和をコンセプトにした
地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは リソラは、シンプルなデザインで暮らしに溶け込むことを目指したという
リソラは、シンプルなデザインで暮らしに溶け込むことを目指したという

 リソラは、停止時だけでなく稼働時の見た目にもこだわっている。前面パネルは、側面の両端を絞りこむデザイン加工で圧迫感を軽減。リモコン受光部は、デザインのノイズにならないように面積を小さくしており、センサーもやわらかい造形でまとめあげ、運転中こそ美しくなるようにしたという。

 また、コンパクトな室内機は運転音が大きくなりがちだが、新開発した多連結ソウエッジクロスフローファンにより、連結部を従来ファンの約2倍にして、ファンからの発生音を分散。異音を抑えられ、使用時の心地よさを可能にしたという。

地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは 側面の両端を絞りこむデザイン加工で、圧迫感を軽減している
側面の両端を絞りこむデザイン加工で、圧迫感を軽減している
地味だけどスタイリッシュ。坂井直樹氏がダイキンのエアコン「リソラ」に込めた思いとは 多連結ソウエッジクロスフローファンにより静音化
多連結ソウエッジクロスフローファンにより静音化

 発売は2018年3月を予定しており、ラインナップは、大手家電量販店向けとして、容量2.2kW~7.1kWの8機種を用意。価格はオープンプライス。店頭予想価格は13万~28万円前後(税抜)。カラーは、ラインホワイトとグレイッシュブラウンメタリックの2色展開。

 住宅設備向けは7色展開で、いずれも容量2.2kW~7.1kWを用意。価格は28万~67万円(税抜)。

 このほか、2018年4月には、1台の室外機に複数の室内機を接続できる、住宅用マルチ壁掛け形も展開。容量2.2kW~5.6kWを用意する。室内機のみの価格は、12万~22万円(税抜)。