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高性能モデルもスタイリッシュに。ダイキンが空気清浄機のデザインにこだわり始めたワケ

 ダイキン工業は、デザインをブラッシュアップした「加湿ストリーマ空気清浄機」のメディア向け説明会を開催した。10月28日の発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、適用床面積31畳でリビング向けの「MCK70T」が60,000円前後、25畳タイプでスリムタワー型の「MCK55T」が55,000円前後(税抜)。

適用床面積31畳の「MCK70T」(左)と、25畳の「MCK55T」(右)

 いずれもインテリアに合わせやすいデザインを採用した加湿空気清浄機。機能は従来モデルと同等だが、「きれいな空気を作る箱」をデザインコンセプトに、製品単体だけでなく空間全体の見え方も考慮。

 新モデルでは特に、リビング向けの「MCK70T」(適用床面積:31畳)において、デザインをブラッシュアップした。壁や床に馴染みやすい直線的なフォルムを採用し、リビングで違和感なく佇み、きれいな空気を提供し続けるイメージをフラットなデザインで表現したという。

リビング向けの「MCK70T」をブラッシュアップ。直線的なフォルムでリビングに違和感なく佇むという。カラーはホワイトとダークブラウン

店舗でまず興味を持たれるのは機能よりもデザイン

ダイキン工業 空調営業本部 事業戦略室 住宅用事業担当課長 谷内 邦治氏

 同社の調査によると、ユーザーが空気清浄機を購入する際に最も重視するのは性能だが、それに次いでデザインも選ぶきっかけになっていることがわかった。住空間のデザインに対する意識の高まりから、空気清浄機に対してもインテリアに合う製品が欲しいなど、デザインを重視する人が増加しているという。

 ダイキン工業 空調営業本部 事業戦略室 住宅用事業担当課長 谷内 邦治氏は、「実際にお客様が、店舗で空気清浄機を見たときに、最初に興味を示すのがデザインです。新製品では、インテリアに合うことを考え、空気清浄機の存在感がありつつも、空間に溶け込むデザインにこだわりました」と述べる。

 また、2015年に発売したスリムタワー型(適用床面積:25畳)が好評だったことも理由として挙げられている。

 「スリムタワー型が受け入れられたことで自信を持て、デザイン性というニーズがあることを確証しました。スリムタワー型は設置面積がコンパクトで、寝室や子供部屋向けの製品です。今回リビング向けとしている、31畳タイプの高性能モデルにもデザイン性を取り入れたことで、選択の幅を広げました」(谷内氏)という。

25畳タイプのスリムタワー型が受け入れられたことで、31畳タイプの高性能モデルにもデザイン性を取り入れた

 31畳タイプのカラーは、ホワイトとビターブラウンの2色を用意。直線的でシンプルなデザインが、あらゆるリビングにマッチするという。

 なお、スリムタワー型「MCK55T」においては、カラーバリエーションを変更。従来のホワイトとディープブラウンに加えて、新たにマルサラレッドを追加し、3色展開となる。マルサラレッドは、前面のみレッドを配色し、サイドはブラックのバイカラー仕様。主張しすぎないカラーにしたという。また、フィルターは従来の高性能フィルターから進化し、静電HEPAフィルターを採用。

スリムタワー型は新色としてマルサラレッドを追加

従来より好評の機能は継続

 デザインを一新したが、従来より好評の機能は継承。MCK70Tは、同社の加湿ストリーマ空気清浄機において最上位モデルにあたり、3方向によるパワフル吸引や、電気集じんと静電HEPAフィルターを組み合わせた集じん方式などが特徴。

 3方向吸引では、両サイドのほか、本体底部にも吸込み口を備える。これは、落下速度が速く床に溜まりがちな花粉などを吸い込むためだという。

吸い込み口を両サイドと底部に備える

 本体内部はダイキン独自の構造を採用。最も空気を吸い込む両サイドに、ホコリやダニのフンなどのアレル物質をプラスに帯電させる「プラズマイオン化部」を備える。

 プラス化したアレル物質は、そのままマイナス帯電部の静電HEPAフィルターに吸着。強力な磁石のようにくっつくため、アレル物質はフィルターの繊維に吸着し、目詰まりがしにくく風が通りやすくなるという。これにより、集じん効率が落ちにくく、フィルターの交換目安とされる10年目まで使用しても、パワフルに集じんできるとしている。

 最大風量は7m3/分で、8畳の空間をキレイにする時間は約9分。

アレル物質をプラスに帯電させる「プラズマイオン化部」
両サイドの「プラズマイオン化部」を通って、マイナス帯電部の静電HEPAフィルターに吸着
アレル物質は強力な磁石のようにフィルターの繊維にくっつくため、目詰まりがしにくいという

部屋の空気だけでなく本体内部の清潔さにも着目

 また、上部には有害ガスやニオイを分解させる「ストリーマユニット」を搭載。プラズマ放電の一種であるストリーマが高速電子を放出して、空気中の窒素や酸素と衝突・合体し、分解力を持つ分解素を生成。MCK70Tのメインフィルターとなる静電HEPAフィルターでは、0.3μmの微小な粒子を99.97%除去できるが、物質に付着した有害ガスはそのまま通り抜けてしまうことがある。ストリーマを搭載することで、有害ガスも分解できるという。

 脱臭フィルターに吸着したニオイも、ストリーマで分解可能なため、交換不要としている。脱臭フィルターには、穴のあいた活性炭が備えられており、ここにニオイ成分が吸着する。一度ニオイを吸着して活性炭の穴が埋まってしまうと、再生することはなく、定期的に交換する必要がある。しかし、MCK70Tではストリーマによりニオイを分解して活性炭の穴を復活させられるため、脱臭能力が持続し、手入れ・交換が不要だという。

ストリーマユニット
脱臭フィルターの脱臭能力を持続させられ、手入れ・交換が不要

 谷内氏は、「空気清浄機は空間をキレイにすることが重視されますが、私達はそれだけでなく、空気清浄機自体の内部の清潔さにもこだわっています」と話す。

 加湿する水の清潔さにもこだわり、水トレー内の加湿水にもストリーマを照射して細菌を抑制。水トレーには銀イオン剤も搭載している。なお、水トレーは約1カ月に1回の手入れを推奨。

 加湿モードは、「高め・標準・ひかえめ」のほか、自動で部屋の湿度を高めにキープする「のど・はだモード」を備える。

水トレーと加湿フィルター

空気の汚れや温湿度から最適な運転をしてくれる「おまかせ運転」ボタン

 このほか、継続する機能として、PM2.5・ホコリ・ニオイを検知する「トリプル検知センサー」を搭載。ハウスダストをすばやく検知して吸引、しっかり分解するという。PM2.5にも対応しており、0.1μm~2.5μmの粒子を99%除去する。

 新機能では、「おまかせ運転」ボタンを搭載。風量や加湿量を選択することなく、ほこりやニオイ、温湿度センサーなどにより、自動で最適な運転をしてくれる。空気清浄や加湿の必要がないときは「みはり運転モード」となり、定期的にファンを動かし空気の状態をチェックすることで、無駄なく必要な時だけ運転をする。

 本体サイズは、395×287×600mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約12.5kg。最大消費電力は75Wで、運転音は54dB。加湿能力は630ml/時。

操作部